◆ 選挙のプランナー (自分用資料)

   選挙プランナー・松田馨
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■ これが日本の「選挙」の知られざる実態、
 選挙プランナーの松田馨さんにインタビュー GIGAZINE 2010年06月24日
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■ ネット選挙解禁で日本は変われるのか、
「政治の暗黒面」と「望む未来に変える方法」について
 とことん聞いてみた - GIGAZINE 2010年06月25日
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リンク切れ、記事削除のときの自分用控え

 gigazine
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100624_dialogue_01/
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■ これが日本の「選挙」の知られざる実態、
 選挙プランナーの松田馨さんにインタビュー
 GIGAZINE 2010年06月24日

参院選の公示がされ、いよいよ選挙期間に突入します。

あなたのその一票が欲しくて欲しくてたまらない候補者たちが、毎度おなじみ大音量のスピーカーで名前を連呼しながら街宣車で街の隅々まで駆け抜けまくり、街頭では一方的な演説が繰り返され、「うるさいなー」と思っているとあっという間に投票日、いざ投票前になっても結局誰に投票すればいいかわからない……それが日本の選挙なわけですが、その裏舞台はそのような生半可なものではありません。

表からは見えない選挙の真の姿、そして本当の問題点まで、ありとあらゆる選挙の裏話を、選挙に出馬する候補者にコンサルティング業務を行う職業である「選挙プランナー」としては日本最年少である松田馨さんにインタビューしていろいろと聞き出してきました。

日本の選挙の裏話満載のインタビュー本文は以下から。

株式会社ダイアログ
日本最年少選挙プランナー松田馨による
選挙コンサルティング/選挙調査/ネット選挙/投票率向上

http://www.dialogue.bz/


株式会社ダイアログがある滋賀県某所に到着。

編集部からは電車で1時間ほどなのですが、電車から降りた瞬間、やたらすがすがしい空気が編集部員をつつみます。遠くに琵琶湖が見えるなど、予想に反して、かなりのどかなところに会社がありました。


こちらがダイアログの代表取締役である松田馨さん。
インタビュー前に仕事風景やオフィスの中を見せてもらうことに。
プリンターやScanSnapなど、いろいろなガジェットがそろっています。

松田さんはiPhoneユーザーで、eneloopのバッテリーを常備して長時間の使用に耐えうるようにしているなど、かなり使い込んでいます。さらにヘッドセットを使ってハンズフリーで電話ができる状態にしてあるそう。

名刺はすべてiPhone上でデータ管理しているそうです。
iPhoneを手に入れてから業務がぐっとやりやすくなったといいます。

こんな感じで電話をしながら業務をしているようです。
最先端のものを取り入れまくっているのが一発で伝わる、いかにもデキる感じのする一枚。

PC周りを強化している一方、選挙は紙の資料がどうしても出るため、付せんを数種類常備しているとか。

デスクトップのほかにも、ノートが1台。
近々iPadも購入したいということです。
以前からずっとMacユーザーを貫き通していて、社内のPCはほぼすべてMacだとか。


選挙関係の本が本棚にずらり。
その上にある神棚については「やれることをやってしまったら、最後は神頼みなので」置かれているとか。


今回は代表取締役の松田馨さんにインタビューに答えてもらいました。


G:
まず最初に、自己紹介をお願いします。

松田馨さん(以下、松):
選挙プランナーの松田馨です。
日本で最年少の選挙プランナーだということを2年くらい前から言っているんですけど、今のところほかにそういう人が出てきていないので、たぶん今でも日本最年少の選挙プランナーということになると思います。

もともと別に選挙や政治に関心があったわけではなく、デザイン会社で働きながら大学に通っていて、大学を卒業した後は大学に就職して入試広報でいろいろな企画業務を勤めながら、個人的にパブリック・リレーションズ(PR)や広報の勉強をしていました。
大学のような大きな組織で働くのはあまり向かないなと感じたので、2年くらいで辞めようと思っていたのですが、ちょうど辞めるタイミングで、学生時代からお世話になっていた、当時僕の母校であり勤務先でもあった京都精華大学の教授をしていた、かだ由紀子さんから、県知事選挙に出るから手伝ってくれと言われたんです。
その時はまだ選挙プランナーと名乗っていたわけじゃなく、無党派対策とか浮動票を取るのにどうしたらいいのか、デザインや広報の専門家としてイメージ戦略をいろいろ考えて欲しいというような話だったんです。投票日の3ヶ月半前からの準備で時間がなくて、また人が足りない中での話だったので、本当に3ヶ月ずっと1日も休みがなくて。5キロくらいやせましたね。

選挙の際、滋賀県に新幹線の新駅を作るという話が持ち上がっていたんですが、
それがのぞみは止まらず、ひかりとこだまが1時間に1本くらい停車するだけ、在来線で京都まで30分という中途半端な場所にある駅だったんです。
その建設を推進するというので3期目の現職が一生懸命活動していて、
自民党と公明党と民主党が相乗りで推薦するという情勢の中、無所属で、新人の女性候補が勝ったというので、非常に話題になりました。わたしは最初から最後までずっとお手伝いをしていたということで、いろいろ取り上げてもらったんですね。

G:
かだ由紀子さんの選挙のお手伝いをする決心はどこでついたんでしょうか?

松:
かださんは立候補の動機が非常に分かりやすかったんです。
かださんは立候補される前、30年以上琵琶湖をフィールドに研究してきた人で、それを学生のころから見てきました。かださんは、学者としてダムや治水の問題とか琵琶湖の保全について発信をしていったのだけど、社会が変わらなかった。
今このタイミングで何とかしないと、琵琶湖が、滋賀県がダメになる。
だから社会を変えるために知事選に出るんだとおっしゃっていて。知事選に出る理由というのがすごく明確で、その話を聞いて、僕はすごく納得したんですよ。「ガッテン」と(笑)
要するに権力は手段なんだな、と。
滋賀県知事になったら、変える力が得られるんだなと。

それで一生懸命応援して、見事かださんが当選したわけですが、
さきほどお話した新幹線新駅の問題、240億円も県の税金を使って建設する予定だったんです。
すでに着工式とかもしていて、今さら止められないと批判をされていたんですが、
かださんは公約通り計画を止めたんです。
大型公共事業というのは普通なかなか止めることができないんですけど、きっちり止めてくれて。治水に関しても、基本的にはダムに頼らない治水という形で進めていて、民主党政権になる前から不要なダムについては凍結の方針を出していました。それで、政治家が変われば社会が変わるんだなと実感したんです。もしかださんが落選していて、前の知事が当選していたら、県の財政が破綻していたかもしれないな、と。

かださんが選挙に出た時はちょうど参議院選挙の1年前だったので、
参議院選挙の売名目的じゃないかと言われたり、新幹線の駅を推進するんだったら推薦してやるぞとか誘われたりしたんですが、そういうものをことごとくつっぱねていましたね。

かださんがなりたかったのは滋賀県知事で、政治家になりたいわけではなかったので、全部断ることができた。本当に筋が通っている。だから、かださんが僕の中での、政治家を目指す人のモデルになってるんです。




社員さんが作業する部屋にあった大きなプリンターはポスターの試し刷りなどに使われるということで、かださんのポスターもここでデザインしているとのこと。とにかく設備が充実しています。




G:
仕事はどうやって受注しているんでしょうか?

松:
選挙の業界というのは非常に狭くて、県知事選挙ともなる県外からも人が来ていて、
その人たちも自分のところの選挙をしている人だったりとか、その地域の議員だったりするんです。
かださんの選挙の時に知り合った方々が、わたしの働きを評価してくれて、自分の選挙も手伝ってくれというような形でお願いをされるようになったんです。
最初は企画・広報の個人事業、いわゆる「ひとり広告代理店」のようなことをやっていこうと思っていたんですけど、かださんの選挙のこともあって、紹介で入ってくる仕事が9割方選挙関連のもので、選挙の仕事ばかり2年くらい休みなくやっていました。
そうした中で、ある程度自分の中で選挙のノウハウが蓄積してきたので、選挙に特化してやっていこうかなと思いまして、選挙プランナーと名乗り始めたのが2008年の頭くらいでした。

選挙の仕事をはじめて、ちょうど5年目に入ったところですね。
これまでに、およそ80人ほどの候補者の方のお手伝いをしてきました。
まだ100人に届いてはいないんです。
勝率は今少し下がってきてて、75%くらいだと思います。


G:
下がった状態で75%ということですか?

そうですね。選挙をしなかったらずっと勝率100%なんですけど(笑)
なかなか無敗は無理なところがあって、特にうちの会社の場合、かださんの選挙のイメージが強くて、組織の後ろ盾を持たない、はっきり言うと普通では勝てそうにない人が依頼に来るんです。
組織もないし選挙も初めてだという、新人の依頼が非常に多いですね。
現職の人の依頼が3割くらいで、7割くらいが新人の方です。



G:
以前は大学の職員をされていたということですが、
どのようなきっかけで選挙コンサルティングをはじめることになったのでしょうか?

松:
もともとデザインとかそういった部分は大学時代に働いていた会社でたたき込んでもらっていたんですけど、デザインはあくまで手段なんですよね。ビラを作るのが目的ではなくて、たくさんお客さんに来てほしいとか、ホームページにアクセスしてほしいとか、目的をしっかり見極めた上で何かしないといけないという部分も含めてたたき込んでもらったんです。

そういう考え方があったので、デザイナーよりは企画の方に行きたいなというのが大学で働いている時からありました。企画とか編集という部分について自分でも勉強して、また、いろいろデータを集めたりとかするのは昔から好きだったので、過去の選挙データの分析とかも苦にならなくて。目的を達成していくためにどうしていこうという部分を突き詰めていったら、それが最終的にコンサルティングという形のお手伝いになったというところです。

自分がコンサルタントになろうと思っていたわけではなくて、自分の中で「こういうことを実現しようと思ったらこういうことが必要だな」という考え方の順番で、必要なことをやっていったら、結果的にそれがコンサルティングだったというような流れなので、自分の中で積極的にコンサルティング業務をしようと思ったことはないんです。



G:
先ほど、選挙コンサルティングを依頼されるのは新人の方が7割を占めるとうかがったのですが、地盤(支持基盤)・看板(知名度)・鞄(資金)のすべてがそろっていても選挙コンサルティングに依頼してくるケースというのはあるのでしょうか?

松:
はい、ありますね。依頼の3割くらいが現職の方なんですが、選挙は本当に何が起こるか分からない怖さがあるので、「多分大丈夫だとは思うんだけど、お願いしたい」という依頼もあります。現職の方はほとんどそうです。なので、新人の場合とはお手伝いの仕方が変わってきます。

現職の方の場合、完全にうちの会社は黒子になって、契約していることを知っているのは選対本部長と本人、そして本人の家族だけという形になることもあります。だから、僕が作った戦略とか、情勢分析とかは選対本部長が言うことになるんです。というのも、それまで支えてきた支持者の方々が、外部のコンサルが入るのを快く思わないことがあるわけです。

「自分たちの力が信用できないのか」というような反感を買ってしまったり、その地域でずっと選挙を仕切ってきた方がいらっしゃったりして、無用な衝突が起きてしまうことがあるので。電話での独自世論調査や過去の選挙結果の分析、それに基づいた戦略、キャッチコピーの考案など、大枠のプランを練るところは僕たちの会社でやっているんですが、実働や細かい現場での指揮はすべて選対(選挙対策本部)にやってもらうというパターンが最近は多いですね。



G:
では、新人の方の場合はどのような方針でコンサルティングをするのでしょうか?

松:
新人さんの場合は、本当にいろはの「い」からお教えする感じです。
まず立候補しようと思ったら、自分の政治団体を持つ必要があります。
「○○後援会」とか「明るい○○市をつくる会」とかですね。
政治団体の設立届を出さなくてはいけないので、その書き方からお手伝いします。

なんでこんなことが必要かというと、
例えば大阪の市長選挙があって、それに立候補する人が、選挙が始まる前に「大阪市長選挙に立候補する○○です、ご支援お願いします」と言ってしまうと、事前運動とみなされて公選法違反になってしまうんです。非常にややこしいんですけど、政治活動という言葉と選挙運動という言葉があって、選挙運動は政治活動の中に含まれているものの、選挙期間中にしか行ってはいけないんです。

もうすぐ公示される参議院選挙の場合、
6月24日公示で7月11日投開票となっているのですが、公示の日から投票日前日までの間しか選挙活動はしてはいけないんですね。
じゃあ、事前にどうやって当選に向けた運動をするかというと、「選挙に出る」と言うのではなくて、「この町には今こういう問題があるので、自分だったらこういう風に変えていきたい」と政策を訴えるんです。
自分の主義・主張、政策を訴えるのは政治活動なので、違反にはならないんです。本当にややこしいんですけど(笑)

この例なんかは単なる法律の解釈の違いと言ってしまえばそれまでですが、
そういう細かい注意点がいろいろあるんです。
選挙に立候補するにあたって、自分の政治団体を作らなくてはいけないだとか、
資金管理団体がどうとか、そんなことは普通の人は絶対に分からないじゃないですか。
なので、まったくの新人と、現職である程度組織を持っているところだと、
こちらも関わり方が変わってくるんです。


G:
いわゆる泡沫候補(選挙で当選する見込みが極めて薄い選挙候補者)のコンサルティングなども行うのでしょうか?

松:
泡沫かどうか、というのは結果的なところもあるので何とも言えないんですね。
とにかく候補者とお会いしてみて、本当に日本を、自分の住んでいる町をよくしたいという志や本気度が見えればお手伝いするんですが、今のところ泡沫候補のお手伝いをしたことはないですね。これまでに、そのような候補者の方から依頼されたことはありますが。

泡沫候補とはちょっと違うかもしれませんが、
最近ちょっとおかしな問い合わせが多いんですよ。
例えば、メールで「京都市長選挙に出たいんだけど、100万円くらいでできますか」というような、名前も連絡先も書いてない問い合わせが来たりします。市長選は選挙に出るための供託金だけで100万円以上かかってくるものなので、その額で出馬するのは無理ですし、連絡先も名前もないというのがひどい。

また、「お金も、時間も、人手もありません。しんどいこともしたくありません。だから風を起こして勝たせてください」という依頼がきたりもしました。もちろんこんなにはっきり言っているわけではないですが、要はこう思っているわけです。
現職の国会議員からだったのですが、僕は魔法使いじゃないんで無理です(笑)
とお答えして断りました。
選挙は候補者の資質、そして覚悟が何より重要です。
僕はあくまで候補者のお手伝いなので、覚悟のない人についてはお断りしています。




G:
「政治家に転職しよう」という、軽いノリの本なんかもあるみたいですね。

松:
やっぱり、ある意味で安定した職業という勘違いがあるんでしょうね。
選挙があるから本当は全然安定してないんですけど。あとは議員になるのがステータスだと思っている方もいらっしゃるみたいです。だから、当選したいという部分が前に出てきてしまう。

うちに相談に来る人には2パターンあって、すごく分かりやすいんですよ。
とにかく熱い人はいきなり電話をかけてきて、電話口で「うちの町にはこういう問題があって、変えなくてはいけないんだ!」とまくしたてるんです。いや、どちらさまですか?というくらいの勢いで(笑)志のある人はそんな感じなんです。
逆に、いろいろ細かく言ってきて、「お金はこれくらいしかないが当選できるか? 政党の推薦をもらった方がいいのか?」とか、最初から選挙に勝つことばかり意識している人もいます。当選することが目的なんですね。大体話をしたら分かりますし、大抵、後者の方は負けるのでお断りしています。


G:
お金に細かいと選挙に負けてしまう可能性が高いということでしょうか?

松:
もちろんお金を無駄に使わないようにするノウハウもあるしアドバイスもしますが、
ビラの印刷や折り込みなど、どうしてもお金がかかってくる部分はあるんです。
だから勝つためには仕方がない、借金してでも何とかするというような人の方が圧倒的に強いですね。
お金について細々とケチって地団駄を踏んでいる内に、選挙の期日は決まっているので後手後手になってしまったりして。

支持者が一生懸命「勝つぞ!」と動いて、配るビラがなくなった時に
「いや、でも増刷するお金がないので」と候補者が言っているようでは、
支持者の士気も下がるんです。

お金をかけないように選挙をしなくてはいけないんですけど、実際必要になるお金という部分で見通しが甘かったりとか、覚悟が足りなかったりする人は落選しますね。うちの会社も、支払いを渋られたり、ドロンされたり、痛い目を見たことがあります。


G:
そんなことがあるんですか……?

松:
考えられないことですけど、何度か痛い目にあいました。
普通の企業間でのやりとりでは起こらないようなことが起こってしまうことがあるんです。踏み倒しなんて、企業間ではなかなか起きないですからね。

なので、契約書を作ったり、前金制にしたりとか、いろいろとやり方を変えながら対処しています。選挙はとにかく時間がないから、お金の話で止まっている暇はないんです。見積もりのやり取りをした上ですすめているんですが、選挙が終わった支払いの段階になって、見積もりも通って発注しているのに最後にまた値切られたりとか、そういうこともありますね。また、見積もりで値切ってからまた値切られたりとか……


G:
これまでコンサルティングを依頼されて断ったケースはありますか?
また、どのようなパターンがありますか?

松:
いろいろありますね。
一番困ったのは、ある地方の首長選挙で両陣営から依頼が来た時ですね。
そういうケースが過去2回あって。1回目は、知人の紹介で仕事を請けた次の日に、相手陣営の方からも依頼が来て、もちろん相手陣営から依頼が来ているとは言えないですから、スケジュール的に無理ですと断りました。うちがお手伝いした方が当選したので良かったのですが、ひやひやしました。
2回目は、両方の陣営から依頼が来て、しかも両陣営とも知り合いで、その時は他の選挙の仕事がすでに入っていたので、どちらもお断りしました。

うちの会社は党派にこだわらず人物本位でお手伝いをさせていただいているので、
与野党問わずお付き合いがあって、いろんなところから声がかかることがあるんです。
その時々の選挙で誰の紹介だったかとか、話が早かったかだとか、そういう部分で仁義は切って、同じ選挙区で、仮に複数人当選する選挙であっても、対立候補の依頼は請けないです。
まず、やりにくいですからね。どっちが勝ってももうかるのかという話になると、それは倫理的に問題があるし、力のかけ方が分からなくなりますから。
これは選挙コンサルティング会社独特の社内倫理みたいなものです。



G:
単純にモノを売っているわけではなく、その後もつきあいが続くからですね。

松:
そうですね。
2009年の夏は現役の国会議員の依頼が多かったんですが、何人も受けられないのでお断りしました。


G:
選挙活動というと、街中を走る街宣車とウグイス嬢の声かけ、そしてビラ配りというイメージがあるのですが、一番効果がある手段というのは現状何なのでしょうか?

松:
実際選挙って言っても実は色んな種類があって、選挙期間も違いますし
対象となる自治体の広さも違います。
一番規模の大きな選挙というのが、参議院選挙と、知事選で、
17日間選挙期間があるんです。
衆議院議員の選挙というのは12日間。
30万人くらいを基準に1選挙区という形の区割りをするんです。
だから、 30万人くらいの区を対象に12日間。

あとは政令市の市長選挙。
政令市はだいたい80万人以上の人口のところなんですけど、
大阪だったら大阪市とか、堺市。その場合は14日間の選挙です。

要するに、対象とする有権者数、範囲によって選挙期間の長さが変わってきます。
ちなみに一番短いのが町村議会議員、町村長選挙。それが5日間。
1週間ないんです。火曜日告示、日曜日投開票の短期戦です。


だから、選挙によって有効な手段というのはそれぞれ変わってくるんですね。
地域性というものもあるので。

たとえば、参議院選挙でいえば、一番影響があるのは巨大メディアですね。
テレビや新聞などの報道に大きく左右されます。

それこそ駅でビラを配るにしても、民主党の人で言ったら、
5月末は駅で演説してビラを配ってても誰も受け取ってくれないんですけど、
今配ったらめちゃくちゃ受け取ってくれるんです。

分かりやすいんですよ。逆風の時に何とかなるかどうかという部分は、
それまでの事前の積み重ねがないと非常に苦しいです。
個人後援会の会員をしっかり固めているとか。



G:
なるほど。
そんな中でも、どの選挙でもおおよそ効果が見込める手段
というものはあったりするのでしょうか?

松:
やっぱり戸別訪問でしょうね。

会いにきてくれて話をして、
握手をしたという経験が一番強いです。

一応、日本の公職選挙法では、投票依頼の戸別訪問は禁止になっているんですけど、
選挙期間より以前の段階で自分の政治信条とかを伝えるために、自分の後援会への入会をお願いして回るのは「後援会の勧誘活動」であって戸別訪問になるのでグレーなんです。誰かの紹介で訪問して、リーフレットを渡して入会を依頼する……というようにすれば、戸別訪問として即違反にはなりません。

でも、戸別訪問を禁止しているのは日本くらいなんです。

その禁止の理由が、「戸別訪問した時に、金銭の授受があるだろうから」というんですが、これはひどい話で、完全に国民をばかにしていると思うんです。要するに有権者がそういうものを受け取るという前提に立っているわけじゃないですか。



G:
今この時代に戸別訪問でお金を渡したりしたら、インターネットにさらされて速攻で終わりそうな気がしますけどね。

松:
その通りです。Twitterで「○○さんに買収されたなう」とか書かれて、ハイ終了でしょうね。

ただ、戸別訪問でひとつ難しいのは、
組織力のある人の方が有利という側面があるんです。

たとえば100人動員して、地図上のここからここまでと決めてローラー作戦、人海戦術でやってしまう。そういうことができると、やはりお金を持っている人の方が有利になるし、ほかにもなりすましとか相手陣営のスパイとかいろいろとあるからきちんと法整備をする必要があると思いますが。


しかし海外では戸別訪問は選挙活動の基本なので、
そこを規制しているのは少しいびつだと思うんですが。

戸別訪問しながら自分の政策を訴えたり、
個人の後援会に入ってもらうということを地道にやっている人というのは、
郵政解散の時に民主党であっても生き残ってるし、
前回の政権交代解散でも自民党現職で生き残っているし。

そういう地道なことを積み重ねている人は選挙に強いですね。
ただ、選挙に強いことと、実際に政治家として仕事ができるというのは別
なので、そこもまた難しいんですが。



G:
インターネットの話が出ましたが、
今回ネット選挙解禁が流れてしまったことについてはどうですか?

松:
すごく残念です。
今の公選法は有権者目線ではなく、現職の政治家の目線で作られていて、
現職に都合のいいように作られていると思います。

有権者の関心を高めて政策を知ってもらって、
一人でも多くの人に投票してもらおうという気はまったくないんです。

ネット選挙の解禁はその突破口になると思っていたので、本当に残念です。

会社としても、ネット選挙の解禁にむけて、2007年ごろから準備をはじめていました。
ホームページにも載せている「ネットスポークスマン」というものがあって、
あのソリューションの延長線上でどんどん発展できるように準備ができています。


ネット選挙だけえなく、献金についても日本ではまだ広がってないですね。

個人献金をしたくても、その窓口がまったく簡便化できていないんです。
楽天や一部の会社が献金サービスをはじめましたが、まだまだ有権者にとって簡単に献金できるようになっていないんです。かつ、企業献金はダメ。
そうすると、政治家はどこからお金を献金してもらうの?ということになる。

現段階では郵便振替とか、銀行の口座に振り込んでもらうことが多いのですが、そうすると、500円の募金をしたかったら315円の振込み手数料がかかって、815円払わなくてはいけない。
ばかばかしくって誰もしないですよ、こんなことは。
半分近くが手数料ですから。




G:
事務所の前に募金箱でも置いておいたほうが早そうですね……

松:
それが、できないんです。

匿名寄付というのが候補者は受けられないんです。
政党と政治資金団体については、1000円以下に限って匿名寄付を受けられるんですが。
だから基本的にはカンパ箱とかも違反になる可能性があります。
知らずにやっている所もあるんですが、
基本的に政党以外は、匿名寄付は一切受け付けられないんです。


あまり寄付についての法整備がされていないのもあるし、
日本の社会自体で寄付文化がそんなに根付いていないですよね。
この辺りはこれからかな、と思っているんですが。
だから、企業・団体献金はきちんとなくして、
個人献金を奨励するような部分、税控除を手厚くするとかも含め、
体勢が整ってくればまた変わってくると思います。

それにしても、ネット選挙が流れたのはかえすがえす残念でなりません。

選挙期間中にネット選挙が解禁になったらという予測でうちも企画をしたり、
お話をいただいていたりしたんですけど、全部流れてしまいました……。

ただ、やっぱり難しいのはネット選挙が解禁されたといっても、
ネットで投票ができるようになったわけではないんです。

解禁された場合の内容としても、
選挙期間中にホームページの更新ができます、ブログの更新ができます、
でもTwitterとYouTubeは今回はできません、という内容でしたよね。

TwitterやYouTubeという単なるサービスの名前を
名指しで規制するというのはどうなのかなと。
ブログの更新が認められるのであれば、 Twitterも基本的に認められてもいいように思います。
なりすましのリスクとか、そういうことは言われているんですが、言い始めたらキリがないですからね。

それに、誹謗中傷の関係でTwitterとYouTubeがはじかれたということも聞きますが、
その辺りは候補者側が適切な対応をするしかないと思うんです。
今だって怪文書が飛び交っているわけですから。

そう、怪文書って実在するんですよ。

僕も何度か見たことがあります。
ハガキに対立候補の女性問題や金銭トラブルを書いて、足がつかないようにわざわざ隣の市の郵便局から出したりとか。一番すごかったのが、ある時高齢の候補者が出馬して、体調がよくない、つまり任期を務められないのではと言われていたんですが、投票日の2日前に「○○候補が死んだ!」という怪文書が流れてて。候補者の奥さんから「これどうしたらいいんでしょう……」って相談されたんですが、正直びっくりしました。とりあえず候補者の元気な姿を有権者に見せましょうということで落ち着いたんですが。



G:
その発想はすごいですね。
本当に亡くなったなら、まず選挙自体が止まりますよね。

松:
選挙がやり直しになるケースもありますね。
怪文書など、出所不明で好き勝手なことを書いてお互いに非難しあうということは、ネットがなくてもすでにやっていることですから。まあ、そういうことやってきた人たちが、ネットが解禁になったらどうしようと思っているのかもしれませんね。怪文書のようなことをやったことない人からしたら、別に大したことではないですから。

G:
海外では「スピン・ドクター」と呼ばれる人たちが政治家のイメージを作りあげ、
選挙の動向を左右する事例がいろいろとありますが、日本では同様の事例は存在しないのでしょうか?

松:
スピン・ドクターというのは、
選挙に限らずアメリカでは一般的な「情報操作のプロ」ですね。

アメリカの場合は選挙についてかなり分業が進んでいて、
選挙キャンペーンマネージャーが全てを仕切るんですが、

マスコミ対応や世論操作のためにスピン・ドクターを雇うこともあるようです。

それ以外にもスピーチライターがいたりし、webマスターがいたり、
チームで取り組むものなんです。

アメリカで一番大きな選挙というのはやはり大統領選挙ですよね。
2年かけてやる一大プロジェクトなので、そういったプロジェクトに対してかけるお金というのは日本の選挙と比べてケタが3つも4つも違って、期間も大幅に長くて、マスコミの取り上げ方もまったく異なります。

日本の場合、スピン・ドクターのようなことをするのはなかなか難しいんですが、
よく言われるのが小泉純一郎元首相の郵政解散ですね。

あれはマスコミへの持っていき方が非常にうまかったというか、
劇場型と言われる理由もそこにあります。

「郵政解散、イエスかノーか」という。それで刺客を送り込むような形ですよね。
それに対して民主党は有効な手立てが打てなくて、郵政への賛成・反対という部分に直球での反論もできず、完全に埋没してしまった。そういった部分で、自民党が仕掛けたメディア戦略に対して何の抵抗もできなかったということですよね。
選挙においてメディアの力を意識して最大限活用した、日本で最初の事例だと思います。



G:
どの選挙でも、こうしたメディア戦略が行われているんですか?

松:
スピンというほどメディアを大きくコントロールできるという選挙は、
日本だと衆議院選挙か参議院選挙です。
国政で全国的な関心が高まる時ですから。
もちろん、そう簡単に自分の思い通りにコントロールできるものではないですね。

そういえば、自民党は前回の衆議院選挙の時におもしろいアニメ動画を作っていました。
鳩山さんに似せた男性が「高速道路は無料だし、子ども手当もあげるから、僕と結婚しよう」と女性にプロポーズするような内容で。「僕に交代してみないか!」と。
女性が「そんなこと言って、お金は大丈夫なの?」と聞くと、
「そんな細かいことはあとから決めたらいいんだよ」と返して、オチがつく内容です。

当時はそれが全然受け入れられる雰囲気じゃなかった。
それがこの1ヶ月前くらいにもう一回話題になっていて。「まさにそうなった」「自民党は分かっていたんだ」みたいな雰囲気で(笑)でも当時は誰もそんなこと言わなかったですよね。


なぜあの選挙の時点で自民党が批判されていたのかという総括と、
それに対する打ち出し方が大切だったんです。

女性(有権者)にプロポーズしている男は確かに夢見がちでうさんくさいんだけど、
対して自民党を同じ土俵においてみたときにどうだったかと言うと、
長年連れ添っている間に浮気はするわ、DVはするわというひどいやつなんです。

その対比で言うなら、自民党はどうしようもない昔の男になってしまうんです。
だから、そこのところを総括せずに、相手の批判をしてもそれは支持を得られないでしょう、と。

そういう部分で有権者からどう見られているのか
ということに対する総括とかが下手だと思います。

民主党にしても、自民党にしても。政党の仕事をしたことがないので、
一有権者として客観的に言わせてもらいましたが、実際は色々と大変なんだと思います。



G:
客観的に言えるというのが、選挙コンサルのウリなんでしょうか?

松:
そうですね。
僕らは「どうやって一票を引っ張ってくるか」というところがメインなので、
この仕事をしてからそういう部分は常に意識しています。

支持率の動きとかもそうなんですけど、
自分の感覚とその時に出てくるデータの結果や、選挙の結果はすりあわせをしているんです。
その精度は、4年かけてだいぶ磨けてきたのではと思うんですが。
雑誌で当落予想をさせてもらった時にも、日頃の積み重ねが役立ちましたね。


G:
日本の選挙コンサルタントは
世界的に見てもレベルが低いと言われています、それは本当なのでしょうか?

松:
海外と比べてレベルが低いかどうかはわかりませんが、
職業としての認知度や、選挙の規模は確かに違いますね。

公職選挙法も含めて、日本の選挙自体が遅れているとは思います。
僕のように選挙を生業にしている人間が日本に10人くらいしかいないと、
以前取材に来た雑誌社の人が言ってました。

本を出されていたりとか、メディアに取り上げられた人で僕が知っているだけでも、
自分を入れて7人くらいですかね。

今まではすごく閉鎖的な選挙をしていて、それまで選挙に出ていた候補者が引退するとなるとその親族か後援会、つまりその人の息のかかった人が出馬していたんです。それでは世界が広がらないですよね。そこに無所属の新住民で若い人が出たりして、固定化していた層がだいぶ変わってきてはいるので、それで僕らのような人間の活躍する場所が少しずつ増えてきている感じですね。

また、選挙プランナーと、
いわゆる地方の選挙プロのみなさんとの考え方の違いがありますね。

選挙プランナーはデータ重視なんです。
もちろん経験も重視するんですが、科学的なデータをベースにやっていくんですね。

その一方、選挙プロの票読みの仕方というのは「あそこの推薦を取ったから何票」とか、
そういう足し算の読み方をするんです。家
族の票の計算の仕方についても旦那さんが支持者だから、奥さんと子ども、おじいちゃん合わせて4票と見るんです。でも、今はもう奥さんは旦那さんの言うことを聞かずに違う候補者に入れることもあるわけで、票の予想が全然違ってきてしまうんです。

昔みたいに地縁や血縁、それまでの付き合いだけで人が動いていない。
そこが日本の選挙の中でだいぶ変わってきたところだと思います。

僕なんかも全国で選挙をしていると、
よそ者が来てなにができるんだという話になるんですけど、同じ日本ですから(笑)
日本語通じますし大丈夫ですよ、と。
地元には特殊な事情がある場合もありますが、こちらはデータに基づいてやらせていただこうと。あの地域はややこしいとかどうのと言っていても、結局は匿名投票なので誰がどこに投票したかは分からないわけですよね。だからどんなに縛っていようが何しようが、最終的には本人の意志で決めるので、それに対してどう働きかけ、票を取ってくるのかを考えていくのが選挙プランナーの仕事になってくるんです。



G:
では、昔みたいに地盤・看板・鞄があれば大丈夫という感じではないんですね。

松:
その3つの重要性は変わらないんですけど、それがあれば勝てるかというと、
そうでもなくなってきました。
何より、選挙は何が起こるかわからないんです。


僕は最初のかださんの選挙が、選挙をやってきた人たちから見たら絶対に勝てないと言われているもので、例えれば軍艦に漁船で挑むようなものだと言われていたんです(笑)

本当に最初の頃は、知名度もないし組織もないしで「4年後の話をしているのか」
と馬鹿にされました。
でも僕は最初から負ける気がしていなかったんです。
かださんが出て負けるわけがない、かださんほど滋賀県のこと、琵琶湖のことを想っている人はいないという妙な自信がありまして。でも、あとから考えるとよく勝てたなあ……と、奇跡だなと(笑)素人なりの怖いもの知らずが結果的によかったんでしょうね。

逆に、ある程度「勝てる」と思って負けたこともあります。
出口調査の段階で数%勝っていて、事前の反応から見てもいけるだろうと。
その日が非常に天候が悪くて投票率が下がったのもあるんですけど、
それでも出口調査の結果を見た段階で「いける」と思っていたんです。

投票日ってテレビ局がどちらの事務所に行くかで情勢が読めるんですよ。
NHKとかいろんな放送局があるじゃないですか、そこが事務所にどれだけ来ているか。

当確が出た後の万歳の取材をするのに、大きな選挙じゃないとクルーをすべて出せないから、メインのクルーをどちらに行かせるかというのを変えてくるんです。その時はこちらの事務所にほとんどのテレビ局がきていたので、勝てると思っていたんですが……負けてしまったんです。
信じられなくて気が遠くなりましたが、慌てて式次第を書き換えました。
当選したパターンしか作っていなかったんです。だから、本当に何があるか分からないんですよ。



G:
日本の選挙の現場では、選挙コンサルティングの利用は
どのくらい定着しているものなのでしょうか?

松:
少しずつ増えてきているとは思います。
うちの会社もいろいろメディアに取り上げていただいてるおかげで、
紹介ではなく飛び込みの仕事が結構増えてきて。
それが増えると、さっきお話したような困った依頼も来たりするんですけど……。

仕事自体がまだあまり知られていないので、
雑誌や新聞、テレビとかで見て興味を持って問い合わせてくださる方が多いです。

特に来年4月には統一地方選挙があるんですけど、
日本中の選挙の3分の1くらいかな、4年に1回、まとめてやってしまうんです。
そのタイミングというのは非常に多くの立候補者が出るし、全国で選挙をやっているという状態になるんですが、それに向けてすでに複数の方からお問い合わせをいただいてます。選挙プランナーという仕事があって、立候補するにはそこに相談したらいいという傾向が少しずつ出てきているのかなと思いますね。


G:
昔よりは、選挙プランナーという仕事が浸透してきているということですね。

松:
はい。以前、選挙プランナーという名称を最初に使った三浦博史さんとお会いした時にお聞きしたんですが、仕事を始めた当初は選挙の世界は今より大変だったようなんです。先ほども説明したように公職選挙法がややこしいんです。それはきちんと勉強すれば分かることなんで全然大したことではないんですが、その大したことのないことを偉そうに言う選挙ゴロというような人がたくさんいて、選挙を秘密のよく分からないものにしておくんです。

例えるなら中世の教会の教祖みたいなもので、

聖書を読める人がその人しかいないから、「聖書にこう書いてある」と一方的に言える感じですね。
大したことのないノウハウを大したもんだという風に言って、お金を巻き上げるんです。
そうじゃなくて、もっと選挙に関心を持ってもらって色んな人に参加してもらって選挙を活性化していかないといけないし、非常に分かりにくい選挙の仕組みを分かりやすく変えていって、どんな人でも選挙に出て、政治家としてやっていけるようなお手伝いをしたいという風に三浦さんはおっしゃっていて、僕も本当にその通りだと思いました。

公職選挙法というのは非常にあいまいで、
風営法と並び称されるほどにあいまいなんです。

解釈次第でどうとでもなるところがあって、ローカルルールがあるんです。
まるでトランプの大貧民です(笑)

例えばタスキってあるじゃないですか。あれって政治活動の時は売名行為や事前運動とみなされるので使っちゃいけないんです。告示前に使うタスキだったらそれには名前じゃなく「本人」と書くとかしないといけない。

でも、大阪は事前活動の段階から名前がばっちり入ったタスキをかけていて、
あれは違反じゃないんですかと聞いたら「いや、あれは名札だ」と返されて。
「いや、それは無理があるよ、そんな名札ないよ」って思うんですが……。

大阪の選挙区だと大体みんなやってますが、どう考えても事前運動です。
大阪や兵庫にはややこしいローカルルールが結構あって、またそんなローカルルールに詳しい人っていうのもいます。

そういうものに詳しい人、つまり選挙の経験が豊富な人と、
票をどういう風に持ってきて勝たせるかということを考える人は、別なんですよね。

選挙区の相手の分析やこちらの分析、無党派層の票読みだとかそういう部分も含めて、最終的にどうやって相手より1票でも多く取って勝つかという部分をトータルでプランニングする人はいないので、そういう部分が選挙プランナーの仕事であり、力を発揮しないといけないところなんです。



G:
候補者ひとり辺りのコンサル料というのはケースバイケースだと思いますが、
目安として一番高かったケースと一番安かったケースを教えてください。

松:
基本は1月100万円くらいなんですが、時給換算するとちょっと悲しいことに……(苦笑)
というのも、この仕事はやり出すとキリがないし、手も抜けないし、土日も関係ないですからね。選挙って土日に何らかのイベントがあることが多いので。1ヶ月~2ヶ月全く休めないこともよくあります。選対会議を夜中 10時とか11時くらいまでやって、その後に会議の内容をまとめて明日の準備をして、次の日の朝から街宣で5時起きして、となると、18時間労働×30日という風になって……ん?時給低くないか?ということになるんです。人手がないところに入れば入るほど、こういうパターンになりますね。

正直に言ってしまうと、コンサルティングだけの案件だけ受けていれば楽なんです。
新人の方の場合は手取り足取り教えなくてはならないし、いろいろな部分のサポートがあるので大変です。うちのスタッフでアシスタントプランナーという肩書きの者が2人いて、選挙の現場経験も長いので、人手が足りない時に派遣して事務所の事務を回したりはするんです。でも、選挙期間中の運動員に支払える日当の上限額が1万5千円とが決まっていて、それ以上もらったら違反になってしまうんです。まるで派遣社員ですよね……。しかも拘束時間は12時間超えてますからね。



松田さんのオフィスの隣の部屋で、社員さんたちが作業にあたっていました。
少数精鋭で運営しているようです。

アシスタントプランナーの天雲ヒカリさん。
操るマシンはやはりMacです。




G:
イメージよりもお金が回ってきていないとのことですが、
同業他社が増えたらもっとその辺りがうまく回るようにはなるのでしょうか?

松:
そうですね、
仕事として認知をされて、選挙でコンサルを入れるのが当たり前になってくると少しは変わってくるかもしれません。ただ、クライアントである政治家はそもそもお金を持っていない方が多いです。

政治家のお金の問題がよくメディアで取り上げられてますけど、ちょっと叩きすぎかなと。
政治家は金に汚くて、悪い金をいっぱい受け取っているだろうという風なイメージが強すぎますよね。

今の政治不信って、ほとんどが政治家不信だと思うんです。
この仕事をしていると、一生懸命やっている議員さんというのも1 割くらいいて、
また逆に、失礼な言い方ですがこれはダメだと思うような人も1割くらいいて、
8割は普通の人ですね。
楽して儲けたい、当選したいと思っている普通の人
(笑)

あくまで僕が見てきた中での話なので、かなり偏見が入っていますが。

本当に一生懸命やっている人からしたら、
政治家という仕事は割に合わないですよ、はっきり言って。
任期は4年、最長でも6年で、その度に選挙がある。
そうなるとまたお金がかかるし、
落選すると無職になってしまう。生活の安定がないわけなんです。

たとえば、30万人くらいの都市だと、月々の自分の給料と別に政務調査費といって、色んな調査・研究に使っていいお金があるので、トータルで900万円弱くらいの年収にはなるんですが、当然税金がそこから引かれますし、その部分から自分の後援会の会報などを作って自分の仕事をアピールしたり、市政の問題点を伝えたりとか、いろいろな場面でお金がかかってくるので、一生懸命やっている人からしたら全然お金がないんです。情報公開をするのにコピー代を取られたりするから、熱心な議員さんはそれだけで政務調査費をほとんど使ってしまったり。

何にもしないで議会に出てきて、寝ている人が一番得しているんです。
名誉職みたいな感じで、何もしないで寝て、答弁書は職員とか他の議員に作らせて、人に作らせたものだからいざ質疑に立つと漢字が読めない(苦笑)
そんな人が本当にいるんです。
税金で給料をもらっているのに、お金に見合った仕事をまったくしていないですね。
反対にお金がないけどとにかく必死にやっている人もいるので、そこはしっかり分けて判断しないといけないですよね。



G:
特に資金繰りに困っているような政治家はどんなポジションの人なんでしょうか?

松:
国会議員は本当にかわいそうな状況です。

衆議院議員とか、本当にお金がないですよ。
秘書をつけなくてはいけなくて、公費が出されるのは公設第一秘書、第二秘書、政策秘書の3人だけなので、私費でさらに雇わないと人手が足りない。

アメリカだと公費で何十人も秘書が雇えて、
政策立案のチームを作ったりできるようですが。

秘書の人はもっと悲惨な状況です。
国会議員の私設秘書で月20万円もらえる人は少ないようです。
その上激務ですから。
自分が政治家になろうという志があるから耐えられるんでしょうが、
本当に大変だなと思います。

きっちり仕事をしている政治家の方を見ていると、
生活が保障されるくらいのお金があってもいいと思います。

特に首長は、24時間365日拘束が基本で、何かあったら全部の責任がのしかかってくる、
何万人、何十万人の有権者の代表なのに下手をしたら議員より給料が安かったりしますからね。
退職金を返上とかするともう大変なことになるとか、
そういう部分で本当に公のために一生懸命やっている責任の重さを考えたら、
決して給料は高くないと思います。
そういう部分はなかなか伝わっていないところですね。



松:
そういう状態なので、僕らの仕事もそんなに儲かるわけではないんです。
ただ、僕らができることっていうのはこれからどんどん広げていけると思っています。
選挙において、政治家と有権者という人たち、すべての方向に対してアプローチができる。候補者だけに僕らは目を向けているわけではなくて、選挙をとりまく政治にかかわる人たち全員を視野に入れてやっていきたいと思っています。



G:
これまでのお話を総合して、選挙コンサルティングを駆使した上で、
最強の布陣で選挙に臨む場合かかる費用の概算はいくら程度なのでしょうか?

松:
それもまた選挙で全然違うんですが、
例えば人口30万人くらいの市長選挙で目安は1000万円くらいですかね。

まあ、あればある程確かにできることは増えます。
絶対勝てるというのは難しいですが。
たとえば新聞で折り込みをすることになったら、人口30万人くらいの都市であれば折り込み料が20万円くらいかかるんです。そのお金は折り込むためのお金だけで、また別にお金をかけてビラを刷るんですが、総合すると1回で70万円くらいかかるんです。
お金があればそれが何度もできる。
そこの部分を予算によって調整していくことになるんです。
1000万くらいあれば選挙の形にはなりますね。

参議院や知事選といった規模になってくると、

いつごろから準備するかというのもあるんですが、非常に範囲が広いので、
複数の市に事務所を置いたり、そこにある程度人を配置したりすることになってくるので、
それくらいになると3000万円くらいかかります。

やっぱり、人件費がかなりかかるんです。
それはうちの会社にもらう人件費ではなくて、
事務所に専属の人を置いた場合などにかかるものです。
すべてボランティアでやってくれる人なんていうのはなかなかいないですから。




G:
では、費用にしめる人件費の割合は高いんでしょうか?

松:
はい、高いですね。

昔、選挙に5億円とかいった多額のお金を使っていたころは、
もうお金を配るような感じで、とにかく1日来てもらった人には1万円とかどんどん払っていたようです。

報酬を支払える運動員は決まっていますし、払える額には上限もあるので違反なのですが、
昔はやっていたようです。

今はなるべくお金かけないようにということで、きちっとした額ではなく、
交通費と手間賃を払うとかそんな感じにしている事務所が増えてきました。

事前にチラシをポスティングするのであれば、
業者に頼むのではなく、時間がかかっても自分たちでやるとか。

そういう工夫をして人件費を下げるようにしています。



G:
2007年の大阪市長選元候補の橋爪紳也氏や、
2008年の大津市長選挙に出馬した黄瀬紀美子氏などは、
松田さんがコンサルティングにあたったものの落選してしまったケースということですが、
これらの事例を振り返り、共通した「敗因」のようなものはあるのでしょうか?


松:
敗因はそれぞれ別にありますが、
まずは僕の力不足ですね。これは本当にお二人に申し訳なかったです。

2008年の大津市長選挙が先ほど言っていた、
勝てると思って負けてしまった選挙なんですが、
一番悔しいのが、候補者が出馬を決めたのが投開票日の1ヶ月前だったことです。
これは候補者だけの責任ではなくて、色々と複雑な事情があったのですが、私が依頼を受けたのが12月13日頃で、投票日が1月13日という超短期決戦でした。

1ヶ月しかない上に、年末年始で印刷所が止まってしまうので、
実質3週間ほどしかなかったんです。
それに対して現職は自民・公明推薦などガチガチに固めてきていて、
市議もほとんど全員が現職について……。
あと一歩及びませんでした。もしあと1週間あれば、1ヶ月でも年末年始をはさまなければまた違ったのではないかと思ってしまいます。結局、新聞記者の方も「敗因は出馬表明が遅れたとしか書けないですよね」と言っていて。

松:
期間中最後の調査ではあとわずか及ばず、といった感じだったんですが、当日の出口調査でもわずかですがリードしていましたし勝てると思ったんですが、天気も悪くて投票率が伸びなかったのも痛かった。時間がなかったことが本当に悔やまれますね。それ以外では、できることはかなりやったし候補者の黄瀬さんもすごく一生懸命やっておられたんですが。本当に残念でした。



G:
では、もう1つの事例である
大阪市長選挙の敗因はどのようなものだったのでしょうか?

松:
大阪の場合は、非常に難しいパターンでした。

うちがコンサルを受けるときに、一番いいパターンというのは、
立候補表明の前に相談を受けて、立候補の段階からストーリーを作るのがやりやすいんです。

なぜ自分が出馬するのかとかいう部分の話がしっかりできますし、
立候補表明が一番大きくメディアで取り上げられるので、
そこから流れを作ってイニシアチブを握りたいんです。
しかし、橋爪さんと知人の紹介でお会いしたのは出馬表明の後で、しかも、はっきり言って最悪の出方をしてしまったんですね。

記者の評判がすこぶる悪くて……。
映像でその様子を見たんですが、

なぜ出馬したのかよく分からないという感じだし、
本人も暗い顔をしているしと、
かなり印象が良くなかった。


また決定的だったのが、現市長の平松さんが民主党の推薦で出馬するという話が持ち上がったことですね。それを聞いた瞬間に出馬しないように誰か食い止めてくれと思ったんです。出てしまったらどう考えても勝てない。当時は民主党が参院選で躍進して勢いがある時でしたし、知名度抜群で好感度ナンバー1の元アナウンサーですから。なんとか立候補を思いとどまってもらって、橋爪さんを応援してもらうように働きかけたかったんですがそれも出来ず、公開討論会ではじめて平松さんに会った時に、平松さんの方からこちらに歩いてきて、「橋爪さん、僕、最初はあなたを応援してたんですけど、ごめんなさい」と言いながらにこやかに握手を求められて(苦笑)いや、あれは本当にまいりました。現職の関さんを想定してキャッチフレーズもつくっていたのですが、平松さんが出たことで全部戦略を練り直しになって。

タイミング的に参院選で民主党が第1党になった後に行われるはじめての大型地方選挙ということで、自民・公明推薦の関さんと、民主推薦の平松さんに全国から有名国会議員がぞくぞくと応援にかけつけて、メディアも与野党対決をかき立てるので、完全に埋没してしまいました。

選挙戦は選挙の前から始まっているので、
候補者を出さないというのも戦いなんです。

孫子の兵法ですよ。
戦わずして勝つのが最上級だと。
城を攻め落とすのは下の下だと。



G:
なるほど、だから選挙がはじまる前から相談してもらうと一番やりやすい、と。

松:
そう、動きやすいんです。
有力な立候補しそうな人がいて、パイプがあるなら自分側の応援に回ってもらうとかそういう話も含めてできるんですが、難しかったですね。橋爪さんは最初選挙に立候補するという部分で、少し覚悟ができてないところもあったのですが、途中から見違えるようになって、すごく評判が良くなりました。マスコミ関係者にも「最初からああだったらまた違ったのに」と言われました。大阪への想いや、大阪のことを誰よりも知っている橋爪さんだたので、その良さがでるのが最後の方になってしまったのは残念でした。それは私の力不足もあったと思います。



G:
両方の事例を聞いていると、
やはり候補者の決断力というのがかなり問われるんですね。

松:
そうですね。腹をくくれるかどうか、は
やっぱり大きいです。

橋爪さんも腹をくくってからは強かったんですが、そこまでに少し時間がかかってしまった。でも、何とか供託金没収点をぎりぎりクリアしたんです。その没収点を割ってしまうのが、泡沫候補のひとつの目安で。この供託金というのがやっかいで、日本は異常に高額なんです。
衆議院や参議院の選挙区だと300万円もかかります。
フランスはもう廃止したし、イギリスは10万円くらいだった
かな。供託金もやめた方がいいと思う制度の1つなんですけど、その供託金を預けて、供託金没収点を割ってしまうと、一定の有権者からの支持が得られなかったということで、事前に支払った供託金を没収されてしまうんです。

ポスターや街宣車の公費負担分も自費になるから非常に痛いんです。
大阪市長選の歴史の中で、無所属で供託金没収点を超えたのは橋爪さんだけなんですよ。それだけはなんとか行けたので、大阪の中では評価をされて、大阪府や大阪市のまちづくりにかかわっていらっしゃいます。橋爪さんが当時作ったマニフェストも評価されて、橋下知事になってから大阪府の特別顧問をされたり、ブレーンの一人となっていますね。

落選して大変だったけれど、橋爪さんから聞いた選挙してよかったことは「夫婦仲がよくなった」そうなんです(笑)お互いに仕事が忙しくて、なかなか一緒にいれなかったんですが、選挙の関係で一緒にいる時間が増えたみたいで。あと、本当の友だちが誰か分かるって言っていました。橋爪さんは大学教授として本を何冊も出版されていますし、大阪のまちづくりでは知らない人がいないような有名人だから、寄ってくる人も多かったんしょう。それが選挙に出たらみんなぱーっと散っていってなかなか応援してもらえなかった。そんな中で一生懸命やってくれる人というのもいて、そういう人が自分の本当の友達なんだなと……。

選挙というのはそういう部分があって、
かださんも最初はすごく落ち込んでいましたね。

学者の世界というのはやっぱり政治と距離を取りたがるので、
仲がよかった人が選挙を境に引いていったりとか、

選挙に出るというので今まで研究していたのは選挙に出るためだったと思われたり、
非常に悪く取られてしまうんです。

本当ならみんなもっと応援するような決断だと思うんですけど、
そこがなかなか受け取られ方が非常に悪いんですよね。




G:
確かに、政治のことには最初からマイナスのイメージがつきがちですよね。

松:
政治家不信というのが強すぎますよね……。
それと、不信の原因にはタレント議員の存在もあると思います。
今回の参院選なんかは特にひどい。
参議院の全国比例区を「タレントの天下り先」だと表現された方もいましたが、
国民が受からせちゃいけないんです。

もちろんタレントだから政治家になってはいけない
ということはありませんが、
本当に覚悟があるのか、能力があるのかという点で疑問です。
有権者がノーと言わないと、その手段は通用しないんだとはっきり示さないと。



G:
ちなみに、タレント候補は受かったあとはなにかされているんですか?

松:
もう大活躍ですよ。各地の応援演説に駆り出される!
言い方は悪いですが「客寄せパンダ」です。
タレント議員が来るのがひと集めには一番効果が高いんですよ(苦笑)


松:
いろんな所に応援に行って、連名のポスターに使われたりして、
行く先々でこれまで会ったこともない人の応援演説をするというわけです。


G:
当選後に心を入れ替えて政治に当たる人はいないのでしょうか?

松:
もちろんいらっしゃると思いますよ。
ただやはり、旬が過ぎた人が立候補されている印象がありますよね。。
もしも嵐の櫻井君とかが出馬したらすごいですよ、新党が作れると思います(笑)
あんな人気絶頂の人が出てきたら、また覚悟や迫力が違うでしょうけどね。


G:
「選挙に落ちたら無職」と言われていますが、

落選した候補者の方々はその後4年間どのように暮らしているのでしょうか?

貯金を切り崩しながらしのいでいくしかないのでしょうか?



松:
落選された方でもある程度選挙で立候補して戦ったような方なので、
これまでの人脈や選挙で知り合った人から紹介を受けて仕事を見つけたりとか、
そういうパターンが多いですね。

やっぱりしっかり戦って支持者がついたりすると、
その人たちが放っておかないので。

次の4年間に向けて、仕事口を探してあげたりとか、
そういうことは結構あるので、本当に路頭に迷うというケースはうちでかかわった中にはないですね。



G:
コンサルティングを行った候補が落選した場合、値引きなどは行うのでしょうか?

松:
特に値引きはありませんが、勝っても負けてもきちんと払ってくれる人もいれば、
勝っても値切ってくる人もいますね……。
「勝つのに金を使いすぎて払えない」って……。


G:
選挙の戦略について、
政党の選挙対策本部との連携は取っているのでしょうか?

松:
選挙の時は政党の方から宣材グッズとかがあったりとか、
今日話すべき時事ネタを折り込んだ内容だとかを本部側から提供されたりとか、
そういうのはあったので、
それをさらに僕が手直しをしたりとか、こんなの使えないと文句を言ったりとか、
そういうのはありました。

ただ、党の選対本部となにか連携をしたということはないですね。
あくまで候補者個人に雇われているわけですし。
党がくれるものの中でも取捨選択をして、使えるものは使います。



G:
候補者の後援団体にもコンサル指導などを行うのでしょうか?

松:
よくあります。
例えば、マスコミ対応なんかは選対本部長がするので、何をしゃべってもらうか
ということを事前に打ち合わせしたりしますし、
候補者の配偶者やご家族の方には、こういうあいさつをしてくださいとか、
応援してくれた人にはこういう風に接してくださいというような指導をします。
後援会作りもそうだし、名簿の管理や使い方も細かく指導していきます。

候補者一人では選挙はできないですからね。

それに、候補者は熱源になってみんなの雰囲気を盛り上げていく
ことをしないといけないので。

選挙の非常に難しいところは、色んな人がボランティアでかかわったりしていると、
それぞれ自分が重用されたいというか、
存在感を発揮したいというか、そういう思いがでてきたりもします。

支持者の中でもいろいろとあって、立候補の相談が来たとか来ていないとかで、
「わしゃ、聞いとらん」と怒る方とか。

あとは候補者もとにかく忙しいので、
思っていてもなかなか全ての人に心配りをするということはできません。

そこはよそ者の強みを生かして、
間に入って人間関係を取り持ったりします。



G:
選挙中は、やはり候補者の事務所に頻繁に出向くのでしょうか?
選挙活動にも同行したりするケースはあるのでしょうか?

松:
それは契約内容次第なんですけど、
選挙期間中ずっとはりつくケースもあります。
選挙期間中の初日と中日、それから最終日に行ったりもします。
僕のスケジュールも関係してきますね。

新人ではじめて選挙に出る場合は、
一緒に街宣で回りながらしゃべりながら指導します。

だいたい事前に指導はしているんですが、
うぐいす嬢の方が素人の方だったらその指導もしますし、
うぐいす嬢の方が読む原稿も書きます。


ここだけの話、街宣車とかうぐいす嬢とか、
ああいうスタイルはやめたいですよね。


とにかく選挙って押し売りなんですよ。

関心がない人に押し売りするスタイルはやめたいです。

そう思いつつ、今はその形でやっていかなくてはならないところもあるので。
原稿に工夫をしたり、
本人がテープに吹き込んだものを流してうぐいす嬢にしゃべらせないとか、

いろいろ手は打っているんですが、公職選挙法の限界があるので……。

公職選挙法は、昭和25年くらいに制定された非常に古い法律で、
時代に即していないですよね。
ホームページやTwitterが想定されていない時代の法律を守っているので、
やはりこの時代に即した形で、有権者の目線に立ったところを含め改正してほしいです。
公職選挙法は、民主主義国家であれば道路交通法と同じくらい親しまれているべきだ、
という人もいて、「なるほどな」と思います。
今は残念ながら分かりにくくて、選挙について違反をしたら捕まってしまうとか、
お金がかかるとか、そういう怖い印象を持たれている方が多いので、
僕が新人の方にコンサルティングをする際の最初の仕事は、「選挙は怖くない、大丈夫ですよ」ということを教える水先案内人という部分が大事なんだろうなと思いますね。



G:
選挙が行われていない期間は、どんな仕事をしているのでしょうか?
選挙の下準備などを行っているのでしょうか?

松:
選挙が途切れたことがないので(笑)
参議院の選挙が6月24日から7月11日なんですけど、
この準備の話なんかは昨年の12月くらいから来ているんです。

日本全国で考えた場合、村議・町議・市議選、村長・町長・市長選、知事選、
それから衆議院選と参議院選。これだけ多くの選挙があるんですよ。
それを、年間に52日ある日曜にやっているんだから、
いつもどこかで選挙をしている状態なんです。

お盆や年末年始の差し迫った時期の投票日はないですけど、
年末や年明けすぐにはありますからね。
だからほとんどずっと選挙に携わっています。選挙ごとに担当を決めながら、
それをスライドしていく形ですね。途切れたことがないです。
参院選後にもうひとつ選挙があって、それが終わったら9月くらいに雲隠れしたいな……と思ってはいるんですが。


お話はまだまだ続き、
今回の参院選では流れてしまったネット選挙についても詳しく聞くことができました。
こうご期待。














gigazine
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100625_dialogue_02/
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ ネット選挙解禁で日本は変われるのか、
「政治の暗黒面」と「望む未来に変える方法」について
 とことん聞いてみた
- GIGAZINE 2010年06月25日


政治に関心のある若い世代というのは少なく投票率も低いようなのですが、
一方で21世紀に入ってから「非実在青少年」問題のような支離滅裂な条例や法案が次々と持ち上がるようになり、その度にネット上では大騒動が起こり、その制定を阻止するための運動や呼びかけが起こっています。

しかし、こういう訳の分からない法案が飛び出してくるのも、
すべては若い世代の投票率の低さが原因にあると選挙プランナー・松田馨さんは言います。
「どうせ投票しても政治は変わらない」という風潮が若者を中心に広がっているように思える昨今ですが、この風潮がいったいどれだけ危険なのかといったことや、政治家に対して根強く持たれている黒いイメージの真偽、宗教団体が母体の政党の驚くべき集票能力など、前編のインタビュー内容よりもさらに突っ込んだ疑問・質問を松田さんにとことんぶつけてみました。


ネット選挙の展望から政治家が料亭を使う真の理由までを追った、
インタビューの続編は以下から。


G:
インターネット選挙が解禁されると、
有権者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?
また、候補者にとってのメリットも教えてください。


松:
僕はこの世界に入って、政治家の後援会が選挙ポスター以外に、
候補者のプロフィールや政策をまとめたリーフレットを作っている
ことを初めて知りました。
これまで関わった選挙や行われた選挙の資料として、
必要な分だけより分けて保存してもこれだけの量になってしまうんです。


デザインがマシなものや特徴的なものをファイリングして残してあるんですが、
いかにも「田舎の印刷所で作りました」という感じの物もたくさんあるんですよ。
政策を書いたビラはポスティングしてもいいんですけど、リーフレットはできない
ので、一般の人はあまり目にする機会はないはずです。

それから、選挙事務所って行ったことありますか?


G:
見たことはあっても、中に入ったことはないですね。

松:
普通、入る勇気はないですよね。
人通りの多い空きテナントを使ったり、プレハブを建てたりもするんですが、

名前の書いてある大きな立て看板が置いてあって、
中を見てみると長机といすがあって、不機嫌そうな顔した年配の方が並んでいる……。
なかなか入れる雰囲気ではないですよ。

また、新聞には「選挙公報」というものが折り込まれるんですが、
新聞を取っていなかったら見る機会はないですし。


だから、僕らくらいの世代の人間が候補者の情報を得ようと思ったら、
ネットしかないし、それが一番楽なんですよね。
たとえば今度の参院選に投票しようと思った時に、ネットで調べたらいろいろな人が出馬していることがすぐ分かるし、候補者の名前で検索したらすぐにホームページが出てきて、比較できるわけなんですよね。有権者からしたら一番手軽に、しかも詳しく情報を得ることができるんです。

うちがお手伝いした選挙では候補者サイトのアクセスログはきっちりとっているんですが、今までのパターンとして、告示日の初日にアクセスがぐっと増えるんですよ。初日は新聞とかテレビなどでの報道が一気に増えるので。でも選挙期間中のホームページの更新は公職選挙法で禁止されているから、その後更新が止まってしまって、次の日からアクセスがガクンと下がってしまうんです。そして投開票の日に投票結果が出て、当選が決まったらまたアクセスがぐっと上がるというような、こういうアクセスログの出方をするんです。当然ではあるんですけどね、選挙期間中に更新を一切していないわけですから。


G:
更新していないホームページのアクセス数が下がるのは自然なことですからね。
もしネット選挙が解禁になったら、
有権者にとってどんなメリットがあるんでしょうか?

松:
ネット選挙が解禁されて、選挙期間中でも更新ができるようになると、
選挙の動きが有権者にも見えるようになりますよね。

選挙戦の中身というのは、
選挙にどっぷりつかっている人間にしかわからないんですよ。

候補者が選挙期間中にしっかりとホームページで情報を発信すれば、
家にいながらにして欲しい情報が手軽に手に入るんです。
わざわざ選挙事務所になんて行かなくていいし、
ご年配の人だらけの演説会にも行かなくていい。
有権者が手軽に情報を得て、自分で考えて投票ができるのが一番大きなメリットですね。

あと、候補者から見ても、リーフレットやチラシで情報を伝えられる層というのは限られてしまいますし、コストもかかります。若い人はインターネットやケータイを使いこなしている人が多いので、ホームページの内容を見て、自分の政策を支持して投票してもらえる可能性が非常に大きくなるわけです。そういう意味でも、ネット選挙というのは双方に大きなメリットはあると思います。

ただ単に「ブログ更新しました」とか「動画アップしました」と知らせるのではなくて、Twitterでポストする時でも、「こういうことについて考えてみたいから意見をください」と言ってみたり、最初にある問題について自分の考えを述べて、賛成か反対かという投票を受け付けたり。仕掛け方によって、双方向のやりとりがいろいろとできると思うんです。一番関心の高まる選挙期間中にそういったことができれば、ただ街宣車に乗って名前を連呼しているより100倍いいと思うんです。


G:
これまでネット選挙については否定的な見方が多かった中、この参院選からは、結果的には流れてしまったものの、ネット選挙を解禁しようという動きが起きていました。
なぜ急にこのような流れになったのでしょうか?

松:
あれは実はすごく分かりやすくて、
その理由は民主党が政権を取ったからなんですよ。
民主党は10年以上前からネット選挙解禁の法案を提出していたんですけど、
野党なので否決され続けてきたんです。本当にそれだけなんです。

いろいろと話を聞いていると面白いのが、
自民党の中でも若手はネット選挙解禁に賛成なんです。

逆に、民主党でも年配の方の中にはネット解禁反対という人もいるらしいです。
長老議員の中には、いまだにホームページを持っていない人もいますからね。
選挙にものすごく強いんだけど、ホームページを開設していなかったりします。
無くても勝てるんですよ(苦笑)

要は、「今のやり方で勝てるから、新しいやり方なんか導入されたら困る」
と思っている人たちがいるんです。
彼らからしたら新しい出費が増えるだけという認識ですし、新しく入ってくる人が有利になるだろうという恐怖があるんですね。世代交代や新しい人材の参入を認めたくないというか。そういう人の中には、ネットは誹謗中傷がうんぬんと難癖をつけている人もいます。基本的には、年代とネットへのリテラシーが賛否を左右するという感じがしますね。自分が分からないものに対しては嫌がる人が多いんです。


G:
ということは、ネット選挙が解放されたら、今まで選挙に通らなかった人が当選し、
これまではほぼ確実に当選していた候補が落選するというような力関係の逆転はありうるのでしょうか?

松:
可能性は十分あります。

40代から下の世代に無党派層が多く、
この人たちは自分が投票できる候補者をネットで探すんですよ。
新聞を取っていない人も増えてますから。

町の掲示板に貼ってあるポスターは、名前と顔が大きく書いてあるだけですし。
調べてみてホームページが見つからなかったら、その時点でその人には入れませんよ。
何を考えているかが分からないし、
情報発信の努力をしてしないと判断してしまいます。
ネット選挙が解禁になったらますますホームページを見るようになるので、
候補者のホームページがない、きちんと更新していないというのは今後は考えられないという話になると思います。

ただ、1つ気をつけなくてはいけないのが、

ネット選挙の解禁で選挙のコストが下がるという話をよく聞くんですが、
しばらくは紙との併用でいかなくてはならないので、


そう簡単にコストは下がらないと思います。
ゆくゆくはそうなっていくだろうという話です。

ホームページを見ない人もいるし、
ホームページのアクセス数はまだまだ大したことがないので、
いきなりすべて選挙活動をネットだけで行うというのはリスクが大きすぎます。
ただ、ホームページで運用した方が結果的に安く済むはずです。
とにかく今の選挙はものすごい量の紙を使うので。
その辺りも含めて、変わってくるのに時間はかかってくると思います。

これまでかかわってきた選挙ポスターや資料を保存しておくだけでこの分量。
選挙にはたくさんの紙が使われているのがよく分かります。



G:
ネット選挙に関して、
ほかにも考えられる変化はありますか?

松:
今後の可能性として考えられるのは、
年配の候補者と若い候補者との「対決」が激しくなることです。

年配の候補者の下手な演説や偉そうな演説が動画でアップロードされて大ブーイングを受けたり、若手の候補者が新しいイメージをネットで発信して注目されたり。今の段階では候補者の演説を比較することはなかなかできないのですが、動画の形で出てきた時にはそれが可能になって、候補者間の差が出てくる。
そういうところから勝敗を左右してくるのではないかと思っています。
また、場合によっては街宣や個人演説会での失言がネット上にアップされて、ムードが大きく変わるようなことも出てくるでしょう。これまでの選挙とはやり方がまったく変わってくると思います。

一番影響力があるのは動画とTwitterの組み合わせでしょう。
選挙では現状、巨大メディアが一番影響力を行使しているわけですが、ネットの使い方によっては、ネット発信で大手のメディアが取り上げるという逆のサイクルも起こる可能性もあります。その辺りを考えると、メディアへの仕掛け方もおそらく変わってくると思います。


松:
つまり「候補者がメディアを持つ」ことが可能になる
ということなんです。

今までは候補者自身はメディアを持っていたのではなくて、
メディアに取り上げてもらうしかなかったんです。完全に受け身ですよね。

だから、全部を取り上げてもらえるわけではないし、速報性はないし、
かならず編集を受けてバイアスがかかってしまいます。

一番問題なのは編集ではなく、バイアスがかかることです。
出し方にしても、内容にしても。


自分がメディアを持つということは、
「あ、しまった!」と思うようなことを言ってしまったとしても、
あれはこういう意味だったんだよということを、
すぐにホームページに載せることができるんです。

また、マスコミに
発言が一部切り取られたりすることがあっても、

ホームページに全文を載せたり、
動画を掲載して事実を提示し、


Twitterで「○○テレビのあの編集は意図的だ」と
つぶやいて元の動画をはっておいたら、
有権者の受け取り方も違うでしょう。

インターネットを使うことで、
自分の真意を保護することができるんです。


実際、選挙期間中はインターネットもそうなんですが非常に規制が厳しくて、
決められたものしか出せないんです。

チラシも種類やサイズ、枚数、そして配り方まで決まっているので、
例えば投票日の前日に、対立候補に
事実無根の中傷ビラを全戸配布されたら反論ができないという事態もあるんです。

インターネットがあれば、それを即座に否定できるわけなんです。
ネットの即時性を生かした、刻一刻と変わる状況に対応していけるような、
そういう形の新しい選挙戦ができると思うんです。



G:
つまり、ネット選挙が解禁されることで
総合的な判断材料が増えていくと?

松:
そうです。
今はやっぱり情報が少なくて、よく分からないですよね。


最近地域の青年会議所が主催でよく「公開討論会」というのをやっているんですが、
アメリカ型のディベートではなく、討論会という名前のついた演説会なんですよ。

特定のテーマに沿って順番にしゃべるだけで、候補者同士のやり取りはなし。
揚げ句の果てに「討論があるなら出ない」という議員までいたりしますし、
こんな演説会ですら欠席する候補者もいるんです。

討論会を開くのなら、候補者同士のやり取りをガンガンさせて、
Ustreamで討論の様子を流してその後何度でも見られるようにしておけばいいんですよ。

候補者にやり取りをさせれば根拠のないいい加減な政策も出せなくなるし、
欠席した候補者がいたら、欠席したという情報も視聴者に伝えることができる。

有権者からしたら、そういう情報も含めて候補者のことが分かった方がいいので、
そういう方向に持っていけたらと思いますね。


G:
ネットの即時性が取り入れられると、
選挙に臨場感が加わってくる気がしますね。

松:
はい、よく選挙は一種のお祭りだって言われているんですけど、
祭りに参加する感覚がより強まるんじゃないかなと思います。

Twitterで巻き込んだり、 Ustreamで生中継を見たりして、
一緒に選挙戦を過ごすことができたら、投票に行ってみようと思うだろうし、
最終結果がどうなるか気になってくると思うんです。
そういう部分で、より多くの人に気軽に関わってもらえるような形になったらうれしいですね。


G:
ネット選挙に移行しても二世議員は選挙に有利なのでしょうか?

それ以前に、二世議員がこれまで選挙で有利だった理由は何なのでしょうか?
よく「親の持っているモノを継承する」と言われていますが、
それは具体的にはどんなものなのでしょうか?

松:
ネット選挙が解禁になったら、
それこそ出自などに関係なく戦えるようになるんじゃないかと思っているのですが、
自分が二世であろうが新人であろうが、
インターネットがメインのツールであるのは一緒で、
そこでどんな戦略を打っていくかということで競うようになるわけです。

政策論争の方に焦点が合えば、自分の出自は関係なくなるはずなんです。


ここ最近、4代続けて世襲議員が首相に就任していましたが、
今回就任した菅首相が市民派の「平成の平民総理」と言われていますが、
「世襲じゃないから良い政治をする」というのは
ちょっと無理があると思います。

内閣は首相の個人的能力だけによるものではありませんから。

政治というのは内閣全員の能力で動かしているもので、首相以外の内閣を構成する人たち、
与党である政党の国会議員にも責任はあるわけです。
そうでなければ国は動きません。
どうもここのところ、あの人は二世だからとか、あの人は平民出身だからとか、
そういう価値判断だけで政治家を語る傾向があって、
それはちょっとおかしいだろうと思っています。
出自ではなくその人の思想や行動、結果が肝心なんです。

二世議員へのバッシングがありましたが、ちゃんとした政治家もいます。
「門前の小僧習わぬ経を読む」と言われますが、
親父さんがしっかりした政治家だったら息子もしっかりした政治家になるだろうし、
職業選択の自由もあるので、
とにかく立候補を規制するというのは僕はどうかと思います。

ただ、最初から地盤・看板・鞄を引き継いでやっている人は、
精神的に弱いのかもしれませんね。
覚悟が足りないから。世襲には世襲の苦労があるといいますが、
まったくお金のないところからやる人と比べて、
根性や覚悟に差があるような気がします。

周りがすべてやってくれて祭り上げられて当選する人には、
そんな覚悟はいらないですからね。

そういった部分が、政治家になってから差としてでてきて、
決定的なことになるのかなと。二世議員が必ずしもダメだとは言いませんけど、
世襲首相が無責任に政権をほうり出すところを何度も見てしまうと、
選挙の洗礼をきちんと受けていないという部分で弱いのかなという感じはしています。


G:
Yahoo!が「Yahoo!みんなの政治」というサイトで
500円から献金できる仕組みを整え
、受付を開始しましたが、

このことでアメリカの大統領選で
オバマ大統領が各所からネット経由で献金を大量に受け付けたのと同じように、
ネット経由で献金を集める流れは今の日本でも起きてくるのでしょうか?


松:
これから伸びていってほしいと思っています。
以前ブログにも書いたのですが、
政治に無関心ではいられても、無関係ではいられません。

日本国民なら憲法をはじめいろんな法律にそって生活しているわけで、
その法律は何から何まですべて政治で決まっている。
日本国内、いや、同じ県内であっても住むところによって税金も行政サービスも違うし、
消費税は誰だって払っているんだから、無関係なわけがないんです。

だから、ちゃんとした人を選べばそれが自分にとっていいリターンとなって返ってくるし、
どうしようもない人を選べば、自分たちが不利益を被るという、要はそういうことなんです。
自分がどの政治家を選んだか、またどの政党が政権を取ったかというのでやっぱり変わってくるんですよね。それこそネット選挙が成立しそうになったのも政権交代の影響が大きい。そういう部分で自分と切り離せないので、そこは意識してなるべく投票に行って欲しいと思いますね。


G:
それに関連して、
そもそも高額の選挙資金が
いったいどこから出てくるものなのか教えてください。


松:
ここのところ、色んな誤解があるかと思うのですが、一番多いのは候補者の私費です。
よくあるのは退職金を全額投入するとか、あとは親族に借金をしたりとか。
自分で工面している人がほとんどです。

また、数は少ないですけど、「出たい人より出したい人」と言って、
後援者がまとまったお金を出すこともあります。
この人に出て欲しいという人のためにカンパを募って、「
500万円用意したから選挙に出てくれ」というような形の担ぎ方をするとか、
そういう動きもあるんですけどね。

ただ、お金がないと選挙ができないという状況があるので、
自分たちの代表として働いてもらいたい人に対して投資するというか、
その人がしっかりいい政治をしてくれたら自分にリターンがあるから、
というような気持ちで
気軽に献金をする形が広まっていったらいいんですけど。


G:
企業献金が昔よくあったと聞きますが、
そもそも企業献金というのはなぜ存在したんでしょうか?

松:
やっぱり政治にお金がかかるからでしょうね。

昔は政治家個人や政治家の資金管理団体への企業献金が認められていました。
汚職事件が続いたことで、現在は政党への企業献金以外は禁止されていますが、
要は政治家への献金が公共工事への発注という形でのリターンがあったんでしょうね。

「お金をくれたところには税金で仕事を回しますよ」というやりとりです。
政治の世界ってやっぱりパワーゲームなので、
圧力団体の人たちは圧力もかけるし、お金も渡すし、
それで自分たちの業界に都合のいいような法案を通させたりとか、
逆に都合の悪い法案は廃止させたりするんです。

多分、高度経済成長期にはその仕組みがよかったんだと思うんです。
そのおかげで日本は高度経済成長できた。

ただ、バブルが崩壊した時に、仕組みを変えることに自民党が着手しなかった、
同じ方向で行けると思ってたんでしょう。

それでここまでどろどろになってしまったというのはあると思います。
これからは企業献金ではなく個人献金に流れが移って、
「みんなで政治家を育てようじゃないか」という考え方が浸透していって、
サッカーのサポーターのような感じになっていくといいですよね。


G:
当選した後、
政治家はどんどん自分の思う政治を推し進めることができるんでしょうか?

松:
僕もいろいろな方の当選のお手伝いをさせていただいたんですけど、
当選した後が大変なんです。
現実の社会というのは、例えるなら白紙のキャンバスに好きな絵が描けるわけではなくて、
すでにいろいろな色が塗りたくられてぐちゃぐちゃしている状態なんです。
おまけに行政の連続性という言葉もあって、
これまでやってきたことを変更あるいは転換しようと思ったら非常に大きな抵抗があります。政権が変わっても、知事や市長が変わっても、一気に180度方針を転換できるものでもないんですよ。

でもやっぱり、投票した人というのは変化に期待して投票をしているので、
すぐ結果が出ると思ってしまうから、
ちょっとできないことがあって新聞が「公約違反だ」とか書くと
大ブーイングが起きてしまう。

新聞やテレビはニュース性を重視しますし、
「公平中立」という建前があるので、
「公約達成」という報道はほとんどしてくれないんですよ(笑)

マイナスのことは書いて成果は書かないから、
政治家がすごく苦労をしてやり遂げたことは1行も報じられず、
発言が取り方によっては公約違反にも聞こえるといったところを
大々的に取り上げて、それを見た支持者に政治家が怒られてしまうんです。


G:
インターネットが使えるようになってみんなが興味を示してくれたら、
ホームページ上で自分が達成した公約について書くこともできるということですね。

松:
その通りです。

実際に地方の首長の中には、
マニフェストの進捗状況を公開している人もいらっしゃいます。

「当選したらあの人は変わった」と言う声が
支援者から聞こえてくることがあるんですけど、

大抵の場合本人は変わらず一生懸命やっているんです。

でも、その成果がなかなか分かりやすく見える形では出てこないこともあって、
距離ができてしまうんです。

一生懸命応援した人の気持ちもわかるのですが、自分が1票入れて応援したのなら、
せめて任期中は見守ってほしいですね。

任期中見守って、次の選挙の時に振り返ってみて
「やっぱりダメだったかも」と思ったら次の人に投票するという感じでいいわけですよ。



G:
牛肉とかのトレースシステムみたいに、
政治家もきちんと当選後の動きをトレースしていけると
理想的ということですね。


松:
ええ、そこは有権者がきちんと判断していくべきことなんです。
前回の政権交代の選挙なんかは、ずっと自民党に票を入れてきた人が、
かなりの割合で民主党に入れたわけですよね。
「もう愛想がつきました」ということです。
いまだに支持率が低迷していますからね。


G:
志を持たず、金儲けのために政治家をしている人は
政治「家」というより政治「屋」ではないのかと思うのですが、
そのような「政治屋」を有権者が見抜くのはかなり難しいと思うんですが、
あれはどこで見分けていったらいいんでしょうか?



松:
う~ん、確かにそれは難しいところですね……


G:
ネット選挙が解禁となったら、ホームページを持っていない時点でアウトというか、発信するべき情報もない、今までのような政治「屋」ではないかという疑いを持つことができるようになると思いますが、現状ではどうやったらほかの手段で見分けることができるんでしょうか?

松:
現時点でも、選挙期間中の更新はできませんが、
政治家のホームページにある程度コンテンツがありますからそこは自分で調べるしかないですよね。直接話をするのが一番分かりやすいんですけど(笑)
しかしそれはなかなかできることではないので。
普段何にもしない議員であっても、選挙だけは強い人がいるんですよね。
選挙始まる前は偉そうなのに、始まった途端低姿勢になって挨拶してくるので、思わず「誰?」って思うような。だから、どちらかというと選挙に弱い人の方がまっとうかもしれない(笑)

例えば国会議員の例で言うと、
国会で一生懸命やっていると、地元対策がおろそかになるんですよ。
国会議員の仕事って別に地元を回ってへこへこ頭下げることじゃなくて、
政策を練ったり法案を審議したりをすることなんです。

地元の代表というよりも、
国の代表として日本全体のために働いてもらわないといけない。
ただ、そうして地元に帰ってこないでいると、
その間に相手陣営に自分の支持者のところを丁寧に回られてしまったりする。

それで支援者から「あいつは東京に行って帰ってこない」と言われると、
秘書がよく嘆いてます。

国のために一生懸命働きたいんですが、
地盤がまだしっかりしないうちは地元対策がおろそかにできないんです。

ただ、注意してほしいのは、政治家か政治屋かというのもそうですが、
右翼とか左翼とかとかレッテルを張るのはやめてほしいということです。
右とか左とか、そんなに人間は単純じゃないですから。
百害あって一利なしです。
そういうのはどうでもよくて、要は国のためにやる気があるかどうかが大切なんです。
各人の政治信条によって考え方は違いますから、そこは自分で判断をしたらいいんです。

右翼とか左翼とか言う前に、それがきちんと判断できるくらい勉強をしているのかも疑問ですね。せっかくネットには情報があふれているんだから、下手なレッテル張りなどをして決めつけてしまうのはもったいない。むしろ、政治と政治家を見分ける過程で、自分の中でも今ある問題やその要点なんかに関心を持って自分なりの考えが持てるようになると、すごくいいなと思うんですけどね。


G:
ということは、マスメディアは
その辺りの判断材料をもっとちゃんと出してくれという話になりますね。
マイナス情報ばかりではなくて、プラスの情報も出してもらわないと。

松:
ええ、そうですね。
もう少しバランスよくやって欲しいと思います。


G:
選挙候補には特定の宗教団体がバックについているケースがありますが、
どのぐらい選挙に有利にはたらくものなのでしょうか?


松:
宗教団体がバックについている某政党は最強の選挙集団ですよ。
自分たちの支持者というものを非常に高い確率で固めてくるんです。

例えば、普段自民党を支持している人でも、
今回は民主党に入れてみようということはあるわけです。

前回の選挙でも
自民党の支持者の3~4割が民主党に票を入れていますから、
それはすなわち支持者を固めきれなかったということなんです。
ところが某政党はどんな逆風が吹こうが90%以上票を固めてきます。
見事としか言いようがない。

例えば10人当選する選挙区で、当欄ラインは8000票という局面で、
某政党の候補が2人出てきた場合。某政党の票が全部で2万票だったら、
きれいに各候補に1万票ずつ割りふってくるんですよ。
一体どうやってるんだろうと不思議に思うんですが。
実際に地方選挙でほとんど支持票を寸分の狂いなく、
誤差数%以内でがっちり二分割してきたことがありました。


G:
では、昨年夏の衆院選で、
宗教団体がバックについている政党はどうして負けたんでしょうか…?

松:
彼ら自身は、逆風の中でも票を減らしてはいないんです。
何で負けたかというと単純な話で、投票率が上がりすぎたんです。

無党派層の投票率が上がったから負けたんです。
投票率に得票数が左右されないので、そういう意味ではとても強いのは確かです。
選挙でそれだけ票を読めるのは普通であれば考えられないので。
ただし限界はあって、どんなに一生懸命CMを作ろうがポスターを貼ろうが、
その政党に入る票はさほど変化しません。

G:
ということは、みんなが選挙に行くようになって投票率が上がれば、
そのような組織ぐるみの票の影響力がどんどん下がっていくんでしょうか?

松:
はい。投票率が上がればあがるほど、組織票の占める割合が下がるので。
だから国民みんなが投票に行く必要があるんです。
自民党の長期政権時代で言えば、
「低投票率で自民党が勝つということは、投票に行かない人は0.5票自民党に入れているのと同じだ」
ということなんです。
投票に行かないことで、組織のある人を有利にしているわけなんです。

「いかに投票率を上げていくか」ということも社是として常に考えていて、
できれば、有権者全員に選挙に行ってほしいんです。
それは不可能だとしても、投票率60%とかで満足している国ではいけないと思っているんですね。



当たり前の話なんですが、候補者は投票してくれる人に対して働きかけるので、
現状では立候補者たちは
60代より上の人がこうしてほしいと言ったことに対して応えるこわけです。

そうすると、若い世代の意見を実現してくれるわけがない。
だからもう、これは世代間闘争といっても過言ではないかもしれません。

非常に分かりやすい例えがあって、
ある国政選挙のデータを見ていくと、年代別投票率は年齢に比例するんです。

20代の投票率は20%で、
60代の投票率は 60%となる


ただでさえ団塊の世代は有権者数として一番多いのに、
20代は有権者数として一番少ない上に投票率も低い。
投票者数に大きな差が生まれるわけです。

自分たちの意見を通そうと思ったら、代表を立てたりとか、
圧力団体のような感じで働きかけていくことが必要です。
20~30代が団結して声をあげていって、それがしっかり投票率に表れたりするといいですよね。

選挙プランナーという立場からしても、
分析とか票読みをしていくとどうしても、
メインの層となる60代以上の票をどうやって取ってくるか
という話になってしまうんですよ。

若い人向けになにか新しいことをしようにも、
現行の公職選挙法のもとではできることも少ないし、効果もほとんどない。
そこから票が出てくるとは思えないし、
実際に出てこないので相手にできないのが正直なところです。

ですから、そこはやっぱり20~30代がしっかり動いて、
選挙の中で一定の票を出してくるようになってきたら、
有権者のそういった部分をちゃんと政治家は見ているので、
無視できない有力な圧力団体というか、層になってくるんです。

そのためにも、「理由はなんでもいいからとにかく投票に行こうよ」
という活動をしている学生団体「ivote」をサポートしているんです。


G:
世代間闘争ということですが、
60代以上の層とそれ以下とで
特に大きく異なることは何かありますか?

松:
60代より上の人たちは
巨大メディア、
つまりテレビや新聞を信用している

というところですね。

インターネットを使う人は全体の割合として少ないんです。

ところが40代以下の世代は、
テレビと新聞で言っていることが全てじゃないということを知ってますよね。

それから、インターネット上の情報をちゃんと自分の目でより分けて正しいことを知るしかないということも。逆に言うと新聞やテレビをあまりアテにしていないということなんですよね。あくまでソースの1つという感じで。
ということは、
若い世代と上の世代とでは世界の見方が違うんです。

若い人には
おじいちゃんとおばあちゃんに働きかけて、
自分たちの味方になってもらうように頑張って欲しいですね。

それくらいの高い関心を持ってやらないと。
別に世代間闘争を煽るつもりはないのですが、人数ですでに負けているので、
こんな状況の中で少しでも自分たちの意見を通そうと思ったら、
やっぱり有権者と言われる20歳以上の人間すべてが束になって投票に行かないと
ダメなんです。
だから、ネット選挙解禁を含め、
あらゆる手段で政治に関心を持ってもらうようにしないといけないと思っています。


前回の衆院選で、1票の値段というのがあったんですが、
単純に4年間の国家予算を有権者の数で割ると
約320万円。
ハイブリッド車1台分なんですよ。
それくらい屁でもないというお金持ちはいいですけど、
一般的な感覚で言えば、320万円の買い物をする時にはカタログを比較したり、
実物を見に行ったりして入念に調べるでしょう。

投票するということは、
1票320万円の使い道を決める人を選ぶという話なんです。

これを真剣に考えないのはちょっとおかしいんじゃないか?
とおもうんです。

僕は、投票率向上のために、
デポジット制を導入
したらどうかと思ってるんですよ。

選挙は公費負担で行われていて、
選挙ポスターをはる看板を立てるのにも、撤去するのにも税金がかかっています。

それに、最後に得票数を数えるのも自治体の職員がやっていて、
手当が出て、地方自治体が負担しているんです。

つまり公務員に対して休日出勤プラス時間外手当が支払われて、
すごいお金がかかっているんです。

だから有権者から一律で先に税金を取っておいて、
投票に行ったらそれが返ってくるという仕組みにすればいいんですよ。
投票に行かなかった人の分はそのまま税収になりますし。


G:
極端な話、
外国には投票に行かなかったら罰金という国もありますからね。

松:
義務を課して罰金を取るというのはあんまり良くないですよね。

罰を受けるのが嫌でいくというよりも、
選挙制度自体に税金が使われているんだから、
投票に行ったらそれが戻ってくるだけであって、

誰もが最初から選挙に参加しているよ
という感じにしたらいいんじゃないかなと思うんですよ。

選挙すること自体に自分の税金が使われていて、
選挙の結果で税金の使い方が変わるわけですから。



G:
若い世代が
投票に行かない理由は何だ
と考えていますか?


松:
やっぱり1つは政治家不信ですよね。

政治家や、政治全体に対して期待も何もないというか。
僕自身もそうだったのでよく分かるんですが、
政治で何かが変わるなんて思っていなかったですからね。

それが実は変えられるんだと知ったのは、
一番最初に携わったかださんの選挙なんです。
あれは本当に分かりやすかった。

選挙に勝ったし、
その結果として無駄な公共事業を止めることができた。

政治家は有権者の代表だから一定の権力を持っていて、
権力に対してはそれだけの責任があって、
権力を正しく行使するといろいろなことが変えられるんだなということがよく分かったんです。

若い世代にはそういう経験がほとんど無いと感じるので、
そういう意味では、
民主党が選挙で勝って政権交代をしたというのはいいきっかけにはなったとは思います。

ただ、その後いろいろ混乱が起こりましたが
菅首相になって期待が高まっているので、彼がしっかりやれば、
若い人にも「政治は社会を変えられるんだ」という風に思ってもらえるようになるので、
それが一番効果があるんじゃないかと思うんですけどね。

ただ、その変化を感じようと思うと投票に行かないといけない。

結局ここに戻ってくるんです。
「宝くじと一緒だよ」とよく言うんですが、買わなければ当たらない。
僕が携わった選挙の中で一番僅差だったのは、76票差で勝ったものがありました。
一騎打ちだったのであと39人が相手に投票したら負けていたんです。
本当にごくわずかな差ですよ。
このような場面での1票の価値はものすごいですよ。
それくらいの接戦も本当にあって、それで未来が変わりますから。
1票で何も変わらないということは絶対にないです。



G:
1票の重みというか、
それで未来が変わるということを知らせていくのが必要なんですね。

松:
何十年も前からいろいろな人が言ってはいるんですけど、
なかなかうまくは行きませんね…。

昨年夏の衆院選で「MyVoteJapan」というiPhoneアプリを
企画して開発してもらったんですよ。
今一生懸命参議院選の対応をやってバージョンアップの申請中なんですが、
「自分が誰に投票できるのか分からない」ということをよく聞くんですよ。
このアプリを使えば、自分が住んでいる地域を入力すると、
あなたはここに投票できるよという風に表示できるんです。

これが「MyVoteJapan」の起動画面。
自分の住んでいる場所をタップして指定していきます。


試しに大阪府の中心街である大阪市北区を指定。


現在は前回の衆議院選のデータが表示されるため、
こんな画面になります。
すでに参議院選のデータも追加され、アップルの許可待ちだそうです。


松:
そこから各候補のホームページに直接飛べるようにはなっているので、
事前の下調べなんかもできるようになっています。
あくまで投票「支援」ツールで、まだまだつたないんですけど。
どれだけ効果があるかは分かりませんが、
とにかくできることからやっていかないとと思います。
これで1人でも投票に行ってくれれば御の字ですね。

これからも投票率向上の活動を続けていきたいです。
それこそ10代後半のころから関心を持って欲しいですね。
すぐに20代になるわけですから。
20歳になってはじめての選挙で誰に投票するか、
というところにも興味を持ってもらえたらと思います。



G:
ところで、
料亭というと政治家が使っているイメージがありますが、
何のメリットがあって料亭を使うのでしょうか?


松:
僕も何度か料亭で打ち合わせをしたことがあって、
何で料亭なんだろうと思っていたんですが、
あれは秘密が守られているからなんです。

格のあるお店だと
政治家の誰と誰が会ったとか言ってはいけないということになっていて、
ちゃんと裏口もあるので、
一般のお客さんに見られずに会って話をして帰ることができる。

しかも完全個室で。女将さんとかは顔なじみだったりして分かっているから、
一般のお客さんや変な人が入ってこないようにしてくれるので、
料亭は都合がいいところなんです。

ホテルのロビーではこういうことは無理なんですよ。
いろいろな人が出入りするので。




G:
街中で騒音を出しても違法にならないのは
選挙のせいだと言われていますが、果たして本当なのでしょうか。

松:
いや、多分その話は勘違いだと思います。

選挙期間中、街宣車は道路交通法の一部が適用除外になって、
シートベルトもしなくていいし、駐停車禁止についても一般車よりゆるいんです。

だから、たとえ規制があったとしても、
選挙に関係するものを、期間中だけ適用除外にするだけで済むはずなので。

例えば、個人情報保護法というのも政治活動は適用除外なんです。
僕も騒音の話は初めて聞いたんですけど、
選挙のせいで規制ができないということはないと思うんです。
ただ、確かなことは言えないですね。



G:
地方議員の方が
国会議員よりも利権を多く握ることができると聞いたのですが、
これは本当でしょうか?

また、一体どういう利権が存在しているのでしょうか。

松:
そういうケースもありますね。

この業界では、
政治家で一番楽なのは
都道府県議会議員
と言われています。

というのも、

市区町村議会議員は一般の人にとって一番身近で、
地べたを這いずり回る選挙をするんですが、

都道府県議会議員というのは一番中途半端なんです。
都道府県の仕事自体が、
国から下りてきた仕事を代行でやるようなところがあって、
独自でできることって実はあんまりないんです。
そういう意味でいったら中間管理職みたいな状態で、一番手を抜けるんです。

もちろん忙しく仕事をされている議員の方もいらっしゃいますし、
橋下さんみたいな知事が出てきて取り上げられたりするとまた忙しくなってくるんでしょうけど、そういう話題もなく、毎回無投票みたいなところはかなり楽でしょうね。

だから地方に行くと
6期、7期連続で当選していて、その地区のドンみたいな人が結構いるんですよ。

「7期連続当選、○○の妖怪」とか言われてたりして(笑)

単純計算するだけでも28年も議員をやっているわけです。
そういえば、次で10期連続当選、36年ずっとやっていて70歳台で次も出る人とかいます。
そういう県議会議員は多いです。

かなり長い年月やっている中で
県とか市の職員とかもだいぶ抑えていて、国の方にもパイプがあって、
地元に一定の影響力があるからそれを行使することができる。

だから、地方に行くと
国会議員よりえらい都道府県議会議員というのは
実際にいますよ。




G:
身も蓋もない話ではありますが、
金儲けをしている政治家とそうではない政治家は
見分けることができるんでしょうか?


松:
そうですね、1つの目安として資産公開があるので、
それを見れば政治家の持っている資産の額は分かります。

例えば、菅さんは900万くらいでしたっけ。
鳩山さんが14億で、ケタが一体何個違うんだって驚きましたが。
単純に資産公開だけで悪いことをしているかどうかというのは分からないですが、政治家のお金の流れは、マスコミが調べていくことで、特定の企業からの献金が入っていると分かったり。

あとは「パーティー券」もお金を集めるための手段としてかなり使われています。

そもそも候補者は企業献金を受け付けられませんが、
企業にパーティー券を買ってもらうことはできるんです。

それって結局企業献金なんじゃないかと思ったりはしますが、
そういった形で特定の企業が何百万というパーティー券を引き受けて買っているという癒着だとか、そういう話は当然出てきます。



G:
パーティー券はいつから登場したんでしょう?

松:
たぶん政治家個人への寄付の禁止と連動していたと思います。
政治資金規正法にのっとった形で、
「政治資金パーティー」という名称の資金集めのパーティーをした場合に
パーティー券を売ることができます。



G:
パーティーでは一体何が行われているんですか?

松:
中身はただの懇親会ですね。

僕もつきあいで何回か行きましたけど、
メインとなる候補者の前に何人か弁士が立って、
「○○先生はすばらしい!」みたいなことを言って、
候補者が「ありがとうございます」と返して、それで終わりです。
あとは候補者と記念撮影をしたり。
2万円うち、会場費などを入れても半分以上は儲けが出るようになっていると言われています。

大体ホテルとかを借り切って立食パーティーという形になるんですが、
食事が全然足りなかったりしますね(笑)

応援するために券を買っているわけなので、
例えば社員の分まで10枚買っておいて、パーティーに行くのは社長一人だけという場合もあります。



G:
政治家の中でも、特に政治に影響力を持つ人物というのが存在しますが、
どういう理由で影響力を持てているのでしょうか。


松:
まずはお金ですよね。
お金の流れを動かせるというところですかね。

あとは、選挙で実働で動く人とかも含めて人脈を握っていること。
さっき話した、長期に渡って当選し続けている都道府県議会議員、
いわゆる妖怪の下にはさらに子分がいるんですが、
その子分たちは上からの命令がないと動かない。

都道府県議会議員の選挙区の中に市がいくつか入っていたりとか、
あるいは市全体だったりするので、
その人の傘下の議員が10人とか複数人いるわけなんです。
その人たちに県議会議員が号令をかけて動く、と。選挙が始まった時に、
今回はこの候補者を応援しろという号令をかけてその人たちが一斉に動き出すんです。

でも、こういう人たちの影響力というのも、
低投票率だからこそ生きてくるものなんです。

普通の人からしたら無名の存在にすぎない人が、
狭い選挙の世界で、投票に行く人の内の何割かを確実に抑えていて、
その何割かが勝敗を左右してしまう。




G:
記者クラブには政治部などいろいろな部門ありますが、
選挙の際、政治家は記者クラブをどのように利用しているんでしょうか?

また、何かマスコミ対策などをしているんでしょうか?


松:
選挙においては、なるべく記者といい関係を築くということですね。

こちらから積極的に情報公開をして、
取材に丁寧に答えるというところが基本ですよね。

ただ実際選挙になると、相手が相手陣営に肩入れしている記者だったり、
戦略上言えないこともあるのですが、
極力嘘をつかないようにして「それは言えない」と答えたり。

やはり人間同士の関係なので、話をしたりとか、質問項目にきっちり答えるとか、
アンケートの期限を守るとか、最低限の人と人とのやりとりをしっかりします。

「こういう記事を書いてくれ」とは言えませんが、
こちらの思っていることを正確に伝えてもらえるように言葉も尽くすし、
人間関係も作っておくというようなところですね。




G:
ぶっちゃけ、記者クラブはあるのと無いのとでは、
選挙プランナーとしてはどちらの方が選挙がしやすいですか?

松:
うーん、どっちでもいいですけどね。
僕個人としては記者クラブ反対派ですが。

よくテレビで流れている、
政治家の周りを記者が取り囲むタイプの取材って、
昔とはだいぶ様子が変わっているみたいですね。

記者がみんな若いんです。
昔はもうちょっと年配というか、ベテランなんだろうなという感じの人が
この手の取材に行っていたようです。

この変化というのは、書かれる記事にモロに影響するわけですよ。
これまでの政治を知らないことに加えて、やはり経験が不足していますから。

地方の新聞記者の任期って、2~3年なんですよ。

各地域を回って、成果を上げたら自分の希望した配属先に行けるらしいんです。
だから、その人たちは政治の取材がやりたくてやっているわけではないんですね。
選挙の時期になって人手が足りないから選挙班に回されました、
という記者さんも多いんです。
そんな状態では政治のことは全然分からないですよね。

だから、と言えるか分かりませんが、
発表があったことを右から左に流しているだけの記事が多いのかなと。
夜討ち朝駆け、っていう言葉がありましたけど、
そこまでガツガツしている記者さんに会うことは少ないですね。
裏を取らないまま事実と異なる内容を書かれて、抗議したこともあります。




G:
政治というのは極論すると法律を作るということで、
議員はそれぞれの有権者がスポンサーになって献金し、
自分たちの利益につながる法律を制定させるために、子飼いにしているような構図
があると聞いたのですが、
実際にこのような状態にあるのでしょうか?


松:
はい、実際にそういう政治家はいますよ。

一定の組織票を持っている団体、
自治労とか日教組とかもそうですし。

例えば商工会とか農業系の団体なんかは、
それぞれ政治団体を持っているんですよ。

そういうところが組織で推す候補を決めたりしていて。
組織内候補も結構います。

また、特定の企業から秘書などの人的な支援を受けながら活動している人もいますし。
その割合については正確なことは言えないですけど、
ゼロなんかではなく たくさんいます。

 これはさっきも話した圧力団体というか、
自分たちの主張を実現するために社会に働きかけをしているわけで、
必ずしも悪いことではないと思います。
もちろん、法律違反はいけませんが。



G:
インターネットを有害なものと決めつけて規制しようとしたり、
ネット選挙に反対したり、非実在青少年問題とか、児童ポルノ規制にかこつけて恣意的な解釈での取り締まりが可能な法案を通そうとしたり、特に21世紀に入ってから日本は訳の分からない状態になっていますが、この状況は投票率が上がる、つまり多くの人が選挙に行くようになれば変えていけるんでしょうか?


松:
止められると思います。
断言できます。


G:
逆に言うと、
世間一般の流れと逆行するような条例や法案が
どんどん出てくるのはなぜなんでしょう?


松:
さっきの話につながるんですが、

投票率の高い
60代以上の意見が反映される
ので、
彼らの望むことが優先されていきます。

ちょっと単純化した話ですが、大メディアは「こんなけしからん事件があった」ということだけを取り上げて、この世代が「こういうことはいけない」という話になって議員の方に伝わっていって、議員も「それはいかん!」と奮起してしまうという。そこで若い世代が手をこまねいているだけなので、やっぱりさっき言った通り、若い世代の投票率が上がっていけば確実に変えられます。




G:
選挙プランナーとしてお聞きしたいのですが、
20~30代の投票率を上げる方法
というのはどのようなものがありますか?


松:
難しいですね。
よく色んな人と議論をするんですが、
一番確実に若い人の投票率を上げようと思ったら、
嵐とか人気のある芸能人なりアーティストが
「投票に行こうキャンペーンをする」ことなんじゃないかと(苦笑)

別に木村カエラでもだれでもいいんですが、
これくらいしか考えつかなくてすごく落ち込みます……。

何かできることはないのか、
と常に考えているんですけど。


松:
やっぱり、選挙の重要さを伝えていくことと、
関わってもらうことですかね。

まずは政治と自分の生活が関係してしまっていることを端的に示す活動をすること。それから、選挙の1票の価値が何かというのを端的に説明すること。あと、もう1つは「投票で世の中は変わるんだ」ということを分かってもらうこと。自分たちが望んでいたものが実現されるんだという実績を積んでいくことですね。

今の時点で一番確実なのは、候補者の息子さんや娘さん、その同級生に声をかけることくらいなんです。携帯に電話をかけたり、メールをしたり。でもメールも選挙違反に問われる可能性は高いので文面には気をつけないといけないし、選挙期間中は規制されてしまうので使いにくいんですが。若い世代に有効に働きかけるのはなかなか難しいところですね。

選挙期間中に開催される個人演説会に行ってみると、
そこにいるのは 60歳以上の人たちだけですよ。


始まったら半分くらい寝てしまってます。
だから、若い人向けの話ができる状況ではないんです。

それで、聴衆の関心が高い医療・福祉・介護の話になる。
「その税金は一体どこから出るんだ」って思いますが。

僕らの世代なんかでも、結婚して子どもができたりすると、
子育てや税金のことに関心が出てくるので少しまた話が違うんですけど、
なかなか今の段階でそういうライフサイクルの中で、
自分と政治に関係があるという部分は分かりにくいですからね。




G:
若い世代の意見を優先するという立候補者がいたとすると、
その場合どうやってコンサルティングをしたら勝てるんでしょうか?


松:
若い世代の意見を代弁するという路線を一直線で行くしかないです。

年配の人の中にもいろんな人がいて、
年金、医療など自分の生活で頭がいっぱいの人もいれば、
今ある借金はすべて子どもや孫の世代に行ってしまうから、
若い世代ががんばると言うのなら応援するという人もいるわけなんですよ。

若い人のために、次の世代のためにということをアピールすることが、
必ずしもすべての60代以上を敵に回すわけではないので、
そこはアピールの仕方次第だと思うんです。

また、年配の候補者の中にも
「病院を建てるとか、年金を増やすとか、そういったことはお金がないからできません」とはっきり言う立派な政治家もいらっしゃいます。
選挙前だけ耳ざわりのいいことを言って、当選してから「できません」と言うのではなく、「現状これだけ借金があるから、子や孫のためにこれだけ我慢をしてください」という話をするのが本当の政治家だと思うんです。

事業仕分けが人気を博したのは、
それだけ国がムダな税金の使い方をしていると国民から疑われていたからでしょう。

今の消費税の議論にしても、
財政を何とかしていくためには税制改革をしないといけないから
消費税の話になるんでしょうけど、

何でこれだけ借金が増えて、
このまま行くとどうなってしまうのかというところで、
きちんと説明責任を果たしてほしい。

例えば、消費税を上げる場合に法人税は下げるのかとか、
どういう形で景気対策を行うのか、増税した消費税の使い道の議論もありますし。

「選挙前に消費税の話をすると負ける」とか言うのではなくて、
堂々としてほしいですね。


ただ、例えば、消費税と今の国の財政についての関連と展望について
2時間の説明会を行ったとします。

絶対にテレビは2時間まるごと放送してはくれません。

だからそこでインターネットを使ったらいいんですよ。


詳細な資料もアップして、
情報公開した上で賛成か反対か意見を寄せてもらうとか。

首相が Ustreamで訴えて、その場で賛否を投票してもらうとか。

もっとうまく国民を巻き込んで議論するような形に持っていったらいいのにと、
今の政治を見ていてとても歯がゆいです。



今の日本の政治の行き詰まりって、
いろんな問題を後回しにしたりとか、
ちゃんと正面から取り組んでいないために起こっていると思うんですね。

憲法の問題しかり、自衛隊の問題しかり、解釈でなんとかしようとして、
正面からの議論をしていないんですよね。
世論調査の結果にどうしても一喜一憂をしてしまうところですね。
びくびくするんじゃなくて、
国民も議論をしながら考えていこうという流れを、
政治家がリーダーシップを作ってほしいと思うんですけどね。




G:
今言われたような政治の閉鎖的な部分は、
これからなくなっていく方向に向かうんでしょうか?
それともある程度維持されてしまうんでしょうか?


松:
少しずつよくなっていくと信じたいですね。
今でこそ民主党が政権取っていますけど、2年前には考えられなかったことですよね。
民主党が政権を取って良かったことも悪かったこともどちらもあるんですが、
とにかく変化していっているわけなので、
一切何も変わらないということはないです。
今は混乱期と言えると思うんですが、
そういう中で骨太な政治家が出てきて、国民に説教するような人が出てきてほしいですね。

今までの人たち、
それから新しく「国民を巻き込みたい」と思っている人たちの間で
議論が起きてくるでしょうね。
そこで、国民がどちらに票を入れるかで決まると思うんです。
また元に戻ってしまう可能性だってもちろんあるし、
本当にどんどん国民参加型の政治になっていく可能性もある。
結局、これを決めるのも国民の投票なので。



G:
政治家と国民の意識が変わっていく方向に向かっていくという予想があるとして、
選挙コンサルティングが必要でない政治と、
必要な政治と、どちらが理想的なんでしょうか?


松:
まあ、選挙コンサルティングが必要なかったら一番いいですよね(笑)

やっぱりぼくらの仕事の内容で一番必要とされているのは、
伝え方という部分なんです。

どうしても外見力は票に関係してきますし、自分の思いを伝えるにしても、話し方やその内容の組み立て方、どういう部分を強調していくかという演出の部分が大切になってきます。

これらの部分を僕はよく「ストーリー作り」と言うんですが、
なぜあなたが今この選挙に出て、当選したらどう変わるのか
という大きな1本の流れを作って、そこを強くしていくと、
やはり分かりやすいんです。

というか、逆にそこが分からないと有権者は投票できません。



G:
お話を聞いていると、選挙コンサルティングというより、
将来的に選挙チームのブレーンのような感じになっていきそうな気がしてきますね。


松:
そうですね、
選挙の規模が大きくなればなるほど、
そういう全体の統括とか、戦略部分に果たす役割が大きくなっていくでしょうし、
そこで力を発揮したいです。

これからネット選挙が一般的になって、みんなが発信をしていって、
有権者がきちんと調べて自分の考えで判断をしていくようになったら
僕らは不要になるかもしれませんね。



G:
かといって、そういったことをみんながみんなできるかというと、
そうでもないだろうとは思うのですが。


松:
そうかもしれません。
ただ、結果的にそういった形で僕らの仕事がなくなっていけば、
それだけ民主主義が成熟した
ということになるのではないかと思うんです。

よく選挙のコンサルティングとか言うと、
候補者に演技をさせたりとか、選挙だけ勝たせるためにやっているんだろう
とか言われるんですけど、うちの会社ではそういうことはできません。

結局ボロが出てしまいますから。
役者じゃないんですから、候補者もそんなに演技はできませんよ。

自分で思ってもいないことを
熱っぽく言えない
し、
練習したって分かってしまいます。

選挙はそんなに甘いものじゃないです。

当然、「こういうことは言わないようにしてください」という
注意点や見せ方・言い方の指導はしますけど、
それでもその通り100%できる人なんかいません。

上手い下手よりも
志や熱意といった根っこがないと、
こちらとしてもストーリーが組み立てられないし、
それに基づいて演説の原稿を作ったりもできないので。
だから、中身のない人の手伝いはうちはできないですし、
やったところで当選しないでしょう。

ただ、政治家は人に見られる仕事なんです。

候補者も、それ以前は普通に働いていた人だったりするんですよ。
自分が人に見られるということがどういうことか、
というのに対して全然経験がないんです。

写真を撮る時はあごを引きましょうだとか、
そういうことを全然知らないんですよ。

猫背とかもやめましょう、と。
猫背で記者会見とかやっていると、全然覇気がないように見えるので、
ちゃんと胸を張りましょうと指導するんです。

そういうことから始めるんですが、

それって別に演技をさせているわけじゃなくて、就職活動もそうでしょう。
リクルートスーツ着て「御社の」とか慣れない言葉を使ったりして。

要は心構えを新たにしてもらうということだと思うんです。
当選して議員になってやりたいことがあるのなら、

好感を持たれるように気をつけたり、
聞き取りやすくしゃべったりというのは、至って普通のことですよね。

選挙プランニングが入るということは
脚色しているということではなく、
本当に目的を実現するために当たり前のことをフォローしていくだけなんです。





G:
最後の質問ですが、
日本の政治の理想はどのようなモノがよいと考えますか?
また、理想の政治とは?


松:
一人でも多くの人に投票に行ってほしいというのがありますよね。

選挙のコンサルティングをしていて思うんですけど、
例えば投票率30%で負けるとものすごく悔しいんですよ。

組織票だけで結果が決まっていて、
一般の無党派層の人たちが誰も投票に来ていないように感じます。

投票率30%という中の、得票率を 60%占めるだけで結果が決まるんですから、
全有権者数に置き換えるとたった10%弱の声しか反映されていないんですよ。

そういう状況というのはやはり変えていきたいですね。

今決められていることというのは、後々僕らにも影響が出てくるし、
僕らの次の世代、子どもや孫にも影響が出てくるので、

未来を決める政治を
若い世代が放棄しちゃうのは非常に危ないし、
もったいない。

若い世代を中心に投票に行ってほしいなと思います。

あと今、政治家と有権者との関係は
かなり不幸な関係になってしまっていると思います。

特定の事例がすごく極端に巨大メディアで取り上げられすぎていて、
それで政治家不信というものが起こり、
そういう中で政治家は世論が怖いから世論調査に対して一喜一憂してしまって、
自分の筋を通すことよりも
次の選挙に当選することを優先しなくてはいけなくなったりしている。

この一連の悪循環はやはり不幸だと思います。

だからもう少し有権者は政治家を信頼するというか、
任せてみようという感じになってほしいし、

政治家も有権者を信頼して、現実にこういう問題があって、それに取り組まないといけないとなったら、選挙目当てで隠すのではなく堂々と訴えてほしい。

お互いの信頼関係がある程度できて、
有権者も政治家も一緒に政策の議論に取り組んでいけるような状態になったら一番いいのかなと思います。

G:
ありがとうございました。





GIGAZINE
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ これが日本の「選挙」の知られざる実態、
 選挙プランナーの松田馨さんにインタビュー GIGAZINE 2010年06月24日
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ ネット選挙解禁で日本は変われるのか、
「政治の暗黒面」と「望む未来に変える方法」について
 とことん聞いてみた - GIGAZINE 2010年06月25日
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