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粘菌にネットワーク構築の性質。 物流経路の設計に応用可能

2010. 2.20



映画「風の谷のナウシカ」は、コミックス全7巻(amazon)のうち、
2巻までが、宮崎 駿 さんのアニメ映画になりました。
(原作は、宮崎駿直筆の7巻のマンガです)

あとの巻になると、 粘菌 が大暴れします。

風の谷のナウシカ 7 51G3WX50FSL._SL500_AA240_
        風の谷のナウシカ

それ以来ずっと
粘菌ってなんだろう? と思っていました。


              
粘菌の研究といえば、驚異的な記憶力と読書家で博覧強記で有名な菌類学の
南方 熊楠 みなみかた くまぐす (wiki) さん だそうですが、
粘菌 (wiki) は、動物と植物の特徴を併せ持つ不思議な生き物らしいです。


 この粘菌の記事が出ました。

■ 「粘菌」エサの駅つなぎ首都圏そっくり鉄道網      2010年1月22日 読売
■ 粘菌:ネットワーク構築の性質、物流経路の設計に応用可能 2010.1.22 中日
■ 粘菌が描く「路線図」エサ求め伸縮・最適網、北大など実験  2010.1.22 日経





粘菌には、エサを求めて伸縮し最適な網をつくる、ネットワーク構築の性質があって、
それを応用すると、物流経路の設計に 応用可能になるかもしれないそうです。

小さな単純な生き物にも、驚くほど深い叡智が入っていて不思議です。




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「粘菌」エサの駅つなぎ首都圏そっくり鉄道網      2010年1月22日 読売

「粘菌」と呼ばれる単細胞生物が鉄道網のような高度なネットワークを構築する能力があることを、北海道大学の手老(てろう)篤史研究員らが突き止めた。  実験で、粘菌が首都圏鉄道網のミニチュア版そっくりに変形していく様子を確認した。22日付の米科学誌「サイエンス」に発表する。
粘菌は、胞子から小さなアメーバが生まれ、アメーバ同士が融合して、変幻自在に伸びるネバネバの集合に育つ。実験では、関東地方をかたどった容器(縦21センチ、横17センチ)の中で、横浜や千葉など首都圏の主要36駅に当たる位置にエサを配置。東京都心に粘菌を置いた。粘菌はエサを求めて広がり、次第に実際の鉄道網のようになった。
粘菌が変形した「鉄道網」を分析すると、輸送効率やアクシデント時の迂回(うかい)路の確保といった点で、実際のJR鉄道網より優れたところがあるという。手老さんは「数億年を生き抜いてきた能力が巧妙な『鉄道網』を構築した」とみる。

20100121-115822-1-N「粘菌」と呼ばれる単細胞生物が鉄道網のような高度なネットワークを構築

「粘菌」と呼ばれる単細胞生物が鉄道網のような高度なネットワークを構築20100121-115872-1-N

「粘菌」と呼ばれる単細胞生物が鉄道網のような高度なネットワークを構築20100121-115891-1-N
東京都心に置いた粘菌(上)は、エサを求めて広がり(中・8時間後)、
鉄道網のような姿になる(下・26時間後) = 手老さん提供




粘菌:ネットワーク構築の性質、物流経路の設計に応用可能 2010.1.22 中日

脳を持たない単細胞生物の粘菌を関東地方の形をした寒天上で育てると、実在の鉄道路線に似たエサを輸送する経路を作った。北海道大、広島大など日英の共同研究チームは、輸送効率や頑強性などは実際の鉄道以上に優れていることもあると分析。粘菌の経路を数値計算で再現し、物流や情報のネットワークの設計・評価に応用できるとしている。22日付の米科学誌「サイエンス」で発表した。

真正粘菌は環境によってアメーバ状の変形体になる。
複数のエサがあれば各エサを囲む小集団を作り、その間を管状の経路でつなぐ。北海道大の手老(てろう)篤史・科学技術振興機構専任研究員(数理生物学)と中垣俊之准教授(生物学)らは関東地方の形にした寒天を利用。JR東日本の主要駅に相当する約30カ所にエサを、山手線内の部分に大きなエサと真正粘菌モジホコリの変形体を置いて繰り返し実験した。

1~2日後に主要駅を結ぶ経路が完成。
毎回異なる形状になったが、経路には▽全長はなるべく短くなる▽利用の多い経路が太く発達する▽切れた場合の迂回(うかい)路がある--などの共通点があった。 さらに粘菌の光を避ける性質を利用し、標高の高い場所など鉄道を建設しづらい場所に光を当てた。その結果、鉄道なら建設費用が最小限ですむような最適経路を作った。実際の鉄道路線とよく似た経路を作ることもあったという。

研究チームは管の太さや輸送量などを再現する数式を作り、改めて各経路と鉄道路線を比較。
効率性、費用、頑強性の3項目で評価すると、粘菌は各項目をバランスよく満たし実際の路線より優れた経路を作ることもあった。手老さんは「移り変わる自然環境の中で数億年生き延びてきた粘菌は、変化に柔軟に対応し、適切な経路を作る。粘菌に学ぶことで、機能的で合理的な都市間ネットワークやインフラ整備が可能になるのではないか」と話している。【須田桃子】

粘菌:ネットワーク構築の性質 20100122k0000m040143000p_size6

側は、光をあてない場合(A)と
標高の高い場所や湖に相当する場所に光をあてた場合(B)の粘菌ネットワーク。

側は上から、Bのネットワークを点と直線で図示した結果(C)、
実際の鉄道路線(D)=サイエンス誌提供




粘菌が描く「路線図」エサ求め伸縮・最適網、北大など実験  2010.1.22 日経

 単細胞生物の粘菌がエサの栄養分を体内に巡らせる際、アメーバのように体を伸び縮みさせて効率的な“輸送網”を形成することを、科学技術振興機構(JST)や北海道大学、広島大学の研究チームが実験で突き止めた。下等な生き物の知的な振る舞いとして話題になりそうだ。論文が22日発行の米科学誌サイエンスに掲載される。 粘菌は落ち葉の下で暮らし、薄くシート状になった体を数十センチも広げる性質がある。 




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 オームライス 2007072F032F922Ff00642925F225227602Ejpg
 オーム(王蟲)ライス 飛行機雲 さんより
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■ オームライス でグーグル検索
   さすがに、粘菌モノはない模様
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 ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット 51ccighyRXL._SL500_AA240_ (amazon)

 木々を愛で 虫と語り風をまねく 鳥の人。
 そのもの 青き衣をまといて 金色の野に降りたつべし。
 失われた 大地との絆を 結ばん。






映画もマンガ版も好きですが、科学の進歩を否定する面があって、
それが 無意識に 子供に刷り込まれるのは困るなぁ。

人は科学の力を伸ばすことで、
自然環境を より力強く守っていける。


そういう明るい未来が描かれてるといいんですけど、
宮崎駿 さんですから (笑) 


おりしも、福島の原発事故でのセシウムへの過剰反応というかヒステリーが
ようやく静まってきた折りに放映されるのも、タイミングがなぁ… と思いつつ




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コメント
発酵と腐敗は紙一重
以前テレビで納豆の菌が砂漠の緑化に役立つというのをチラッと見ました。
日本にはしょうゆ、みそ、酒、ぬかなど発酵食品がたくさんあります。これらは微生物や細菌などがバランスよく働いてできるものだそうです。(戦後は人工物などで大量生産にかわったそうです)
やはり、ここにも日本の叡智が潜んでいると思います。
本来の発酵技術を取り戻し、良い発酵食品を食べる事でアレルギーや病気もいくらかは防げると思います。
おすすめ本 発酵道 寺田啓佐
2010/01/22(金) 12:21 | URL | 伝次郎 #Tlxy73gQ[ 編集]
イグ・ノーベル賞
北大大学院の中垣俊之准教授たちの研究グループが、
粘菌が餌にありつくために最短距離で迷路を通りぬけるという論文で、
2008年のイグ・ノーベル賞を受賞してます。
粘菌の研究、受け継がれて発展してるんですね^^
2010/01/22(金) 19:25 | URL | ちかおばちゃん #-[ 編集]
伝次郎さん コメントありがとうございます。
.


伝次郎さん 
コメントありがとうございます。


納豆の菌が砂漠の緑化ですか、
これは面白そうです。


おすすめ本 発酵道
ご紹介ありがとうございます。

amazonの書評に
「微生物の生き様は、それ自体が無償の愛であり、宇宙であるのですね。 」と一文がありました。
http://www.amazon.co.jp/%E7%99%BA%E9%85%B5%E9%81%93%E2%80%95%E9%85%92%E8%94%B5%E3%81%AE%E5%BE%AE%E7%94%9F%E7%89%A9%E3%81%8C%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C%E3%81%9F%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9-%E5%AF%BA%E7%94%B0-%E5%95%93%E4%BD%90/dp/4309907458/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1264201726&sr=8-1


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2010/01/23(土) 08:10 | URL | いの #-[ 編集]
ちかさん コメントありがとうございます。
.


ちかさん
コメントありがとうございます。


粘菌の研究って、これ以前の研究モノがあったんですね。
しかも、賞まで受賞しています。


粘菌が餌にありつくために
最短距離で迷路を通りぬける???


粘菌 すごいです。



粘菌に脳はないんですが…

脳って何だろう?
記憶? 判断? 粘菌は… と思っていると


そういえば幽霊は
「むかしこんな目にあった… うらめしや」ですから
幽霊のことを考えたら
記憶はどうやら脳にだけあるのではなさげです。

別次元にも、霊やスピリット用に、記憶メモリーかなにか
あるのかもです。


.
2010/01/23(土) 08:17 | URL | いの #-[ 編集]
No title
.

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■ 栄えある?「イグ・ノーベル賞」受賞 「迷路を解く粘菌」って?! 
    中垣俊之・北大准教授ら研究
  2008/10/10  北海道新聞
 http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/kawaraban/39680.html

日本人科学者のノーベル賞受賞が次々と伝わる中、ユーモアにあふれた研究に贈られる「もう一つのノーベル賞」イグ・ノーベル賞を受賞した北大電子科学研究所の中垣俊之准教授(45)が、ボストンでの授賞式を終え帰国した。受賞理由の「迷路を解く粘菌」とは、どんな研究なのか、中垣さんを訪ねた。(佐藤千歳)



 「単細胞」だけど… 最短経路導く賢さ


 猫楠(ねこぐす) 粘菌って一体なんだ

 熊楠 粘菌は動植物ともつかぬ奇態な生物や。英国の学者なぞは宇宙からきたお方じゃないかというとる

 猫楠 へえ- なんでそんなもの観察するんだ

 熊楠 生死の現象、霊魂の研究にはもってこいの材料や…


                      (漫画「猫楠」より)



中垣さんは本棚から水木しげるの「猫楠」をスッと取り出した。

 「なぜ粘菌を研究するのか-。水木さんの説明に僕はまったく同感なんです」

 「猫楠」は、粘菌研究で有名な南方熊楠(みなかたくまぐす)(1867-1941)の一生を、熊楠の飼い猫の猫楠の視点で描いた作品。

 粘菌は分類上は原生生物だが、胞子による繁殖は植物のようで、脈動しながらゆっくり動くのは動物のよう。

 性別も「雌雄ではなく五つほどある」と中垣さん。大きさは数ミリ程度で、栄養が十分なら核分裂を繰り返して畳一枚分にもなる。

 単細胞で脳も神経もなく、大きさも性別も、生物学上の分類さえも融通無碍(ゆうずうむげ)な生物。

 その粘菌が、人間でも難しい迷路のパズルを解く。これがイグ・ノーベル賞認識科学賞を受けた中垣さんらの発見だ。

 実験では、寒天の上に作った迷路全体に、小さい粘菌を三十個、等間隔で置いた。ばらばらの粘菌は脈動しながらお互いに融合し、一つにつながり、全体に広がった。

 次に迷路の端二カ所に餌を置く。八時間後、粘菌は二カ所の餌を結ぶ最短経路だけに残った。

 中垣さんは、粘菌が最短距離を見つけた仕組みをこう説明する。

 「粘菌を管として考えます。管に多量の水が流れると管はより太くなり、さらに水量が増す。逆に流れが小さくなると管は細くなり、より流れが小さくなって最後は消滅する」

 こうして迷路では粘菌が最短経路に集まった。

 「最短経路だけに管を残し、残りの粘菌が餌に集まれば、粘菌は餌を多量に早く食べられ、なおかつ粘菌同士は一体でいられる。粘菌には、生理的な欲求をうまく最適化する能力があるんです。迷路は、その力を人間にも分かるよう表現する実験でした」

 効率性と安全性両立させる知恵 交通網設計などに応用も

 中垣さんにとって迷路はほんの入り口だ。

 「単細胞の粘菌はどこまで賢いのか、なぜその賢さが作り出されるのか-。粘菌を材料に、生き物の情報処理の仕組みを研究したいのです」

 こんな実験もした。

 培地に、三個以上の餌を置く。粘菌は迷路の実験のように最短距離を結ぶか?

 結果は違った。

 粘菌は、丸く、複数の経路を持つ管を作った。「最短経路だと一カ所故障したら必ず孤立する場所が出ます。だから粘菌は、一カ所が故障しても全体はつながり、なおかつ距離がなるべく短い経路を作ったのです」

 この粘菌のモデルは、交通網や上下水道といった社会基盤の設計に応用できるという。

 「粘菌は、最短距離という経済性・効率性と、安全性・対故障性という相反する原理を妥協させ、双方を適度に満たす経路を作れるのです」

 すでに中垣さんは北大の学生と、粘菌に北海道の交通網を設計させる実験も行った。

 北海道の形をした寒天の培地を用意し、札幌や旭川、函館といった主要都市の位置に餌を置き、粘菌の動きを見る。

 餌を求める粘菌が作った道と、人間が設計した国道は必ずしも重ならない。効率性と安全性を兼ね備えているのはどちらか、つい比べたくなる。

 いずれにしても中垣さんは、この過程を方程式を用いて数理モデル化することを試みている。モデル化により、いちいち粘菌と寒天を使わずとも、最適なネットワークを設計できるようになる。

 皮肉たっぷりに贈られることもあるイグ・ノーベル賞だが、中垣さんらの研究は極めて学術的なものだ。

 「今年の春、『賞をあげようと思いますがいりますか』って電子メールが来たときは、正直迷いました」

 共同受賞した六人の中には「うれしくない」という仲間もいたが、中垣さんは受けることにした。「僕はしゃれが大好きなので。とにかく授賞式に行ってみたかった」

 今月二日、ボストンのハーバード大で開かれた授賞式。

 「面白かったんです! 客席から紙飛行機がどんどん飛んできたり、余興の出し物があったり、大がかりな学芸会みたいでした。しかも余興をしたのはノーベル賞学者」

 ロダンの「考える人」が横倒しになった表彰状を手に、中垣さんが顔をほころばせた。

 猫楠 するとおめえ“研究”ということに名をかりた“学問の遊び人”だな…

 中垣さんお気に入りの「猫楠」で、粘菌をめぐる対話は猫のこのせりふで終わる。

 学問に笑いと遊びを、という心意気。迷った末に、中垣さんがイグ・ノーベル賞を受けた理由が、よく分かる気がした。




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日本では「カラオケ」や「牛ふんバニラ香料」に 遊び心と独創性特徴

■イグ・ノーベル賞  「人びとを笑わせ、そして考えさせる研究」を対象に、独創的な研究を行ったり、珍しい社会的事件などを起こした個人や団体に贈られる。1991年創設。ノーベル賞のパロディー版も意識しているが、主催者にはノーベル賞受賞者もいる。

 日本人では、カラオケの発明で知られる井上大佑さんが2004年に「お互いを寛大に許し合う、まったく新しい方法を提供した」として平和賞、05年に発明家のドクター中松こと中松義郎さんが「34年間にわたり、自分の食事を撮影し、分析した」として栄養学賞、昨年は研究者の山本麻由さんが「牛ふんからバニラ香料を抽出した」として化学賞を受けた。

 ときに社会風刺を意図した授賞もあり、1996年にはシラク元仏大統領が「広島への原爆投下から50年の記念すべき年に太平洋で核実験を行った」として平和賞を受けた。

 賞金はなく、授賞式に出席しない受賞者もいる。


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2010/01/23(土) 10:30 | URL | 記名なし #-[ 編集]
No title
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■ 「粘菌の知性」を解明:記憶や予測も可能なネットワーク WIRED VISION 2010年2月16日
 http://wiredvision.jp/news/201002/2010021623.html

モジホコリが「イギリス」にネットワークを広げる様子。実際の自動車道路のネットワークとよく似た経路を取るという。Andy Adamatzky氏の研究 (2009年12月)より



モジホコリ(学名Physarum polycephalum)という真性粘菌(変形菌)の一種は、内部に多くの核を持つ単細胞生物だが、この生物の中には驚きが詰まっている。

モジホコリは[変形体となって]大きく広がり[時速数センチメートルで移動]、時には1平方フィート(929平方センチメートル)にもなることがある。[変形体は摂食により成長するが、核が分裂しても変形体そのものは分裂せず、次第に多数の核を含む大きな一つの細胞質のかたまりとなる]

2月8日(米国時間)に『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)ウェブサイトで発表された研究論文において、モジホコリは人間よりも栄養摂取のバランスを保つ能力に長けていることが明らかになった。

また1月には、日本の[関東地域の]都市の位置関係を模して餌を配置したところ、モジホコリが非常に効率のよい餌の輸送経路を形成したという研究成果が発表された。

粘菌に東京を模したパズルを解かせた北海道大学の中垣俊之准教授は、そろそろ「単細胞生物は馬鹿だ、というわれわれの馬鹿げた認識を改めるべきだ」と語っている。[プレスリリースによると、実際の鉄道ネットワークより輸送効率が良いことや、アクシデントに強いことがわかったという]

さらにモジホコリは記憶を有することも判明しており、その情報処理能力はバイオコンピューターに活用できると考えられている。

[中垣准教授は、人工的に迷路を作り、その中の2箇所に餌を置くと、変形体は迷路の中の2箇所の餌場を結ぶ最短距離を結ぶ原形質のひも状の形態をとるという2000年の研究で2008年のイグ・ノーベル賞も受賞している。2008年には、モジホコリが周期的な環境変動の記憶を持ち、予測できることも明らかにした。現在は「アメーバ・ロボット」の開発に取り組んでいる]

[こういった粘菌の「知性」は、どのようなメカニズムで形成されているのだろうか。別の粘菌でも研究が行なわれている。]


(左)キイロタマホコリカビの生活環[次第に集まり、合体したものが変形して胞子を飛ばす]、(右)[粘菌の]化学的シグナル伝達によって形成されたラセン波パターン。
Image credit: (左) Larry Blanton、(右) Marcus Hauser

キイロタマホコリカビ(学名Dictyostelium discoideum)は、細胞性粘菌の一種として知られるアメーバ状の生物だ。単細胞生物だが、食糧がなくなると大勢が合体して1匹のナメクジのようになり、養分を探して移動し、最終的にはキノコの柄のような構造を形成してその先の胞子を飛ばし、[その胞子が発芽して]また同じサイクルを初めから繰り返す[(2)で動画掲載]。

Brandon Keim

(1)から続く

キイロタマホコリカビの研究は、1950年代に大きく進展した。プリンストン大学の生物学者John Bonner氏の研究により、粘菌の細胞が集合体形成の指令を出すシグナル伝達に用いている化学物質[環状アデノシン一リン酸(cAMP)]が発見されたのだ。

当時の研究者たちは、一部の専門化した細胞が、このプロセスを制御していると考えていた。しかしその20年後、著名な数学者アラン・チューリングによる、単純な法則が複雑な構造を生み出すことについての研究に着想を得た研究者たちが、粘菌の複雑な集合体は、一部の細胞が中心となって制御しているのではなく、個々の細胞どうしの相互作用による結びつきからなっていることを明らかにした。

[コロニーの創始者となる一つの細胞がストレスへの応答でcAMPを分泌し始めると、
他の細胞はこのシグナルを受け取り、シグナルを周囲のアメーバに中継し、最もcAMP濃度の最も高い所へ移動させていくことで集合していく。以下は、Bonner氏の研究を紹介する動画で、キイロタマホコリカビがどのように変形するかも見せている]


2009年に著書『The Social Amoebae』(社会的なアメーバ)を刊行したBonner氏は、次のように語る。

「今から50~60年前の生態学は、諸生物に関する事実がコレクション的に存在する状態だった。そこへ登場したのが、[米国の生態学者]Robert Macarthur氏だ。Macarthur氏はごく単純な数式を用いて、生物にこれほどの多様性が生じるメカニズムを示唆した。それは、この世界を全く新しい方向から考える道を開くものだった。そして私は、粘菌の研究についても同様なことが起こると考えている」

キイロタマホコリカビのゲノムは5年前に解読され、それ以降、この生物の遺伝子および分子のメカニズムに関するデータが着々と蓄積されている。最新の数理モデル手法を適用することで、粘菌のネットワーク形成の法則がついに明らかになるかもしれない。

同じくプリンストン大学の生物学者Ted Cox氏が1月4日(米国時間)に『Nucleic Acids Research』誌ウェブサイトで発表した論文は、遺伝子を活性化させるタンパク質が、DNAのある領域から別の領域へとどのように移動するのかという問題に関する最新の研究成果だ。

キイロタマホコリカビの細胞が集合する際には、らせん状のパターンが形成されるが、病原体の伝播においても同じパターンが見受けられる、とCox氏は指摘する。実際、粘菌は、コレラから結核にいたるまで多くの疾病の伝播動態を研究するためのモデル生物として役立っている。

さらにCox氏は、粘菌のシグナル伝達をつかさどるメカニズムを用いて、カルシウム濃度が心臓の拍動や胚発生に合わせて同期的に変化する、あるいは同期が乱れる現象も説明できるのではないかと考えている。気分を制御する神経伝達物質の流れ方についても同様だ。

こういった現象を視覚的にイメージすると、広い部屋にピンの頭が1個浮かんでいて、それがひとつのピンの上にランダムに降りてくるようなものだ。そのようなことはどう考えても不可能に思えるが、Cox氏は、粘菌が合体して「ナメクジ」状になり、食糧を探す活動の謎を解くヒントだと見ている。

「これは、さまざまな興奮系全体にわたる統合理論なのだ」と、Cox氏は述べる。「私は、異なった多様なスケールで共通に働く原則を探究している」

{この翻訳は抄訳です}

[日本語版:ガリレオ-高橋朋子/合原弘子]





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2010/02/20(土) 23:09 | URL | 粘菌 #-[ 編集]
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