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カリフォルニア州モノ湖でヒ素を食べるバクテリア、初の 元素 置換生物 NASA

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■ ヒ素食べる細菌、NASAなど発見 生物の「常識」覆す 2010年12月3日 朝日
■ 異質な生命体発見、NASAなど 米国で細菌、猛毒のヒ素食べて増殖  2010.12.3 日経

モノ湖の周辺地域は隕石の落下によってできたとみられるクレーターが多い

                        生物 宇宙 ヒ素 食べる細菌、NASA4_convert_20101203110437

■ SF小説が現実のものに、NASAなどの研究グループがヒ素を用いて増殖する
  生命体を発見、宇宙生物学の大きな一歩に  GIGAZINE 2010年12月03日

今回取り上げられた、モノ湖に住み 砒素を利用して光合成するバクテリアについての情報は 2008年に Science誌に掲載されたようで、8月14日に Wired.com に取り上げられています ( 2008年 8月20日、WIRED VISION にも掲載 )




■ 砒素で光合成するバクテリア: 原始の地球環境を解明する手がかり
                                 WIRED VISION 2008 8月20日

米国の科学者チームが発見したこのバクテリアは、光合成をするのに酸素を必要としない。酸素の代わりに、原始地球の火山の噴火口に豊富に存在した砒素を利用する。 (略) 水の代わりに、硫化水素や鉄の一種など、他の化合物を利用していた(最近になって、火星にそうした鉄が見つかっている。地球外生命に強い関心を持つ者にとっては期待できる発見だ。 (略)







火星では、硫化水素や鉄の一種が見つかっているそうで、
火星に この細菌を移植したら、酸素供給が始まるかもしれないです。
火星で 惑星単位での環境改造に使える? かも…







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◆ カリフォルニア州モノ湖でヒ素を食べるバクテリア、初の 元素 置換生物 NASA
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■ 「ヒ素を食べるバクテリア」発見、初の元素置換生物 NASA発表 2010.12.3 産経
■ リンの代わりにヒ素をDNA中に取り込む微生物が見つかった I’m not a scientist.
■ NASAが「地球外生命体の存在を認めざるを得ない」という公式見解を発表
  ヒ素を吸収し生命維持できるバクテリアの存在を確認: カラパイア
■ NASA、リンの代わりにヒ素を活用して生命活動を維持できる細菌を発見 マイコミジャーナル

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米カリフォルニア州Mono Lakeの風景(出所:NASA)






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リンク切れ、記事削除のときの自分用控え


■ ヒ素食べる細菌、NASAなど発見 生物の「常識」覆す 2010年12月3日 朝日

猛毒のヒ素を「食べる」細菌を、米航空宇宙局(NASA)などの研究グループが見つけた。生物が生命を維持して増えるために、炭素や水素、窒素、酸素、リン、硫黄の「6元素」が欠かせないが、この細菌はリンの代わりにヒ素をDNAの中に取り込んでいた。これまでの「生物学の常識」を覆す発見といえそうだ。

今回の発見では、NASAが記者会見「宇宙生物学上の発見」を設定したため、「地球外生命体発見か」と、CNNなど国内外の主要メディアがニュースやワイドショーで取り上げるなど「宇宙人騒動」が起きていた。

この細菌「GFAJ―1」株は、天然のヒ素を多く含む米カリフォルニア州の塩湖「モノ湖」の堆積(たいせき)物から見つかった。研究室で培養して調べたところ、リンの代わりにヒ素を代謝に使い、増殖していた。リンは、炭素などほかの5元素とともに、生命体が核酸(DNAやリボ核酸)やたんぱく質などを作るのに必要な元素だ。ヒ素とリンは化学的な性質が似ている。

これまで、永久凍土や深海の熱水の中など「極限環境」で生きる微生物は複数見つかっているが、こうした性質はもっていなかった。

地下水や土壌のヒ素汚染に苦しむ地域において、汚染環境の浄化に応用できる可能性も秘めているという。

この発見は、生命が環境に応じて柔軟に対応できることを示しており、地球外生命体探しでの「生命に必須な水を探す」といった「常識」も覆される可能性がありそうだ。

金沢大の牧輝弥准教授(微生物生態学)は「これまでは生物が利用できないと考えられていた物質の満ちた環境でも、微生物が増殖し生存する可能性が出てきた。この細菌の発見で生物細胞を構成する『六つの元素』の概念が変わり、生物細胞内での新たな代謝の仕組みが提唱されるかもしれない」としている。

研究成果は2日付の米科学誌サイエンス電子版で発表される。(松尾一郎、勝田敏彦=ストックホルム)

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ヒ素を「食べる」細菌の走査型電子顕微鏡写真=サイエンス提供

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細菌が見つかったモノ湖でサンプルを集める研究者たち=ヘンリー・ボートマン氏提供

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細菌が見つかった米カリフォルニア州のモノ湖=ヘンリー・ボートマン氏提供





■ 異質な生命体発見、NASAなど 
  米国で細菌、猛毒のヒ素食べて増殖
  2010/12/3 日経

米航空宇宙局(NASA)などの研究グループは、生命の維持に不可欠な元素がなくても生きられる細菌を発見した。生命の必須元素の一つであるリンがない環境だと猛毒のヒ素を食べて体の一部を作る細菌で、米国の塩水湖に生息していた。既知の地球の生物とは全く異質な生命体で、生物の常識を書き換える成果。リンのない天体でも生命の存在する可能性が考えられ、地球外生命体を巡る議論も活発になりそうだ。

米地質調査所、アリゾナ州立大学、ローレンス・リバモア国立研究所などとの共同成果。

NASA宇宙生物学研究所のフェリッサ・ウルフ・サイモン博士らは、米カリフォルニア州のモノ湖で細菌を採取した。細菌の大きさは0.001~0.002ミリメートル。

モノ湖は湖から流れ出す川がなく、塩分が海水の3倍に濃縮されているほか、アルカリ性が強く、猛毒のヒ素を豊富に含む。通常の生物ならば死んでしまう過酷な環境だが、この細菌はリンの代わりにヒ素を大量に食べて成長できることが分かった。

生物 宇宙 ヒ素 食べる細菌、NASA4_convert_20101203110437

生物は必須元素を摂取して体を作り生きている。
リンは炭素や酸素、窒素、水素、硫黄と並ぶ主要な必須元素の一つ。生物のたんぱく質や、生命の設計図であるDNA(デオキシリボ核酸)はリン酸と呼ぶ物質を必ず含み、これを持たない生物は存在しないと考えられている。

研究グループはこの細菌にリンの代わりにヒ素を与えながら培養したところ、DNAのリン酸がヒ素に置き換わり増殖した。リンの代わりに大量のヒ素を摂取して体を作れることが明らかになり、今回の細菌の発見は生物学の常識に修正を迫る成果といえる。

また、原始の地球では一部にヒ素が多く存在したと考えられている。
現在の生物の中にはヒ素だけを食べて生きる生物はいないが、新発見の細菌を詳しく調べれば、生命の進化について新たな知見が得られる可能性がある。

モノ湖の周辺地域は隕石(いんせき)の落下によってできたとみられるクレーターが多いが、今回の細菌が地球外から飛来したと考える専門家はいまのところいない。ただ、これまで知られている地球の生物と全く異なる生命体が見つかったことにより、リンがないような極限環境の天体でも生きられる生命体が存在する可能性が増すとの見方がある。








砒素で光合成するバクテリア:原始の地球環境を解明する手がかり WIRED VISION 2008年8.20



カリフォルニア州のモノ湖近くにある悪臭ただよう温泉で発見された下等なバクテリアの塊から、光合成の仕組みがまだあまり進化しておらず、現状のような大気が存在しなかった地球の初期の様子を垣間見ることができる。

米国の科学者チームが発見したこのバクテリアは、光合成をするのに酸素を必要としない。
酸素の代わりに、原始地球の火山の噴火口に豊富に存在した砒素を利用する。

科学者たちによれば、このバクテリアの祖先は、砒素を使って二酸化炭素から酸素を分離し、後に多様な生物が繁栄することになる、酸素の豊富な環境を形成するのに貢献したという。

「酸素を吐き出せば、あらゆる生物が誕生する。これは、地球の進化の『第1章』だ」と、米国地質調査所(USGS)の生物地球化学者Ronald Oremland氏は言う。Oremland氏は、8月15日付けの『Science』誌に発表された、このバクテリアに関する論文の執筆者の1人だ。

通常の光合成では、植物や一部のバクテリアは、水と二酸化炭素から炭水化物を合成して栄養素として利用し、水の分解によって生じた酸素を大気中に放出する。この過程は、水分子から供与される電子によって推進される。

しかし、この仕組みが発達したのは、最初の単純な単細胞生物が進化してからおよそ10億年経った、約25億年前のことだ。

それまでの10億年間は、光合成といっても原始的な形のもので、水を分解する能力がなかった。水の代わりに、硫化水素や鉄の一種など、他の化合物を利用していた(最近になって、火星にそうした鉄が見つかっている。地球外生命に強い関心を持つ者にとっては期待できる発見だ)。


科学者チームは、初期の光合成をしていた生物は、砒素も利用していたのではないかと考えた。現存する生物の中でも、20種以上のバクテリアと藻類が、砒素を利用している。こうした生物は進化の過程で広範囲に存在し、古代から連なる系統を示唆している、とOremland氏は言う。時を経てわかりにくくなっているが、共通の祖先があるというのだ。

モノ湖の温泉で発見され、まだ命名されていないこのバクテリアは、原始の地球に似た酸素の欠乏した環境に生息でき、砒素を利用して光合成を行なった最初の生物につながる直系の子孫と考えられる。

このバクテリアは、硫化水素や鉄を栄養源とする類似の生物とともに、10億年も早くから酸素を供給し、大気を穏やかで呼吸可能な、われわれの知っている状態に整えた。

「必要なのは、日光と地表の温泉だけだった」と、Oremland氏は述べた。

Science誌の「カリフォルニア州モノ湖における、砒素(III)を利用した酸素非発生型光合成」を参照した。

[日本語版:ガリレオ-矢倉美登里/福岡洋一]








■ 「ヒ素を食べるバクテリア」発見、初の元素置換生物 NASA発表 2010.12.3 産経

生物にとって必要とされるリンの代わりに有毒なヒ素を摂取し、遺伝情報を担うDNAにも利用するバクテリアが、米カリフォルニア州の塩湖で発見された。生体を構成する主要元素を、別の元素で代用できる生物が見つかったのは初めて。生物の概念を広げる発見で、地球外生命の探索でも視野を広げる必要がありそうだ。米航空宇宙局(NASA)などの研究チームが、2日付の米科学誌「サイエンス」(電子版)に発表した。

「ヒ素を食べるバクテリア」が発見されたのは、米カリフォルニア州東部のモノ湖。アルカリ性で塩分濃度が高く、ヒ素などの有毒物質も多く含まれている。生物にとっては過酷な極限環境だ。

NASAの研究者らは採取したバクテリアを研究室で培養し、リンがない環境下でも増殖することを確認。生命活動を担っていたリンをヒ素に置き換えて、生命を維持していることを実証した。バクテリアが摂取したヒ素が、細胞に入り込んでいく様子を「放射性トレーサー」という手法で詳しく追跡すると、ヒ素はDNAまで到達し、完全にリンと置き換わっていた。

生物の体は主に炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リンの6つの元素でできている。リンはDNAなどの核酸や脂質、タンパク質などの生体高分子が必要とするリン酸塩をつくる重要な元素だ。これに対し、ヒ素はさまざまな酵素の働きを阻害するため生体にとって極めて高い毒性を持ち、古くから毒薬やネズミ駆除剤として使われてきた。

一方、元素の周期表ではヒ素(原子番号33)はリン(原子番号15)のすぐ下に位置し、化学的には似通った性質を備えている。生体を構成する元素を、性質の似た元素で置き換えた生物の存在は、理論的には予想されていたが、実際に主要元素を置き換えた生物は見つかっていなかった。

今回の発見で、主要元素が欠乏した極限環境でも、元素の置き換えによって生物が存在できる可能性が示唆され、地球外生命も幅広く考える必要がありそうだ。

宇宙 生物 ヒ素 モノ湖2
ヒ素を食べるバクテリアが見つかったカリフォルニア州東部のモノ湖((c)Henry Bortman)







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ヒ素を“食べる”細菌発見の意義と意味  武村政春
http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2010121500010.html

12月はじめにNASAが発表した「宇宙生物学上の発見」の原典は、NASA、アリゾナ州立大学などの共同研究チームが科学誌『サイエンス』電子版で発表した科学論文である。

 論文の題名は、もちろん「地球外生命体、ついに発見される!」などというものではなく、「リンのかわりにヒ素を用いて育つことができる微生物」という、生物学的に重要な発見を至ってシンプルに表現したものだった。同じ日に発売された紙ベースの『サイエンス』誌には、この論文の筆頭著者がカリフォルニア州のモノ湖において微生物サンプルを収集する様子を映した写真とともに、「What Poison?(何が毒だっちゅうんじゃ?)」という解説記事も掲載されている。

 発見されたのは「Halomonadaceae」(ハロモナス科)というグループに属する細菌の一種であるが、そんな名前を出されてもどういうものかサッパリわからないので、とり急ぎ覚える必要はない。重要なのは、この細菌がリンが存在しない条件「でも」生息するということであり、しかもそのリンが本来重要な役割を担っているはずのDNAの中に、何とヒ素を取り込んでいる可能性すらある、ということなのだ。ただし、この論文の著者たちは、「実際にDNAの中にヒ素が取り込まれた現場を顕微鏡などで捉えた」のではなく、「そう考えることが最も合理的であるようなデータを得た」のであった。

 ここで問題となるのは、「リン(P)」と「ヒ素(As)」という二つの元素だ。化学の授業で必ずと言っていいほど登場する「周期表」では、ヒ素はリンの真下にある。真下にあるということは、一番外側をぶんぶん飛び回る、他の物質との反応に関係する「電子」の数が同じであり、リンとヒ素の化学的性質が「似ている」ことを意味している。

 化学的性質がよく似ているから、もしリンが不足するような環境下でひいひい言いながら生きている生物が、大量にあるヒ素を「使ってみよう」と思い立つのは、当然と言えば当然かもしれない(もちろん、彼らが本当にそう「思った」わけではあるまいが)。正確にいえば、偶然ヒ素を使えるようになったこの細菌が、モノ湖というヒ素を大量に含む環境下で生き残ることができた、ということなのであろうが、いくら化学的性質が似ているからと言って、周期表で一周りも重い元素を使ってもよいものなのか。

 そう。ヒ素はリンよりも「重い」のである。言い換えれば、おそらくヒ素の方がリンよりも「デカい」のである。リンは、DNAの骨組みの一つとなる極めて重要な元素だから、ヒ素が、DNAの形を変えることなく、果たしてほんとうにリンの代わりを務めているのかどうかについては、残念ながら今後の研究を見守るしかないわけだが、もしヒ素がほんとうにDNA分子中でリンの代わりをしているとするなら、DNAの全体的な形自身にも何らかの変化があり、ヒ素を取り込んだ細菌のDNAが、通常のDNAとちょっと違う形をしている可能性すら出てくるし、そうした形の変化が、もしかしたらその細菌にとって何か意味がある可能性も出てくる。とらぬ狸の皮算用ともなりがちではあるが、むしろ、その方が面白いかもしれない。

 もしかすると、今回発見された細菌などでは、リンよりも「デカい」ヒ素がDNAに入り込んだとしても、DNAをめぐる酵素たちがそれと気づかずにいる、という可能性もある。言い換えれば、そうした可能性をうまく利用できた細菌が、いまモノ湖に生息しているのであろう。「デカさ」など、彼らにとっては関係ないのかもしれないが、私などはDNA複製の研究をしているがゆえに、ヒ素を取り込んだDNAがどうやって複製されるのか、その様子は通常のDNAと違うのか、異なるのか、そうしたことにどうしても興味が向いてしまう。

 詳しい研究はこれからである。

 よしんばリンの代用品としてヒ素を用いているとしても、果たしてそれが単に「代用品」としての意味しか持っていないのかどうか、私たちにはまだわからないということであろう。なにしろ本来、リンはDNAの材料というだけではなく、すべての生物がエネルギー物質として使っている「ATP」にも使われているし、細胞の膜の成分である「リン脂質」にも使われている、とても大切な元素なのだ。

 ただ、このように書いてくると、いかにも「ヒ素を利用する」ということが奇想天外なことであって、ヒ素を利用する“初めての”微生物の発見である、というふうに誤解されがちであるのだが、じつはヒ素を自らの活動に利用する生物は、すでに発見されている。しかも、同じモノ湖から! すなわちモノ湖という湖は、特殊な環境を持つのである。

 知られている代表的な事例は、光合成を行うある種の細菌がヒ素を利用しているということであろう。私たちの全く預かり知らぬところで、微生物たちは連綿と、ヒ素を利用し続けてきたのである。

 「リンの代わりになっちまう」という点からだけ見ると、私たちがヒ素を取り込むと、リンと化学的性質が似ているが故に、リンの正常なはたらきを阻害して「ウッ」となって死ぬという可能性が高いわけだが、モノ湖の微生物たちにはそうした「常識」は通じない。そもそもヒ素が 「毒」だというのは、私たちの体がそうした事態に対処する方法を持たないためなのだ。それができれば、ヒ素はもはや「毒」ではない。

 では、ヒ素を“食べる”微生物が発見されたことと“地球外生命体”にどんな関係があるのだろうか、と言えば、ありていに言えば直接的には「カンケーない」と言える。つまり、ヒ素を“食べる” 微生物が発見されたからと言って、それが直接、「地球外生命体は存在するんだ!」と主張するための証拠には一切ならない、ということだ。「地球外生命体がヒ素で生活している」という証拠もなければ、そもそも地球外生命体自体が発見されていない現段階で、そのようなことが証明できるわけもないのである。

 ただし、ここで「なあんだ」とがっかりする必要もない。というのも、このヒ素を“食べる”微生物の発見が、地球外生命体の存在を否定するものではないし、むしろ、私たち生物には思った以上に柔軟に生き延びる能力が備わっていることが明らかになったことで、ひょっとしたら地球という環境以外でも、生物(一昔前にタコのようにイメージされた宇宙人ではなく、私たちのような“現実的な”生物)が生きていけるのではないかという期待というか可能性というか、そういったものをぐっと押し広げたことは間違いないと思う。(ただし、じつはこの“食べる”という表現も誤解のもとだ。ある新聞記事で表現されていたのでここでも用いたが、正確には“利用する”くらいの表現の方がよい。)

 とはいえ、それがそのまま、私たち人間のような多細胞生物にも応用される、と短絡的に考えるのは間違いだ。単細胞生物に代表される微生物には、単細胞であるが故に、誤謬を覚悟して言うならば「身軽であるが故に」なし得る改革というものがあり、柔軟性というものがある。これにひきかえ、多細胞生物はたとえようもなく、頑固だ。細菌などの単細胞生物は、DNAの複製を行い、細胞を分裂させることにより増えていく。その時間的なスパンが短いが故に、突然変異も多細胞生物に比して起きやすく、また進化の速度も相対的に速い。だからこそ、リンの代わりにヒ素を用いるような芸当も難なくやってのけるのだろう。

 当たり前のことだが、この細菌にとって、その元素は「ヒ素」という名前でもなければ、それが人間たちに対して猛毒であるという認識もない。ただ、そこに大量にあって、使えるから使うという、ただそれだけのことなのだ。

 この細菌の発見に対して、最も大きな意義を与えるとするならば、それは「ヒ素」というネーミングとそのイメージにのみ囚われ、自然界の真実の姿を見誤ることに対し、とてつもない警鐘を鳴らしてくれたことであるとさえ言える。地球外生命体への憧憬を抱くのは勝手だが、より根本的な事柄として、現にこの地球上に息衝く生物本来の姿とその可能性にこそ、もっと関心を抱くべきだろう。

 ちなみに、『サイエンス』誌に発表された論文には、「地球外生命体」などという言葉は出てこない。





「ヒ素生命」の七転び八起き  内村直之
http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2010121600008.html

NASAの謎めいた予告が火に油を注いだ。「12月2日の木曜午後2時、NASAは地球外生命の探索にインパクトを与える宇宙生物学的発見について記者会見をする」。……液体メタンで覆われた土星の衛星タイタンで生命が発見されたのか?緑の小人がいたのか?……米国の科学記者たちは大騒ぎであったらしい。

 開けてみれば、話は「緑の小人」よりやや地味だったが、生命の起源研究者にとっては十分に画期的だった。カリフォルニア州東部のモノ湖(ヒ素濃度が高いので有名な塩湖)で、生物必須元素のひとつリンの代わりに猛毒とされるヒ素を取り込んで生活する細菌GFAJ-1発見だった。リンは、遺伝情報を担うDNAの骨格の中心であり、生体内エネルギーの貯蔵・流通にも不可欠、細胞膜の構成要素でもある。一方、周期律表でリンの真下にあるヒ素は、リンと性質が似ているが、化合物はリン化合物より桁違いに不安定で、有害な猛毒となる。GFAJ-1の人工培養でリンを次第にヒ素に置き換えると、リンの濃度を限界まで減らしてもヒ素がある限りGFAJ-1は増殖を続けた。リン酸を含むはずの核酸やタンパク質までヒ素を含む証拠が得られたという。

 会見で主となった米国地質調査所の女性研究者フェリサ・ウルフ=サイモンは06年に博士号を取ったばかりで、写真やWEBで見る限りは行動力のある意志の強そうな感じである。自ら名前のFelisaのFeを鉄の元素記号と読み、「アイアンリサ(鉄のリサ)」と名乗っている。サイエンス誌も2日付の電子版で大々的に報道した。記事に添付された真っ青な空の下で菌を採取するフェリサの写真は、相当印象的であった。

 なんのために、こんな研究をしていたのか? 共同研究者であるロナルド・オルメランドらはここ数年、ずっとヒ素依存の生命を探し続けていた。その裏には、「影の生命圏」という仮説がある。細菌からわれわれ人間に至るまで、生命の原理は一つといっていい。つまり、DNAを遺伝物質として持ち、そこから20種のアミノ酸を材料に体と代謝系を作るというものだ。それは、たぶん30数億年前の地球で、ある一つのきっかけから生まれたとされている。しかし、生命が生まれるきっかけはそれしかなかったか?今の生命の原理からはずれたいいろいろな可能性があったのではないか? そう考えたのが、オルメランドや理論物理学者のポール・デイビスであった。そんな異質な生命が、まだこの地球上にあるかもしれない、それは、おそらく今の生命が生きられる環境よりもずっと厳しいところだろう……ここ10年近く、彼らは温泉や深い地下などの高温環境、高アルカリの塩湖、海底熱水噴出口などの生命を探し続けた。そこには今の生命の影にあるもうひとつの生命圏があるかもしれない……フェリサが探し当てた「ヒ素生命」はそういう文脈の上での発見であり、もしかすれば、地球の生命の起源の解明、あるいは地球以外での生命の発見にかかわってくるかもしれない大発見であった。



 ここまで、フェリサら研究グループにとってこの発見はめでたしめでたしということになりそうだったのだが、その後1週間で様相が異なってきた。彼らの発見と主張は根拠が弱く、「ヒ素生命とは認めがたい」と主張する科学者が次々と登場してきたのである。

 最初は、カナダ・ブリティッシュコロンビア大の微生物学者ロージー・レッドフィールドが発表から2日後の土曜日、自分のブログで詳細にフェリサらの主張に反論、「信頼できる情報はこの中にはない」とまで酷評した。

 さらに問題を炎上させたのは、進化生物学を中心に何冊もの本を発表し続けている有名な科学ジャーナリスト、カール・ジンマーが7日、フェリサらの論文を厳しく批判する立場で主張し始めたことだった。まずオンラインマガジン「スレート」誌のウェブサイトで「この論文は公刊すべきではなかった」(これは彼がインタビューした学者の一人のことばだった)と題する記事を発表、さらに、「ディスカバー」誌のウェブサイトにある自らのブログ「The Loom」で、微生物や生命の起源研究などに実績のある13人の学者の意見を並べてみせ、「ヒ素生命」の存在に疑問を持っていると言い切った。その中にはフェリサらと「影の生命圏」について共に論文を執筆し、NASAの記者会見に同席したスティーブン・ベナーもいて「十分な証明でない」というのだ。

 批判の根拠はいくつもあり、DNAの骨格をヒ素が作っているかどうかの証明はない、リン化合物に比べて桁違いに不安定なヒ素化合物が複雑な抽出過程の後に残っているかどうか疑わしい、サーガッソー海では極端にリン濃度が薄くそのほんのわずかなリンを使って生活する生物がいるがそれと同様なメカニズムがあるのでは……などを反対派は上げる。最もきつい批判と思われるのは、「自らの主張に都合のいいデータばかり上げている、自らの主張を疑ってそれでもなお否定できないという態度がない」(いわゆる反証可能性を重んじていないという主張だ)というものだろう。フェリサらの論文では、菌の培養だけでなく、ヒ素がどこにどのくらいあるかを質量分析の手法などで調べるなどしているが、DNA骨格のここにこれだけはいっているという直接証拠はない。

 袋だたきにされているフェリサは、「われわれの論文はちゃんと査読も受けている。反論するなら専門雑誌で」といい、GFAJ-1菌も分与すると自らのウェブサイトで明らかにしている。これまでの科学者コミュニティなら「正論」である。しかし、反対側は「大々的に記者会見もしているのに、反論は雑誌でとはなんだ」と、ブログやツィッターでの攻撃の手をゆるめていない。



 こんな炎上騒ぎになった背景はなんだろうか。それは生命起源研究へのNASAのこれまでの姿勢にあるのだろう。96年8月の発表を覚えているだろうか。NASAのゴールディン長官と火星生命研究で有名なデビッド・マッケイが南極で見つかった「火星由来の隕石」ALH84001から生命の痕跡が見つかったと発表したのである。今回に負けず劣らず大騒ぎとなり、NASAアストロバイオロジー研究所ができるまでになったが、10数年を経た今、これがほんとうだかどうなのか、結論はついていない。それと同様に今回もNASAの宣伝活動であると見る人は多いのだ。

 ただ、ヒ素と生物の関係、あるいは生命の起源に関する「影の生命圏」の研究はNASAだけではなく、広くいろいろな専門分野の研究者が参加している。GFAJ-1菌の研究もまだまだすべきことは多いように思うから、もう少し静観してもよさそうだと私は思う。

 それにしても、科学と科学ジャーナリズムがここまでウェブサイトやツイッターに揺さぶられる時代になったのだ。私は専門家ではないのだから、結論をどちらかに決めつけるわけにもいかない。かといって、明かなペテンにひっかかるわけにもいかない。こういう風潮が今後どうなっていくのか……考えるべきことは多い。









2011/01/03(月) 11:01 | URL | ヒ素を食べる細菌  #-[ 編集]
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■ ハイハイ☆ルーム  ひまちょさん
■ やってしまった~! oriseiさん
■ 親が病気になったとき モウコハンさん
■  初・圧力鍋   みゆめ*さん
■ 道路がスケート場  かたくりさん
■ リンクの貼り方講座 むっちさん
スパイダーウィック家の謎@みかづきさん
「スパイダーウィック家の謎」の なぞの5巻…
■ 世界を動かした塩の物語 ゆらゆらゆるり
■ 世界を動かした塩の物語 morinokaori
鱈(たら) 世界を変えた魚の歴史
   は、食育にぴったり!

■ ノンタン・タータンあそび図鑑マグロさん
絵本「ノンタン がんばるもん」を 読んで
■ 「トトロを楽しもう♪  ゆっかりん♪さん
三びきのやぎのがらがらどん を読んで
■ パプリカのぬか漬け』 ぬかlifeさん
■ とろける生キャラメルの作り方なめっぴ
Special Thanks
サイト紹介: Sun Eternity
→移転改題  3ET
http://annkokunokizinn.blog116.fc2.com/
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プログラミング開発日記やゲームレビューやPCの役立ち情報などのさまざまなことを紹介&ネタのサイトでお薦めです。
管理人の(旧annkoku)サンエタさんは共有プラグイン・テンプレートの作者です。
(旧作は作者annkokuで検索)
先日、Firefoxを勧めていただき大感謝。
● IE6をFirefoxへは正解! 早い。安定。お気に入りがタグつきで便利。
■ テンプ(新緑): annkokuさん
   『Nature_Mystery_2culm
■ テンプ(金字桜): Chakoさん
   『beige_sakura-black
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■ テンプ(清楚な台所): meecoroさん
   『 kitchen01・02 』
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読みやすく 美しく 感謝しています。
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