2010年2月の記事です。
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NHKの「皆様の受信料」がOBの年金に補填される奇怪 http://diamond.jp/series/inside_e/09_07_25_001/ 週刊ダイヤモンド 2009年07月21日
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NHKの企業年金の積み立て不足は、2008年の段階で3000億円規模だそうです。
NHKの年金資産は3000億円程度なので、半分程度です。
不景気で、予定した金利で運用できなかったのです。
市場で株価が半減した影響で、株式運用分には含み損が生じているのでしょうか。
しかし、年金の積み立て不足でNHK職員が困った…
と言っても、受信料を流用しては、筋が通らない と思います。
(こういう報道は大手新聞社から出ないです。
業界に、指摘して自浄力を求める 週刊ダイヤモンド社は、気概があります。)
一般の民間の会社は、不要な存在になれば、
商品が売れなくなって倒産し、姿を消します。
ところが、NHKは、倒産しないので、
自ら厳しく律して、幹部や上層部が経営しなくてはなりません。
ところが、そうではないです。
そこで、大手新聞社やNHKやマスコミが指摘し、
そういった非効率や放漫な経営が無責任なまま続かないように、話題化し、
世間に提示する使命がありますが、
相手がNHKとなると、大手新聞は記事にしないようです。
民間の企業が、売り上げをどう使おうがその企業の自由ですが、
公務員が財政難な中、お手盛りで人件費に税収をつぎ込み続けたり、
● 竹原信一が再選。 民意は改革支持 鹿児島県阿久根市長選NHKが受信料を年金不足に使うのは、それは、自由にしてよいことではありません。
NHKが問題を起そうが、
報道を手加減する大手新聞は、間違っていると思います。
大手新聞社には、売り上げ減で倒産して、市場から淘汰される可能性がありますが、
NHKには倒産はありません。
市場から淘汰される可能性がない分を、
大手新聞が中心となって、NHKに対し問題点を指摘していく責任があると思います。
倒産の可能性のある大手新聞社は、市場に育ててもらえますが、
倒産の可能性のないNHKを育てるのは、他のメディアからの指摘以外にないからです。
国会議員には選挙で当落があり、
内閣には衆議院で不信任決議があり、最高裁判官には国民審査があります。
そして、民間のマスコミには、社会制度上、チェックを受ける仕組みは設定されていませんが、かろうじて商品の市場からの支持不支持があります。
しかし、NHKには、なにもないですから…。
業界内で相互指摘し、自浄力を強化するしかないです。
それにしても、年金の積立不足だからと、
受信料を、NHK職員の年金にあててよいものではないでしょう。
年金は、NHK職員の給料の中から積み立てたものです。
それは、まったく別の お財布です。



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リンク切れ、記事削除のときの自分用控え■
NHKの「皆様の受信料」がOBの年金に補填される奇怪 http://diamond.jp/series/inside_e/09_07_25_001/ 週刊ダイヤモンド 2009年07月21日
日本放送協会(NHK)が、本来、積み立てから給付すべき退職者の企業年金の一部を、受信料収入から補填して給付していることが、関係者の話で明らかになった。
関係者によると、その額は2007年度が約100億円、08年度が約120億円に上っているという。
勤続年数などで企業年金の支給額は異なるが、NHKによれば平均支給額は月12万円程度と民間に比べて高い。つまり、退職者に対する高待遇を維持するため、一部とはいえ「皆様の受信料」を使って尻ぬぐいしているのだ。
背景には、企業年金の積み立て不足がある。NHKは06年度まで、年金の積み立て必要額を算定するための利率(割引率)を4.5%という高水準で据え置いていた。
それを07年度になってようやく見直し、市場実勢に合わせて2.5%前後まで引き下げた結果、積み立て不足は一気に前年度の2.4倍、2700億円規模にまでふくらんだのだ。
それが、わずか1年後の08年度末には約3300億円にまで増加。現在の年金資産は3000億円程度のため、半分程度しか手当てできていないことになり、NHK内部からは、「近い将来、政府管掌の年金に移管せざるをえない状況に追い込まれるのではないか」といった声も漏れてくる。
こうした状況にNHKでは、今後15年間かけて積み立て不足を解消する方針を掲げて償却を進めている。しかし、とうてい賄い切れるものではなく、受信料収入を充てているというわけだ。
NHKの経営陣もさすがに焦りを感じたのか、労働組合に対して確定拠出型年金への移行、もしくは確定給付型を維持するならば現役職員に対する給付額の減額に応じるよう提案している。
これに対し職員は、「なぜOBの優雅な生活のために現役の職員たちがツケを払わされなければならないのか」と不満を爆発させる。
しかし、最も憤りたいのは視聴者のはず。
番組制作に充てるために支払っている受信料が、違うものに使われているからだ。
これに対し、NHKは、「年金制度についてさまざまな角度から検討を継続している」としている。
(『週刊ダイヤモンド』NHK問題取材班)
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■ B/Sの欄外に記載された巨額の積み立て不足 プレジデント 2010年1.18号
公認会計士・税理士 柴山政行 構成=高橋晴美
http://president.jp.reuters.com/article/2010/02/04/B8AAF8D4-098A-11DF-9523-10F13E99CD51.php
深刻な経営危機にある日本航空(JAL)。政府は支援の条件として企業年金の減額を挙げているが、同社OBからの合意は得られていない。
企業年金とは在職中に退職金の一部を積み立て、退職後に年金として支給されるもので、法的に賃金の一部後払いととらえられている。支給額が決まっている「確定給付型」と、拠出額が定められて支給額は運用実績によって変動する「確定拠出型(日本版401k)」があり、JALの企業年金は前者である。
OBとしては「確実に得られる収入」と考えているはずで、これが減額されては老後のプランに大きな狂いが生じるだろう。OBが減額に応じないのもわからなくはない。しかしなぜ、企業年金が企業再生の足かせになるほど、大きな問題になっているのか。その実態をみていこう。
JALの2009年3月期決算短信によると、年金給付に必要な額(年金債務)は約8009億円。このうち、用意できている年金資産は4083億円で、引当金610億円を差し引いても3316億円不足している。
なぜ積み立て不足が生じるのか。企業は賃金の一部を将来の退職金や年金支給に備えて毎月積み立てる。確定給付型の場合、勤続30年なら支給額はいくら、というように支給額を決め、必要な金額を積み立てていく。
仮に支給額を1000万円、積立期間を20年としよう。単純に割り算すると年間50万円を積み立てていけばいい計算だが、20年も積み立てれば当然、利子なども付く。そこで「どの程度の利回りで運用できるか」との想定を行い、そこから必要な積立額を逆算して積み立てる。
JALの場合、想定されている運用利回りは年4.5%。実際の運用利回りの年平均がこれを下回れば、きちんと積み立てていても積み立て不足が生じる。これが、3316億円もの積み立て不足を生んだわけである。
若い人にとって年4.5%は無謀な数字と映るかもしれない。しかし、JALが制度設計した当時は、一定の根拠のもとに設定された利回りに違いない。想定どおりに運用されれば、巨額の積み立て不足が生じることもなかった。このような当初の設定と運用利回りが変化した場合の誤差などを、会計用語では「数理計算上の差異」という。
そうなると巨額な積み立て不足がなぜ、放置されてきたのかという疑問が生じる。OBに対する支給額引き下げの交渉を行うにも合意を得ることは難しく、問題が先送りにされてきた。
前述の年金債務や積み立て不足の額は、バランスシート(B/S)に反映されない数理計算上の差異を含めた形で、「JAL再生タスクフォース」の指摘で、実態が明らかにされた。決算資料の中では、「B/Sに反映されなかった数理計算上の差異」も含めた積み立て不足のすべてが「退職給付債務」に関する注記として「B/Sの欄外」に記載されている。
どうしてP/L(損益計算書)やB/Sでは積み立て不足の「見込み修正分(数理差異)も含めた」すべてがわからないのか。それは、退職給付金は長期にわたって支出する性格のものであり、1年などの一期間のみにその誤差の影響をすべて反映させて、業績表示をゆがめるべきではないと考えられているからだ。
わかりやすくいえば、「当初、預金利率を1%と想定して、将来のために現時点で200万円積み立てるべきと考えられていたが、今年になって預金金利が0.5%に下がったため、必要な積立額が増えてしまった」という状況に近い。
これは会計処理が甘いとか、不正があるということではないし、ルールからも外れておらず、他企業も同様である。「それでは債務が隠れることにならないか」と思う人もいるだろう。次回、企業年金についてさらに考察したい。
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