一条工務店のi-cube   最高水準の省エネの家。 今後の 5つの課題

2009年4月2日記事

日本の従来の家づくりに、ツーバイフォーの技術が加わって、
耐震性や気密性、断熱の性能などが格段によくなりました。

一条工務店のi-cubeは、そういった新しい家の中でも、最高の性能の家です。


北海道仕様で開発されたi-cubeですが、
そのすばらしい省エネ性能で、北海道以外でも建てられていく様子です。

このi-cubeは、昨年のハウス・オブ・ザ・イャー・イン・エレクトリックの大賞に選ばれた
「夢の家」:Q値1.16Wを、Q値0.76Wに性能を高めた型だそうです。

 
こういう省エネの高性能な家が、日本各地に建てられると、
家づくりの全国的なレベルが上がって、手抜き工事が減っていくことと思います。
    ● なぜ、2万円を浮かせるために2000万をダメにするのかな?
    ● 釘の種類を間違うと家の耐震性が30%減。大工さんしっかり!




鵜野 日出男さんの今週の本音の、
■ 全国のビルダーを直撃する一条の“i-cube” 2009年02月25日 の記事から、i-cubeを知りました。


i-cubeの写真を見ると
窓の外の、よろい戸がおしゃれでいいです。
このよろい戸で日差し除けできれば、夏の過熱が少なくてすみます。
飾り戸じゃなければいいのですが。

もしも、飾り戸なら、i-cubeは断熱性能が とびっきりいい分、
南側の窓には夏の遮光対策として、ひさしや軒がこれから付加されてほしいです。



i-cubeは、魔法瓶のような保温に優れた家で、日本一の断熱性能ですから、

冬は快適で省エネでも
夏の間は、いかに熱を入れないか(遮光)、そして熱を逃がすか(排熱)が大切になります。


それと、熱を逃がす、排熱の工夫。
1階と2階の窓の一部は、ドレーキップ窓にして、夏の夜間や外出時に安全に窓を開けておけるようにして、夏の熱気を逃がす対策があるといいです。
ドレーキップ窓じゃなくても、高い位置に小窓で防犯上、安全に窓を開けたままにできるようにするとか。

地域によっては、熱帯夜で窓をあけても夜気の涼しさがなかったり、交通量が多く外気が排気ガスが多かったりと窓を開けないで過ごしたほうが快適なところもあるでしょうけど、
地域によっては、夜気の涼しさを部屋の中に入れたほうが快適ということもあります。
それに、季節は夏ばかりでなく、春や秋もあります。


北海道の家ですが、5月にもなると、熱気がこもり、
家の中が熱くなって夜は窓を開けて換気しないとつらいような日もあったりします。
一条工務店のi-cubeのようなすごい断熱性能なら…、
遮光と通気からの排熱がうまくいかないとちょっと大変かも…と思ったりしました。

クーラーのの快適さとともに、
遮光と窓を開けての通風からの排熱と涼しい夜気の取入れでの涼房が可能になるようにお願いしたいです。



HPでは、「もらい火」に強いとありますが、
家の中の壁側が100度以下であっても、サイディングのすぐ下には、付加の外断熱のEPSという石油系の断熱材5センチがありますから、そっちは溶けてしまい、修理が必要になるかもです。
となりの家に火災があれば、壁の温度は500度とか800度になってしまい、溶けて気化するし、気化したガスに引火もしやすくて…で、その点は、付加の5センチ分を不燃のロックウールの方が安全と思います。
  ■ 東京地域の理想的省エネ外壁(7) 効果的な充填+外断熱(KM+ロックウール)


 また、アメリカカンザイシロアリへの対策の、木部を露出させないような家への配慮があると、タイムリーなのですが…。
 一条工務店のHPには、 

 ・ 床下および1階の構造材のほぼすべてに、業界最高水準の「加圧注入処理」という防腐・防蟻処理を施しています。

 ・ 一条工務店では、防腐・防蟻処理のために安全性の高い薬剤である「ACQ」を加圧注入する方法を採用しています。木材を注入タンクに入れ、圧力をかけて薬液を浸透させるというものです。木材の奥深くまで薬液が浸透して、効果は75年以上も続きます。

とありますが、これれはあくまでも、イエシロアリとヤマトシロアリの地面から上がってくる在来種の白蟻対策にしかなりません。

アメリカカンザイシロアリ(乾材白蟻)は、土壌からは来ないです。
羽アリのつがいが2階や軒や屋根から入ってくる可能性があります。
ですから、木部を露出させない事。通気層の開口部に虫除けの網をつけることが対策になります。
   ●家43 アメリカカンザイシロアリは、今後 大きな社会問題に。 2009年05月01日
   ●家44 アメリカカンザイシロアリとヤマトシロアリ・イエシロアリ対策の家づくり
 



理想的な性能で、しかもローコストという夢のような家、一条工務店のi-cube。
今後の課題が5つあると思います。
それは、①遮光、②排熱、③涼房、④もらい火対策、⑤アメリカカンザイシロアリ対策です。


i-cubeのようなQ値の家は、北海道にすらありません。
日本の最高水準の断熱性能で省エネの性能の家です。

i-cubeが、どうか日本の各地にたくさん建てられていきますように。

各地の工務店は、i-cubeの省エネ性能の格段のよさに驚き、刺激を受けます。
i-cubeが各地に建つだけで、日本の家全体のレベルを変えていってしまうことでしょう。
i-cubeは、建っているだけで、家の性能という面から世の中を変えてしまいます。
i-cubeは、「愛ある仕事」をします。






ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ
   鵜野 日出男さん 今週の本音より
 ■ 省エネ住宅のトップランナー・一条工務店の挑戦状(上)   2009年04月15日
 ■ 一条工務店の挑戦状・何が低価格を実現させたのか(中)  2009年04月20日 
 ■ 一条工務店の挑戦状 ・ グローバル化の対抗策(下)     2009年04月25日
 ■ 全国のビルダーを直撃する一条の“i-cube”           2009年02月25日
 ■ ハウス・オブ・ザ・イヤーの画期的な側面と提起している問題 2008年04月10日
 ■ Q値1.1W以下でのコストパフォーマンス 施主に登壇してもらうコツ(下) 2008年06月15日



   一条工務店HP
 ■ 住宅展示場ガイド モデルハウス 工法・構造 2×6 

  2×6材を用いた構造体に外断熱と内断熱で家全体を包み込む外内ダブル断熱工法を採用。
 暖房費を次世代省エネ適合住宅の1/2~1/4に削減。
 業界最高レベルの超断熱。超省エネ・超快適な住まいを実現。
 i-cubeは「全館床暖房」+「オール電化」を標準装備した驚異的なコストパフォーマンスを実現




   ブログ
 ■ 一条工務店『i-cube』で新築するぞ~っ!! hon*y_s**_tea*さん
  ・打ち合わせ その零 (i-cubeの仕様) 2008年12月1日
 ■ i-cube(アイキューブ)のパンフもらいました 2009.03.01 二世帯住宅の建築日記
 ■ 一条工務店夢の家Ⅲで建てました…
 ■ 山の麓の夢の家
    一条工務店「夢の家4」で家を建て2008.09.05から暮らしています。
    高気密高断熱住宅の住み心地、室温、床暖房、ランニングコスト、エコ等

 ・ ロスガード90のフィルター内は虫だらけ 2008年10月16日より 引用
 入居一ヶ月半ほど経過し、ロスガード90を空けてフィルター内を確認してみました。な・・なんと 小虫収集装置かと思えるほどの虫だまりが、大半は死んでいましたが生きて動いている(汗)虫嫌いの方はちょっと引いてしまうでしょうしかも大量です。大収穫の虫だまりができないうちに、こまめに掃除しましょう。フィルターも長持ちします。虫の季節、この虫の数だと、我が家では1週間のサイクルでフィルター清掃でしょう。







  最近の記事 
● 鵜野日出男さんに大工さんを目指す若者たちへの教科書(副読本)を書いてほしい。
 ・幸福実現党に政策提言 アメリカカンザイシロアリ対策を
 ・家47 一条工務店のi-cube03。 とても地震に強く、躯体は100年から200年の寿命 予定
 ・家46 一条工務店のi-cube02。 最高の省エネ性能が健康で長寿へ。幸せの家
 ・家45 一条工務店のi-cubeは、最高水準の省エネの家。 今後の5つの課題とは

 ・家44 アメリカカンザイシロアリとヤマトシロアリ・イエシロアリ対策の家づくり
 ・家43 アメリカカンザイシロアリは、今後 大きな社会問題に。 2009年05月01日
 ・家42 タマホーム。 大手ゼネコンのマンションより耐震性があってエコで高性能。
 ・家41 木造なら、地震にとても強い ローコストの家は可能。
 ・家40 大半が最低の耐震等級1!大手ゼネコンの鉄筋コンクリートの建物(マンションなど)
      副題) 最低の耐震等級1で鉄筋コンクリの建物を建てる理由を説明してほしい。
 ・家39 太陽の光と 木々と 鮭と シロアリと。 乾燥した木は腐らない。築600年の家。
 ・家38 鵜野日出男さんに大工さんを目指す若者たちへの教科書(副読本)を書いてほしい。
 ・家37 水道光熱費が半減できた、お母さんの省エネ技とは ?
 ・家36 なぜ、2万円を浮かせるために2000万をダメにするのかな?
 ・家35RC 鉄筋コンクリートの建物は耐震 等級3で。震度7でも大丈夫という誇りや自負を!
 ・家34RC 鉄筋コンクリート造り(RC造り)の建物を建てるときには、耐震等級3と外断熱と
        日射の遮光の3点が肝心!
 
 ・家33RC これからの新しいマンションの耐震性と省エネ性能は激変する!
 ・家32RC 鉄筋コンクリのマンションの多数は耐震性が最低の等級! (お金の知識⑪) 
 ・(お金の知識⑩)10 家が資産として100年残っていく時代の投資と家づくり  
 ・(お金の知識⑨)09 貯蓄のあとの投資を考える。大きな損を避ける。投機と家に注意。  
・ 家31 インスペクターの活躍と工務店のレベルアップ
・ 家30 ローコストの哲学。  ローンの金利が複利で何百万円も違う。(kappa さん)
・ 家29 脱衣室が寒いと 脳卒中や心筋梗塞で年間3000人が死亡。
・ 鵜野 日出男さんにあてた書簡  2009年3月6日(金)
      記事マップ
 ● 記事map1 ・ 家づくり
 ● 記事map2 ・子供に身につけさせたい お金の知識・ 家族・ 子育て・ 夫婦
    子供に学力の土台をつくる・ 子供の意欲を伸ばす・ 子供の学力を伸ばす

 ● 記事map3 ・健康 ・食育 ・書評 ・環境 ・政治・経済・リンク集 他
ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ
    鵜野 日出男さん 今週の本音より

■ オープンな木軸壁工法の可能性(上) 2009年03月15日 
■ オープンな木軸壁工法の可能性(中) 2009年03月20日
■ オープンな木軸壁工法の可能性(下) 2009年03月25日 
  日本の木造の家の将来像 140mmハイブリッド木構法の提示 




   以下 、読み直し用の自分用の資料。
 ■ 鵜野 日出男さんのネットフォーラムの投稿 (hiro@首都圏さん) 2009年2月25日<水>

 ハウスオブザイヤー・インエレクトリック2008  
 鵜野さん:
ハウスオブザイヤー・インエレクトリック2008が23日に決定されたようです。
http://www.jcadr.or.jp/house_of_2008/200902press-01.pdf
大賞はなぜか昨年特別賞のサンワホームハイパーエコシリーズ(Ⅱ地域はQ値0.7W、
Ⅳ地域は0.9W)とパナホームのエルソラーナ。
 選考基準が今一歩よくわからないような・・・。
ハイパーエコは実績棟数が増えたから? エルソラーナはCASBEE重視でしょうか。
ちなみに一条工務店のi-cubeは特別賞ではなく、さらに下位の優秀賞どまり。棟数不足と言うことでしょうか。

それにしても、i-cubeのQ値0.76Wで53万円/坪はすごいですね。
また、i-cubeは基本的に全熱交換なのでバイパス換気が可能です。
冬季以外の季節は、完全に常時バイパス換気に切り替えておけば、Q値は1.0Wくらいになり、うまくすればなんとかしのげるかもしれません。サニタリーの換気および家全体の湿度管理と全体の均熱をどのようにとっていくかが課題だと思います。いずれにしても、東京以西でQ値0.76Wのモデルハウスの湿度を含む温熱環境データがとられているのならば、ぜひ公開してほしいですね。
 http://www.jcadr.or.jp/house_of_2008/200902press-01.pdf
Name : hiro@首都圏 Time : (2009年2月25日<水>22時40分)




■ 鵜野日出男さんのネットフォーラムの投稿 (鵜野日出男さん) 2009年4月27日<月>

 私のホームページの表紙に書きましたように、パッシブハウスのポリシーには賛同し、心から支援しています。

 しかし、今までの暖房の15kWh/m2aの外に、
昨年から冷房の15kWhが加えられてからおかしくなってきました。
これが、年間冷房費/m2ではなく、建物の冷房負荷だという。
ペテンくさい言い分。
したがって、北海道など寒冷地ではパッシブハウスをメインテーマとして追求するのは正しいと思いますが、III地域以西では疑問が残ります。

つまり、冷房とか、夏の除湿という問題に対して経験と実績を持っていないドイツのパッシブハウス研究所のソフトは、日本では有効性に疑問が残ります。

除湿についての不満があるが冷房負荷に対してきちんとした基準を示しているSMASHで、年間冷暖房費を当面は表示してゆくべき。
暖房費だけのソフトは使えません。

そして、当面の削減目標は、皆さんのお知恵を借りてホームページに発表した通り。
当面、この目標を変える必要はないと思っています。
パッシブハウスの数値を金科玉条のように考えるのではなく、日本では地域に見合った目標数値を設定してゆくべき。

そして、今まではやたらQ値だけを追ってきたと思います。
ドイツでもそうであるように、日本でも「無暖房住宅」が目的ではありません。
全館空調換気でありながら、冷暖房費を如何に少なくしてゆくか」がビルダーと消費者が真剣に目指すべき方向。

しかも、建築コストを如何に抑えてゆくかという現実的な問題を、
i-cubeは具体的に提示してくれました。

しかし、i-cubeも考えはどちらかというとQ値偏在。
日射遮蔽換気の問題など、あまりにも多くの問題を残しています。
これを、日本の実態に合うように正しく訂正してゆく必要があります。

つまり、暖房費だけのドイツのパッシブハウスで議論するより、日本各地で大影響を与えゆくであろうi-cubeをメインに議論した方が、日本の省エネの進むべき道筋がより明解になると考えます。

i-cubeは、とても重い問題を投げかけています。
地場ビルダーが発想の転換を行い、対応策を用意するのに早くて半年、場合によっては一年はかかると思います。 否応なしに、メインテーマとして取り組まざるを得ません。
Name : uno Time : (2009年4月27日<月>08時02分)







    鵜野 日出男さん 今週の本音より
 ■ 全国のビルダーを直撃する一条の“i-cube  2009年02月25日  

 ツーバィフォー工法をオープンな形で日本へ導入することを目的に、私が本格的に住宅産業に携わってから40年近くになる。
ビルダー業に身を転じてから30年というところ。
当時は第一次オイルショックの直後で、住宅の着工量は現在とそれほど変わっていない。徹底的に冷え切っていた。
実績のない初期には、大手の営業マンの「あの会社は危ないですよ」との囁き作戦に翻弄された。しかし、実績が出来てきたら大手の囁き作戦はうあっという間に失効。

そして、耐震性をはじめとして耐火性、遮音性、耐久性、太陽光発電、R-2000住宅などの高気密・高断熱で、常にトップランナーの一人として仲間と一緒に走り続けてきた。
このため、途中から大手住宅メーカーを怖いと思ったことがない。
鉄骨プレハブは、敵とは考えなかった。
たしかに、大企業志向で凝り固まった消費者層が存在するのは事実。
それと物量作戦でかき回され、敵わないなと感じさせられた時もある。
だが、質では絶対に負けない。
モデルハウスで、しばらく雑談しながら良さを体感してもらう。
それから静かに説明すれば、ほとんどの消費者の賛同を得ることが出来た。

小回りが効き、絶対にウソを言わない地場ビルダーの設計力と現場力ほど強いものはない。
デザイン力をはじめとした技術が備わっておれば、価格で大手に負けるわけがない。
そして、大手メーカーと競合すれば、しめたと思った。
ほとんど「いただき」だったから…。
もっともミサワホームなど、最初から競合しないメーカーも多々あるにはあったが…。

そして、パッシブハウスやそれに準ずる先端的な商品開発でも、今まで大手メーカーを怖いとは感じたことはなかった。
R-2000住宅を日本へ導入する時、「設計・施工マニュアル」を製作する上で大変な苦労が待ちかまえていた。翻訳されたカナダのマニュアルには暖房のことしか書かれていない。冷房や除湿が問題になる東京以西ではほとんど使えない代物だった。
このため、カナダのマニュアルを全面的に書き換える必要があった。今から考えると不十分な点が多いが、当時は高断熱住宅の冷房効果のデータもなく、逆転結露に関する実験もやられていなかった。
三菱総研の協力を得て、通産省から補助金をもらって3棟の実験棟を建て、3千万円程度を個企業で持ち出して実験を行なわざるを得なかった。

同じことで、ドイツの寒冷地用のパッシブハウスの技術を日本へ持ってきても、残念ながらそのままでは使えない。
夏期が乾期のヨーロッパ。夏期が雨期で高温多湿の東京以西。
夏の室温を25℃に維持することは至っては簡単。年間5kWh/㎡以下のエネルギーで十分に賄える。そのような実測値が出ている。
だが、相対湿度を50%以下に維持するためのエネルギー費が問題。
やたらに熱損失係数を良くしても、冷房・除湿費とのバランスがとれない。
その最適なQ値が、未だに系統的に解明されていない。
hiroさんという特別に優れた施主といろいろ議論した結果、東京以西ではQ値が0.8Wから1.0W程度がベストではなかろうかとの、とりあえずの答を出している。
そのデータ取りを、どのようにやって検証したら良いのか…。誰にやってもらうか…。

その矢先のi-cubeの出現。
ご案内のように、昨年のハウス・オブ・ザ・イャー・イン・エレクトリックの大賞に選ばれたのが一条工務店の「夢の家」。Q値は1.16Wであった。
そして、この商品を引っさげて同社は札幌へ進出。
と同時に、手稲区にQ値0.76Wのi-cubeという商品の実験棟を建てたというニュースは聞いていた。
ところが、途中からこれに体験ハウスの機能を持たせ、昨年中に10棟程度の施工実績を上げていたという。寒冷地用の商品として、磨きをかけるのは良いことだというぐらいにしか私は捉えておらず、追跡調査をしていなかった。北海道住宅通信の追跡調査でi-cubeの実態が浮かび上がってきた。


ところが、単に北海道にとどまらず、大阪など内地でもすでに数棟の施工実績があるという。
そして、その内地での実績を基に、今年のハウス・オブ・ザ・イャーに応募中と聞いた。その数棟の実績が認められれば、同社は昨年に引き続き連続してハウス・オブ・ザ・イャーの大賞に輝く可能性が高い。
ともかく、大手住宅メーカーの中では、今までハイムの北海道限定版のシェダンのQ値0.99Wが最高の数値。0.8Wを切る商品を開発するなどという発想は一切ない。
となれば、ハウス・オブ・ザ・イャーは一条の独壇場となる。
中堅メーカーで、このような性能追求型の企業が登壇してきたことは、非常に喜ばしい現象だと考え、心の底から拍手を送りたい。
同社のチャレンジがインパクトになって、モタモタしている大手メーカーの省エネに対する態度が一新されることを期待したい。

とはいえ、この寒冷地用に開発されたi-cube。
当然のことながら、北海道ではQ-1.0W運動の影が薄れてゆく。
トップランナーは、コンスタントに0.8Wを切ることが求められてくる。
しかも、リーズナブルな価格で。
一条は今まで木軸のメーカーだった。
しかし、下の図を見て貰えば分かるように、外壁は206、屋根・天井は210材に変えてきている。
つまり、ツーバィフォーによる大型パネルメーカーに変身している。
十勝2X4協会をはじめとした地場ビルダーに対する挑戦状だと考えるべき。
この挑戦状を突きつけられてへなへなするほど道の2X4仲間はヤワではない。
今年はタマホーム戦争とは比較にならないほどの高度な「技術イノベーション戦争」が開始されるのだ、と覚悟すべき。

そして、北関東以北のⅡおよびⅢ地域でも、i-cubeの影響は日増しに強まってゆくであろう。
今までの突発的なゲリラ戦争ではなく、常戦状態になる。
一刻の猶予も許されない。
今までの固定概念を捨てて、必死で商品開発を進めなければならない。
単に性能面だけでなく、価格面で大きなプレッシャーが加わってくるから、よっぽどフンドシを締めてかからねばならない。
敵は今までの大手メーカーのような、平家のヤワなお武家様ではない。
とりあえず、下記の仕様をよく読んで、いろんな人の知恵を借りて、対抗策を立案していただきたい。

i-cube概要.pdf

さて、関東以西。
寒冷地用に開発されたi-cube。
関東以西の商品としては、あまりにも未完成品な商品だと私は思う。
ここまでQ値を上げなくても、やらねばならないことが一杯ある。
日射遮蔽を完全にし、除湿性能を高めなければならない。バイパス機能をより完全化することも必要。そして、東京以西で床暖房というのはおかしい。完全なセントラル空調換気システムにトライすべき。
でないと、快適性はそれほど高くはない。魅力が足りない。

しかし、東京以西でQ値0.76Wの性能が簡単に、しかも安価に入手出来るようになったと言うことは、消費者にとって朗報であり、魅力。
i-cubeを総合的に上回る商品を、地場ビルダーが何としてでも開発してゆかなければならない。
その場合の重要なポイント。
「それは、一条と同じ土俵で喧嘩をしない」ということ。

一条は、大手メーカーと異なり、やたらとアウトソーシングをしていない。
自社に多彩な生産ラインを持っている。
そこを見極めて戦略を立てない限り、一条の術策にはまってしまうことになる。それでは絶対に成功がおぼつかない。

今ほど、一条の得手と不得手をきっちり見抜く目が必要な時はない。
そして、日本で本当の「省エネ戦争」が勃発したのだと考えて頂きたい。







 ■ 省エネ住宅のトップランナー・一条工務店の挑戦状(上)  2009年04月15日  

 日本の省エネ住宅のトップランナーは、一昨年までは間違いなくセキスイハイムだった。
 2005年の2月、同社は「シェダン」というQ値が0.99Wの北海道型の住宅を開発し、その年に60戸という輝かしい実績を上げた。

 それまでは、Q値が1.2W~1.4WのR-2000住宅が、日本における最高水準の住宅。
つまり5年前までは、日本の住宅の省エネ住宅のトップランナーは、R-2000住宅に携わっていたツーバィフォーの地場ビルダーだった。
 北海道ではR-2000住宅に特化した札幌のよねくらホームをはじめとして、帯広の岡本建設、赤坂建設など数社、旭川のハウジングシステム等々の多くの企業が頑張っていた。
 東北では、ドイツのデザインスタイルでR-2000住宅に特化した北洲ハウジングが、性能と実績戸数でその存在を轟かせていた。
 関東では、これまたR-2000住宅に特化して卓越した現場力を持つマイスターハウスと、全戸セントラル空調換気システムのナイスハーティホームが圧倒的な技術力を誇っていた。
このように、省エネ住宅は地場ビルダーの専売品だと考えられていた。
 そこへ、セキスイハイムが殴り込みをかけた。
基礎断熱で、ポリスチレンフォーム150mmでU値は0.3W。外壁は高性能グラスウールが220mmで0.2W。天井は同じく高性能グラスウール360mmで0.13W。

 このシェダンの登場を契機に、
北海道で鎌田先生を中心に「Q-1.0W運動」が起こったのはご存じの通り。
しかし、このQ-1運動は、関東以西ではR-2000住宅よりも性能が低いものがまかり通っており、輪の拡がりの割にはインパクトと影響力が弱い。

そして、2007年から始まったハウスオブザイャー・イン・エレクトリック大賞は、当然のことながらセキスイハイムが受賞するはずであった。何しろQ値が0.99Wで、軽く120棟を越す実績を上げていて、当時としてはダントツの存在だった・・・。
ところが、ハイムにとって不幸なことは、東電が中心になっていたこともあって第一回の授賞対象からI地域が除外されてしまったこと。
その理由は、「イン・エレクトリックということで、I地域ではエコキュートのCOP性能が現時点では低すぎるので期待出来ない」というもの。
このため、漁夫の利を得たのが一条工務店とスウェーデンハウス。
一条工務店は、たまたま私の情報から急遽応募を決めたということを、開発担当の設計課長から数日前に耳にした。

さらに言うならば、弟二回からはI地域も対象になったのだから、昨年ハイムがシェダンで応募していたならば間違いなく大賞を授賞出来たはず。
その点で、一条に比べてハイムのツキのなさが惜しまれる。
しかし、トップランナーとしてハイムが果たした大きな役割と功績は、決して忘れてはならない。

ハイムがシェダンを発表した年に、スウェーデンのハンス氏の「暖房機のない住宅」が話題を集めた。日本全国で講演会を企画したNPO法人外断熱協が、意識的かどうかは知らないがこの無暖房機住宅のことを「無暖房住宅」と訳して宣伝した。
これは同NPO法人の明らかなミステーク。なるべく早く訂正した方がベター。
ハンス氏のやったことは、ドイツのファイスト博士のパッシブハウスの技術をもじったものに過ぎない。プレヒーター付きの熱交換機を採用して、ヨーロッパで多用されてきた温水パネルヒーターを採用しなかっただけ。
つまり、「暖房機のない家」にすぎない。
氷点下の空気を導入すると、顕熱の熱交換機は凍って動かなくなる。
このため、電熱器で空気を強制的に暖めてから導入する。
ヒートポンプではない。単なる電熱器で・・・。
このため、電気代がやたらにかかる。
ハンス氏の指導で建てた茅野の介護施設「桜ハウス玉川」の田代育夫専務は「プレヒーターは電気代がやたらに喰うので、なるべくCOPの良いエアコンを使うようにしている」と話してくれた。
当然のこと。
無暖房住宅というのはまさしく羊頭狗肉。

その羊頭狗肉の見本がサンワホーム
昨年「無暖房住宅セミナー」を、関東を中心とした12都県で170回も開いている。
第二回のハウスオブザイヤーの大賞を受賞した今年、同じような羊頭狗肉のセミナーを開いたら、公取から「誇大広告」で刺されるのは必然。
すでに各社から地域開発センターや東電へタレコミ情報が入っている。
単にサンワホームが訴訟され、敗訴するだけなら自業自得。
しかし大賞をとった会社が誇大広告をやっていたとなると、ハウスオブザイヤー制度そのものの信頼性が問われることになる。ともかく東電が黙ってはいまい。

このような理由で、ハンス氏の無暖房器住宅は2001年に20数棟のタウンハウスが建てたが、その後はスウェーデンで1戸も建てられていない。
お呼びではない。
プレヒーターで電気代を使う無暖房器住宅は、温水パネルヒーター住宅よりも燃費がかかるので消費者は評価しない。
ヨーロッパの地域暖房の温水パネルシステムのコストは、イニシアル、ランニングとも安い。
こんな現実を知らず、やたらと大騒ぎしたのがサンワホームをはじめとした日本勢。
そして強調したいのは、R-2000住宅の時のように無暖房住宅に特化した地場ビルダーが未だに一社も誕生していないという事実。
サンワホームのように、片手間でいいかげんな姿勢でタッチし、宣伝の材料に使っている企業ばかり。
断言しても良い。
「サンワホームは、絶対に省エネ住宅のトップランナーにはなれない」と。

この傾向は、日本でパッシブハウスの開発に取り組んでいる多くの企業にも見られる。
日本各地で、Q値が0.7Wを切る試行住宅の建設が盛ん。これは素晴らしい傾向。
ともかくPRを兼ねて、試験棟を1棟建てる。
だが、これだったら誰にでも出来る。猫も杓子もとは言わないが・・・。
特別に騒ぎ立てるほどの価値はない。
だが、基本的で地味な努力と研究をやらずに、一発目当てでは早晩行き詰まる。

トップランナーというのは、本腰を入れて特化する企業のことを指す。
ということは、一条工務店はi-cubeに本腰を入れているということ?

一条工務店というのは、大変に印象の薄い会社。
テレビやラジオで宣伝をしない。
みのもんた、ラサール石井、宇宙飛行士の毛利さんを使うなどという発想が全然ない。
新聞に全面広告を出したこともなければ、雑誌に出稿もしない。
したがってさっぱり目立たないし、話題になることがほとんどない。
どことなく泥臭く、田舎臭い会社・・・。
ほとんどの人が、そんな印象を同社に持っていると思う。

ところが調べてみると、住宅の販売戸数は7000を越えて7位。
売上高は2000億円を超えている。
創業30年でこの成績。
平均受注坪単価は64万円だから、決して高い方ではない。
それで、経営内容は良い。
本来だともっと騒がれてよい存在。
何しろ、免震工法では他社とはケタ違いの強みを発揮し、3000戸近い施工実績を誇っている。
展示場は全国に330ヶ所も持っている。
今年の受注実績は、大手プレハブ各社が対前年度比で20~30%減で苦労しているのに、同社は対前年比でプラスが続いている。
それなのに、なぜこれほどまでに目立たないのか?

それは同社の工場がフィリピンにあって、ほとんどの日本人がその凄さを目にする機会がないことが大きいからなのだと思う。
つまり、商社や下請け企業を通じて同社の動向を知らされることがない。
工場労働者が通う居酒屋での会話を介して、同社の実態が語られることもない。
日本の消費者や業界関係者が目にすることが出来るのは展示場のみ。
そしてそこに駐在している営業マンは、お世辞にもスマートとは言いかねる。
企業の源泉力が奈辺にあるかが、さっぱり分からない。

しかしこの一年間、同社の設計関係者と付き合っているうちに、同社はとんでもない会社だということがおぼろげながらに分かってきた。
フィリピンの工場を見ていないので確言出来ないが、その工場の規模はただごとではないらしい。ともかく歩いては動くことは出来ない。車でないと工場内を移動出来ないという。
社員の宿舎や食堂などの施設まで加えると、何万坪という規模になるらしい。
そして、メインの製材から乾燥、加工、防蟻ラインだけでなく、あらゆる住宅部品や設備の製造施設を持っている。
ほとんどの住宅メーカーは、アウトソーシングという美しい言葉で、すべて下請けに投げており、工場は単なるアッセンブル工場。それどころか、組立ラインの一角を下請け業者に任せているところもある。
もちろん、あらゆる部品、設備、建材は一切外部発注。

これに対して、一条工務店はいろんなものを内製化している。
最初に、PVCの押出材を買ってきてサッシを自家生産していることが分かった。
その次はダブルハニカムブラインドを積水化学から買っているのではなく、アメリカのメーカーから特許を買ってこれを内製しているということが判明
それどころか、真空断熱材も自家生産し、これをシステムバスの槽と蓋に使っていることも判明。
そして、当然のことながら床暖房付きのシステムバスも自家生産。
こんな調子で、聞き出したら次から次へと内製品が出てくる。
木製建具はもちろん、階段をはじめとした造作材、システムキッチンや収納家具、洗面家具、本棚付きや物置付の出窓セット、下足ユニット、床暖房用の下地セットetc.

中でも面白いのはノルウェー式サウナセットと大型スクリーンセット。
そして極めつきは、床暖房をしても永久に変色しない和紙を編んだ畳セット。
これには呆れてしまった。
ともかく同社は、今までのプレハブメーカーの常識では考えられない会社。
徹底的に自社での「もの造り」にこだわっている異色中の異色企業。
そこいらのプレハブ工場とは資質とポリシーが全く異なる。
こうなれば、何が何でもフィリピン工場が見たくなってくる。
好奇心が疼いてならない・・・。


写真は札幌・手稲区明日の風町に建てられたi-cube宿泊体験棟

その一条工務店から、どうした風の吹き回しか知らないが、「札幌のi-cubeの宿泊体験棟を案内しもいいですよ」とのメールがとどいた。
私が同社のイエスマンになるわけがない。
私に情報を公開するということは、同社の内部情報がオープンになるということ。
その覚悟のほどが知りたいから、「私だけでなく仲間に参加を呼びかけて良いですか」と聞いた。断られてもともとという考えで・・・。
ところがOKだという。
慌ててハウスオブザイヤーの特別賞を受けた仲間を中心に8人にメールを出したのが5日前。しかも一泊二日の旅。
あまりの突然なので、忙しいトップは時間がとれる訳がない。
内地の仲間で参加出来たのはたった1人。
しかし、セキスイハイムや北海道の仲間を含めて11人が参加した。

一条工務店は、単に「敵に塩を送ったのではない」と思う。
その本気振りをアピールしたかったのだと思う。
そしてその本気ぶりは、私にとっては想定外の、ものすごい強烈なものだった。




 ■ 一条工務店の挑戦状・何が低価格を実現させたのか(中) 2009年04月20日 

 一条工務店から案内メールをもらった時、次の4点は絶対に解明したいと思った。

 《1》 自分が関わった住宅でQ値が0.9W住宅の宿泊体験は持っている。しかし、Q値が0.8Wを切る住宅での宿泊体験がない。是非とも0.76W住宅での体験宿泊で、その快適度を確かめたい。

 《2》 同社は全熱交換機を採用。そして、浴室とトイレは局所間欠運転。カナダのR-2000住宅の基準から言うと完全な間違いを犯している。温度差、結露、カビ、一時的な負圧現象などで・・・。全熱換気の局所間欠運転は本当に問題がないのだろうか。

 《3》 同社は全面的に床暖房を採用している。Q値が1.4WのR-2000住宅以上の性能住宅では、吹き抜け空間であっても1階床と2階の天井との温度差はせいぜい1℃。床暖房の必要性が一切ない。床暖房とクーラーの2重投資はムダではないか・・・。

 《4》 同社のi-cubeのカタログでは、50坪の住宅のモニター価格が坪当たり53万円と表示されている。同社の今までの商品価格は、高くはないが決して安いとは言えない。ということは坪53万円というのはどこまでもモニター価格で、実際の販価は坪60万円を超すのではなかろうか・・・。


 まず、《1》である。
なるべく寒い時期に宿泊体験をしたかったので、指定された日では一番早い4月10日を選んだ。
ところが当日は、昼はコートが不要なほどの暖かさ。やっと明け方に4℃になるという天気予報。
このためリターン温度25℃に設定された主寝室の床暖房もほとんど作動せず、レザー光線を当てると床、天井とも21℃。暑がり屋の私にとっては適温。
ハニカムシェードを降ろし、パジャマを持参するのを忘れたので、パンツとランニング姿で毛布のない布団に潜り込み、読みかけの本を読んでいたらいつの間にかそのまま朝まで寝込んでしまった。

深い熟睡は、ストレス解消の最大の良薬。前夜のグランドホテルよりは快適。
早朝の床、天井とも21℃。
ただ、寝室に温湿度計がなかったので、相対湿度が確かめることが出来なかったのが残念。といっても、相対湿度が気になったわけではない。いつも見慣れているものがないと、物足りなく感じたというだけ。

それと、肝心の実験を忘れた。
それは寝る前に浴槽に浸かり、真空断熱材の蓋をして、翌朝そのまま追い炊きをせずに浴槽に入って見ようと考えていた。
ところが、朝起きたらいつもの癖で散歩に出てしまい、浴槽に浸かることをコロリと忘れてしまった。まことに残念。
話によると、真冬でも一晩でせいぜい2℃程度しかお湯の温度が下がらないと言う。
温かいまま数日お湯を変えないと、それこそレジオネラ菌が発生して24時間風呂と同様に大問題になろうが、朝そのまま入浴出来、そのあとの温水で洗濯が出来れば一挙両得。

 《2》については、
すでに「ネット・フォーラム」欄で触れているので省略させていただきたい。
これを議論するにはいろんな試験装置を持ち込み、データを集めない限り確言は出来ない。
ただ同社の場合は、浴室やトイレの換気が24時間連続運転はしていないけれど、各居室や廊下との温度差がないことだけは保証出来る。
なぜなら、2階のトイレも廊下も、1階のユニットバスの床にも床暖房がなされている。
とくに浴室の床暖房は、同社に限らず評判が良い。
しかし、そのためには現場施工が不可欠であった。
それを、同社は内製のユニットで達成していたのだから、脱帽。


内製の床暖房付きバスユニット。槽と蓋に真空断熱材が充填。

 次は《3》の床暖房。
これについては、見学会に参加した木建研の林勝朗工博から、北海道における床暖房の経緯について、次のような適切な説明があった。

「床暖房を取り上げたのは北海道が一番早かった。しかし、高気密住宅が普及してきたら次第に床暖房が少なくなってきた。その理由は、床暖房では温度調節がうまくゆかず、パネルヒーターの方が温度調節は楽で、しかも快適だったから・・・。三種換気の給気口の下にパネルヒーターを設けることにより、コールドドラフト現象を防げたことも大きかった。また、低温床暖房の普及は、とくに老人や幼児に低温火傷を起こす危険性が叫ばれ、北海道では床暖房がほとんど普及していない」と。

この説明は、私が得ていた知識と一致。
だから、「今頃になって、しかもQ値が0.76Wの超高性能住宅で、床暖房を必須条件にしているのは何故? 一条は何を考えているの!」との疑問が・・・。

しかし、この疑問は価格を聞いて氷解。
もし、地場ビルダーが、押入れ以外の2階を含めた全室の床に床暖房を入れて欲しいと施主に依頼されたら、おそらく200万円はかかるであろう。
ところが一条のオール床暖房費は60~70万円で上がる。
つまり、パネルヒーターよりも安い。
それは、工場で全室に配管下地がなされて出荷されるから。
それが標準仕様。そして、現場で簡単にパイプ配管がなされる。
熱源は、北電の融雪用の22時間使える「ホットタイム」が使われていた。
つまり、われわれビルダーは、世界の潮流がそうであるように床暖房は無視すべき。
とくに同社と競合する場合には、床暖房を前提にしていると完敗の憂き目に遭う。
そして、一条と同社の施主にとっては、床暖房は最良の選択肢としていつまでも残る。
物入れの中のホットタイムと、リターン温度を25℃に設定して1,2階に分かれた回路。
畳の部屋も床暖房。温度で変色しないようイグサではなく和紙を編んだ畳表を使用。

 さて、いよいよ問題の、《4》の坪単価。
単刀直入に書く。
50坪で53万円は、一時のモニター価格ではなく標準価格。

アルゴンガス入りのLow-EペアのPVCサッシ+ハニカムシェードでU値は約1.0W。
これに全室床暖房とクーラーと、熱回収率90%の全熱交換機ロスガード90が付く。
もちろんオール電化住宅。
そして、下の写真のように外壁は206に隙間なくEPS140mmを充填させ、その外側にEPS50mmを外断熱として施工。
1階のスタッド、合板、EPS、縦胴縁はすべて越井の技術を導入して防蟻処理済み。
天井断熱はEPS235mm。
これでQ値が0.76W。



しかし、ここまで書いても、ビルダー各社も大手メーカー各社も、ピンとこないだろう。
その脅威が、実感出来ないと思う。
i-cubeは今までの同社の商品のようなプレカットではない。
サッシを取り付け、一部を除いて外装仕上げや内装の石膏ボードまでが施工された完全なプレハブパネル。
これを3メートルまでの長さで現場へ搬入される。
そして、屋根材を葺き終えるまで丸2日しかかからない。
ハイムやトヨタホームのユニット住宅とほぼ同じ工期。

しかし、完全プレハブであるために、特定行政庁では中間検査が出来ない。
このため、特認をとる必要がある。
現在はその特認を取る作業と、モデルハウス建設の準備に追われている。
そして、特認が降りるであろう夏過ぎには、今まで内地では見なかった超高性能住宅が、破格の価格で登場する。

何故、フル装備のQ値0.76Wの住宅が、50坪で坪53万円の価格で出来るのか?

その最大の謎を、皆さんで解いてみて頂きたい。




■ 一条工務店の挑戦状 ・ グローバル化の対抗策(下) 2009年04月25日 

 自分の経済知識のいい加減さに、我ながら呆れた。
 GDPでは日本は2位。
1人当たりGDPでは北欧各国や産油国に抜かれて22位になったということは知っていた。
だが、アジアではトップだと思っていた。
ところがシンガポールに抜かれて2位。
そのあとを香港、韓国、台湾、マレーシアが続く。

そして、いろんな政情不安はあったが、早くから民主化されていたフィリピンがそのすぐ後を追っていると考えていた。
ところが、資料を漁ってみると中国、タイ、インドネシアよりもフィリピンの1人当たりのGDPが下回っている。
多くの企業が安い賃金を求めて中国に進出した。そして、中国でのマーケット開拓に自信のない企業は、中国の賃金高騰からさらに安いベトナムなどへ逃避を始めている。
しかし、フィリピンへの移転は聞かない。

フィリピンは大小7000余の島からなる島国。
 人口は約8800万人。
農林水産業に従事している人口が37%。
外国からの投資も少なく工業化が遅れている。
1人当たりGDPは10年前に中国に抜かれ、やがてインドにも抜かれるであろう。
フィリピンに行ったことがないので、それ以上の細かい実態は不明。

そのフィリピンに、一条工務店が何万坪かの土地を取得し、木材の製材から乾燥、加工、防蟻処理に至る一貫工場をはじめ、各種の建材、住宅部品や設備機器を内製化していることは書いた通り。
「工場は何万坪あるのですか」と聞いたら、「さあ。なにしろ車でないと工場内を移動することが出来ません・・・」との返事。良くわからないが、3万坪以上はありそう。
こうした工場のほかに、日本からの派遣社員の住宅や食堂、福祉施設、更にはフィリピン労働者用の食堂や福祉施設などもある

一条は上場していない。
非上場企業の会社四季報に800社の中の1社として一条のことが取り上げられているが、スペースが1/4ページと小さく、とおり一遍の情報しか掲載されていない。
フィリピンの何島の何市に、どれだけの規模の工場を持っているのかが分からない。同社のホームページを見ても、海外に工場を持っていることすら触れてない。
一時、工場の設備管理者を募集していた時、勤務先がフィリピンとあったのが唯一。
完全にお手上げ状態。
関心のある向きは、帝国データバンクから有料で資料を取り寄せて頂くしかない。

中国に比べて1人当たりGDPが70%くらいということは、それだけ貧しく、労賃が安いということだと思う。
それなのに、日本からの企業進出の話題をあまり聞かない。
良くわからないが、一条工務店はフィリピンにとっては最良の安定した職場の一つであり、憧れをもって迎えられているのだと推測する。
このように、競合企業が少なく、勤勉な労働力が簡単に、しかも安く得られるところから、同社は日本の企業から建材、部品、設備機器を仕入れるよりも、フィリピン工場で内製化した方が、はるかに安く入手出来ることを発見した。
それが、樹脂サッシから真空断熱材に至るまでの幅広い内製化になった。


(写真)ダイキンに仕様書発注した90%熱回収の全熱交換。
 分配器は1m3単位でコントロール出来るものを自社開発。


(写真)フィンランド式サウナユニット。18万円でオプション。


(写真)主寝室の書棚付き出窓ユニット。ドアを閉めるとカーテン変わりに。


(写真)拡声器を内包した大スクリーンユニット。19万円でオプション。

しかし、こうした建材、部品、設備機器の内製化だけでは、大手プレハブ各社に対して10%程度しか販価を下げることが出来なかった。
地場ビルダー比10%高というところか・・・。

何しろ同社は全国に330ヶ所の展示場を持っている。
展示場が多いということは営業マンの数も多いということ。
つまり売上げでは7番目なのに展示場の数が3番目ということは、営業にかかる固定経費が大きい。テレビや新聞などでの宣伝よりも、展示場で実物を見てもらう方が実質的な宣伝になり、効率的だと考えているのであろう。
ただ、このPR力の乏しさが同社を目立たなくしている。

そして、今までは木軸のプレカットが主力。
たしかに、同社の免震工法は、ダントツの実績を誇っているだけに、現場を見ていると楽しい。
しかし木構造は、進んだ他社の木軸壁工法に比べて筋違いなどを多用し、北側に4寸の柱が多く、工法的にはあまり感心出来ない。床のプラットフォーム化も遅れている。
現在の古めかしい木軸によるプレカットを前提にしていたのでは、工場生産化率に自ずと限界がある。
つまり、日本の高い大工さんに依存する部分が多すぎる。
したがって、同社の価格はそれほど高くはないが、決して安くはなかった。

しかし、i-cubeは構造体を一変させた。
外壁に206を使い、二階床や天井根太には210を使う枠組み壁工法。


これは、単に工法の変身を意味しているだけではない。
プレハブ化率を飛躍的に高めたという点に注目すべき。
つまり、断熱材を圧縮充填し、下地の構造用合板を張り、外断熱を取り付け、通気防水シートを施工し、サッシを取り付け、縦胴縁を入れて外装仕上げまで行う。
壁内に配線・配管を行って、内壁下地の石膏ボードを施工する。
壁として一体化するために、一部は現場施工となるが、幅3メートルまでの完全なパネル化をなし遂げた。

これを2週間以内に現場へ運び込み、丸2日間で屋根を葺きあげる。
ハイムやトヨタのユニット並のプレハブ化率と考えてよい。
つまり、安いフィリピンの労働力を最大限活用した住宅がi-cube。
50坪で、53万円という坪単価はここから得られた。
ハイムやトヨタよりも価格が安いのは、日本とフィリピンの賃金の差。
それが、如実に示されたということ。
いわゆるグローバル化そのもの。

住宅業界におけるグローバル化というと、今まで2つしかなかった。
1つは、アメリカ、カナダ、北欧からの「輸入住宅ブーム」。
この輸入住宅は、いずれも先進国からのもので労賃が高い国。
したがって、デザインとムードで売れたが、本格的な競争力を持っていなかった。
もう1つは、中国の合弁会社にサッシ、フロアー、建具、衛生陶器、石、タイルなどを安く作って、日本へ持ち込む方法。
これは、一部資材のグローバル化にすぎない。
中国で完全にパネル化した住宅を、日本へ持ち込むという本格的なグローバル化は見られなかった。

このため、日本の住宅企業は、とくに大手プレハブメーカーはグローバル化が叫ばれているのに日本国内だけを見て、お山の大将で威張り続けてきた。
ヨーロッパを中心に、駆体の省エネ化の一大イノベーションが世界で起こっているのに、国交省や一部のお抱え学者を懐柔し、われ関せずと傲慢な態度をとり続けてきた。

消費者を欺瞞する「外断熱」の誇大広告。
それを咎めない公取。
そして、省エネ住宅とは「大陽光発電と燃料電池発電を装備すること」と建築会社としての責任を放棄し、臆面もなく問題点をスリ替えた全面広告の数々。
駆体のQ値が2.0Wさえ切っていない惨めな性能値。
日本の住宅メーカーは、良心の欠落を世界に曝して恥じなかった。

そこへ、Q値が0.76Wで、50坪で53万円という住宅の登場。

これは、大手プレハブメーカーにとってはまさしく「黒船」。
太平の安眠を貪っていたメーカーに対して号砲を轟かせたのがi-cube。
そういった意味で、今回の一条の行動を高く評価したい。
そして、当然のことながら大手プレハブだけではなく、地域のパワービルダーにも大きな影響力を与えてゆく。
もちろん、地場ビルダーも例外ではあり得ない。
今年から来年にかけて日本の住宅産業界は、トップランナー一条のi-cubeが提起したグローバル化を中心に急回転する。好むと好まざるとにかかわらず・・・。
パッシブハウスはメインテーマではなく、サブテーマになる。

さて、地場ビルダーはどう対処すべきか。
札幌で、パッシブハウスクラスの住宅に特化しょうとしているビルダーの嬉しい姿を散見した。
片手間ではなく、一条以上の性能と価格に特化するビルダーがこれから各地に誕生してくる。
そして地場のトップランナーになってゆく。
そのことをもう少し詳しく書きたかったが紙数が尽きた。
稿を改めて検証したい。




関連記事
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
最新記事
全記事表示

全ての記事を表示する

ご来訪 ありがとうございます

いの 01

Author:いの 01
家づくり ローコストで堅牢、健康 ローコストで健康、子供の将来の社会のために提言
がメインです。   全記事表示

リンク
このブログをリンクに追加する
家づくりの急所
ステキな記事へリンク♪2
子育てマンガ日記 (おちゃずけさん)
今日も元気で♪月~金 連載
 単行本化が間近か?
パパはエンジニアン (金)連載
  おちゃずけさん
■ この簡単なしつけで成績が上がる
小学生のときから勉強好きにさせる法』 灘校を東大合格NO.1にした勝山 正躬
■ 見える学力、見えない学力
子供に学力の土台をしっかりつくる

 単行本 発売中!!お弁当の名作の数々
  『ママからの小さな贈り物』 みさよさん

 愛・祈り・そして音楽 三谷結子さん
■ 『 愛ある仕事 』 2009/02/04
  ※ ブログ内記事: 『 妻の 愛ある仕事
■ 「 やる気スイッチ 」  のんきぃさん

 ちかおばちゃんに訊いてみて
■ 全国学力テスト結果公表 ちかさん
北海道は、教育改革に対する機動性に乏しい。
秋田県の小学校、宿題忘れは居残し
■ トラウマ     おかんさん
なぜ2万円を浮かせるために…
■ ほんとにその通りになっていく
くまたさん ※ 子供を伸ばす話し方   褒める
■ ほんとにその通りになっていく?
あくびさん 言葉の力を使って大きく伸ばす
■ 東大合格生のノートはかならず美しい      morinokaoriさん
※子供を伸ばす上手な話し方 間をおくこと
■ 会社に行こう! おちゃずけさん
男の子がまっすぐ育つために…
■ どんぐり      おちゃずけさん
日本のどんぐり22種。そのまま…
■ 食育から乳がんまで 幕内先生
   あっちゃん   おコメのチカラ
■ ポケモンと辞書引き  あっちゃん
子供を 図鑑 好きにの秘策
■ じゃがいも研究~その3「らせんの秘密♪」 ゆっかりん♪ 「世界を変えた野菜 読本」は食育におすすめ
■ 貧血改善の為に・・。 香織さん
カフェインと貧血の関係上手にコーヒーを
■ すぐれもの     みい☆さん
ブドウ の風味が凝縮し 香り気高く すっきり鋭く甘い白ワイン
■ 剣道帳 夢に向かって1本!みさよさん
■ 『失敗は子育ての宝物』 みいさん
■ ( ̄。 ̄)ホーーォ。  香織さん
■ ハイハイ☆ルーム  ひまちょさん
■ やってしまった~! oriseiさん
■ 親が病気になったとき モウコハンさん
■  初・圧力鍋   みゆめ*さん
■ 道路がスケート場  かたくりさん
■ リンクの貼り方講座 むっちさん
スパイダーウィック家の謎@みかづきさん
「スパイダーウィック家の謎」の なぞの5巻…
■ 世界を動かした塩の物語 ゆらゆらゆるり
■ 世界を動かした塩の物語 morinokaori
鱈(たら) 世界を変えた魚の歴史
   は、食育にぴったり!

■ ノンタン・タータンあそび図鑑マグロさん
絵本「ノンタン がんばるもん」を 読んで
■ 「トトロを楽しもう♪  ゆっかりん♪さん
三びきのやぎのがらがらどん を読んで
■ パプリカのぬか漬け』 ぬかlifeさん
■ とろける生キャラメルの作り方なめっぴ
Special Thanks
サイト紹介: Sun Eternity
→移転改題  3ET
http://annkokunokizinn.blog116.fc2.com/
→移転 http://3et.org/
プログラミング開発日記やゲームレビューやPCの役立ち情報などのさまざまなことを紹介&ネタのサイトでお薦めです。
管理人の(旧annkoku)サンエタさんは共有プラグイン・テンプレートの作者です。
(旧作は作者annkokuで検索)
先日、Firefoxを勧めていただき大感謝。
● IE6をFirefoxへは正解! 早い。安定。お気に入りがタグつきで便利。
■ テンプ(新緑): annkokuさん
   『Nature_Mystery_2culm
■ テンプ(金字桜): Chakoさん
   『beige_sakura-black
   『beige_sakura-white
■ テンプ(清楚な台所): meecoroさん
   『 kitchen01・02 』
   『gohan』 『beach』 『simple02』
■ テンプ(さくら): 杏さん
   『 anzu-tp2_13
読みやすく 美しく 感謝しています。
FC2 便利で使いやすい。