ソーラー湯沸かし器 太陽熱温水器 ソーラーヒーターの歴史

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ソーラー湯沸かし器 の歴史が読める記事を見つけました。
■ 意外と奥深い。アメリカでかつて栄えたソーラーが廃れた理由  ギズモード・ジャパン 2011.4.15



ちなみに、
大下達哉さんは、太陽熱温水器はステキだと考えています。
太陽光発電設備よりも安いし、コストの回収が早いから。

鵜野日出男さんは、太陽熱温水器は まだ よしたほうがいいかも…
と お考えのような感じです。

太陽熱温水器は 太陽光発電よりも 資金効率はましだが、
トラブルが多く メンテの工数と 費用が意外にかかり、10年以下しかもたない
ことから、実際のところ、割高。
もっと品質を上げてほしい という感じでしょうか。

そして、太陽光発電は、二人とも共通して
まだ採算には載らないから、薦められないと考えている感じでした。 
しかし、買い取り料金がドイツ方式で、2倍になり、これなら資金回収できるかも…、
面白くなった と お考えのようです。



と、このテーマを追っかけていたのが、
ブログを立ち上げて すぐの2009年ごろでした。

それから、2年が経過しました。
ソーラー湯沸かし器 太陽熱温水器の いまの性能とコストでは
どうなのでしょうか。




太陽光発電から電力を取り出せ(夜間は蓄電から取り出し)
その電力で、太陽熱温水器のポンプを動かして、
煮炊きや風呂に 温水が 平時も 停電時も 使える仕組みが、
ローコストで確立される と うれしいです。

小さくは、一軒一軒の家々が、有事や災害時に強くなります。
大きくは、太陽熱という形で、日本のエネルギー源が新たに出来て、
エネルギー面の安全保障が強くなる… そんな期待をしています。





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■ エコキュート+太陽熱温水器ハイブリッド 鵜野日出男 ネットフォーラム 2009年1月07日

「エコキュート+太陽熱温水器ハイブリッド」の問題は根が深いと思います。
一時 デンソーが開発していたのですが、その後 音沙汰が なくなりました。
結局、商業ベースに乗せるのは難しい と言うことだと思います。
エコキュートの深夜電力代が 非常に安いため、コスト的にペイしない。
(年間 1万円程度を節約するために、20~30万円 支払う人は いない)
使い勝手が悪く、耐用年数が短く、かつトラブルが多い。
エコキュートとセットでの保証が難しい。



■ インスペクター 大下達哉 の「建物調査日記」  

・ 2009年は、省エネ住宅の大きな普及の始まりになるか 2008年12月26日
・ 太陽熱温水器は使える商品。太陽光発電より高効率 2004年12月14日
・ 燃料電池は万能か?発電量を上げると、お湯が余ってしょうがない 2005年8月1日



■ 太陽熱温水器 鵜野日出男 ネットフォーラム 

実際の太陽熱温水器は、

 ・ 耐用年数が短い (長くても10年程度?)  
 ・ トラブルが多い (メンテの工数と費用が意外にかかる)
 ・ 梅雨時等、曇天が続くとどうにもならない  
 ・ 夏期は温水が余ってしまう
 ・ 肝心の冬の日射が少ないので、計算通りにはいかない

等の問題があって、なかなか普及しません。

不凍液を使っていないシステムは アフターの面でも心配。
そんなわけで、もし使うとしたら 強制循環型
強制循環メーカーを調べたら ノーリツ、京セラ、長府、矢崎、日立化、シロキ、チリウ、日本電硝とかなりあります。
しかし、価格は40万円から120万円。
例え エコキュートの併用で 年間1万円 安くなっても
元をとるのに40年以上はかかるという計算。




■ 太陽光発電に朗報 鵜野・ネットフォーラム 2009年2月24日

今日の夕刊によると、二階経産相は電気事業連合会長の了解を得て、2010年から太陽光発電の価格を50円弱で買い上げる新制度を導入すると発表しました。
これは、数年前からドイツで採用していた制度に倣ったもので、消費者にとっては大変魅力のある政策です。
例えば、今までだと5kWkの太陽光を設置するのに260万円かかったとします。 そして、現在の価格では年間買上価格が13万円程度でしかない。 ということは、償却するのに20年はかかるという勘定。 償却した後、何年使えるか。せいぜい5、6年でしょう。 したがって、金利までを含めて考えるとメリットがほとんどない。

しかし、買上価格が2倍になり、買上価格が年間26万円になると10年間で償却出来ます。それから以降は毎年10年間は26万円というボーナスが入ってきます。
もし、資金に余裕があるならば520万円を投じて10kWを搭載すれば、10年間で償却でき、それ以降の10年間は 毎年 52万円のボーナスが入ってくるという勘定。 しかし、経済効果を出すために、早ければ早いほど電力会社との契約金額が高くなるはず。 例えば2010年の契約だと20年間は48円で買い上げる。しかし、2011年の契約だと43円になり、2012年契約は38円、2013年契約は33円という具合に少なくなってゆくはず。 したがって、電力会社との契約金額から言うなれば、早ければ早いほど良い。

しかし、後になれば太陽光の設置費が安くなって、その方がうま味が出てくるかもしれません。
それはともあれ、またドイツの政策の物真似であれ、麻生内閣としては将来を考えた初めての意義のある有効な政策の登場です。ビルダーや設計の皆さんも一緒になって、積極的に消費者にこの制度の意義を伝えて行きましょう!! 



■ 太陽光発電がたいへんなことに 北海道住宅新聞 編集長コラム 2009年2月25日  

◆当社も今のところはニュースが伝える範囲でしかわかりませんが、太陽光発電に思い切った優遇政策が実施されることになりそうです。倍額購入。道南での試算によると、4kWを装備して年間約24万円の電力販売。取り付け費が240万円だとすると、10年で償却とも言えますし、利回り10%の投資対象でもある。アパートよりいいし、貯金より投資信託よりいい? 朝から当社の打ち合わせはこれで盛り上がりました。◆正確に申しますと盛り上がった人間と、ピンと来ていない人間がおります。そしてそのことを記事にしようと決まりました。ピンと来た人たちは、これを宣伝に使わないわけはありません。集客に、住宅販売に、もしかすると訪問販売も、いきすぎて独禁法違反の会社も出てくる?
◆ 一方、盛り上がらない人間は 「10年でパワーコンディショナー交換でしょ。10年じゃペイしないんじゃないの?」  これもまた、冷静な意見。両方の意見があって、会社の議論は深まるものだと思います。





■ 太陽光をはるかにしのぐ太陽熱 (住環境計画研究所所長 中上英俊)2009-06-15
   http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan090611.html

新しい太陽熱温水器の普及に期待がかかる
(東京ガスが2009年度中に販売する新築住宅向けの太陽熱温水器)

家庭で利用できる再生可能エネルギーの最も身近なものはやはり太陽のエネルギーだろう。
もっとも、家庭でガスや灯油が使われていなかった時代には、厨房の煮炊きには薪や炭が使われていたし、お風呂を沸かす(この言葉も現代では死語になったようだ、「お湯を張る」といった方が一般的なのだから)のも芝や薪が使われていた。この時代はバイオマスという名の再生可能エネルギーが家庭の主役だったわけだ。

毎秒、地球に降り注ぐ太陽エネルギーの総量は、われわれが地球全体で消費する全エネルギーの18000倍にも及ぶと推計されているそうだからすごいものだ。見方を変えると、われわれが1年かけて地球上で消費する全エネルギー量をわずか30分間で供給できる計算になる。地球のすべての生命の源はすべてこの太陽に依存しているといって良い。水力や風力も太陽による水循環・風循環の結果だし、石油や石炭といった化石燃料も、元をたどれば太陽エネルギーが作り出したものだ。

このような太陽エネルギーの利用の基本は、熱と光を利用することにある。
光としての利用は、日中の明るさが第一だが、近年、この光エネルギーを電気として取り出す太陽光発電システムが世界中で爆発的な普及段階を迎えている。

一方、熱としての利用例は発電よりはるかに歴史が古く、農業用水をあらかじめため池にためておき水温が太陽によって温められてから田畑に供給する例や、温室としての利用などがある。

何より温水器としての利用は住宅でも早くから普及していた技術である。
※(■ 意外と奥深い。アメリカでかつて栄えたソーラーが廃れた理由  ギズモード・ジャパン 2011.4.15

一時は大きく出荷台数を伸ばしたが、その後現在に至るまで減少傾向である

この太陽熱温水器は最もポピュラーな設備で、古くから使われてきたものに「くみ置き式」と呼ばれるものがある。1950年頃にはすでに実用化されており、特に農村部での普及は高かった。
汲み置き式のものは保温性が良くなかったため、さめやすいという欠点があったので、これに替わるものとして「自然循環式」と呼ばれ集熱部と貯湯部に分かれ、温められたお湯が貯湯タンクに貯められる方式が登場した。温水温度は夏ではセ氏60~65度、冬でも同30~35度になる。
1980年頃には この方式が 主流となり 現在に至っている。
※(鵜野日出男さんは、強制循環式がいい と おっしゃっています)

太陽エネルギーの有効活用という点から考えると、太陽光発電の転換効率に比べて、太陽熱利用の熱利用効率の方が、実は数倍も大きい。太陽のエネルギーの大きさは条件の良いところでは、1平方メートルあたり1キロワットである。例えば年間の日照時間が約2000時間の東京では1平方メートルあたり年間2000キロワットということになるわけだ。これを太陽光発電に利用すると発電効率は15~20%だが、太陽熱として利用すると30~70%の効率で利用可能だ。

ちなみに、家庭での暖房・給湯用の熱利用量は石油換算で1世帯あたり年間740リットルであるから、太陽熱利用効率を50%とすると、計算上は 面積 8 平方メートル程度の 太陽熱温水器を 屋根に載せてやれば、太陽熱ですべてをまかなえることになる。 こうした事実からも太陽エネルギーの熱利用が もっと もっと 注目されても良いのでは と考えるのだが、いかがであろうか。

 中上英俊 なかがみ・ひでとし
=1973年(昭48年)東大大学院工学系研究科修了、住環境計画研究所を創設し所長。慶大システムデザイン・マネジメント研究科教授のほか、経済産業省の総合資源エネルギー調査会委員なども務める。






計算上は 面積 8 平方メートル程度の 太陽熱温水器を 屋根に載せてやれば、
給湯、風呂は、太陽熱ですべてをまかなえる って 大きいです。

面積 8平方メートル程度の 太陽熱温水器って、3m×3mぐらいです。
屋根じゃなくても、南面の壁やベランダの手すりからでも、
それぐらいの面積は、いかようにも見つけれると思います。


日本の近海には、メタンハイドレートが眠っているそうですが、
家、一軒一軒の屋根に、降りそそぐ太陽の熱資源は、もっと身近です。



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■ 意外と奥深い。アメリカでかつて栄えたソーラーが廃れた理由 : ギズモード・ジャパン 2011.4.15

次世代の代替エネルギーに関心が集まっていますけど、米国で太陽光発電が誕生したのは結構古く、1908年にはカリフォルニアで既に太陽熱でお湯沸かしてたって知ってました? 

それが戦後ずっと斜陽になってしまったのです。こんな貴重なエネルギーを何故に75年近くも日陰に追いやってしまったのか? 「Powering the Dream」の著者Alexis Madrigalさんが謎に迫ります!

(以下は、本書より抜粋訳)

今の「グリーン技術」に歴史がないと思ってる人がいても、とやかく言えないだろう。世間一般の通念ではソーラー・風力は新しい技術ということになってるし、地熱はこれまでロクに試されたこともなく、効率優先の技術はこれから始まるものと思われている。過去あったグリーン技術と言われて思い浮かぶのはせいぜい60年代に脱・電力の暮らしを遊び半分にやったヒッピーのこととか、ひいじいちゃんの農場で風車がギシギシ回ってた時代があったとか、ゼネラル・モーターズがせっかく開発した電気自動車を殺してしまった話ぐらいではなかろうか?

史実をよく知る人間から言わせると、グリーン技術は発展の可能性が十分過ぎるほど与えられていながら見事にコケた、まさにエンジニアリングの失敗例なのだが、70年代オイルショック(エネルギー危機)の前の系統だった記憶は現代人の頭からほぼすっぽり抜け落ちている。あの時代テクノロジーの世界で何が起こったか、本気で記録に残す努力もほとんど行われてこなかった。ソーラー・風力・波力・水力・地熱開発事業のことを知る人に比べたら、ニシアメリカフクロウ絶滅の危惧を知る人の方がまだ多いぐらいだ。

そんな中ではあるが、時の風化をまぬがれた過去の残滓もある。自著執筆に向け僕が取材を始めた最初の頃、とりあえず米国会図書館のサイトに行って「 American Memory」というコレクションの検索ボックスで「solar」を入力して調べてみたら、検索に引っかかったものがひとつだけあった。「デス・バレー牧場、ソーラーヒーター、デス・バレー・ジャンクション界隈、カリフォルニア州Inyoカウンティ」とある。

モノクロの写真3枚に映っているのは、コンクリートの基礎に建つ木造の朽ちかけた建物。縦60フィート(18.3m)、横9フィート(2.7m)はあろうか。正面より後ろの方が高く、黒く塗った銅コイルが前後にとぐろを巻いている。その後ろには背の高いシリンダーがあって、これは家畜の毛で作ったフェルトでくるまれており、アルミ箔みたいなものが空中に20フィート(20m)突き出ている。周りには砂漠のサボテン、岩、砂、空があるだけだ。写真のキャプションにはこうある。

「デス・バレー牧場のソーラーヒーターは、第二次世界大戦前、自然ガスの使用が広く普及する前に南カリフォルニアで栄えたソーラー産業の数少ない生き残り」

戦前カリフォルニアで花開いたソーラー産業なんてものがあったのか? ソーラーヒーターが実用化していたんなら何故、人々はその使用をやめてしまったのだろう?

その歴史は長く深いはずなのだが、犯罪的なまでに闇に隠れた部分が多い。しょうがないのは分かるが。歴史は勝者が書くものだ。そのルールは戦史に限った話ではない。テクノロジー界ではとかく「ベストな技術が勝つ」という発想の人が多い。その論法からいけば代替エネルギーは存在しなかったか、存在していたとしても社会が選んだオプションより明らかに、逆転不能なまでに劣っていたんだろうという納得の仕方で片付けてしまう。それはまるで世の中の誰一人としてMS-Windowsやベータマックスの名を知らない状況に等しい。

一度、この1世紀の間に登場した発見・発明・産業・大規模システムをつぶさに調べ、現代技術がどの道を選んで今に至るか眺めてみると良い。そうすれば見送りになったけど良いアイディアもあったこともわかるし、忘れた方が良いような悪いアイディアがあることもわかるはずだ。我々が選んだ技術に充分代わり得る実力を持ちながら、技術の洗練度の問題とかじゃなく、投資と規模拡大の競争に負けて篩い落とさた代替技術も、ある。

今の我々には想像も及ばないことだが、1900年当時の人はシャワーのお湯を太陽で沸かすこともできたし、電気タクシーでNY市内を走りまわることもできた。そりゃ完璧ではなかったが、どの家を見渡しても電球ひとつない時代、電球より先に電気タクシーが存在したことは特筆に値する。

1945年の人はソーラーハウスを購入したり、出力1メガワットの風車見物にも行けた。1970年代には「Solar Energy Research Institute(太陽エネルギー研究所)」見学もできたし、その10年後にはモハベ砂漠に大規模太陽光発電所も現れた。

このようにグリーン技術は実用に耐える技術分野として100年以上前から存在するのだ。にも関わらずアメリカのエネルギー供給にはこれと言って貢献していない。代替エネルギーが選ばれなかった理由とは一体なんなのか? 今なら見直しも可能なのか?
 

時計の針をグーンと戻し、1929年10月の夕方から話を始めよう。

デスバレー・スコッティ(Death Valley Scotty、本名Walter Edward Scott)はパトロンのアルバート・ムゼイ・ジョンソン(Albert Mussey Johnson)と共にガラガラヘビとサソリが蠢く砂漠の乗馬から帰ってきた。見渡す限りなんにもない荒野にジョンソンが建てたムーア様式の別荘がある。辺りは地球で最も暑い場所だが、夜間は肌を刺す寒さの日もある。そんなとき熱いシャワーが浴びたいと思えばいつでも同月取り付けた新兵器「Day and Night ソーラー湯沸し器」で浴びることができた。

ジョンソンの生まれはシカゴ。
保険業界の大物にしてミリオネアだ(あの大恐慌の引き金となった株式市場暴落で資産価値が落ちた後でもミリオネアだった)。スコッティはケンタッキー出身のカウボーイで、何年も前からデスバレー界隈を転々としている詐欺師だ。最初のカモのひとりがこの都会ずれした男、ジョンソンだった。それが何の因果か馬が合い、ふたりは友だちになった。

どちらも環境保護主義者として有名だったわけでもないし、当時で言う「conservationist(自然保護論者)」でもなかった。それにふたりは地下水の力で機械仕事やったり、発電機を動かしたりしていたし、ディーゼル発電機や燃料タンクも何台か持っていた。それだけあれば必要なさそうなものなのに、なぜソーラー湯沸かし器なんてわざわざ設営したんだろう?

答えは簡単だ。
湯沸かし器はコンクリート、黒く塗って熱吸収を高めた銅ループ、ガラスなど、簡単な材料でできたものだったが、それがおそらく当時使える設備の中でベストな選択だったのだ。

冬場はさすがにぬるく熱湯とまではいかないが、それでちゃんと湯が沸かせたし、南カリフォルニアの消費者の間では当時、別に珍しいことでもなかったのだ。製造元「Day and Night Solar Heater Company」オーナーのウィリアム・J.・ベイリー(William J. Bailey)は1923年の昔から同社は年商23万ドルだと豪語していた。その快進撃は地元紙ロサンゼルスタイムズも取り上げた。記事の小見出しには「需要拡大に伴い2倍の用地に工場移転を余儀なくされた」という字が踊っている。

市場は同社の独占だったわけでもない。
クラレンス・M.・ケンプ(Clarence M. Kemp)が1891年に開発したソーラー湯沸かし器「Climax」も年々広く使われるようになっていた。1895年にはパサデナの事業家2人がケンプ氏に250ドル払ってカリフォルニアにおける製品販売権を獲得し、続く 5年間で1台25ドルする製品を南カリフォルニアだけで1600台以上も売りさばいた。ロサンゼルス人口が当時たった10万人だったことを思うと、なかなかの繁盛っぷりである。ソーラー発電史を幅広い角度から記した本「A Golden Thread」の中で著者のKen Butti氏とJohn Perlin氏は、「(ソーラー湯沸かし器に)25ドル投資すれば平均的な持ち家の人は年間約9ドルの石炭代の節約になったし、給湯に人工ガスを使っている人はさらに節約になった」と述べている。

先の別荘は何を隠そう今の観光名所「Scotty's Castle」なのだが、「Day and Night」の湯沸かし器は当時、普通に設営されていたのだ。が、「Day and Night Solar Heater Company」の湯沸かし器の設営は、あの辺りが最後となってしまった。それまで石炭や、石炭からつくるガスを燃やして沸かす他の給湯設備(と言っても普通はただのストーブ[コンロ])と戦って勝てるだけの競争力がソーラー湯沸かし器にはあった。東海岸の埋蔵量豊富な石炭層から遠く離れたカリフォルニアでは輸送費が馬鹿にならず、化石燃料は高価だった。それが20世紀初頭からガス製造工場の建設規模が大きくなり、ガス産業の統合化が進むにつれ、ガスの値が下がり始めたのだ。

1902年から1920年にかけて北カリフォルニアの「Pacific Gas and Electric Company(PG&E)」はガス出力とパイプライン敷設距離を倍増させ、ロサンゼルスに近い「Southern Counties Gas Company」も同様の統合化を進めていた。そこにあのロックフェラー兄弟が設立したスタンダード・オイル社が1909年、ミッドウェイ油田に充分匹敵する油田を加州ベーカーズフィールド近郊に掘り当てたもんだから大変だ。新たな供給源が見つかったのを受け、ガス供給各社は州内の配電網をなぞるようにパイプライン網拡大を進め、カリフォルニアの主な町村にまでガスを通した。

こうして天然資源が安くなり、供給網も改善された結果、ソーラーはガスより高くなってしまった。しかも見つかったガスの量は膨大で、まだ誕生間もない過疎州ではとても捌ききれるものではない。天然ガス各社はこの余剰資源を捌ける市場発掘に全力を挙げた。石油会社から見たら天然ガスは、肝心要の原油を掘るオマケで出る廃棄物のようなもの。20世紀初頭には米国の原油で出る天然ガスの90%は単に燃やして取り除けていた。それじゃあもったいないので、ガス会社は天然ガス市場を少しでも広げたい一心で、ガス給湯器取り付けにかかる初期費用を肩代わりするなどした。

スタンダード・オイル社のFrederick Hillman氏は心の中で、消費者に天然ガスを有効に使ってもらう方法を探すこと即ち、「自然保護の精神に則る」行為と思っていた節があるが、当時どれだけのガスが無駄使いされたかを考えれば、それもあながち暴論ではなかった。

もっとも、それでソーラー給湯ビジネスが死に絶えてしまったわけではない。
単にビジネスの舞台をフロリダに移し、ガスがそれほど豊富ではないフロリダで、ソーラー給湯器は大いに売れた。

その頃のマイアミは急成長真っ只中。
1920年から1925年にかけて人口は3倍近くに膨れ上がっていた。

このホットな街にDay and Nightのベイリー社長からフロリダにおける特許使用権を買取って、カリフォルニアの経験を胸に現れたのが、H.M.バド・カルサーズ(H. M. "Bud" Carruthers)だった。彼はこれでビジネスを興し、ソーラー業界としては20世紀上半期最大の成功を収める。「マイアミでは1941年までに人口の過半数がソーラー給湯利用者となり、1937年から1941年の間に建てられた新築の家の80%にソーラー設備が取り付けられた」とButti氏とPerlin氏は書いている。

1930年代の終わりには、ソーラー給湯市場で凌ぎを削る会社が10社もあった。
全部合わせると1936年から1941年の間にフロリダで設営した数は10万台にのぼった。さらに新設の連邦住宅局(Federal Housing Authority)が改築ローン事業の一環でソーラー設備購入助成ローンを提供した。この政府初のソーラー奨励策によりフロリダ州民は月6ドルの設営費でソーラーヒーター購入が可能となった。

後世まとめられたソーラー給湯の調査報告によれば、この技術は1970年代に至るまで(おそらく今日も)化石燃料に匹敵するコスト競争力を備えていたのだが、にも関わらず戦後この産業はゆっくりと死に絶えていった。

人がテクノロジーを選ぶ際の基準がコストだけではないことを示す良い例だ。

1950年代初頭に新しく給湯設備購入を考える人が参考に見たのは、1930年代に設営された古いソーラー給湯設備だ。その多くは水タンク内が錆びつく問題を抱えていた(今から思うと簡単に回避できる問題だが)。 さらにタンク破裂事故がいくつか起こり、「ソーラー発電はトラブル知らずの給湯法という評価に大変な汚点を残した」 。ソーラーの評判が打撃を被る中、他の多くの電力会社同様、Florida Power and Light社も「電化推進のPRキャンペーンを大々的に展開」する。20世紀中盤通して大手電力会社が掲げる「grow-and-build(成長&建造)」計画に思考を独占された彼らは、消費者をもっともっと多くの電力量を消費する方向に導いていった。

この戦略はキロワット時の電力コストを下げる方向に作用することも多い。
それがフロリダで起こった。1950年代初頭にはキロワット時当たりの電力価格が前の20年の相場から3セント下がって、たった4セントとなる。この手強いライバルに対抗するには、ソーラーも値を下げないと価格優位性が保てない状況となった。

ところが電化製品や電気インフラ整備需要のあおりで、ソーラー給湯設備に欠かせない主原料の銅の利用が急増。1930年から1960年にかけて米国内の銅消費は倍近く増え、1938年から1948年にかけて今度は銅の価格が倍に跳ね上がった。値を下げなくてはならない局面なのに、ソーラー集光器の値段は逆に高くなってしまった。

しかもソーラー産業に追い打ちをかけるように、フロリダに「大規模住宅建築開発デベロッパーの新勢力」が台頭する。こういう開発会社は家を売る前に建てるので、道理に反するインセンティブで動くことも多い。

つまり彼らが問題にするのは、建築にかかる初期コストをいかに下げるか、ということだけなのだ。
そんな彼らのニーズに見事にマッチするのが電気ヒーターだった。
なぜなら家の寿命がくるまでのコストを比べると割高でも、電気ヒーターはとりあえず安く見えるからだ。「デベロッパーは新築の家にはほぼ必ずと言っていいほど電気給湯器を取り付けて売り出した。それというのも電気給湯器は資本コストが安いからだ」と、当時の歴史家は記している。「月々の電気代など彼らの知ったことではなかった」

何もかもがマイナスに働く八方塞がりの中、米国内ソーラー給湯産業は衰退の一途を辿った。
が、アメリカのR&Dが止まったところからバトンを引き継ぐ国も現れた。イスラエルのLevi Yissarの新吸収コーティング研究は特筆に値するし、日本でも市場が発達し、トルコ、欧州連合加の大半の国々でも発展した。が、一大市場として現れたのは中国だ。

1991年、同国にはソーラーヒーターを製造するキャパがほとんどなかった。
それが2005年には国民3500万世帯がソーラー給湯器を使うようになり、国内市場に12%ものシェアを占めるまでになった。2007年、設営済みの集光型太陽発電システムは世界に22 億平方フィート分あったが、その実に70%近くは中国のものだった。中国のソーラーヒーター製造のペースはアメリカの160倍だ。

他の再生エネルギー産業も往々にしてそうであるように、米国がかつて独占した分野ももっとグリーンな牧場に舞台が移っている。米国で発明され改良されたテクノロジーも本家では過去のかすかな記憶が残るだけ。ぐんぐん発展するのは専ら余所の国なのである。




ゲスト寄稿者のAlexis Madrigalさんはザ・アトランティック上級エディターです。彼が創設した実験的ハイスピード・メディア「Longshot Magazine」はニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナル、BBCにも紹介されました。本書「Powering the Dream: The History and Promise of Green Technology」はAmazon.com、アマゾンジャパンにて好評発売中。

Alexis Madrigal(原文/satomi)







■ 太陽電池の変換効率75%に 東大とシャープが構造解明  日経 2011.4.25

東京大学の荒川泰彦教授らとシャープは、現在20%程度にとどまっている太陽電池の変換効率を、75%以上にできる構造をコンピューターによる解析で突き止めた。化合物半導体でできた数ナノ(ナノは10億分の1)メートルサイズの「量子ドット」を敷き詰めた面を何層も重ねる。25日付の米物理学会の論文誌「アプライド・フィジクス・レターズ」に発表する。
考案した太陽電池は量子ドットを敷き詰めた面を積層して厚さを数~10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルにし、両面に電極を取り付ける。量子ドットの配置を最適化することで従来の太陽電池では素通りする赤外光も電気に変えることができ、変換効率を大幅に引き上げることが可能になるという。




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太陽電池の変換効率75%に 東大とシャープが構造解明 日経 2011.4.25

東京大学の荒川泰彦教授らとシャープは、現在20%程度にとどまっている太陽電池の変換効率を、75%以上にできる構造をコンピューターによる解析で突き止めた。

化合物半導体でできた数ナノ(ナノは10億分の1)メートルサイズの「量子ドット」を敷き詰めた面を何層も重ねる。25日付の米物理学会の論文誌「アプライド・フィジクス・レターズ」に発表する。

考案した太陽電池は量子ドットを敷き詰めた面を積層して厚さを数~10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルにし、両面に電極を取り付ける。

量子ドットの配置を最適化することで従来の太陽電池では素通りする赤外光も電気に変えることができ、変換効率を大幅に引き上げることが可能になるという。





2011/04/25(月) 09:48 | URL | 太陽電池の変換効率75%に ・・・  #-[ 編集]
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■ じゃがいも研究~その3「らせんの秘密♪」 ゆっかりん♪ 「世界を変えた野菜 読本」は食育におすすめ
■ 貧血改善の為に・・。 香織さん
カフェインと貧血の関係上手にコーヒーを
■ すぐれもの     みい☆さん
ブドウ の風味が凝縮し 香り気高く すっきり鋭く甘い白ワイン
■ 剣道帳 夢に向かって1本!みさよさん
■ 『失敗は子育ての宝物』 みいさん
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■ やってしまった~! oriseiさん
■ 親が病気になったとき モウコハンさん
■  初・圧力鍋   みゆめ*さん
■ 道路がスケート場  かたくりさん
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スパイダーウィック家の謎@みかづきさん
「スパイダーウィック家の謎」の なぞの5巻…
■ 世界を動かした塩の物語 ゆらゆらゆるり
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鱈(たら) 世界を変えた魚の歴史
   は、食育にぴったり!

■ ノンタン・タータンあそび図鑑マグロさん
絵本「ノンタン がんばるもん」を 読んで
■ 「トトロを楽しもう♪  ゆっかりん♪さん
三びきのやぎのがらがらどん を読んで
■ パプリカのぬか漬け』 ぬかlifeさん
■ とろける生キャラメルの作り方なめっぴ
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サイト紹介: Sun Eternity
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■ テンプ(新緑): annkokuさん
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