◆対談 田原総一朗×池田信夫 『メディアと政治』  7月15日

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◆ 対談 田原総一朗×池田信夫 『メディアと政治』  BLOGOS 7月15日

見つけますねぇ。面白かったです。
誰か 文字起こししてくれたら もっと面白いのに。

と、うああさんから、コメントいただきました。
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テキストを読むなら、その記事の中でリンク表示している
龍馬をサポートするブログ さん」ところの記事にあります。 (どうぞ)


Ustreamを見る と結構な時間がかかりますが、
その値打ちはあるかも です。


テキストを読むと早いのですが…


読むと早いので、理解が実感…、となって沁み込まないようです。
読後に印象が薄く、この話しから得るものが残らない感じでした。

わたしは、katoさんの記事のテキストを 読んで済ませるつもりでした。

それが、記事にしようと当Ustreamの埋め込みを取りにいって、
うっかり見いっててしまい、テキストだけ読んだときのあととの差に、愕然としました。 
インパクトが10倍違う… 。


また、対談中に、小声で、さっと早口に応報されている部分がかなりあります。
それまでの話しの流れから飛躍した話しとかで、あとのふつうの声で話される内容に続かない部分だったりするので、テキストには載せれなくて(載せると意味不明箇所に、切られています。

ですが、そこに情報とか、
リアルな感じを伝える何かがあったりします。




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◆ 対談 田原総一朗×池田信夫 『メディアと政治』より

池田:田原さんが、ライブドアでメールマガジンをやって、今回のタブーをテーマとしたような、メールマガジンでないと書けないネタを発信すれば、ちゃんとお金を払ってくれる人がいるはずです。

ホリエモンのメールマガジンが良い例ですよね。

田原:この間、彼にどうやって食ってるんだって聞いたら? 
メールマガジンを会員制にして、月800円なんだって。

池田:そう、あれだけで月々250万円ですからね。

田原:それでも凄いね。

池田:1年で3000万ですよ。
有料配信というのは田原さんくらい希少価値があれば、成り立つんですよ。

田原:ライブドアはやっていないの?

池田:田原さんだったら、1000~2000人くらいは、すぐに行くはずです。

田原:池田さんの所は、何人くらいいるの?

池田:僕はホリエモンほどではないけれど、500人くらいいますからね。
単価が安いけれど、月20~25万は行きますから。
田原さんだったら、もっと行けるはずですよ。




池田:公選法にはtwitterがいけないとも、
Blogがいけないとは書いていないんです。

だから、堂々とやって、選挙管理委員に言われたら
「何が悪いんだ」って開き直ればいい。

選管は(根拠がなく)何も出来ない訳だから。

日本って良く言えば、みんな遵法意識が強い。
でも、悪く言えば 当たり障りがなくなっている

大人しいと言うか、お上を恐れ過ぎていると言うか。
さっきのコンプライアンスを、みんなが過剰に意識しています。



池田:日本全体が、これは郷原さんもおっしゃってましたけれど、コンプライアンスという名前で、事なかれ主義になってしまっているんでしょうね。

田原:会社側もコンプライアンス部なんて作ったもんだから。
これは、ひたすら文句を言う部署なんですよ。
細かいことまであれこれ言って来るんですね。

池田:この頃、会社の中では、法務部の方が社長より強いんだそうです。
ある会社では社内に検索エンジンを作ろうとしたら、法務部が著作権法が検索エンジンを禁止しているとして、ストップさせた。そんな馬鹿な話があるかと、社長が自分の権限でやろうとしたら、「社長でも駄目です」だって。日本全体がそんな感じになっている。

田原:僕にもクレームがいっぱい来るんですよ。
「威張っている」、「政治家をなんだと思ってる」、「自分を何様だと思ってるんだ」とか……。

以前はクレームが来ると、

「これは田原が悪い」、
「こっちはクレームの方がおかしい」という選別をしていた。

でも、コンプライアンス部ができてからは、数で決めるようになった。

良いも悪いもなくて、
クレームが来るのは良くないことになってしまった。

今はどのテレビ局もそうだと思う。
そうすると、当たり障りのないことしか言えないんですよ。










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『メディアと政治』  対談 田原総一朗×池田信夫
http://ameblo.jp/kato33/entry-10617676207.html

経済学者の池田信夫氏がゲストに田原総一朗氏を迎え、
7月15日にUstreamで生中継された対談。


『メディアと政治』をテーマに、先日行なわれたばかりの参議院選挙の総括、
日本のマスメディアが抱える構造的な問題、
メディアではタブーとされてきた差別用語について、両氏が鋭く語り合った。

テレビや新聞では、絶対に語られない真実が
次々と放たれた対談の模様をお送りする。



池田:皆さんこんばんは、
本日のBLOGOS対談は、ゲストに田原総一朗さんをお招きして、『メディアと政治』というテーマでお送りしたいと思います。

皆さんもご存知の通り、7月11日に参議院選挙が行われました。
ここで民主党が大敗を喫し、衆参ねじれ現象となりました。
今後政治はどうなっていくのか? 
これまでの政治が動いてきた中で、メディアがどのような役割を担ってきたのか? 
田原さんに聞きいていきたいと思います。

まず、今回の参議院選挙の結果についてどう考えていますか?



田原:大新聞、全国紙、テレビが民主党を批判していますが、
今回はメディアも共犯だと思います。民主党が大敗したのはメディアの責任です。

今回の負けた一番の要因は、菅(直人)総理が消費税を10%にすると言った事にあります。

消費税を10%にすることに対して、
少なくとも朝日新聞から産經新聞までの全国紙、NHKから民放まで、
反対するところはなかった。

「良く言った」、「自民党はあのような事を言えなかった」、「菅は良く言った」と、
どこも前向きに評価していました。

逆に言うと、新聞やテレビがこぞって評価したため、
菅さんは「ああ、そうか。消費税10% は世の中の常識なんだ。
新聞もほめてくれたんだから、むしろ良心的な政治家だと、国民に評価される」
と考え、気安く言ってしまった。

この発言を誘発したのは、新聞であり、テレビでした。

さらに突き詰めていくと、
今回民主党が負けた最大の要因は、29もある一人区で8勝21敗と惨敗したことにあります。
その上、二人区でも落ちてしまった。

一人区のある地方は、深刻な不況なんです。

数字の上では日本の景気は良いことになっている。
1月~3月期のGDP成長率が+4.9%。4月、5月も良くなっている。

でも、景気が良くなったと実感できるのは東京、せいぜい名古屋、大阪だけ。

一人区のある地方は、深刻が続いています不況なんです。
彼らからすれば、こんな不況なのになんで消費税を上げるんだと。
冗談じゃない。それで惨敗した。

NHKを始めとする放送局や全国紙は、地方に支局があるはずです。

支局には記者もいる。
彼らは一人区や二人区が置かれた地域は不況が続き、
消費税を上げるなんて冗談じゃないと分かっていたはずです。

ところが、朝日新聞も、産經新聞も、東京のトップにはこの情報が届いていない。

マスコミは口では地方分権を目指せ、中央集権は良くないと言いいながら、
完璧な中央主権体制を敷いています。

東京の目だけで物事を見ていた訳です。

東京の目で見ていたからこそ、朝日新聞やNHKも消費税に賛成と言った。

それに菅さんは乗っかってしまった。

そして、乗せた方は、「民主党が悪い」、「菅が悪い」と言っている。
何を言っているんだと。



池田:僕も全く同じ印象を受けました。
鳩山さんから菅さんが政権を預かった時点では、非常に支持率が高く、
彼もそれを背景に今後は増税もできるだろうと考えた。

自民党も10%と言ったし、どさくさ紛れにできるだろうと。
僕もその判断自体は 政治的には間違っていなかったと思います。


田原:マスコミは誰もが賛成していましたからね。


池田:ところが、朝日、読売、産経も増税やむなしという論調だったのに、
世論調査をやると、先月の半ば頃からガクっと落ち始めた。

「これはなんだ?」ということになって、急にバタバタしはじめた。


田原:菅さん自身は良いと信じて言ったわけだし、
支持率が落ちると、慌てふためいてしまった。
「これはどうしたんだ?」って。


池田:僕もそこが不思議だったんですよ。

田原:しかも、共犯関係にあったマスコミも言いたい放題で、
民主党をボロクソに言っている。

池田:確かに都市部と地方の違いもありました。
しかし、もうひとつの理由として、
同じメディアの中にも大新聞の社説や論説の人と別のレベルがあったと考えています。

今回の対談は タブーがないのではっきり言えば、
同じメディアの中でも、ワイドショー、夕刊紙やスポーツ新聞は、圧倒的に増税に反対でした。
でも、こちらのメディアの方が見ている人が多い訳ですよ。


田原:彼らは一般の国民・庶民の目線を持っている。
ところが、大新聞や放送局は完全に上からの目線なんです。


池田:菅さんが接していた永田町エリートの世界では、
消費税アップも仕方がないと思っているかもしれない。

私たちは昔テレビ局にいましたが、
テレビ局での仕事と政治は似ているような気がします。

お客さんが何千万もいる。
つまり、まったく想像のつかない大人数のお客さんが相手となるため、
どこに焦点を合わせてメッセージを発信したらいいのか分からない。

政治にもそういった面があります。
政治家は、永田町の記者クラブに向けて発信したらいいと思ってると、
実はその下に、タブーなしで言うと、
日本の視聴者層はある種のピラミッド型になっているようです。

でも、永田町や霞ヶ関にはごく僅かに高いレベルの人がいるかもしれないけれど、

下に行けば行くほど、
所得税と消費税の違いが分からない人が、何千万といるんですよ。




田原:そんな彼らだって、不況だという事実は分かっている。
ところが、新聞社の論説や記者は不況だと分かっていない。

だって彼らは給料も高いし、待遇だっていい。


池田:そうそう。この状況で給料が下がっていない。

田原:新聞やテレビがナンセンスだと思うのは、
「派遣がどうした」、「非正社員がどうした」とわめいているけれど、
自分たちは正社員で給料も高いんですよ。

彼らは銀行員の給料が高くて、しかも非公開だと糾弾している。
でも、言っているお前等のほうが給料は高いし、非公開じゃないかと。


池田:今回ある意味で、地上波のテレビや全国紙と、
一般国民の意識のギャップが出て来てしまいましたね。

田原:それが大きい。
旧メディアの古さが露呈しました。
ネットメディアが、旧メディアの古さをもっと突いていかなければならない。

池田:竹下内閣の時に、僕は経済番組を担当していました。
税金の問題はテレビを作っている側からすると、すごく分かりやすいんです。

田原:一見ね。

池田成長戦略や外交問題は、見ている人はさっぱり分からない。

でも、税金が何%上がるって話は誰だって分かるし、
誰でも嫌だって言うんですよ。
番組作っている側としては、税金の話に焦点が行きやすい傾向はありますね。


田原:それにしても、菅さんはあまりにも安易に言ってしまった。

最近の新聞報道が本当にひどかった。

名前は言わないけれど、
ある大新聞が、「民主党は財務省と癒着していて、財務省に動かされた」と報じています。
財務省は税金取りたいから、菅首相は彼らに乗せられて消費税アップを言ってしまったと。
つまり、政と官の癒着があったという訳です。

事実は違うんですよ。

僕は財務省の局長クラスと、今日も会ったけれど、菅さんは選挙が始ってから、財務官僚にまったく会っていない。だから彼に言ったの。「あんたが親切に教えていれば、菅さんはあんな馬鹿なことは言わなかった」って。
菅さんは結局、大阪大学のある教授の言うと通りにやっていましたね。


池田:小野(善康)さんですね。

田原:この教授は学会でコテンパンにやられています。
僕は仙石(由人)官房長官に、菅さんの言っていることは間違いだと指摘しました。
「菅さんと大阪大学の教授を引き離せ」とも言った。
そうしたら、「私もそう思う、枝野もそう言っている」と。

池田:へぇ……。

田原:ところが、菅さんは、あの先生の言葉を丸暗記しています。
下手に引き離して、仙石や枝野が理屈を付けると、いかにも借りて来た理屈に見えてしまう。しかも理論自体も矛盾する。これは駄目だと分かった。実は財務省のある局長も、「私たちに相談してくれれば、あんな酷いことは言わなかったはずだ」って言っていますからね。

それなのに大新聞は、取材もしないで財務省と癒着していると言っているんですよ。


池田:率直に言って、僕も小野善康さんの理論には……。
学会でも何度もおかしいと議論がされていて、議事録にも残っている。
一回、僕のBlogでも紹介したんです。
小野さんは学会で質問をされているのに、ちゃんと答えていないと何回も批判されています。誰もがおかしいと言っていて、当の本人もちゃんと答えていないのに、それを総理大臣が丸写ししたとはね。

「日産のゴーンさんの首切りは良くない。彼は首切りが上手い」
なんて、首相にしてはキツ過ぎる表現です。

これは首相として大丈夫なのかと何度かBlogに書きました。
田原さんの話を聞く限り、官邸でも同じように思っていたようですね。


田原:そう。官邸の幹部達もなんとか引き離したいと思っているけれど、下手に丸暗記しているから、引き離したら大変なことになる。そう言った指摘が新聞にまったくない。

池田:そうなんですか?

田原:そうですよ。
朝日新聞なんて選挙直前に小野さんのことを絶賛している。

池田:そうそう、社説でありましたね。僕もビックリしましたよ。

田原:何を言ってるんだ、今頃ってね。

池田:正直、彼らも理解して言っているのかと思っていましたよ。
そして、菅さんの意見にはもうひとつの問題があります。
いわゆる強い社会保障で、強い経済です。
これまたよく分からないことを、菅さんが一生懸命おっしゃっていました。
あれも、神野直彦さんという政府税調専門家委員会の会長からの受け売りです。
率直に申し上げて、彼は“マル経”(マルクス経済学)の方ですよね。

田原:スウェーデン礼賛者だもの彼は。


池田:マル経というのは、今の経済学会では完全に排除されている。
まともな経済理論とはみなされていないんですが、どうも菅さんや仙石さんも、強い社会保障は気に入っている様子ですよね。


田原:それはね、神野さんの言い方が上手かった。
『strong welfare(強い福祉),strong finance(強い財政),strong economy(強い経済)』と英語で言った。みんなカッコイイと(笑)。

池田:(笑)

田原:本当に言ったの。『strong finance』とは何のことだ? こんなに赤字がたくさんあって、何が『strong finance』だと。『strong economy』もです。
常識だけれど、1990年に日本は国際競争力で世界一番だった。
一人あたりのGDPも、2000年には世界で3番目だった。
それが、GDPが今や23番目、1位だった国際競争力も27番目になってしまった。
これで何が『strong economy』なのか。『strong economy』を目指すために、何をするんだと。


池田:因果関係が真逆だと思うんですよ。
つまり、強い経済になったら、みんなが豊かになって、社会保証にも予算があてられるっているのは、分かります。でも、社会保障に税金をばらまいたら、強い経済になるっていうロジックはあり得ない。

田原:しかも菅さんはもっと突き詰めて、
消費税を上げれば景気が良くなるって言ったんだ。

池田増税で経済成長ってね(笑)。
あのあたりから、何を言ってるのかよく分からなくなってきました。

田原:それに、菅さんがの仕方がないところだけれど、
支持率が下がったら、慌てふためいて、何を言っていいのか分からなくなった。
「私は消費税10%とは言っていません」とかね。
その次は……。

池田:還付する。
税金を戻すと言い始めました。

田原:しかも、県によって言ってることが違うんです。

最初に行った青森では200万円以下。
秋田に行ったら300万円。
次が400万円になっちゃった。

400万って言ったらね、日本の人口の46.5%が所得400万円以下ですからね。
そうなったら10%も5%も同じなんですよ、ほとんどの人にとって。
あんなことを言うから、何を言ってるんだ この人は って雰囲気になってしまった。


池田:さらに批判されたら、後退しましたね。
所得税の累進率を高めるなど色々な事を言って、最後は増税そのものを取り下げてしまった。次の総選挙までは絶対に上げない、と。

田原:そうやって無茶苦茶 言っているのに、
大新聞は「賛成、賛成」と 書き立てていた。

池田:選挙前までは優しかったのに、
選挙終がったら、「増税で負けた」と批判されました。

だったら、自民党だって増税を言っている。
どういうことなんでしょうね、あれは。


田原:マスメディアはみんなね、結局は評論していない。結果論なんですよ。

池田:結果論だから、誰でもなんとでも言えますよね。

田原:終ってから、なぜ負けたのかを分析するなんて、誰だってできます。

池田:簡単ですよね。

田原:立ち上がりの時点から、「これは駄目だ、こいつは負ける」
と言えなければ、評論家じゃない。全部結果論。

池田:今回に限らずマスコミが政治家をミスリードすることが非常に多いです。

政治家のセンセイ方も記者クラブの中にいると、記者の意見が世論だと勘違いしちゃう。
記者クラブで政治家と記者の距離が近過ぎるのは、問題です。
さっき田原さんがおっしゃっていましたが、
東京のほんの片隅にいる高級サラリーマンの頭の中が、世論だって思っている。

田原:常識だと考えているよね。

池田:どうもそこがマスメディアの問題で、
非常に閉ざされた世界の中における常識みたいなものは、
想像を暴走させてしまいます。

田原:新聞社の政治部の幹部たちは、
だいたいが総理大臣を始めとした政治家と仲がいいんです。

だから彼らにとっていいことばかりを書いている。

でもね、新聞も批判もしなければならないから、たまには批判もする。
その時、幹部は「若いやつが、むちゃくちゃ書きやがって」と言い訳するんです。
「償いは必ずしますから、」と。

NHKでは、そんなことがありませんでしたか?


池田:NHKは そういうことが 一番キツいですよ。


田原:しょっちゅうやってるんだ?

池田:だって、言っちゃあ悪いけれど、海老沢(勝二)元会長なんて、
若い記者を抑える仕事で選ばれたようなものですから。

NHKに限らずどの社でも、
政治部では原稿書く記者じゃなくて、抑える記者が出世すると。

たぶんテレビ東京もかつてそうだったはずです。
NHKも 記者クラブには 2人の記者がいます。

社会部の原稿書く記者と、政治部の原稿を抑える記者です。
いわゆる“波取り記者”記者が必ずいる訳ですよね。


田原:この世界では、抑える記者が偉くなる。書く記者は偉くなれない。

池田:朝日新聞なんて、社長は社会部から出たことがないはずです。
政治部と経済部が交替で、社長になっているんですよね。
やっぱり日本の新聞社の中で、ある種の本音と建前の使い分けみたいなことを、ずっとやってるんです。

田原:日本に本当はタブーなんてないんだ。
新聞社の中に、テレビ局の中にタブーがある。

池田:田原さんもご存知のように、
電波のタブーというのはもの凄くキツい。

僕なんて『電波利権って本を4年前に書いたら、
一切地上波に出られなくなった。
田原さんの『朝まで生テレビ』が唯一ですよ、スタジオに出してもらったのは(笑)。

書籍 池田信夫 電波利権+(新潮新書)_convert_20100821155434
       電波利権 (新潮新書) 池田信夫

田原:まだ、出て下さい。

池田:来年くらいに……。


田原:テレビ局の自己規制は凄いですよ。

最近良くないのは、全てのテレビ局にコンプライアンス部があること。

コンプライアンスとは遵法精神の意味なんだけれど、本当の意味は違う。
無難にやろうと、ヤバいことはやるなと。


池田:テレビ局にはブラックリストがありますからね。
僕なんかは、そのリスト全部載っていますから。

一昨年、元農水大臣の太田誠一さんが、秘書の自宅を事務所にしていた時、
あの事務所の隣に僕が住んでいたんですよ(笑)。

まったく偶然だったんですけれど、
ある朝、9時頃に共同通信が来ている。
表に出てみたら、各社がカメラを持って並んでいる訳ですよ。

「なんだろう」と思ったら、そのまま中継されていました。
この場所が農水大臣の政治団体の事務所だと。
「僕はここに6年間住んでいるけれど、夫婦以外の人が誰も入るのを見た事がないですよ」って言ったら、そのままテレビに出ちゃって。


田原:池田さんが、出ちゃったんだ。

池田:いち住人としてインタビューされて、生の放送に出ちゃったんです。
そうしたらスクープだと大騒ぎになった。

それで各局からテレビに出てくれって言われるんですよ。
「僕はいいけれど、これまで僕に出演交渉していた人は、たいてい最後はゴメンナサイと言ってくるんで、ブラックリストに載っているみたいだから、僕のことをちょっと調べてみて下さい」って言ったら、見事に各局全部ゴメンナサイでした(笑)



田原:それはひどいな。

池田:要するに、電波の問題についてコメントする人は、
絶対に生放送に出してはならない。

だから僕の友達でもね、
名前は言えないけれど、田原さんの番組にレギュラーで出ていた某氏なんて、
通信と放送の懇談会の座長をやった途端に……。

田原:ああ、彼ね。東洋大学の……。

池田:番組を下ろされてしまった。
ワイドショーのレギュラーだったのに、
情報通信法の事務局をやったら、途端に番組下ろされたり。

要するに、通信と放送の融合というのは、禁句なんです、テレビ朝日では。
あの世界は 相当 言論統制 厳しくなっていますよね。

田原:本当に厳しいね。
それからね、新聞の再販問題も口出ししたら、完全に駄目だしね。


池田:5~6年前に、特殊規制の問題がありました。
あれには唖然としましたよ。

だって、特殊規制なんて何の意味もないことです。
それなのに中川秀直さんや山本一太さん、普段は改革派を唄っている人が、
特殊規制は言論の自由を守るために絶対必要だって、議員連盟を作ってしまった。
高市早苗さんもでしたね。
自称改革派の人ほど、マスコミに依存して生きているから、
要するにに新聞社からドーピングをやってくれと言われると、やらざるを得ない。
山本一太さんなんて、新聞社から政治献金まで貰っている。
いわゆる改革派というのも、全く信用できない状況です。


田原:だから政治家はマスコミに弱いんですよ。
マスコミもそういった所に圧力をかけているから、自主規制が凄い。

具体的に言うと、小沢(一郎)さんのお金の問題がありました。
検察は不起訴とした。

あの時にサンデープロジェクト……
まぁ、こんな事をやるからサンデープロジェクトは終った訳だけど(笑)。



池田:(笑)。

田原:検察中心の宗像(紀夫)弁護士と、小沢さん寄りの郷原(信郎)弁護士が出ることになった。
ちなみに郷原さんがテレビに出たのは、あらゆる番組でサンプロだけだったんですよ。

池田:へぇ~。

田原:どこも出さない。
サンプロに出てもらった時も、局の上層部は「絶対に出すな」と言い張った。


池田:それはなぜ?

田原:郷原さんを出すと、検察が睨んで来るからです。

小沢さんの問題では、新聞社も検察からリークされていた。
小沢さんの悪口を新聞もテレビも書き立てた。
その時、必ず『関係者によれば』としていました。

ある新聞の記者に「この“関係者”っておかしいんじゃない? 名前を書くのは難しくても、検察関係者でしょ。なんで検察関係者って書けないの?」と聞くと、書いたら出入り禁止になるからだって。それを書くのがマスコミじゃないかと。
でも、彼らは一切書かない。


池田:まぁ、検察とか、政治家との関係は難しい。
べったりだけれど、あまりにもべったりだと面白くないから、悪口も書かなければならない。あれは難しいですね。

田原:だから、僕はいろいろな政治家に会っている。
記者クラブに入っていないから、会わないと取材ができない。
ただし、会っても秘密は一切ありません。
例えばサンデープロジェクトの時も、全ての内容をスタッフに話します。

例えば昨日鳩山さんに会って、こんな話をしたってね。
だから鳩山さんも、時々「田原さん、会って欲しい」と言ってくる。
で、会いに行く。

民主党が政権をとったのは昨年の9月でした。

僕は11月に呼ばれました。
そこで鳩山さんは僕に
「国民の皆さんは、私のことをどう思ってるのでしょう?」って。

「なに?」って返したら、

「総理大臣は、裸の王様になってしまう」と。

彼が住んでいたのは公邸でした。
公邸と官邸を行き来するだけで、東京の街も歩かない。]
まぁ、歩こうにも歩けないけれど(笑)。

それに、総理大臣の所に来る人は、何かを頼みに来る人ばかりだから、お世辞を言う。
だから、「国民の皆さんが私をどう思っているのか、分からない」と。

だから私ははっきりと、
『鳩山さんほど、だらしがない総理大臣はいない」と言ったんだ。


池田:(笑)


田原:「え? だらしない。なんでですか?」って。

「当然でしょう。
あなたはお母さんから12億円ももらって、知らなかったと言った。

嘘ならまだしも、本当に知らなかったら、だらしない限りじゃないか。

あなたの秘書がその事をまったく記載していない。
それも知らなかった。

こんなのだらしない以外に、どんな言葉があるのか。


まだ、だらしないことがある。

あなたは小沢さんの金の問題を知っているはず。
あなたの金と、小沢さんの金は種類が違いますよ。
あのような事は止めて欲しいとか、幹事長を辞めて欲しいとか、
あんたは言わないじゃないか。

もっと頑張ってくれ」と。


そうしたら、「そうですか……」って、
深刻な顔をしていましたよ。



池田:権力の中枢にいる人と、取り囲む記者クラブというのが、
同じような意識になってしまっている。
彼らと、それ以外の人のギャップがどんどん広がっている。
そういう意味では、鳩山さんが Twitterをやったりしたことで、もちろんノイズも多いのでしょうけれど、永田町や霞ヶ関とは違う世界のことも耳に入るようになったのでは? 


田原:いやぁ……、本当にTwitterを見てるかどうかだね。
自分では見ていないかもしれない。
でもtwitterって面白いですよね。私もやっていて、 9万1000くらいフォローしてくれている。何が面白いって、以前は2chでは、私に対しては罵詈雑言の嵐でしたよ。でもtwitterは優しいんですね。


池田:そうですね。

田原:とても優しくて、「田原さん、これは間違いじゃないですか?」とか、
「その通りだと思う」とか。
そういえば池田さんは、Twitterで批判されているものは、全部ブロックしてるんだって?

池田:そうですね、面倒臭いから。

田原:いいじゃない、別に。

池田:それは好き好きですよね(笑)。もちろん、マメに答えている人もいますよ。


田原:池田さんにブロックされた人も、またつぶやいている。
本当に面白い。池田さんは1日どれくらい呟いているんですか?

池田:いや、そんなに呟きませんよ。僕なんか田原さんよりも少ないか、同じくらいです。

田原:僕は4回くらいです。

池田:そんなものです。人によっては、「渋谷なう」とか「新宿なう」とか、書く人がいるけれど、読む方もうっとおしいでしょう。田原さんのような呟きが、読者としては一番いいですよね。

田原:夜の11時を過ぎると、繋がらなくなりますね。

池田:サーバーがすぐに落ちてしまったりします。不安定なんです。でも、Twitterが出来てから、政治家の人たちも記者クラブのバリアの外側の世界が見えるようになった。

田原:政治家でやってる人も随分いますね。

池田:いますね。それこそ河野太郎さんとか……。

田原:山本一太もやっていますよ。

池田:主流ではないと言っては悪いけれど、
若手の改革派の人々が使ってますね。
これから世代の差はあるとは思いますけれど、オープンな外の世界とコミュニケーションを取ることを政治家の人がやるようになれば、今度の選挙のような認知ギャップが、もう少し埋まると思います。

田原:今回の選挙は旧マスコミの悪さ、欠陥が露呈した。
それにしてもなぜ選挙の時に政治家がtwitterをやっちゃいけないんだ。

池田:あれも公職選挙法に抵触してしまったから。

田原:なんでそんなことをやるんだ?

池田公選法にはtwitterがいけないとも、Blogがいけないとは書いていないんです。

だから、堂々とやって、
選挙管理委員に言われたら「何が悪いんだ」って開き直ればいい。
選管は何も出来ない訳だから。

日本って良く言えば、みんな遵法意識が強い。
でも、悪く言えば当たり障りがなくなっている。

大人しいと言うか、
お上を恐れ過ぎていると言うか。

さっきのコンプライアンスを、みんなが過剰に意識しています。



田原:僕は『朝まで生テレビ』に元ライブドアの堀江(貴文)さんに、時々出てもらうけれど、本当に大変ですよ。

池田:日本全体が、これは郷原さんもおっしゃってましたけれど、
コンプライアンスという名前で、事なかれ主義になってしまっているんでしょうね。

田原:会社側もコンプライアンス部なんて作ったもんだから。これは、ひたすら文句を言う部署なんですよ。細かいことまであれこれ言って来るんですね。

池田:この頃、会社の中では、法務部の方が社長より強いんだそうです。ある会社では社内に検索エンジンを作ろうとしたら、法務部が著作権法が検索エンジンを禁止しているとして、ストップさせた。そんな馬鹿な話があるかと、社長が自分の権限でやろうとしたら、「社長でも駄目です」だって。日本全体がそんな感じになっている。

田原:僕にもクレームがいっぱい来るんですよ。
「威張っている」、「政治家をなんだと思ってる」、「自分を何様だと思ってるんだ」とか……。
以前はクレームが来ると、「これは田原が悪い」、「こっちはクレームの方がおかしい」という選別をしていた。
でも、コンプライアンス部ができてからは、数で決めるようになった。
良いも悪いもなくて、クレームが来るのは良くないことになってしまった。
今はどのテレビ局もそうだと思う。そうすると、当たり障りのないことしか言えないんですよ。

池田:まぁ、NHKは昔から、そんな感じは強かったけれど。
僕が入社した当時は、まだ好きにやれたところはあったんです。
でもしばらくして、受信料の不払いが増えて来たりすると、
やっぱり経営側は日よってしまう。
クレーム電話がかかってきて、ちょっと反論すると、
必ず言われるのが「そんなこと言うと、受信料払わないぞ」って。
テレビ東京であれば、見たくないなら、見るなって言えるかもしれないけれど、
NHKは絶対に言えませんからね(笑)。
最後は、「そうですか……」としかいえない。
そうすると、良くも悪くもお客さんの目を過剰に意識してしまう。
番組の内容に最初から「これと、これは止めてくれ」って、
どんどん注文がついてくるようになるんです。

田原:テレビは、新聞もそうかもしれないけれど、『良かった』って電話がかかってくることはないんですよ。

池田:そうそうそう(笑)

田原:悪かった時にしか、電話はかかってこない。

池田:良く言えば、お客さんを気にするようになったことは、NHKにとっても進歩なんでしょう。でも、悪く言えば、どんどん最大公約数的に番組を作るようになった。僕のいた頃に比べても、ますます最大公約数的になっている。たとえば、NHKスペシャルなんて、3回も試写をやるんですよ。

田原:3回も? 誰向けの試写?

池田:色々段階がありまして。本編は45~50分なんですけれど、一番最初に120分で試写にっかける。これはスタッフだけで、ラッシュみたいな荒編集で見て、この辺りを切ろうと決める。次に70分でやる。これは、かなり偉い人を呼んできます。部長・次長クラスですね。70分の試写では、偉い人が一番面白い所を「ここは難しいから、よく分からない」とか、「これはちょっとヤバいんじゃないか」って指摘する。偉い人が言えば、現場のプロデューサーはそれを忖度しつつ、言われた所を切って行くんですよ。

田原:つまらない所だけ、残るんだ。

池田:そうそう。誰でも知っている情報だけが残っちゃう。
僕が昔コンピューターの番組を専門にやっていたんですけれど、ハイテクノロジーの最先端って、50過ぎのおじいちゃんが見ても分かる訳ない。おじいちゃんが分からないことに価値があるのに、分からないって言われたら、全部落として行くしかない。当然、誰もが知ってる事しか残らない。悲しいのはNHKは海外出張で金を使っている割には、くだらない情報しかないなって言われてしまうんです。

田原:それは、NHKだけじゃないですよ。
どこの局でもあります。とにかくテレビは分かりやすくなければいけないから……。

池田:昔よりもプレッシャーがキツくなっている。

田原:だから、昔NHKにいた池上(彰)氏がね……。

池田:僕は何度も池上さんと仕事した事があるけれど、池上さん本人は、民放でやっているキャラクターが地なんですよ。『こどもニュース』の池上さんは、 NHKのアレに合わせていた。本当は、NHKの記者にしても、ディレクターにしても、地の性格で言えば、僕や田原さんとあまり変わらない。NHKという器のプレッシャーが、昔に比べてどんどんキツくなっているんです。

田原:日曜日には各局が開票特番を放送しました。
一番視聴率が高かったのはテレビ東京の池上さんの番組だった。
僕が見てもやっぱり面白い。開票特番ってつまらないでしょう? 
言っちゃ悪いけれど。

池田:そうですね。

田原:衆議院はいいけれど、参議院はつまらない。

それは、候補者の名前が分からないから。
「どこそこの誰々が当選しました、万歳~」とやっても、つまらない。でも池上さんはそれをやらなかった。日教組とは何なのか? 労働組合とは何なのか? そういう事をやっていた。すごく分かりやすく。だから、僕も見てしまいました。


池田:池上さんのような人は、どちらかと言えば、ごくごく普通のコメントをする人でしょう。田原さんがテレビをやめた頃から、自己規制というか、差別用語の糾弾が激しくなっている気がしますね。

田原:放送局には、差別用語の辞典までできていて、アナウンサーみんなが読んでいる。

池田:差別用語って増えるばかりで、減ることがないんですよ。日本人はどんどんリスクを避けている。日本経済が駄目になったひとつの原因がコンプライアンスにあると思う。

田原:僕もそう思っている。ことなかれ主義になっている。みんながことなかれになってしまうと、経済も上手くいきません。格差が駄目、競争が駄目、平等にすべきだと。

池田それこそ新しいベンチャー企業が、上場しようとしても、
コンプライアンス書類がもの凄い量あって、みんなそれが嫌で上場しませんからね。


田原:僕の友人が、ベンチャーを育てる会社を作ったけれど、上手くいかなかった。
それはなぜか? 日本にはベンチャーがないから。
なぜいないか? それはホリエモンを逮捕したからでしょう。
ホリエモンの逮捕って、あれは何だったか知っています? 
旧体制が新体制をやっつけようとしたんですよ。
ホリエモンや村上(世彰)が、金を稼いでいた。こいつらが勢力を持ったら大変だと。孫(正義)や三木谷(浩史)はプロ野球のチームを持ったのに、ホリエモンだけが持てなかった。
「あいつはネクタイもしない」と。
三木谷や孫さんは、老人にゴマをするのが上手いんだ。
ほりえもんはゴマをすらない、けしからんと。あんな奴がのさばって来たら、財界の旧体制がやられてしまう。だからホリエモンをやっつけようとした。
ホリエモンをやっつけたのはいいけれど、日本からはベンチャーもなくなってしまった。
ベンチャーのない国が発展する訳ない。


池田:最初のテーマに戻ると、
菅さんが日本を元気にしたいと言っても、所得を再分配して経済が成長するはずない。
根本がずれているから、何を言ってもしかたないんです。

田原:BOPって言葉があります。
『bottom of the pyramid』、ピラミッドの真ん中に線を引っ張って、さらに上半分に線を引く。世界はこのピラミッドの上1/4だけで商売をしていたんです。

ところがその経済が飽和状態になってしまった。
ところが最近ではピラミッドの下半分に世界の人口の72%がいるから、ここで商売しようと。
こういうことを日本で言うと「差別だ」と。bottomって言葉が良くないから、『base of the pyramid』になったんだって。
この辺りが日本はまったく遅れている。そこを相手にしようとはしていない。

池田:日本の会社には無理なんだと。途上国のベンチャーは、日本のイメージとは全く違いますからね。要するに、日本のようにちゃんとした会社を作って、サラリーマンを雇ってと、そういう事はまったくない。雇用という形態ではなくて、みんな携帯電話で連絡をとって仕事をするんですよね。途上国でも携帯電話のインフラだけはある。

田原:中国で携帯が流行るのは、電話線がないから。
途上国では電話線がないから、固定電話では駄目なんだ。

池田:途上国では、永年勤続や終身雇用のようなシステムを持たない。
仕事がある時だけ、みんなが携帯電話によって集まって来る。
だから固定費がもの凄く低いんです。
日本のように、年収1000万円の人がたくさん集まっている会社が、そういった状況では勝負できないと思う。これはもの凄く大きな問題ですよね。

田原:日本の大企業は全体の3%。97%が中小企業なんだ。
大企業は儲かっているけれど、中小企業はどうしようもない。
今までは中小企業対策は金融だった。彼らは金がないから、銀行が金を貸していた。
最近は金融の時代が終わったと言われています。
特に地方の中小企業は非常に深刻です。
今までの地方の中小企業は、ほとんどが公共事業で持っていたんですよ。

池田:そうでしょうね。

田原:小さな会社であっても、公共事業の孫請けがあった。
でも公共事業はほぼ終ってしまった。
地方の中小企業は仕事を欲している。
仕事がないんだ。
仕事を中小企業にまわすにはどうしたらいいのか? 
何にも施策がない。
菅さんは全く知らない。

だから僕は最近言っている。地方分権や地域主権なんてナンセンスだと。
なぜ、東京だけが儲かるのか。これは、東京という地域主権なんですよ。
地方が儲かるようなシステムをつくればいいんです。


池田:地方も地域主権とかキャッチフレーズは叫んでいるけれど、
あの中身は要は地方交付税が欲しいだけでしょう。

田原:地域主権と声高に言っていたのは民主党。
地域主権と言いながら、一人区で惨敗した。
一人区は不況のどん底なんですよ。消費税を上げるなんて言語道断だと。
地域主権と言いながら、看板に掲げながら、
そんな悲痛な叫びがなぜ菅さんに届かないのか……。
民主党は地域主権と叫びながら、中央集権を進めていて地域主権はまったく考えもしていない。

池田:その問題は、戦後、田中角栄以来の問題のような気がします。

田原:田中角栄が進めた列島改造論は、東京、名古屋、大阪の太平洋側には工場がたくさんあるから、これ以上作らずに、内陸部や日本海側にもっと持って来る。これが列島改造論でしたよね。ところが田中角栄は列島改造論を唱えたものの、地方分権の考えはなかった。言っている事は地方分権だったけど。民主党は地方分権を唄いながら、列島改造論の考え方まったくない。

池田:これまでのシステムそのものは、田中角栄が作りましたよね。国がお金を集めて来て、地方にばらまくという。そこで官僚の天下り先とかを作って、政治家がその上前をはねる。非常に都合のいい仕組みを作った。


田原:高度成長はそれでよかった。
ところが成長が終って、ばらまく金がなくなってしまった。
金はなくなったのに、ばらまく構造だけが残った。
まったく矛盾している。


池田:今、民主党がやっているのも、かつて公共事業でばらまいてきたけれど、公共事業はネタがつきたから、今度は福祉でばらまこうと。それだけの事なんですよね。田中角栄からまったく変わってない。

田原:時代が変わったことを全く分かっていない。

池田:田中角栄の時代には適したシステムでも、40年も同じことをやったらいかんでしょう。

田原:こんな話をテレビのスタッフに話すと、ガックリする。
政治家はもっと頭が良くて、雲の上の存在だと思っていたけれど、
田原さんの話を聞くと”ただの人間”じゃないかと。
そんな人間にまかせておいていいのか。
任せておけないから、お前達がしっかりしろ、と。

池田:政治家は選挙区では、あらゆることについて話をしなければならないので、薄っぺらいことしか知らない場合が多い。
ご存知のように官僚が政治家にレクチャーする時は、
ペラ3枚にしろと言われています。デカイ字で誰でも分かるように、
ポンチ絵を入れて書く。政治家のセンセイ方って、そんなものですよね。

田原:経済産業省、ちょっと前までの通商産業省の官僚が、
うちの大臣は”ツーショーサンギョー大臣”だと。つまり、通称三行大臣。
大臣に三行以上の答弁をさせると間違うからって(笑)。

池田:昔はそれでも良かったんですよね。
日本の会社もですが、どんどんマーケットが広がって行くときは、
経営者が馬鹿でも、現場がしっかりしていればなんとかなった。
80年代までは……。
ところが90年代になって、会社も国も失速してきて、
パイロットがちゃんと操縦しなければならない。
なのに素人さんに現場を任せてている。
それがずっと続いているんです。

田原:いつまでも現場が偉くなれない。
素人の管理職だけが偉くなる。NHKもそうでしょう?

池田:そうですね。

田原:番組作ってる奴が、偉くはならないんだ。

池田:どの局もそうでしょうけれど、
出世するラインに乗った人と、専門職の人が別れている。

ある意味、日本の組織ってどこもそうなんです。

黙っていても、みんなしっかり良い物を作るから。
だから出世するのは調整が上手い人。
そういう人が適当にやってればいいと、ずっと来てしまった。

政治家もたいしたことないけれど、霞ヶ関の官僚だってたいがいです。
そりゃ政治家に比べればマシだけれど。

例えば90年代にジャーナリストとして、大蔵省の不良債権問題の取材をした時に、
大蔵省の銀行局なんて、当時の金融行政の専門家のはずなのに、
金融工学や金融技術を全く分かっていなかった。
何が起こっているかも理解できていない。
それで不良債権問題を引っ張って、10年間もこじらせてしまった。


田原:最悪だったのは、
当時の大蔵省がフィールドワークを出来ていなかった。
机の上でしか考えていなかった。

池田:あの頃は、片山さつきさんとか、
若い世代が勉強して不良債権処理の枠組みを作ったけれど、
上の方の人たちは、銀行は金を貸す所としか思っていなかった。
だから、まったく新しい技術や産業についていけない。

田原:霞ヶ関で一番仕事をしているのは課長補佐。
課長になると、天下り先ばかりを探している。

池田:あとは政治家との接触ですね。
たとえば著作権の問題を取り上げた時も、現場の人は色々分かっているけれど、局長以上は政治家と上手くやって自分たちの法案を通してもらうことばかりに心血を注いでいる。そんなスキルばかりを磨いて、現場の実務はやらない。どこの組織もそうなっている。
政治が上手い人ばかりで、本当に良い物を作る人が上に行けない。


田原:今、twitterやBlogと、いろいろな物がありますね。
でもウェブは、これが商売にならない。

池田:ならないですね。

田原:これが商売にならないと、プロが登場しない。

池田:明後日(7月17日)、ライブドアが主催して、そういった話をするんですけれど、
要するにインターネット上のコンテンツって、全部が無料に近づいていく訳ですよ。
少し前は著作権で訴訟を起こして、なんとかしようとしていたけれど、
それは無駄だと分かった。
全てがタダに近づいて行く中で、メシを食べる方法は広告と有料配信。
基本的にはこのふたつしかない。

田原:ギャラがどんどん減って行くね。
これじゃやっていけないし、どうすればいいのか。
その辺りを池田さんが考えないと。

池田:なんだかんだ言っても、やはり有料配信でしょうね。
コンテンツでお金を取れる仕組みを作らないと。


田原:でも、今回の放送だって
ライブドアが無料でやってる訳でしょう?


池田:その代わり、ライブドアはメールマガジンとか、
有料配信の仕組みをいくつか始めています。

田原:有料化を前提としたサービスとして、やっている訳だ。

池田:まずは人を集めないと、有料配信の商売にならないんですよ。

無料でお客さんのアクセスを集めておいて、広告でもある程度フォローする。
ライブドアの Blogは現在黒字なんです。Blogも200万~300万集まれば、ひとつひとつは薄いけれども、薄く広く儲けることができる。でも広告でペイさせるのは難しいので、コンテンツでメシを食う仕組みを作らないと駄目ですね。

田原:それは、どうやって?

池田:ひとつはメールマガジン。
あとは、携帯電話のコンテンツには、みんな金を払うじゃないですか。
あれだけ小さい画面なのに。
でもPCでは、はるかに画質の高い画面で見られるものでも金は払わない。
携帯電話には、金を払う仕組みができている。

田原:習慣がついている訳だ。

池田:そうです、
(金を払う)習慣をつけることが、大事なんです。

田原:twitterやBlogも、すべてタダで見るものだと思ってる。
ライブドアのような所が、きちんとしたプラットフォームを作らなければならない。



池田:田原さんが、ライブドアでメールマガジンをやって、今回のタブーをテーマとしたような、メールマガジンでないと書けないネタを発信すれば、ちゃんとお金を払ってくれる人がいるはずです。

ホリエモンのメールマガジンが良い例ですよね。


田原:この間、彼にどうやって食ってるんだって聞いたら? 
メールマガジンを会員制にして、月800円なんだって。

池田:そう、あれだけで月々250万円ですからね。

田原:それでも凄いね。

池田:1年で3000万ですよ。有料配信というのは田原さんくらい希少価値があれば、成り立つんですよ。

田原:ライブドアはやっていないの?

池田:田原さんだったら、1000~2000人くらいは、すぐに行くはずです。

田原:池田さんの所は、何人くらいいるの?

池田:僕はホリエモンほどではないけれど、500人くらいいますからね。
単価が安いけれど、月20~25万は行きますから。
田原さんだったら、もっと行けるはずですよ。



田原:今日はいい話をきいたなぁ。



池田:全然政治の話ではありませんが(笑)。

池田:もう一度、政治の話に無理矢理戻しますが、
これまでは永田町の政治家と記者クラブの間で、非常に偏った常識で政治が動いきました。菅さんにしても、鳩山さんにしても、錯覚した状態で、活動してきた気がします。

田原:錯覚させているのが、大メディアなんだ。

池田:ライブドアでBlogを見ていると、
民主党のばらまき福祉を歓迎する人って、ほとんどいないんですよ。

ウェブ上にいるリテラシーの高い人たちから見ると、民主党って全く人気がない。


田原:それは、やっぱり国民を馬鹿にした政治だからでしょう。
ばらまきは、国民を馬鹿にしてるんだから。

池田:比較的人気が高いのは、みんなの党。
前回、ホリエモンと話したけれど、みんなの党は日銀法とか、本当に分かってるのかな?


田原:みんなの党は勝ちましたけれど、
彼らとしても、こんなに民主党が負けるとは思っていなかった。
50議席くらいであれば、みんなの党と組んで過半数になるけれど、
これだと過半数に達しない。
だから渡辺喜美さんも困ってるはずです。

池田:パーシャル連合が出ていますね。

田原:あれってパーシャルしても意味がないからね。

もしかしたら、俺たちの時代が来ると思ってるのが自民党。
消費税にしても、自民党と組まないと進まない。

自民党は何にも変わらないのに勝ってしまった。
何にも変わらなくて。谷垣(禎一)は駄目だからと、
ほとんどの連中が言っていたのに勝ってしまった。

だから現場も困ってるようだ。
勝ってしまったから、当分 谷垣だな… って。


池田:田原さんがおっしゃってる大連立というのは? 
今や民主党も自民党も変わらないですからね。

田原:何にも変わらない。自民党が大連立の条件をひとつ出しています。

池田:それは?


田原:消費税はOKだと。
その代わり、子供手当をゼロにしろと。
これを民主党が飲んだら、民主党って何ってことになる? 
何もなくなってしまう。

池田:僕は大連立もありだと思っています。
このままでは持たないから、また分裂があるでしょう。
どうせなら若手と年寄りに別れてもいいとおもう。

田原:本当は自民党の若手が年寄りを追い出そうとしたけれど、勝っちゃったからね。
また年寄りがデカイ面を始めた。若い連中も困ってるんですよ。

池田:やっぱりあと1~2回は選挙をやらないと駄目ですかね。

田原:頑張って欲しいけれどね。




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テキストアップありがとうございます。

「救国の秘策」のあとがき読んで気づいたんだけど、
我々は今、毎週とも言ってよいほど頻繁な米韓の軍事演習やそれに対するカウンター作戦の中国軍演習やってることを知ってる訳じゃないですか。
でもこれって、いつもそういうことに興味があって、それなりの予想と覚悟がそれなりにある我々だからこそ知ってるに過ぎないってことに気づいたんです。
地上波TVしか見なかったり、産経以外の新聞しかとってない日本人のほとんどは、このキナ臭い状況を知らされてないんですよ!
こんな重要なことを知らせようとしないTVも新聞も腐ってるわ。罪深い、だけのレベルじゃないわ。
2010/08/21(土) 21:21 | URL | うああ #-[ 編集]
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