石原慎太郎・田原総一朗 「国の官僚はバカだから、地方の成功をマネしない」

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ニコニコ動画の討論番組 石原慎太郎・田原総一朗 全文 書き起こし
http://news.nicovideo.jp/watch/nw63966
■(1) 「国の官僚はバカだから、地方の成功をマネしない」
■(2) 「東京に『隣組』を復活させたい」
■(3) 「新銀行東京は成功した」
■(4) 「世論とは何か。我欲の塊ではないか」
■(5) 「大手出版社のアニメエキスポ震災でパーになった。ざまあみろ」
■(6) 「俺は怒ってない。いま、悲しんでいる」
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石原慎太郎・東京都知事が ニコニコ動画の討論番組に 初めて出演した。
新番組『田原総一朗 談論爆発!』の第1回ゲストとして 2011年5月17日、ニコニコ生放送のスタジオに登場。
歯に衣きせぬ発言で物議をかもしてきた石原氏らしく、その口からは「バカ」という言葉が何度も出た。最初に批判の対象になったのは、霞が関の官僚だった。石原氏によると、「国の官僚はバカだから、地方で成功したことは絶対にマネしない」のだという。

以下、番組での 石原氏と田原氏のやりとりを 全文、書き起こして 紹介する
話は 霞が関批判から始まり、税制を変えた元首相への不満、自民党への苦言と展開していく
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リンク切れ、記事削除のときの自分用控え




ニコニコ動画の討論番組 石原慎太郎・田原総一朗 全文 書き起こし
http://news.nicovideo.jp/watch/nw63966
■(1) 「国の官僚はバカだから、地方の成功をマネしない」
■(2) 「東京に『隣組』を復活させたい」
■(3) 「新銀行東京は成功した」
■(4) 「世論とは何か。我欲の塊ではないか」
■(5) 「大手出版社のアニメエキスポ震災でパーになった。ざまあみろ」
■(6) 「俺は怒ってない。いま、悲しんでいる」

アシスタント: この番組は、常にジャーナリズムの第一線に立ち続ける田原総一朗さんに、ゲストの方と徹底討論してもらう。記念すべき1回目のゲストは、先月行われた都知事選で4度目の当選を果たした石原慎太郎東京都知事。

石原慎太郎東京都知事(以下、石原): よろしく。

田原総一朗氏(以下、田原): この人は、日本で一番難しい人。誰かまわず怒るから。

アシスタント: 今日は番組の視聴者からのメールを受け付ける。

石原: つまらないメールは出すなよ。

田原: 石原さんよろしく。石原さんは都知事選に出ないと思ったのに、どうして出たのか。

石原: 僕は150%出るつもりはなかった。災害(東日本大震災)が起こる前で、なかなか日本もやっかいな時代になってきたが、東京は東京で私なりに仕事をしたつもりだった。国がマネをしてほしいこともやったが、国の官僚というのはバカだから、変なプライドがあって、地方で成功したことは絶対にマネしない。

田原: たとえばどんなことがあるのか。

石原: 会計制度を変えた。日本の周辺で、日本のようなバカな会計制度をやっているのは、北朝鮮とフィリピンとパプアニューギニアだけ。

田原: どういう会計制度なのか。

石原: まったく発生主義の複式簿記。公会計制度はちょっと違い、企業の持っている資産と国が持っているのと、地方自治体が持っているのと・・・たとえば東京には地下鉄があるが、最初に渋谷から浅草までできたのが、当然償却していることになっているが、価値がある。退避壕になったりと。それから高速道路も補修しているので、帳面のうえで償却が済んでいても、それをどういう計上にするのかは、なかなか難しい。いずれにしろ、単式簿記というものは繰り越しができないので、年度末、2月3月にはやたらと工事をする。あんなバカなことをやっている国はない。

田原: 3月までにいっぱい金を使わないと、(予算が)なくなってしまう。

石原: そう。大蔵省がお金を出してくれなくなる。

田原: 財務省が。

石原: 今は財務省か。なんだか知らないが行き当たりばったり。僕が一番怒ったのは自民党もダメなのだが、福田内閣のとき・・・福田内閣というのは(福田赳夫氏ではなく)息子のバカ内閣のこと。

田原: 福田康夫。

石原: 康夫。どうにもならない。

田原: 親父(赳夫氏)はいいけど、息子はバカだと。

笑顔で答える石原都知事石原: 何も知らない。北京オリンピックのとき元首の席に座っていて、自分の国の選手団が入場したときどの代表も立ち上がって手を振るのに、手を振らなかったのはあいつと北朝鮮の代表だけ。奥さんは手を振ってたが。あとで(当時の福田総理を)怒った。それでなんと言ったかと思えば(選手団に)「せいぜいがんばってくれ」と言ったと。辞書を引けば、「せいぜい」も「うーんと」という意味かも知れないが、日常会話で「せいぜい」といえば「ダメだろう」と(いう意味)。

田原: オリンピックの選手というのは命を賭けている。

石原: その通り・・・まあいい。そのとき(当時の福田総理は)突然法律を変えた。税法を。これはもう抵抗できない。とにかく東京は儲かっているから、子供の財布から親がお金を取ろうと法人事業税の分割基準を変えた。あの時は税収がかなりあったが、それでいくと4,000億円(国に)とられる。あのときは税収が減ったから3,700億円ほどとられたが、民主党は「こんなバカな話はあるか。地方自治体が傷つくじゃないか。地方主権を侵害することはない」と国会で猛反対してくれた。

田原: 東京都が会計制度を変えようとしたら・・・。

石原: いや、その話ではない。それとは別。とにかく彼は業腹だったんでしょ。場あたりでやってきたから、財政そのものも破綻しそうになって。

田原: 国が。

石原: どっかいい財源ないかなと思ったら、法人事業税を変えたら、東京からも結構金取れるし、愛知県もちょっと、それから浜松市も儲かっている。それは量は少ないが、それをとにかくずっと取るっていう。とりあえず2年というけど、今年もとられる。反対した民主党が政権とったんで、「おい、あれ返してくれ」って言ったら、ニヤニヤ笑って、菅(直人首相)は何も言わない。

田原: 何も言わないというのは、わかってないのでは。

石原: いや、わかっている。それで、とにかく言いたいことはいっぱいあるが、負けるのを覚悟で訴訟を起こそうと。こんなバカなことを地方分権の時代に国がやったらかなわんぜ、と。それで弁護士に相談した。「石原さん、これは負けます。向こうは法律を決める権限を持っているんだから、地方がブツブツ言ったって、通ったものは通った。しょうがないんですよ」と。でも、それはやっぱり見せしめのためにやろうじゃないか。負けるの覚悟、やろうと言ったら、「もっと損しますよ」って言う。どんなこと? と聞くと、4000億円を対象に訴訟を起こすと、証紙に4億円払わないといけないと。

田原: 4億、なるほど。

石原: それで証紙1枚に4億円かとあきらめた。その代わりねじこんでいって、日本のために東京のために、外環(自動車道)を、共産党の美濃部(元知事)が反対して潰したきりになっていたから、これを優先的にやるようにしてくれと言ったら、「わかりました」と言うが、それもどっか行った。

田原: 外環というのは、今どこかにいったのか。

石原: いや、それで私の兄弟分の亀井(静香氏)が頑張ってくれて、工事費もついた。今は国がこんなガタガタ。だから民主党の政権はなんだかわけがわからない。「コンクリートより人だ」なんて言っているから。道路は一切作らないようだ。

田原: 「コンクリートから人だ」なんて言っていると。でも、人がコンクリートに守られているなんてことは知らないわけだ。

石原: そう。

田原: 民主党もどうしょうもないが、自民党は何をやっているのか。

石原: どうもしょうがない。もうちょっと果敢にね。僕ら政局もわからないが、国民の鬱憤を晴らすようなことを言ってもらいたいが。息子(石原伸晃氏)に、もうちょっとラディカルに乱暴にやれと言ったら、「お父さんを反面教師にして、言うことは聞かない」と言うから。

田原: なに、親には何でも言いたいことを言う。相当、言葉の上では暴力的な言葉をはく、そういうことは一切しないのか。

石原: いや、教養があるからそうはできないのでは。(自民党の谷垣禎一)総裁もそうではないか。女学校の校長先生みたいに、なんか乙に澄まして迫力がない。

田原: 今の総裁ね。あれは実は僕の友達はね、谷垣さんは何とかもっと小泉(純一郎)さんあたりから総裁に立候補させよう、出馬させようと思って僕も頼まれて何度か煽ったことがある。4回やったが、あれは野心もなければ意欲もない。

石原: 意欲があるから総裁になったのではないのか。

田原: ないと思う。

石原: まぁ、それはあなたのほうが詳しい。

田原: (意欲が)あるなら、もっと本気になって民主党をぶっ潰そうと考えろ。まぁいいや、話を元に戻したい。なんでやらないつもりの(都知事に立候補したのか)。

石原: いろいろあった。僕が辞めた後に立候補する人をシミュレーションすると、まず第一に25%(の票を)取る人がいないだろうと。

田原: いない。

石原: (そうなると)再選挙になる。非常に混乱が起こると。まず、そうだった。それで実は、僕はこの人を口説き落としたら、自民党、公明党、民主党は賛成して――民主党もだよ、連合もついてくる。まったく政治色のない人。ある人物を頼んだの。

田原: 口説いた。

石原: うん。

田原: 誰だろう。政治家じゃない。

石原: 政治家じゃない。

田原: 財界人でもない。

石原: 違う。要するに、日本の代表的な知的な人物。能力もあるし。断られた。

田原: なんで断られたのか。

石原: とにかく「私の任じゃない」と。残念だったが。それで松沢(成文元神奈川県知事)君が(都知事選出馬の)意志があることをかねがね聞いていたので。経緯をくどくど話しても決まったことでしょうがないが、自分の引退声明をした後で、バトンタッチをするということでやろうと思ったら、彼が先に名乗りを上げてしまった。それで非常に地元も混乱したし、東京も混乱した。いろんなことがあった。

田原: 松沢氏は、石原さんが「出ない、出ない」と言ったから、ポスト石原で出たものとばかり思っていた。

石原: そうじゃない。やる気があると言うから、「それじゃ僕が引退声明してから、その次の日に名乗りを上げろ。僕は引退するときに君の名前を出すから」と言ったんだが。(神奈川県知事)後継者の選択の都合があるから、ちょっとそれはできないって言うので、やっぱり僕が引退声明する前に出ると、変なことになって。「石原が出るとどうなるんですか」と聞かれときに、「それは石原さんと戦うしかない」と言うというから。それはちょっといろんな点でごちゃごちゃするぞ、と言ったんだが。向こうも都合があったんだろうが、残念ながら後継者も彼の意志ではない、全然違う人(黒岩祐治氏)に決まった。そんな話をしてもしょうがない。



石原慎太郎・東京都知事は、2011年5月17日に放送されたニコニコ動画の討論番組『田原総一朗 談論爆発!』で、銀行批判を展開した。「ケチで、金を使いたがらない」「なんでも出し惜しみする」と不満が喉からあふれ出る。一方、4期目の都政について聞かれると、震災に備えて「現代の『隣組』を作りたい」と抱負を口にした。



田原: 僕は「石原さんが(都知事選)出るためのシンポジウムをやるから出てくれ」と言われてOKしたのに、「やっぱり(石原氏が都知事選に)出ないからやめた」という話になった。それなのに、なぜ出たのか。

石原: いや、だからその他、この他で。東京が混乱すると困るし、再選挙なんかになったらみっともないしね。

田原: 息子(石原伸晃氏)に口説かれて「親バカ」として出たのか。

石原: そんなことはない。冗談じゃない。僕はいろんな自分の人生のことを決めていたんだから。一番大好きなヨットレースも、久しぶりに「太平洋横断レース」に出るつもりでエントリーしていた。

田原: それで、(都知事選に)出た。当選した。出たら当然、当選すると思っていたが。これから何をするつもりか。

石原: そのあと、この大災害(東日本大震災)が起こった。これはなかなか、福島の原発の問題もあって、僕は詳しくあなたに事情を聞きたいが、いろいろ入ってくる情報がたくさんありすぎて、整理がつかない。このあいだ平田(直)さんという、東大地震研究所の教授を呼んで幹部にブリーフィングをしてもらったが、やはり日本を支えているトラフ(海底の地形)がかなり動いている。とにかく、その余波か何か知らないが、東京はあなたも感じない、僕も感じないけども、体感はないけれども、地震計ではかると10分に1回地震が起きている。

田原: 東京で?

石原: 東京で。地震計で測っている(とそうなる)。

田原: 10分に1回?

石原: これは怖い。地震を測っている。これも大災害以後のことでしょう。それでいろいろ詳しく聞いたが、東京湾も調べてみると、フィリピントラフと太平洋トラフとユーラシアと日本を支えるトラフ(編集部注:プレートのことと思われる)が3つ重なっているところがあって、そこは非常に微妙に重なっている。これも直下型の地震の震源にたり得ると言う。これがどういう形で爆発するかということは、今の地震学ではとても予測できないらしいが、ただ可能性だけは言えるという。

田原: 今は盛んに「東海地震が起きる」と(言われている)。

石原: 東南海(地震)とか。

田原: うん、東南海とか。東海地震が「(今後)30年間に94%(の確率)で起きる」とか言っている。直下型も起きる可能性があると言っている。

石原: それはパーセンテージでは言えないが。(これまでは)言わないほうがいいと思っていたが、あえてこのごろ公言しているのは、東京にも木造密集地帯「木密地帯」がいくつかある。戦前からの町がある。僕は神戸地震(阪神・淡路大震災)のあと、運輸省に頼まれて港湾の視察に行ったついでに長田地区と東灘区とをふたつ見た。住宅地。木造住宅は全部潰れている。

田原: 全部潰れて、そこがものすごい火災を起こした。

石原: チャチでも鉄骨・鉄筋は残っていた。やっぱり木密地帯を変えないと。
そこは、心張り棒でも入れないと。ところが面白いのは、人間の心理と同じように――人間というのは誰でも必ず死ぬと知っている。敦盛の歌じゃないが「人間五十年、下天の内をくらぶれば、ひとたび生を得て滅せぬもののあるべきや」で。それを歌った信長は、(やはり)死んだらしいけれども。人間は必ず死ぬと皆わかっている。(でも)自分が死ぬと信じている人間はひとりもいない。

田原: その通り。

石原: だから「石原さん、地震来るよ」「気をつけなきゃね。東京もやばいよ」「あんたの家もちょっと危ないんじゃない?」(と言うと)、「いや、うちは大丈夫」と必ず言う。そういえば、このあいだ条例を変えて、「皆のために耐震性を測る義務があるんだから測りなさい。場合によっては援助もしましょう」とした。今度の災害(東日本大震災)では、それをもっと強化しないと。

田原: それはそうだ。リアリティが出てきた、どーんと。

石原: でも条例で測らせても「あなたの家はすぐぶっ壊れる」と、「ガンじゃないが、1、2、3、4の4段階で、押しても壊れる」と、たとえばそういうステッカーを貼ると財産権の侵害になる。

田原: 「4期ガン」の家があるのか。いっぱい。

石原: いっぱいある。

田原: それで「あなた4期ガンだ」と言うと「レッテルを貼ってけしからん」と。

石原: そう。そういうことになるから、どこまで規制できるかわからない。
せいぜい今度やりたいのは、東京に昔の隣組作ろうと。このごろ人情も"紙風船"で、皆それぞれエゴが強いから。ただ、地震の時にはちょっと責任を持って「向こう3軒両隣だけはちょっとカバーしましょう」と。自助・共助・公助の補強をするために、新しい隣組の制度を作ろうと思う。これはきめ細かく、何丁目全体が「町会」ということではなく、自分の家のまわり10軒くらいで組長みたいな人を決めて、何かあったときには「住んでいるおじいちゃん確かかな」と確かめる、そういう責任を果たそうと。新しい現代の隣組を東京からもう一回復活させていこうと思っている。

田原: ただ、今の話は石原さんにしては地味なんだな。
やっぱり「東京にオリンピックを持ってこよう」とか。あるいは「銀行はすごく儲けているのに、全然税金払っていない」とか(といった話を聞きたい)。

石原: 今度もひどいよ。台湾の銀行が、(以前)こちらが台湾をいろいろヘルプした恩義で(東京に寄付してくれた)。東京のハイパーレスキュー隊が(被災地に)行って、バカな大臣が「行かなきゃクビにするぞ」と脅かし、機械1台をダメにしたが、それを聞いてみんな死ぬ思いでやってる。(すると台湾の)ひとつの銀行が1億円を寄付してくれた。東京の消防に。日本の銀行協会はデカい銀行が何百あるが、集まって1億円しか出さない。台湾は、1銀行が1億円。

田原: 日本は全体で1億なのか。

石原: 日本銀行協会、なんだか知らないが。

田原: なんでそんなケチなのか、銀行は。

石原: ケチだし、彼らは金を使いたがらない。とにかく銀行というのは本当によくない。

田原: 何がよくないのか。

石原: とにかく何というか、役人との結託かなにか知らないが。
てめえが預っているから自分の金みたいになってしまっているが、何でも出し惜しみするし、とにかく預金の減ることが自分の身を削るみたいになるのか(どうかは)知らない。だから僕は外形標準(課税)をやった。



石原慎太郎・東京都知事は、2011年5月17日に始まったニコニコ動画の討論番組『田原総一朗 談論爆発!』に第1回ゲストとして出演した。田原氏との対談の中身は外交関係にも及び、「尖閣諸島でろくなことをしなかった」と中国を批判する一方で、アメリカについても「国防総省は僕を憎んでいる」と口撃した。また累積赤字を抱えながら400億円の公的資金注入で批判を浴びた新銀行東京について、田原氏から"失敗″と振られると、「成功した」と反論し、「新銀行東京はいま、門前、市を成している」と主張した。



田原: あえて言う。他の人は絶対言わない。
石原さんが銀行のことをボロクソに言うのは、新銀行東京が失敗したからではないか。

石原: そんなものは成功した。
昔、大きな銀行にいて役員になりそこなった人が――その銀行は潰れたんですけど、合併されて――やってくれた。

なんで復活してきて、ちゃんと黒字を2年間出すようになったかというと、
他の銀行が絶対やらないことをやった。

それは、リスケという。リスケジュール。
「あなたのお金は期限がこれまでだけど、無理だから延ばそう。延ばすがこういう努力をしなさい」ということを手取り足取り教える。それは銀行の責任。うちの銀行は小さいし、貸す額は少ないが、それでも500万、1000万、2000万円。ところが、大きな銀行は、500万、1000万(を貸してほしいという小さな企業は)潰してしまえと。そんなところでリスケジュールで、あんな企業の世話をするよりは・・・。

田原: 企業を潰してしまえと。

石原: 潰したい。スパっと切るわけ。
そんな理不尽が通じているから、誰もこのごろ大銀行に金を借りにいかなくなった。
てめえら何様か知らないが、本当によくない、日本の銀行は。

田原: 新銀行東京は、今よくなりつつある?

石原: それをやってきたから信用が出て、新銀行東京はいま、門前、市を成している。

田原: また、あえて聞きたい。
石原さんが今度、都知事になったのは「やっぱり新銀行東京がこのままでは潰れるから、それを潰すのを延ばすため」と言う者もいる。

石原: とんでもない。もうちゃんとセカンドステージに来たから。
どうやるかというと、東京の中小企業は素晴らしい技術を開発しているが、なかなか製品にならない。それをするために、私は「技術大賞」というものを設けて、ベンチャー・テクノロジー――昔は成功した会社に表彰していたのだが、そんなのはいい――これから成功する可能性のある技術を開発した会社に表彰をしている。それはしかし、物によったら、なかなか製品化するのは難しいし、日本の(技術)は進みすぎているから、本当は都合がいいのだけども、日本じゃ不必要だから、外国に持っていったら喜ぶものがいっぱいある。相手を中国にこれをやろうと思った。銀行のためにも。セカンドステージで。これは日本の経産省は全然動かないし、JETRO(日本貿易振興機構)も動かないから、僕がやる。その代わり「東京」対「政府」でやろうと。北京政府。北京の「市」じゃなしに。向こうのカウンターパート(対応相手)は、「一番最高責任者が出てこい」ということで。ナンバー3だか、ナンバー1の人と話し合いをして。向こうも喜んで。(そのときに)ある中国の大要人の娘さんと親しくなって、その人とも会った。それでそういうファンドを作ってやろうと思った。ところが、「あいつら」と言っては悪いが、尖閣諸島でろくなことをしなかった、中国は。僕は腹が立って「ダメ」と(関係を)切った。

田原: 尖閣でね。尖閣諸島で中国の漁船がいっぱいやってきて、日本の水域へどんどん入ってくると。海域へ。日本の巡視船が、つまり海上保安庁が船長を逮捕した。

石原: あの事件は・・・(政策集団)青嵐会の仲間から金を集めて、関西大学の冒険部の学生を最初にやって、あそこ(尖閣諸島)にチャチだけど灯台を作ったのは僕。

田原: 石原さんと今、議員を辞めてるけど、弁護士で元民主党(の)・・・。

石原: 西村真悟は(それの)全然あと。
それで、その時に青嵐会の仲間と拠金して、その後それを聞いて、右翼の(日本)青年社が「私たちがあとをやりたい」と言うから、「ぜひやってくれ」と。彼らは金を持っているからね。立派な灯台を作った。足りないところは直させて。それで運輸省に持っていって「ちゃんと海図チャートに記載してくれ」と頼んだら、外務省のバカが横槍を入れて、「まだ時期尚早だ」と、できて光っている灯台を認可しなかった。

田原: 「時期尚早」とはどういうこと。何が「尚早」なのか。

石原: 知らない。何が「尚早」なのか。
とにかくあいつらは大きな国にペコペコペコペコするし、アメリカさんにはペコペコするし、ろくな役所ではない。(米軍基地のある福生市)横田を取り戻そうという会議だって、この頃、外務省は出てこない。

田原: あれも石原さんがいいと思ったの。
東京の横田にある基地をやっぱり日本の民間空港でもいい、自衛隊でもいい、使おうじゃないか。

石原: 本当は貸すべき。共同資本にしたらいい。
今度、航空自衛隊の本部があそこに移ったから。管制権だけを取り戻して。横田の管制区域というのはべらぼうに広い。新潟まで及んでいる。そこを日本の飛行機は飛べない。ヨーロッパから帰ってくるとき、ロシアの大陸から日本海に出ると、まっすぐ成田に来られずに迂回して太平洋に出て、そういうバカなことをしている。それ何にも日本人には痛痒を感じない。

田原: 痛痒を感じないのではなく、知らない。
だから、「そこのところを通れるようにしよう」と、石原さんがやったと・・・。

石原: 少し通れるようになった。
特に大阪とかソウルとか博多とかに行くところは、今まで(空港で)1車線の往復だったところが、3車線の往復くらいにして。これもあいつら(アメリカ)が嫌がっていたんだけど、狭いところで日本の飛行機が正面衝突しそうになって、片一方は急降下、片一方は急上昇した。(それで)住民が死にそうな大怪我した。それで初めて「しょうがねえな」と(空の)道路だけは開放したんだけれども。あの(横田)飛行場を使わせなかったらしょうがない。

田原: 外務省が協力しないの、石原さんに?

石原: うん。全然しない。

田原: なぜなのか。

石原: アメリカの国防総省が怖いから。
日本の外務省、昔の国務省は、アメリカの人たちに「私たちは(アメリカの)東京支店です」と言っている。

田原: ヒラリー・クリントン(外務長官)に・・・
要するに外務省は「私たちは東京支店」と言っているのか。

石原: ヒラリー・クリントンよりずっと前(の時代)から。
それから、向こう(アメリカ)の財務省も日本の大蔵省を「東京支店」と言っている。

田原: だから石原さんは『NOと言える日本』(という本)を作ったんだ。
あれで、石原さんはアメリカによく思われていないと。

石原: 全然よく思われていない。

田原: 今も?

石原: 今も。とにかく国防総省は僕を憎んでいる。
だから横田の問題でこの間、高瀬(保)さんという、若泉(敬)さんと一緒に沖縄返還(交渉の密使)をやった人が――学校(首都大学東京)の教授を今でも頼んでやってもらっている――このあいだ笑って言って。「石原さん、ちょっと向こう(アメリカ)で一杯飲みましたら、国防総省の役人が本音をチラっと言いました。横田(基地)の問題は『That Ishihara・・・あの石原の野郎が言い出したことだ』と」と。

田原: 「あいつが言い出したことだから、あいつがいる限りは横田問題はケリをつけない」と。

石原: まあ、魂胆はそうだろう。
日本で一番滑走路持っていて、一番使われていない飛行場だ。

田原: だけど、逆に聞きたいのだが・・・。

石原: 僕と亀井(静香)が強引に、羽田(空港)に4本目の滑走路をあけた。
あれは、僕と亀井が15分でやった。

田原: あれ、石原さんと亀井さんがやったのか。羽田の4番目の滑走路。

石原: それで国際化した。
そしたら、成田(空港)は慌てて、いままで(夜)10時までなのが、11時に延ばしてくれたから、飛んでくる飛行機も楽になって。今まで・・・変な風に話が飛ぶが、大災害(東日本大震災)で「節電、節電」と言うけれど、一番いい方法はサマータイム。サマータイムは一時日本でやっていた。できなくなったのは、成田(空港)がゴネて、(夜)10時までしか飛行機を入れないと言い出した。

田原: サマータイムをゴネているのは成田なの?

石原: 成田。それが11時に延ばした。
羽田(空港の滑走路)が開いたので慌てて。森田知事もしっかりやってくれたから。

だから、やればいい。すぐやれることをやらない。
行政は小さなことも大きなこともあるが、できることをすぐやること。
この間も仙谷(由人内閣官房副長官)に会って、いろいろ4つの首都圏の知事の節電のことで「あれをやりなさい、これをやりなさい」と言ったが、やらない。その代わり、言ったらそのショックで、パチンコ店も自粛して25%節電すると。

田原: 石原さんが言った。「パチンコ屋、自動販売機、あんなものやめちまえ」と。

石原: 自動販売機なんていらないよ、あんなものは。あんな物がマジメに立っている国は、日本だけ。

田原: ちょっと待って。自動販売機いらないと。(アシスタントに向かって)どう思う、あなたは?

アシスタント: (驚いた様子で)はい。

石原: コンビニで買って、家で冷やしとけばいい。

アシスタント: コンビニも・・・?

田原: コンビニはやっていいのか。「自動販売機はやめちまえ」と。

石原: コンビニだって、深夜はいらない。
深夜にやっているから、「コンビニエント」なんだろうが(笑)。
自動販売機は、ヨーロッパでは一晩でなくなるから。かっぱらわれて、壊されて。自動換金装置、ATMっていうのか。あれも、なかに現金が入っているんだから。あんな物がやられずに置いてある国、自動販売機がどこへ行っても無人で置いてあるのは日本だけ。

田原: それはやはり、日本が素晴らしいのでは?

石原: 素晴らしくない。そんなのに甘んじているから、こういうザマになった。

田原: 僕はベトナムに行って言った。日本人たちに、あるいはベトナムの人たちに。
「今度の東日本大震災で東電はどうしようもない」あるいは「菅政府はどうしようもない」と。ボロクソに言った。(そうしたら)「いやいや、田原さんはそういうけど、いま世界の国は日本を見直している」と。たとえば東北の人たちが避難所へ、小学校、中学校の体育館へ避難して、2ヶ月もいる。ふつうなら、あんなものは暴動が起きる。混乱が起きる。あるいは東京でも震災の(起こった)日は交通が全部マヒした。その後も間引き運転。ふつうなら暴動や混乱だと。「でも、日本人はちゃんと行列を作って待っている」と。「素晴らしい」と言う。

石原: それは日本人の素晴らしさはそこにも出ているが、一方、日本人が当たり前のこととして、いままで享受してきた生活様式というのは、そこらじゅうに、自動販売機やコンビニがあって(というもの)。なんというか、使えるものは使って、贅沢をつくして浪費してやってきた。ただ、今度の災害で、日本人のもともとの本性が浮き上がってきて。僕は被災地に行ってみても、あそこで頑張って感謝しながら、我慢してくれる人は、本当に美しいし、涙が出るほど懐かしい。だけど、それで済むようなものではない。


 「普通の国民は我欲を捨てなければダメだ」。石原慎太郎・東京都知事は2011年5月17日、ニコニコ動画の討論番組『田原総一朗 談論爆発!』に出演し、強い口調で言い切った。金銭欲や物欲、性欲といった「我欲」が社会問題の根本にあるという石原氏は、料理番組や旅行番組に流れるテレビや、「減税」だけを唱える政治家を批判。一方、マスコミやテレビが世論に迎合しているという田原氏は「世論を我欲の塊にしたのは、僕は自民党だと思う」と、自民党出身の石原氏に切り返した。


田原: 今度の震災が起きた。日本の何をどう変えるべきか。大きいもので、これを変えようと(いうものは何か)。

石原: これは被災した方は、ちょっと条件違う。
ただ、普通の国民は我欲を捨てなければダメだ。金銭欲、物欲、性欲。日本のテレビを見てもらいたい。このテレビ(ニコニコ動画)はどうか知らないが。コマーシャルから番組からみんな、その表示ではないか。一番人気があるのは料理番組、それからうまいラーメン。それから温泉。それからバカバカしい芸人の、どれを見ても同じような冗談しか言わないお笑い番組。こんなもんで満足している民族というのは、そんなhighbrowではない。そういうものを表象している。我欲を。

田原: いや我欲だが、人間はやっぱり我欲ではないか。
なぜ会社に勤めるかというと、給料が欲しいから。

石原: 当たり前。だがその欲望が際限なくなってくれば、政治がそれにへつらう。
例えばあなた、こんな問題(東日本大震災)が起こらなくても、日本の福祉が今までもったと思うのか。そんなもの、高福祉低負担で通用している国なんか、どこにもない。

田原: 高福祉低負担をもう少し具体的に言うと「福祉」はやっている、と。
たとえば年金にしても、あるいはいろんな福祉、生活保護もやっている。それに比べて、たとえば税金は消費税が5%であると。ヨーロッパの国はみんな20%だと。つまり税金をとらないで福祉をやっている。だから借金がいっぱいになったと。こういう話。それを誰も言わない。

石原: それを直すのが当たり前ではないか。

田原: だからそれは、僕は自民党が悪いと思う。

石原: 元々そう。自民党は誰のせいでもなく、日本の大蔵省、財務省に牛耳られてきた。

田原: いや僕は世論迎合だと思う。つまり本当であれば、高度成長の時はよかった。
高度成長もあって、宮沢(喜一)内閣のころから国への歳入がドーンと落ちた。景気が悪くなって。で、高齢化社会になって、歳出が増えてきた。そうしたら誰だって歳入を増やすことを考えなければいけない。歳入を増やすということは、景気をよくするか税金。

石原: だからわかっている。田原さん、率直に言ってあなたみたいな論客に言ってもらいたいのだが、日本の消費税は今のままでいいのか。

田原: よくない。

石原: よくないよね。そう言うとワーと騒いで。
河村(たかし氏)のような後輩だけど、バカが......。要するに、市民税の減税なんてものは簡単。住民税の減税なんかは。もうわずかしか減らない。ところがあれを言い出すと、みんな周りが「減税、減税」。「住民税だけじゃなく、他も減税しよう」と。そんなものは通用しない。

田原: だから「減税はしろ、福祉は充実しろ」と。そんなもん通用するわけがない。
それを、「減税はしろ、福祉は充実しろ」と通用しているのは、ひとつは政治が、自民党が世論迎合(をしたの)で本当ならば増税しなければいけない。福祉を減らさなければいけない。(であるにも関わらず)とにかく借金借金。世論迎合。

石原: 世論とは何か。我欲の塊ではないか。我欲が世論を作るのではないか。

田原: だから世論を我欲の塊にしたのは、僕は自民党だと思うし、マスコミだと思う。
それ(そのことを)石原さんが言わなければ。もっと。

石原: 散々言ってきた。言ってるから憎まれてる。
(スタジオに取材にきたカメラマンや記者に向かって)だから、こんな写真を撮りに来るんだ、こいつら。

田原: もっと言いたい。僕は我欲の塊だったころ、日本が。高度成長のときは我欲の塊でよかった。なぜならば、高度成長でみんな企業が儲かる、大きくなる。だから、国への収入が、歳入がどんどんどんどん増えてきた。(その結果)余った。歳出より歳入が多かった。このとき国は、この余った金をどう国民にばらまくか(というと)これ減税。そして福祉を重くする。減税して福祉を重くする。明日の生活は豊かになる。だから国民は自民党がいろんなことやっても、スキャンダルをやっても、田中角栄が何をやっても、やっぱり自民党を認めていた。それが上手くいかなくなった。宮沢内閣から。いかなくなったのに自民党はまったく姿勢を変えようとしない。なぜか。

石原: それは結局、国家の官僚に牛耳られているから。

田原: なぜ牛耳られているのか。

石原: 見てごらんなさい。自民党の国会議員には官僚出身がやたら多いではないか。
歴代の総理大臣も多いではないか。そうではない立派な人もいたが。それから、全国知事会に出てうんざりするのは、だいたい日本の知事の8割はみんな国家の官僚出身。もっと強いことを言って、みんなで「消費税をとにかくあげなければいかん」と。高福祉を維持するためには、目的税にしても。そうすると、自分の(出身である)役所を振り返る。自分の選挙も考えるわけ、間近な。自分の出身した建設省だの総務省だのを振り返ると、そこが「大蔵省(財務省)様の言うことを聞かないとまずいことになるから、あんまり財務省のことを刺激するようなことを言うな」と。何にもまとまらない。僕は全国知事会なんてものはバカバカしくて出ない、あんなもの。

田原: もっと言うと、さっきの続きで言うと、自民党は歳入がどんどん増えるからバラマキでやってきた。もっと言うと自民党の政治ははっきり言えば、石原さんが反対してる金権政治。ずっと。ところが金が集まらなくなった。金権政治ができなくなった。金権政治がいいとは言わないが、金権政治ができなくなったあとの政治のノウハウがない。まったく。なぜないのか。あなたの息子(石原伸晃氏)らが金権政治ではない、新しい政治ノウハウを作らなければいけない。なぜできないのか。

石原: それは何ていうのか、いままでの因習に縛られて発想力がもう減退してしまったから。
まだやっぱり役人にすがったり、役人の発想の域をでない。

田原: なぜか。

石原: それはやはり人材がいないということ。
昔、(政策集団)青嵐会を作ったころは、一癖どころか二癖、三癖ある連中がいた。

田原: 青嵐会というのは多分、言ってもわからない人がいる。
田中角栄が中国に行った。日中国交回復をやろうとした。
それに対して青嵐会ができて「反対!」とやった。

石原: まず「金権反対」。それから日中航空協定という、まったく片務の実務協定を角さん(田中角栄)が何のためか知らないが、やろうとしたからこれに反対した。

田原: それはどういうことか。具体的には。

石原: とにかく何の取り分もない航空協定を中国と結んだ。
あの時はまだロシア(当時はソ連)が空を開いていなかったので、イスラマバード(パキスタン)経由で行くと、ヨーロッパが非常に近かった。それを「(パキスタンに)入れてくれ」と言ったら、(パキスタンは)一切入れてくれなった。それで角さんが(日中航空協定を)「2週間であげる」というから、2ヶ月半抵抗して、ついに押し切られた。それですべての実務協定は達成して。(元新日本製鐵会長の)永野重雄さんという私が親しくしている、可愛がられた人がいる。

田原: 永野重雄。

石原: あの人が日本の経済団を代表して(中国に)行った時に、周恩来が「これ(航空協定)ができたので、これからいかなる日本人も私は歓迎します」と言ったら、どこかのバカな首長が「あなた方に抵抗したのは『あの青嵐会の者ですから』」と。そうしたら、周恩来がかかと笑って「いや、私は彼らが好きですね。私は日本人に詳しいけど、昔ながらの日本人がまだいましたね」と(言ったという)。

田原: 周恩来に誉めてもらったということか。石原さんは。

石原: それで、「『青嵐』という言葉は誰がつけたのか。あれは中国のもっとも美しい言葉の一つです」と言った。もう一つ、コウサカさんという大東文化大学かなんかの、どっちかというと右(保守)のほうの大学だが・・・。

田原: 高坂正堯というのは京大。

石原: 違う。高坂正堯でない。違う名前の「こうさか」。「香る坂」だったか。(元大東文化大学長・香坂順一氏か)その人が若いころ、周恩来と機をともにしたと。それで反乱した共産党の分子を銃殺するのにも立ち会って、気を失ったと。周恩来にからかわれたことがあると。それくらい親しい人。その人が永野さんと同じことを言ってくれた。それで永野さんがお世辞でなく、本当のこと言ってくれたと。まったく同じこと言った。まあいい、そんなことは。

田原: 僕、石原さんが『NOと言える日本』を言った。アメリカに対して。中国に対しては「尖閣でけしからん」と言った。こんなこと言ったら、どんどん日本は鎖国になるから、石原さんがそれは持ちながらアメリカとドンと渡り合う、中国とドンと渡り合うことをやらないとダメなのでは。

石原: 東京は技術が集中していて、いい発想する人がたくさんいるから、それを品物にして稼がせるためにも、日本の政府は頼りにならないから、僕が政府に代わってやるから「東京都」対「政府」でやりましょうということで、あるところまではやった。ファンドを作って、日本の中小企業の技術を。ところが、その直前に(中国は)尖閣(諸島)でバカなことをしやがったから、だから私は腹が立って(関係を)バッと切った。

田原: 尖閣も日本はもっとちゃんとやればいい。

石原: そうだ。

田原: もっと言えば、僕は日本が下手だと思う。

石原: やることやってくれれば。

田原: 小泉内閣の時に、やはり中国人が尖閣(諸島)に上ってきた。その時、小泉内閣は彼らを逮捕したが、2日間で「強制退去」という名前で釈放した。今度の尖閣(諸島の事件)で、民主党は船長を逮捕して、しかも10日間の勾留延長もした。あのときに民主党が船長を逮捕して、どういう戦略を持っているのか。中国とどう渡り合うのか(と問われれば)何もない。これが問題。

石原: まったくそう。

田原: だから石原さんあたりが、そこはちゃんと戦略を持つべき。

石原: いや僕は、中国が是々非々でやっていることと思うし、今度もう一回知事になったので、銀行のためにも・・・。

田原: (中国に)行かなきゃ。

石原: 行かない。呼べば来るんだから。まあ、なんというか、とにかく主権国家でないよ、日本は。

田原: そこだ。主権国家になるにはどうすべきか。

石原: これは憲法を変えないとだめ。

田原: どういう風に? 9条をやめるのか?

石原: 集団自衛権もちゃんと認める。もちろん9条もやめる。だいたい、国際法のなかでどこかの国がどこかの国に負けて占領されているあいだに占領国が作った憲法というのは、国際法上は本当は合法でない。それに則って、もう一回考えたらいい。なんで、それをやらないのか。

田原: ドイツは占領下では憲法を作らなかった。独立してから作った。なんで日本はだらしないのか。

石原: それは一種の処女体験で。

田原: 初めて負けた。

石原: 明治以来とんとん拍子でやってきたから、大きなショックがあったんだろう。ドイツは占領されているときに「やがて我々は独立するけれども、二つのことをはっきり言っておく。憲法は絶対、我々自身が作る。戦後の教育方針は絶対、我々自身が方針を決める」と(言った)。

田原: 日本は占領下で「六・三制」をやったたわけだ。アメリカに言われて。教育制度も変えた。憲法も変えた。ドイツは両方ともやらなかった。どこが違うのか。ドイツと日本は?

石原: それは民族の自尊心の問題だろう。

田原: ないか? 自尊心。

石原: ない。

田原: なぜないのか。

石原: やはりよほど敗戦でこたえたんだろう。まあ、情けない話だが。しかも65年間そのままきて、すべて命を預けて。日本はアメリカの囲い者、悪く言うと「妾」で来た。

田原: 「妾」という言葉は、いまはよくないが。

石原: だから「囲い者」といった。

田原: 囲い者。なぜかというと、やはり「命を懸けて日本が自立する」という人がいなかった、歴代首相で。いない?

石原: まあ、吉田さんは・・・。

田原: 吉田(茂元首相)はいいと思う。岸(信介元首相)さんもそれなりに、面白い。中曽根(康弘元首相)もそれなりに面白い。あと、いない?

石原: うん、いない。



過激な性描写を含むマンガやアニメを規制する東京都青少年健全育成条例で、マンガ家や出版社、ファンから大きな反発を受けた石原慎太郎知事が2011年5月17日、ニコニコ動画の討論番組『田原総一朗 談論爆発!』に出演した。番組後半、都条例に関する視聴者の質問が読み上げられると、石原知事は「子供の手の届くところに置くなという条例を作った。なんでこれが、言論統制になるのか」と反論。さらに、東京都が中心になって開催するアニメフェアをボイコットして、独自のアニメエキスポを企画した大手出版社の動きに言及し、「『俺たちは幕張でやる』と言ったら、震災がきて両方ともパーになった。ざまあみろ」と刺激的な言葉をはいた。



田原: では、ここで(質問の)メールを。

アシスタント: はい。「先ほどのお話でもありましたが、節電についてお聞きします。パチンコや自動販売機の電力消費を問題視していた都知事にあえておうかがいします。テレビ局もそれに匹敵するくらい電力を消費すると思いますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。どこか一社だけ放送していれば問題ないのではないでしょうか。ネットもありますし」と、群馬県の男性の方から届いている。

石原: 賛成。NHKだけが絶対ではないから、民放が代わるがわるに・・・まぁ、それなら民放は食べていけないが。

田原: こういう意見で危ないのは「深夜番組をやめろ」と(いうもの)。『朝まで生テレビ』をやめることになる。

石原: だいたい、あんなのに出るのが間違っている。夜は寝るもの。テレビは昼に見るのが正解。

田原: これはおじいさん(の意見)。年寄りでいいから。早寝早起きと。

石原: あなたはそっちでエースだから。

アシスタント: (ニコニコ動画の)コメントでは、「今後の東京のことも聞きたい」という意見が多い。特に、都の青少年育成条例に、反対している人が多いが、それに対してどのように思っているのか。

石原: その連中に聞きたいのだが、僕らが対象にしているエロ漫画を読んだことがあるのか。自分で読んでみなさい。たとえば、小学校の先生が自分の教えているクラスの少女と結婚して、夫婦生活する。そんなことは現実にありえない話だが、それが漫画になって出てくる。それから、中学生のお姉さんと受験勉強でがんばっている5年生か6年生の男の子が恋愛に陥って、激しいセックスをする。近親相姦。私たちは「それがいかん」といっているわけでない。そういう漫画を描く奴は外国だったら通用しない。検閲にかかって。それは目をつぶってやろうと。だけど、その本を子供の手の届くところに置くなという条例を作った。なんでこれが、言論統制になるのか。

田原: そこだ。そこが誤解されている。そういうのを出すなといっているわけでなく、子供の本棚に全部置いてあると。たとえば大人の本でも、ヌードが多い本はビニールで囲ってある。その程度のことをやれということでしょ?

石原: そうそう。

田原: 僕は最初、誤解していた。「そういうエロ本があるのは、けしからん」と言ったと思って。なに言っているんだと。石原さんの小説なんてのは、全部レイプなんだよ。しかも集団暴行。そんなことを書いてきたのに何を言うかと思った。

石原: 大きな出版社までが、被害妄想か知らんが、(東京国際)アニメフェアをやったら「あんなところには行かない」と。「俺たちは幕張でやる」と言ったら、震災がきて両方ともパーになった。ざまあみろと。

アシスタント: こちらは愛知県の男性の方(からのメール)。「自宅待機しているニートを強制的に社会復帰させるために、何か法的整備はできないでしょうか。人口減少化の進む日本には貴重なマンパワーです」という意見が。

石原: その前に、そういう人間を生み出した社会というものをだんだん是正してくためにも、高校を卒業した年齢で1年か2年、集団生活をさせればいい。法律で決めたらいい。韓国もやっている。自衛隊か消防か警察か。最低でも青年海外協力隊に行って集団生活で奉仕業務に従事させたら、しゃんとする。

田原: その点では、昔ドイツが分かれている頃、西ドイツは徴兵制だった。僕は行って「徴兵制はおかしい。人間には基本的人権があるんだから、軍隊に行きたくない人はいかなくていいじゃないか」という話をした。いろいろあった。結論からいうと「そうだ、その通りだ」と。だから、軍隊に行きたくない人間はそのことを申し出れば徴兵で行かなくていい。その代わり、軍隊は10ヶ月。(行きたくない人間は)12ヶ月社会奉仕しろ、と。「どっちにする?」と。これでちょっと参ったな、と思った。そういうことでしょ、石原さんの言いたいことは?

石原: そう。それで例えば斎藤環君という友人の若い精神病学者が、引きこもり・ニートの専門家なのだが、彼が預かっているそういう感じの人たちに聞くと、「君、もし徴兵制がきたら、警察に入隊するか、自衛隊に入隊するか」と言うと、喜んで言うと。100%「うん」と言うと。

田原: 「うん」と言うの? では、なぜ引きこもりなのか。

石原: それは知らない。とにかくやっぱり自分の救済は集団生活でしか、自我というものを鍛え直すしかないというのが、分かっているのだろう。感覚的に。

田原: 僕は政治家に一番抜けているのは、ここは石原さんに期待しているのだが、金権(政治の時代)が終わったと。金権はダメだと。僕は金権がいいとは思わないけど、金権に代わる新しいノウハウができていない。何ができていないかというと、菅(直人首相)さんにしても谷垣(禎一自民党総裁)さんにしても何か言うが、言うことに命を賭けていない、全然。なぜ、あんなにだらしないのか。今の政治家は。

石原: 個人によって、いろいろ焦心もあるだろう。金権に代わるものは「我欲の抑制」。とにかく日本人は野放図になりすぎた。

田原: 野放図とは?

石原: とにかくなんでも欲望を叶えようとしている。だから増税に反対、片方ではモンスターペアレントとかモンスターペイシェントとかが出てきた。学校の先生――ろくなやつがいないこともないんだよ、でも頑張っている先生や頑張っている医者が皆ひどい目に遭っている。

田原: どう痛い目に遭っているのか?

石原: 自分を殺してでも、無茶苦茶な要望にペコペコしなければいけない。とにかく、今の教育の荒廃、医療の荒廃には、いろいろな要因があると思うが、ただしていくと、ある大きな部分、全部とは言わないが、つまり父兄の妙な欲望とか、患者のわがままとか、そういったものが跋扈(ばっこ)している。どこに行っても。とにかくこんなに国民のわがままを通さなければいけないのでは、政府も流行らない、店も流行らない。

田原: だが、国民をそんなにもわがままにした理由は政治にある。特に自民党にある。

石原: そう。

田原: 石原さんは自民党だった。

石原: だから僕は愛想を尽かして辞めた。

田原: どこに愛想を尽かせたの、自民党の?

石原: もうとにかく結局、最後は役人の言いなり。僕は、官僚は必要だと思う。昔は大官僚がいた。岸信介もそうだし、賀屋興宣もそうだし、椎名悦三郎だってそう。この連中たちが偉かったのは、アンチテーゼがあった。それは何かといえば「軍」。軍というものに抵抗してでも――それが習慣であったから、発想力もステディだし(安定していた)。

田原: 後藤田正晴もそうだ。

石原: まぁそうだろう。

田原: 彼は戦争中台湾にいたが、(日本国内で)多くの人が死んでしまった。ところがアメリカ軍は、台湾に攻めてこなかった。申しわけないという気持ちがある。後藤田さんには。

石原: それで要するに、軍に対する反発・抵抗って何かといえば国家を考えなかった。国家の利害損得で考えるから命がけで抵抗した。賀屋さんの言いなりになって統制経済をやったら、高橋是清なんて賀屋さんに代わって殺されるわけだ。賀屋さんは非常に責任を感じてた。そういう政治家が・・・。

田原: あぁ、賀屋興宣というのは統制経済をぶち上げた。

石原: 日本で初めてやった人。

田原: で、高橋是清は反対した?

石原: いや、そうじゃない。それは押し切っている。要するに賀屋さんの言うとおりやった。それが軍は気に食わなかった。なんかパリの軍縮会議に行った時、山本五十六に賀屋さんはぶん殴られた。山本五十六か、その部下か知らないが。まぁ、そういう官僚はいたが、今の官僚はダメ。彼らは何と言うかというと、「我々の取り得はございます。石原さんは官僚がお嫌いかも知れないですけれど、日本の官僚にもすごいところがあるんです」。それが何かといえば、「コンテニュイティとコンシステンシー」、つまり「継続性と一貫性」だという。こんなものは変化の時代に通用しない。

田原: ただ、逆にいうと政治家は選挙がある。だから地方出身の政治家が、「金帰月来」でいって金曜には地元に帰って月曜にやってくる。忙しいと。勉強している暇があまりない。また、落ちる。落選したらどうしようもない。官僚は落選しないし、それに地元に帰る必要がない。だからまさに継続性があって、専門的に勉強できる。だから官僚が優れているといえるのではないか。政治家がそんな官僚に対抗するにはどうすればいいのか。

石原: 自分の発想を持てばいい。官僚を使うのは政治家の責任だから、官僚に好かれてはダメ。例えば自分の功を誇るわけじゃないが、僕は運輸省の時に成田に行って、美濃部(亮吉氏)が反対してできなかった新幹線の路盤が残っているから、「なんで地下3階までできていて、一般の普通線を引き込んで通さないんだ」と言ったら、最初官僚は反対した。(だから)「俺(石原氏)一人で行く、視察も」と。そうしたらついてきた。湿気が溜まってボトボト垂れているから「これは国民の涙だよ。これいつまで放置しておくんだ。新幹線はきっこないんだから在来線でいいじゃないか」と言ったら、迷妄から冷めて官僚はすぐ動く。それで3ヶ月で会社を作って始めた。竹下総理大臣(当時)が褒めてくれた。それから、羽田(空港)の4番目の滑走路だって、足りないのはわかっている。だから亀井(静香)が政調会長をしていたときに、「君も運輸大臣をやっているからわかるだろう。ちょうど予算の編成期直前だから調査費を付けさせろ」と。航空局長呼んだら「とてもできません」と言うから「じゃあお前クビだ。次官を呼べ」と。次官に文句を言ったら次官がニヤニヤ笑って「分かりました。調査費で」。ついたら途端にパッとできちゃう。

田原: 石原さんに言ってほしい。日本は「経済大国」といいながら、ハブ空港もなければハブ港もない。みんな韓国に取られている。なぜ? なぜハブ空港作れないのか。なんでもハブ空港にすればいい。

石原: 羽田をハブ空港にしたじゃないか。

田原: してないよまだ。24時間やってない。

石原: 24時間飛んでいる。あなた何を言っているの。24時間開かれている。

田原: なんで成田があるの、じゃあ。

石原: 成田があったっていいじゃないか。ニューヨークだって、3つも4つも。要するにボルチモアの・・・。

田原: 今はハブ空港と言えるのか。

石原: もちろんそう。

田原: ハブ港はないね?

石原: 港はね、これはまたちょっと難しい問題があって。なかなか組合とか労務者の関係があって。アメリカなんかはもっと手を焼いていて、どうにもならなくて、ニューヨークとサンフランシスコと、とにかく大事な港をUAEに売った。ところが、これは国策として危ないといって買い戻した。東京もとにかく何とかしないといけない。

田原: (先ほどの言い方は)間違えた。石原さん(が都知事)の時代に羽田をハブ空港にしたのか。

石原: それから要するに東京と川崎と横浜の港を1つにした。

田原: そう、1つにして。ハブ港になってないんだけど。

石原: いやだから、これからハブにする。それはこれからの外交の問題もあるし、セールスの問題もあるし、国内法を変えないと。たとえば、横浜で荷物を下ろした船が、ついでにお客があるから(と言って)北海道の函館とかには寄れない、これは。国内航路の貨物船を優先するため荷物を積み替えるのだが、こんなバカなことをやっている国はない。



石原慎太郎・東京都知事が第1回ゲストとして招かれたニコニコ動画の討論番組『田原総一朗 談論爆発!』(2011年5月17日放送)。番組の視聴者から寄せられた質問がいくつか読み上げられた。その一つは「いま怒っているのは何ですか?」。だが、石原氏は「俺は怒ってないんだけどね・・・。悲しんでいるよ」とポツリ。そうつぶやきながらも、田原氏が憲法問題に言及すると、米国や中国、そして「NOと言えない」日本を批判する言葉が次々と出てくるのだった。



田原: ちょっと待って。メールを。

アシスタント: はい。都知事への最後の質問は、「石原都知事はいつも怒っているような印象があるのですが、いま一番怒っているのは何ですか」という、愛知県の男性の方からの質問。

石原: (ため息をつきながら)俺は怒ってないんだけどね・・・。いま悲しんでいるよ、俺は。

田原: さっきも聞いたが、嫌な都知事になってしまったんだから、何かしなくては。

石原: 嫌でもないよ、全然。まぁ、やりますよ。

田原: 石原じゃないとできないことをやってよ。

石原: 何をやったらいいか教えて、あなた。

田原: やろう、それは。

石原: この人(田原氏)は、僕の軍師みたいなものだから。

田原: いやそんなことはない(笑)。石原さん、さっき言った日本の自立の問題だが。この「憲法を変える」というのは、2つ意味があると思う。いまの憲法は進駐軍が作ったと、占領軍が。ほとんどを。憲法9条は、つまりあれは占領軍が日本を弱くするために作った。だから憲法9条はともかくとして、とにかく自分たちの憲法を自分たちで作ろうではないかというのがある。それと(別に)、やっぱり自衛隊では問題があるから軍隊を作らなければならない。それには憲法9条は邪魔という(考え方がある)。石原さんはどっちなのか?

石原: それはどういうことか。憲法9条はもちろん変えなくてはいけないし、(自衛隊を)集団自衛権をちゃんと持てるような合法的な組織に・・・。

田原: 集団的自衛権は今の憲法でも持てる。それは(内閣)法制局がNOと言っているだけ。

石原: だから法制局そのものの制度もおかしいが、そんなことこんなことの前にちょっとおさらいをすると、僕の友人だった(評論家の)村松(剛)という男がね、三島(由紀夫)さんと共通の友人だった。彼がカナダの教授を辞めて(日本に)帰ってくる途中、ニューヨークに寄って『ニューヨーク・タイムズ』の新聞の切り抜きを持ってきた。それは日本が降伏したときと、その数ヶ月前にドイツが降伏したときの論説。これが全然違う。

田原: どう違う?

石原: 「ドイツは優秀な民族で、ナチスに誤魔化されていたんだ」と。「これは立派な国を作るぞ。我々は挙げてこれを協力して、ドイツを1日でも立派な国にしないといけない」と。

田原: 『ニューヨーク・タイムズ』が。日本は?

石原: 日本の場合には漫画があって、ナマズの化け物か巨大なクジラぐらいの大きな怪物がひっくり返って口を開けている。そこにGI、アメリカの兵隊が鉄兜を被って、大きなヤットコで牙を抜いている(絵が描かれている)。

田原: 牙を抜いている。

石原: そこに論説があって、「この怪物は倒れはしたが、いまだ生きている」と。「我々はアメリカの平和のために、世界の平和のためにこの怪物を徹底して、どれだけ時間がかかってもいいから、解体しなくてはいけない」と。

田原: なるほど。「ドイツは復活するだろう」と。そして復活を望んでいると。日本は復活させちゃいけない、と。

石原: 降伏したあとの徹底した解体。それをひとつの法で求められ作られたのが(日本国)憲法。それで日本人は本当に解体された。かつて(ルース・)ベネディクトが書いた、要するに『菊と刀』に象徴される「誇り高き日本人」はいなくなった。

田原: ただ僕らの世代がやっぱり憲法改正に抵抗があるのは、戦争中、戦前から軍が独走したじゃないかと。もう「いわゆる言論・表現の自由というものはまったくなくなったじゃないか」と。「こういう国は良くないと思え」と。石原さんが一番守るべきものは言論・表現の自由だと言っている。

石原: そう。

田原: これが戦前、なくなったの。

石原: まあそりゃそうでしょう。あのころ日本はいまの北朝鮮よりもファナティック(熱狂的)だったから。

田原: だから、そういう北朝鮮に二度としたくないという思いがある。

石原: なりっこない。これだけ情報が横行していて、言論の、さっきみたいにワケのわからんアブノーマルな変態の漫画を描いても許される国だもん。

田原: つまり、言論の自由があっていいの。

石原: うん。

田原: それでね、僕はやっぱり日本が自立すべきと思う。自立するためには、頭をペコペコするのではなくて、堂々とアメリカ、堂々と中国と渡り合うんだと(思わないと)。なんでそれができないのか。

石原: 持つものを持ったらいい。それは核兵器だという人もいるけど。佐藤栄作(元首相)がやっぱり核を持とうと思ってドイツと協力して、ドイツに1回断られた。で、いま新しいとんでもない戦略兵器が出てきている。それは「コンベンショナル・ストライク・ミサイル」と言って、これは核を積んでも積まなくてもいい。その代わりGPSの精度が上がったから、実に正確に物にヒットして、強力な破壊ができる。アメリカが開発してあるけど、それはどういうことかと言うと・・・日本でもできる、日本の技術でもってしたら。そのためには基地が要る。僕はそのために、おそらく日本の政治家で初めて――まあ俺は知事を辞めるつもりでいたが――とにかく行ってこようと思い、(日本最東端にある東京都の)南鳥島に行った。

田原: 南鳥島。

田原総一朗氏と石原慎太郎都知事石原: あそこは、アメリカンフットボールのクォーターバックと同じポジション。とにかくあそこからクォーターバックが長いパスをして、走っているフォワードがタッチダウンするのと同じように、あそこからだと遠ければ遠いほど――別に中国ともロシアとも言わないが――とにかく自分たちにとって仇する国を、致命的な部分を正確無比にヒットすることができる。そういう技術は日本とアメリカにしかない。(そういう技術に)関心を持っているのは。

田原: なるほどね。作ったらいい。

石原: 作るとまたガヤガヤ言うヤツがいる。

田原: それはね、作ればいい。作ればいいが、やっぱり「作る」と言う、どっちかっていうと「右」のほう(の人)は、中国の悪口しか言わない。

石原: うん。

田原: 悪口を言っているのではダメで、中国と堂々と渡り合って、やらないと。

石原: そうだ。

田原: そこは、石原さんは違うと思っている。いまの右翼はどっちかというとね、鎖国。鎖国主義。

石原: それはちょっと困る。意味がない。

田原: 意味ない。

石原: だから持っている力を、相手に魅了させるために――だから僕はとにかく国に任せられないから、東京と中国の政府でサシで話しようと。

田原: それをやってよ。

石原: それをやろうとしたら、あいつらが尖閣(諸島沖)で変なことしやがって。

田原: まあいいじゃない、尖閣は。

石原: よくはない。

田原: 新しくやればいい。なんでもない、尖閣は日本の失敗もいっぱいあるんだから。いいじゃない。

石原: 失敗はどこにあるのか。

田原: だから、その尖閣で、向こう(中国)の船長を逮捕したはいいが、逮捕してどうするかという戦略をまったく持っていない。で、10日間勾留延長と言いながら釈放したことが・・・。

石原: いや、あそこにちゃんと軍隊を置いたらいい。でもいまの法律だと、アメリカまでコミットしてきにくい。つまり、本当の軍事紛争にならない。軍隊まがいの人間がきて、ああいうこと(船長の逮捕)をしても。捕まえるのも(海上)保安庁だった。あれは軍隊が出ていって追っ払ったらいい。それでそれが軍事紛争になるなら、アメリカが、もっとそれを拡大したら踏み込んでこざるを得なくなる。いまの安保条約の条項では、漁船が来て保安庁が追っ払うというそんな騒動がいくらあっても、安保の対象にはならない。

田原: 安保の対象にはしないんだ、今は。

石原: いや、なり得ない。アメリカも逃げるエクスキューズ(口実)が・・・。

田原: だけど尖閣の問題は、石原さんは大事な問題だと言うが、僕は大したことはないと思う。

石原: いや、象徴的な問題だ。

田原: 象徴だが、あのときにもうひとつは、船長を釈放したとき・・・。もっと具体的に言うと、船長を釈放したと。こんなもんは菅(直人首相)が(自ら)言って、釈放したに違いないのに、沖縄の地検に「俺たちが日中の関係を重んじて釈放した」と(言わせている)。無茶苦茶じゃないか。

石原: 無茶苦茶。だからあの地方検事は出世して検事総長にしてあげなきゃ可哀想だ。

田原: 可哀想だ。だからその辺のキチンとやるべきことはやる、言うべきことは言うと。

石原: 僕に言ったってしょうがない。菅に言ってくれよ本当にもう。

田原: 菅、(この番組を)観てんだよ、きっと。

石原: 観てないと思う。よほどうるさいヤツだから。なんかお笑い番組でも観てるよ、きっと。

田原: 頑張って。

石原: 子供の、高校生が面白い。政治家の変な隠語があって、「お前またハトったろう!」って言うのが。鳩山(由紀夫元首相)をひいて「嘘をついた」と言うんだよ。

田原: 「ハトった」。

石原: 「お前ね、何をオドオドしてるんだよ、お前、嘘をついたんじゃねぇか? お前、何ナオってるんだよ」っていう。菅直人がオドオドしてるのを揶揄して。「ナオってる」っていうの。「オドオドしてる」っていう。

田原: 「ナオってる」。菅直人のほうね。

石原: 子供のほうがよく見ているよ。

田原: よく見ている。はい、わかりました。ホントにその元気さを持ってよ!

石原: え?

田原: 知事になって「疲れた」なんて言わないで。

石原: いやいや、人生に疲れたから。

田原: 最後にどうぞ。

アシスタント: 都知事、このニコニコ生放送というものに出演されてみてどうだったか。

石原: 久しぶりに田原さんと1時間ゆっくり話せたから、ありがたかったですよ、それは。

アシスタント: また、ぜひいらっしゃってください。

石原: ぜひぜひ。

田原: どうもありがとうございました。

石原: ありがとうございました。

アシスタント: それでは田原さんから今日の対談のまとめを一言。

田原: とにかく石原さんに言いたいことを言ってほしかった。なんでもガンガン。まだちょっと足りない(笑)。

石原: そんなことない(笑)。

(了)



ニコニコ動画の討論番組 石原慎太郎・田原総一朗 全文 書き起こし
http://news.nicovideo.jp/watch/nw63966
■(1) 「国の官僚はバカだから、地方の成功をマネしない」
■(2) 「東京に『隣組』を復活させたい」
■(3) 「新銀行東京は成功した」
■(4) 「世論とは何か。我欲の塊ではないか」
■(5) 「大手出版社のアニメエキスポ震災でパーになった。ざまあみろ」
■(6) 「俺は怒ってない。いま、悲しんでいる」

■ 石原慎太郎×田原総一朗(3) 「新銀行東京は成功した」 - ガジェット通信







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