鵜野日出男さんに大工さんを目指す若者たちへの教科書(副読本)を書いてほしい。

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 鵜野日出男の今週の書評正しくは独善的週評)にある、第176回 「森林の崩壊 国土をめぐる負の連鎖」 白井裕子著(新潮新書680円) を読んで思いました。
 鵜野日出男さんは、こう書かれています。 

  … この著書の前半は面白い。補助金まみれになっている日本の林業政策に対する厳しい指摘には心から拍手を送りたい。… しかし、建築で日本の木材が使われなくなったのは、建築基準法で伝統的な木造住宅を禁止しているからだと言う説は、大きく事実を歪めている。…  

 鵜野日出男さんに、この書評にある指摘点で本を書いていただきたいです。
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 これまでの30年40年間の木造建築の流れを、ツーバイフォーから見た視点で誰かが歴史の真実を本に書かないと、出版されている本の勉強に頼る学識者の官僚やジャーナリストや教授たちの間違い本や間違い論が今後とも続いてしまうと思います。

 だから、鵜野日出男さんに本を書いてほしいです。
30年前40年前からの日本の木造の家づくりが、ツーバイフォーからの技術や知識を得て、格段の進歩をとげつつある歴史に立ち会った人はわずかしかいないのです。
その実感のある鵜野日出男さんにしか書けないです。
そして、今書いていただかないと、30年もすれば歴史の生き証人たちは、全員みなあの世に還ってしまいます。子々孫々のために書いていただきたいです。

 もしも、鵜野日出男さんがこの書評にある指摘点で本を書いたとしたなら、
今週の本音を継続して読んでいる工務店や建築士や愛読する一般の人々で どっと多量に買いたいものです。
 私も当然、その一人になります。
自分の地元の町とその周辺の町の図書館に寄贈し、縁のある工務店に献本します。

白井裕子さんの本を触媒にして、機縁にして、本を書いていただきたいです。
そして、書かれた本を、白井裕子さんは必ず読むことでしょう。
早稲田の建築学科を卒業し、ドイツのバウハウス大学に学び、早稲田大学の客員准教授をつとめる白井裕子さんにまず正確な知識と情報を補えます。 

白井裕子さんのような優秀で勉強熱心な学識者が正しい視点にたってくれて、それを土台に著作を書かれてこそ、今後の木造の家づくり業界の発展や、山林業界の発展があるのだと思います。

逆に言えば、早稲田の建築学科を卒業し、ドイツのバウハウス大学に学び、早稲田大学の客員准教授をつとめる人が木造の家づくりに対して、間違った見識のままに放置したのでは、この先の発展は鈍くなることでしょう。
それを見過ごすのは、壁の中への充填断熱は木を腐らせるとかという中傷を見てみぬふりをしたままのグラスルール業界のようなものです。
 
 書ける方が書いていただくしかないです。

 白井裕子さんのような早稲田の建築学科を卒業し、ドイツのバウハウス大学に学び、早稲田大学の客員准教授をつとめる人ですら、何も知らないなら、世の中の家づくりに関わる民間やお役所や研究所の関係者の理解水準も、それなりにひどいと考えなくてはならないでしょう。
 だから、鵜野さんが書かれたら、10冊は買って、関係者に配って、日本の木造の家づくりの正しい知識や情報を知っている人の数を担保していかなくてはならないと思います。

 地盤がゆるかったなら、大きい建物は建ちません。
日本のこれからの木造の家づくりがますます発展し、「21世紀は木造の家の時代だよ」 という杉山先生のお言葉が本当に実るために、木造の家づくりに関わる人たちの理解している水準を上げるために、10冊買っては、贈るという啓蒙活動は欠かせません。
知識と情報を直接手渡しで届けてしまうのです。
 木造の家づくりで糧を得て生活を営んでいる職業人は、木造の家づくりの業界がさらに発展し続けるようにただ願うだけでなく、地道に手をうっていかねばならないと思います。

 鵜野さんは本をお書きになる。
そして、鵜野さんの見識と人柄を知る人たちが、それを広めるという分業、協業体制で取り組んでいったらいいのに と思います。
 50冊買っても たかが6万です。
一般の読書家の一個人の数ヶ月分程度の書籍代ていどの金額で、何百人かで取り組めば世の中がきっと変ります。

 世の中はいい加減です。
大手のマンションのほとんどが、耐震等級1で建てられているのにお客様は気にしていないのです。
11 鉄筋コンクリのマンションの多数は耐震性が最低の等級!
大手のマンションのほとんどが、内断熱で1重窓で建てられていて、タマホームの標準装備の2枚のガラスの間に空気層を設け保温性を高めた複層ガラス「Low―E」ガラスより劣るのです。
家32 これからの新しいマンションの耐震性と省エネ性能は激変する!
 首都圏に建つ大手のマンションがこのレベルなら、日本国民全体の家づくり知識のレベルもかなり低いということなです。そして、その風土は、一戸建てにも及んでいます。
良いものを作っても、付加価値の分、高く売れないのは、その価値をわかっていない消費者が大半だからな面があると思います。消費者を変えて、高くてもいい性能のものを買ってもらえるようにするために、正しい知識を知っている人の数のすそ野を広げることが大切と思います。

■ 4月から施行される改正省エネ法の余りにも淋しい内容 2009年03月05日
● なぜ、2万円を浮かせるために2000万をダメにするのかな?

 日本の木造の家づくりのことをしっかり理解するには、ツーバイフォーからのいかに技術や知識を得てきたかを知ることからです。
それを知っている人が多いならば、上記ことなど起こりえないです。

 しかし、現状は、まだまだ多数の工務店も建築主事も、 白井裕子さんのような早稲田の建築学科を卒業し、ドイツのバウハウス大学に学び、早稲田大学の客員准教授をつとめる人ですら、日本の木造の家づくりがツーバイフォーからいかに技術や知識を得てきたかの経緯を 知らないまま ということです。
これから家を建てたいというふつうの人など、知らないまま建ててしまっているわけです。

 鵜野日出男さんは、こう書かれています。
「… この著書の前半は面白い。補助金まみれになっている日本の林業政策に対する厳しい指摘には心から拍手を送りたい。… しかし、建築で日本の木材が使われなくなったのは、建築基準法で伝統的な木造住宅を禁止しているからだと言う説は、大きく事実を歪めている。…」
 鵜野日出男さんに、事実をわかりやすく、日本の木造の家づくりのいままでのいきさつを1冊の書籍にまとめていただきたいです。
そして、大工になる若者や工務店を起業したり継ぐ若者が、読むことができる教科書がほしいです。




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シロアリ屋さんのHPやブログを読んでいくと
 「ツーバイフォーの家にシロアリ被害があると、大変だね。」
 「どの壁も耐力壁だからね…」 的な記述が目につきます。

 お願いです。シロアリ屋さん。
家が建ったあとに、シロアリ屋さんが呼ばれる事態のときには、シロアリ屋さんの言動が家の建て主に大きな影響を与えますから、正しいことをお話になってください。
 「ツーバイフォーの家にシロアリ被害があると、大変だね。どの壁も耐力壁だからね…って考えがちでしょ。 従来の木軸工法ならね、壁なんかすぐ取りかえれるからって。
 でも、それは間違いでね。
従来の木軸工法は、耐力壁の数が少ないから耐震等級が3にはならない家が多いから、そんなことが言える訳で、木軸工法でもどの壁も耐力壁だからね…、大変だね。じゃなきゃいけないんだよ。ほんとうは。」
  って 言ってあげてください。
また、そうHPやブログに書いてあげてください。

 鵜野さんが教科書をお書きになれば、きっとシロアリ屋さんの言動にまで正しくない知識ははびこらないです。
 シロアリ屋さんが出動する事態のときは、家はすでにピンチです。
建て主は聞き耳をたてています。
そして、シロアリ屋さんのなにげない一言が、世の中の誤解をまた塗り重ねてしまうのです。

シロアリ屋さんをこそ、木造の家づくり業界の味方にしないといけないと思います。
なぜなら、シロアリ屋さんは、シロアリの科学的に正しい知識をもって正しく駆除する仕事です。
正しい知識と正しい処方に縁が強いお仕事ですから、家づくりについての正しい知識をしっかり理解できるかたがただと思います。


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  大下達哉さんの記事より
■ 在来軸組工法の方がツーバイより開放的に出来るという ウソ 2009-01-28
■ 筋かいを止めれば、在来工法でも開放的な間取りに
■ 耐力壁線で囲まれる面積とは? その2 2009-03-11
■ 記事のリスト

  鵜野日出男さんの書評より
第50回 「身体にいい家、悪い家」 前田智幸・川井龍介著 新潮社


情けないと思う。
こんな本が、新潮社という出版社から出版されたことが、嘆かわしい。
 日本は自由な国。全ての国民に言論の自由が保障されている。何を考え、何を言おうと自由。秋葉原の電気屋に勤めていた著者は床暖房屋として独立。その経験があるだけで住宅に関しては立派など素人。大きな間違いを平気で書き、それを記者上がりの素人が添削し、新潮社の世界の実態を知らない編集者取り上げ、いかにもお互いが国内の資源と国民の健康を守る守護神であるかのように立ち振る舞っている茶番。
 消費者が勉強して書いた体験本には素晴らしいものがある。
しかし、プロであるはずの設計士や業者の、この手の技術を無視した自己PR出版物があまりにも多い。まがいものに対して、住宅業界がエリを正して抗議し、排除してゆく努力をやっていない。
このため、後から後から同じような恥知らずな出版物が続く。
論評に値しない駄作だが、判断材料を持たない消費者に間違えた先入観を与える。
薬にならないのは良いが、流される毒には我慢が出来ない。したがって気乗りのしない作業だが、この毒書の基本的な間違いだけは指摘しておかねばならない。


戦中、戦後の小径木による日本の木造住宅は耐火性と耐震性に致命的な欠陥があった。
このため戦後、日本建築学会と建設省、産業界は非科学的な木造を日本から追放し、鉄骨造とRC造を普及させるべく全力を傾注した。
 その流れを止めたのがツーバィフォー。
北米と北欧の木構造という学問体系を日本へ導入し、構造用面材で耐震性を飛躍的に向上させ、厚い石膏ボードでの内装不燃化を進め、木構造が鉄骨造やRC造以上の耐震性と耐火性のあることを阪神淡路と中越地震で見事に立証した。
 そして、化学物質過敏症が騒がれ出した時、いち早くカナダの高気密高断熱のR2000住宅の技術体系とともに室内空気質に関する学問体系を日本へ導入し、ホルムアルデヒドの禁止と機械換気の義務化を強力に進めてきた。このため、この数年間で日本の住宅は様変わりを見せ、著書で指摘しているような危険度の高い住宅は極めて少なくなってきている。
しかし、化学物質過敏症と電磁波過敏症の患者が現存するのも事実。優れたビルダーはこの著書で取り上げている以上の対応を講じてきている。

今、人類に課せられている最大の課題はCO2の削減。
具体的には家庭における暖冷房費、給湯費、照明等の費用の削減。このため欧米、なかんずく欧州では単に京都議定書を守るだけではなく、2050年までにドイツとオランダでは70%のエネルギー削減、フランスでは65%、イギリスでは60%、スウェーデンでは50%の削減に向けて動き出してきている。具体的には住宅の一段の高気密高断熱化とサッシ性能の大幅アップと換気の熱回収能力を向上させることにより、住宅の年間暖房費を15kWh/m2以下に抑える一大国民運動を展開中。
そして、ヨーロッパでは床暖房は皆無で、パネルラジエーターによる輻射暖房がどこまでも主力。
この暖房運転を限りなくゼロに近づけてゆこうとしている。
一方、北米ではダクトによるセントラル空調換気がほとんど。「床暖房を有難く感じる住宅は温熱性能が悪い証拠」というのが世界の常識。
ところが日本では床と天井との温度差が大きいため、床材を暖めるとホルムアルデヒドの危険があるのを知りながらもやむなく採用。しかし先進的なビルダーはコントロールの難しい床暖房を追放し、限りなく暖房費がゼロに近い住宅を開発してきている。

温暖化とともに夏期の冷房費の削減が、とくに絶対湿度が0.018kg/kgという東京以西では緊急課題に。COP6という高性能エアコンの開発と相まって、一夏の冷房費が1万円という画期的住宅の開発も現実化しようとしている。この情報を元秋葉原人が知らないことが不思議。
また、給湯ではCOP4という高性能なエコキュートの開発で、年間の給湯費は1万円余とCO2を大幅に削減する未来派住宅の開発が可能になってきている。
こうしたイノベーションを知らない人間が書いた本は、その意図とは関係なく人々を誤った方向へ導く毒書となる。プロは謙虚に世界の歴史と技術に着目し、責任感を強く持つべき。




杉山英男著 「杉山英男の語り伝え」 (追悼記念出版実行委員会、非売品)

 「林勝朗氏から7月17日の杉山英男先生を偲ぶ会に出席すると聞いたが、知っていますか」とのメールが北海道住宅の会の高倉事務局長からあった。残念ながら木質構造研究会に入会していないので情報不足。あわてて会場を探して飛び入りで参加させていただいた。
 同研究会長の安藤直人先生をはじめ懐かしい野口弘行・鈴木修三先生などと歓談させていたたいた帰りに、460ページにもおよぶ「杉山英男の語り伝え」という冊子をいただいた。
これは住木センターの月刊誌「住宅と木材」に11年間にわたって掲載されていたもの。私も40冊ぐらいは所蔵していたが、1/3にも充たない。隅から隅まで通読させていただき、改めて杉山先生の木質構造に対する情熱に感動させられた。そして奥付を見たら非売品。会員を中心に1000部程度しか印刷されなかったのだろう・・・。非売品の書評は聞いたことがない。
しかし「非売品だからこそ、少しでも内容を伝える義務と価値がある」と気が付いた。
 この書は1975年以降に社会に出た人々を対象に書かれている。
今では、エコロジーということもあって、木材と木造建築に対する社会の関心は非常に高い。しかし50年前は木造を蔑視し、これを排除する運動が日本建築学会と建設省を中心に展開されていた。その中で、独り孤塁の死守を余儀なくされていたのが杉山先生。その苦しみと嘆き節が生々しく書かれている。

まず、最初に出てくるのは1959年の伊勢湾台風にかこつけた「火災・風水害防止のための木造の禁止決議」。10月25日に開催された建築学会の緊急集会で大会決議として可決された。
耐震性が理由だというならまだ分かる。
風水害を理由に禁止するというのは筋が通らない。
この背景にあったものは軽量形鋼の出現。
公的機関の実大実験によれば軽量鉄骨は出火後25分間もたたないうちに完全倒壊。それなのに、軽量形鋼は木造よりも優れた「簡易耐火建築物」として政治力で認定された。
鉄鋼メーカーと建築学会と建設省。この3者がリンケージした木造叩きという安っぽいシナリオ。
杉山先生の怒りが行間に溢れている。
同じ思いを私も何度か経験した。
後に住宅局長になり長崎から衆議院議員になった松谷蒼一郎氏。
氏がまだ建築指導課長の頃は鉄鋼メーカーのスポークスマンと言われていた。鉄骨プレハブ振興一本ヤリでツーバィフォーを敵対視。そのため日本にツーバィフォー工法をオープンな形で導入したホームビルダー協会は、鉄鋼メーカーのスポークスマンによって締殺された。

次に杉山先生が取り上げているのが1953年に制定された北海道の防寒住宅促進法。
当時の道の木造は粗末なもので「薪の消費は一冬で住宅一戸分にも相当する。貴重な木材を節約するためにもブロック建築が不可欠」というのがその理由。ほとんどの北海道選出議員がこの法律の提案に名を連ねて議員立法で設立され、寒地住研の前身である道立ブロック指導所が1952年に設立されている。(詳しくはこのHPの講座・講演欄の北海道住宅史②を参照)
なぜ木造がダメでブロック造になったのか。著者はそこにパルプ業者の暗躍を嗅ぎ取っている。
当時3白時代と言われ紙、砂糖、粉が大儲けをしていた。そして、朝鮮特需で道の製紙会社はアカマツの高騰に遭遇した。
敗戦により外地からのパルプ用材供給ルートを失った紙パ業界の目には、国産の針葉樹を大量消費する建築業界が邪魔な存在に。針葉樹枯渇→木材節約→木造禁止→ブロック育成というチャートが用意された。と同時にカラマツの人工植樹がパルプ業界主導で進められてきた。

こうした木造蔑視に終止符を打ったのがツーバィフォー工法のオープンな形での導入。
これには杉山先生も主体的に参加され、指導をいただいた。
このため、初期の木質プレハブの語りは10回で終わっているのにツーバィフォー物語は13回にもおよんでいる。そのほかにも、興味深い記述が続く。いずれにしろ、木質構造の複権は杉山先生を抜きには語れない。非売品だが下記へ電話されるのも一考かも・・・。 03-5841-5253 Email:jte@a.fp.a.u-tokyo.ac.jp






 大工さんになるには、資格がいるのでしょうか?


■ 職業調べに職業紹介図鑑  大工 より引用


大工とは、一般家庭用の木造家屋を建築し、鉄筋コンクリート建築の場合は内装の木造部分の組み立てや取り付けも行うのが仕事です。大工は、建築現場で木工事を中心に建築資材の構造組みと建物内部における組み立てや取り付け、仕上げなどの造作加工を担当します。
 昔ながらの工法で、差金、墨壺と墨さし、かんな、ノミ、ノコギリなどの七つ道具で木造建築の施工を行うのが大工の仕事でしたが、IT技術の発達や建設機械の進歩により、大工の仕事のやり方も一昔に比べると急速に変化しています。
 大工の仕事は1年中ありますが、雨が続くと作業ができないため工事の進み具合で休みもなくなることもあります。

大工になるには、工業高校卒や大学の建築科、土木科で学んだ後、建築会社か工務店に就職する方法が一般的です。もちろん昔ながらに親方と呼ばれる大工の棟梁に弟子入りをする方法もあります。

一人前の大工になるまで10年は修行が必要であり、
さらに経験を積み棟梁になると、現場での鳶や左官、塗装工などのほかの作業者を組織して仕事を指揮して、工事の工程を管理するなどの仕事を行うようになります。
 独立して工務店を開業した場合は、建築計画、設計、費用の見積りをはじめとして資材や作業者の手配なども経営者としての能力が問われます。
 時代の流れとともに求められる建築も生活環境の変化による影響を受けバリアフリーをはじめとして、耐震構造や断熱材の使用、シックハウスの回避と多様化し、また新建材や新技術についても絶えず学んでいく姿勢が求められます。

  【大工の資格】
■ 2級建築士
1級建築士が設計・工事監理しなければならないもの以外で、一定の延べ面積を
超える建築物を設計・工事監理するために必要な資格。

■ 木造建築士
木造建築物の設計・工事監理を行うために必要な資格。

■ 建築大工技能士
住宅建築に関わる道具・技術・工程などについて幅広い知識を有し、
多くの専門職人をまとめていく技量が不可欠となります。
関連団体:(社)日本建築大工技能士会
住所:東京都千代田区神田佐久間町1-14 第2東ビル
TEL :03-3253-8301




 下線部からわかることは、
大工さんになるには資格がいらないということです。
そして、設計や監督するには資格がいるようです。

木質構造の学習の記事の中で、著者の田原さんは、

「この木質構造の学習は、高校・専門学校・短大・高専・大学等の建築学科で、木造の構造について学ぶことはほとんどないため、実務について木造の構造面で悩んでいる方や、これから木構造を学んで実務につこうとしている方に、分かり易く木構造について説明するコーナーです。」


と、お書きになっています。 
 つまり、釘の太さが耐震性になるという知識を、学校では習わないのです。
古くからの大工さんも、これから大工さんになる人も、釘の知識がない人がいるわけです。
(● 家25 釘を間違うと家の耐震性が30%減。大工さん、しっかり! )

現在、日本では、大工さんになるときに、
釘の知識を学ぶ機会もなければ、
ツーバイフォーが戦後の木造の家づくりに果たした役割を学ぶ機会がなく、
端的に言えば、教科書がないのです。
鵜野日出男さんが、お書きになっていただきたいと思います。

そうしないと、現在の日本の木造の家づくりに、
どんどんツーバイフォーから技術が取り入れられてきていることの意味がわかりません。
また、さらには、なぜツーバイフォー材は売れるのか?が わかりません。
 それは、乾燥材で、量が確保できるからです。
なぜ、国産材が売れなかったのか?の答えがそこにあります。
乾燥させずに出荷したのと、規格の材の量が少ないから、コンスタントに仕入れにくいからです。
ここを押さえると、日本の林業の復興のためのつぼをおさえた政策がでてきます。

だから、家づくりだけでなく林業のためにも、
鵜野日出男さんに「木造の家づくり昭和の流れと木質構造の知識(仮題)」を書いてただきたいです。

そして、工業高校の建築科や専門学校・短大・高専・大学等の建築学科で、大工さんを目指す若者達の教科書や副読本として使えるようにしていただきたいです。 




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 鵜野日出男さんの今週の本音3/15版も3/20版もすばらしい筆致です。
どうか これらの素晴らしい記事が、大工を目指す若者達に教科書あるいは副読本として手渡され、木造の家づくりの流れと正しい知識と位置づけができるようになりますように。
 そう思われてなりません。

  鵜野日出男さんの今週の本音より
■ オープンな木軸壁工法の可能性(上) 2009年03月15日 

  40年近くも前のことである。
最初にアメリカの住宅産業に触れた時、最初に出会った言葉が「ウッド・フレーミング・コンストラクション」だった。 文字通り「木質構造」。 そして、このウッド・フレーミング・コンストラクションには、以下のような構法があると書かれていた。

  ● ヘビーティンバー(重量木構法)
  ● ポスト&ビーム(柱・梁構法)
  ● バルーン・フレーミング(通し柱構法)
  ● プラットフォーム・フレーミング(床盤構法)
  ● ログハウス(丸太積み構法)

 そして、アメリカではログハウスは別にして上の4つの構法は異質のものとは考えておられず、同じ木質構造の仲間として捉えていた。
 つまり、一戸の木造住宅を造る時、メインはプラットフォーム・フレーミングであっても、吹き抜け空間の壁にはバルーン・フレーミングを使い、その巨大な吹き抜けの小屋架けにはヘビーティンバーを用い、階段回りやポーチにはポスト&ビームのテクニックを用いるという具合に。
そして、カーペンター養成の4年制の夜間学校では、日本の大工さんの必須科目である難しい規矩術を徹底的に教え、その上で4つの構法を教えていた。設計事務所は、この4つの構法を駆使してプランをつくる。構造計算で安全性が確認されれば、いろんなデティールが現場に出現してくる。あれが出来てこれが出来ないというのでは、一人前のカーペンターとは言えない。

実際にアメリカの建築現場を歩いてみると、いくつかの構法が混合して用いられている。
とくに100坪以上の住宅では、いろんなテクニックや金物が、これでもかというほど使われている。には鋼製の梁や門型システムまでも取り組んでいる。それらを見て回っていると、木質構造というのは「これほどまでにフレキシビリティに富んでいるのか」と感心させられる。
 したがって、私は日本の木軸工法はポスト&ビーム構法として捉え、何の違和感もなかった。
ただ、アメリカのポスト&ビームには、決してポストに穴をあけない。柱の強度を極端に落とす仕口は一つもない。ビームは5mm以上の厚い金物でポストに緊結されていた。その金物の種類の多かったこと…。羨ましいと思った。
 故杉山英男先生は、日本伝統的な民家住宅は大貫構法であり、この最大の欠点は柱に胴差しを取り付けるためにあけられるミゾによって、地震の時に小黒柱や大黒柱が折れるためである、と戦前の地震の調査記録をもとに立証された。

クギや金物が高価で入手出来なかった時代。
その時、日本の匠達は金物を使わなくてもよい独自の仕口や継ぎ手のテクニックを開発してくれた。やたらと手間暇はかかるが、最低の強度を保つにはそうするしかなかった。
その歴史的な意義を否定する者は誰もいない。
だからといって、そうした仕口や継ぎ手というテクニックに、木質構造の真価が潜んでいるかのごとき発言が時折見られる。これは木を見て森を見ない類。
消費者の側に立っての発言ではない。

さて、北米のウッド・フレーミング・コンストラクションをオープンな形で日本へ導入しようとした時、素人の無鉄砲さというか無知の悲しさで、すべてをまとめて導入出来ると考えた。
つまり、ヘビーティンバーも、ポスト&ビームも、バルーン・フレーミングも、プラットフォーム・フレーミングも…。
そして、杉山先生に相談したら、「全体系を導入するなどとはとんでもない。とりあえずプラットフォーム・コンストラクションだけにすべき」とたしなめられた。
とくにヘビーティンバーやポスト&ビームにまで言及すると、建築基準法ならびに施行令第3章第3節の条文に触れてしまう。
となると、基準法ならびに施行令をつくった建築界の大御所が黙っているわけがない。もめて大ごとになり、アブハチとらずになってしまう…。
「2兎どころか4兎を追うなどという発想はバカげている」と。

といった次第で、北米からのウッド・フレーミング・コンストラクションの導入は、ほんの1/4のプラットフォーム・フレーミングだけを、基準法の体系をいじらずに告示という形で付加する形で収められた。
ただ、吹き抜け空間や勾配天井の空間づくりを可能にするために、公庫の仕様書の中に204材だと壁の高さは3.2メートルまでしか出来ず、それ以上の高い壁は206材としなければならないというバルーン・フレーミングを可能にする条文を最初のピンクの標準仕様書の中にこっそり忍ばせておいた。だが、いつのまにかこの条文が消されてしまったのはいささか残念…。

こういった経緯をほとんどの人は知らない。
このため、北米の木造住宅はすべてツーバィフォーによるプラットフォームだと考えている人が、ツーバイフォー信者派にも、アンチ・ツーバィフォー派にも多い。
木質構造というのは、軸組か壁組かのいずれかしか選べないというような、二者択一の窮屈なシステムではない。
ただ、鉛直力や水平力の流れは、軸組と壁組では大きく異なる。
その構造上のポイントだけは十分に心得ておかねばならない。
それがないと、それこそシッチャカメッチャカになってしまう。

軸組と壁組の融和の前に書いておかねばならないことがある。
毎度のことなので、分かっている人は飛ばし読みをしていただきたい。
戦時中に木をやたらに伐採したので、日本の山は禿げ山。
戦後の都市の復興に用いられた柱材は3寸のものがまかり通っていた。その3寸の通し柱に胴差しのミゾをほる。このため、現場へ運搬する途中で通し柱が折れるということが度々あった。
このため「そっと運べ」と親方は見習いを叱っていた。
今では考えられないことが当時の木造には平気で通用していた。

建築学会や建設省の役人は、こんな木造住宅に見切りをつけた。
日本の山には、これから庶民が必要とするだけの資源としての木がない。
それに、木材価格はいたずらに高騰する。
したがって見切り時だと考えたのは、2つの点を除いては正しかった。
1つは、消費者の木造住宅への志向の強さ。
もう1つは、日本の山には木が無かったが、四面海に囲まれた日本には、世界各国から安い木材が船でどっと押し寄せてくるということを見通せなかったこと。

今から57年前の1952年に、住宅金融公庫の木造の標準仕様書が出来たのを契機に「これからの日本の庶民住宅は、RC造と鉄骨造しかない。木造よさようなら!  RC造・鉄骨造よ今日は!」という宣言を行い、ほとんどの建築学会人がRC造と鉄骨造へ雪崩をなして移行していった。
そして、木質構造で孤塁を守っていたのが杉山先生。(詳細は2006/7/31の今週の本音の「杉山先生を偲ぶ会」を参照されたし)
何しろ、鉄骨造ではいいかげんな防火実験で耐火認定を認めていながら、学会と建設省は木造を目の敵にして襲いかかってくる。開始された猛烈な木造潰しに独りで闘うには限界があった。

その木造潰しに「待った」をかけたのが、ほかでもない枠組み壁工法。
今までの日本の木軸工法は、棟梁の経験と勘に頼っていた。
その木質構造に科学の光を当てるきっかけを与えてくれ、背中を押してくれたのが、北米の木質構造の膨大な実験データと実績だった。
杉山先生が先頭を切り、枠組み壁工法を橋頭堡にして木質構造の研究とその研究成果をもとに復元に全力が傾注された。
その動きに、林野庁が素早く呼応した。

こうして、鉄骨造とRC造へ流れていた奔流を命がけでくい止め、日本の木質構造をここまで復元してくれた。
この原動力は間違いなく杉山先生であり、オープンな枠組み壁工法であったという事実は、決して忘れてはならないと思う。 




■ オープンな木軸壁工法の可能性(中) 2009年03月20日 

 日本の木軸構法を根本的に変えたのが阪神淡路大震災だった。
私個人としては、中越地震の激震地川口町で提起されていた問題点が、神戸よりもはるかに大きかったと感じている。
 だが、
 (1)何しろ豪雪地の山の中で人的被害が少なかったこと。
 (2)プレハブやツーバィフォーなどのメーカー住宅がほとんどなかったこと。
 (3)このため、学者や技術者、特に木質構造の権威者による本格的な調査がなされなかったこと。
 などにより、貴重な研究のチャンスが活かされていないのが残念。

中越に対して、地震がないと盲信されていた神戸の木造、鉄骨造、RC造はあまりにも弱かった。無筋の基礎も多くあった。
その中で、一番被害が少なかった構造体がツーバィフォーだった。
このため、ツーバィフォー業界は慢心してしまった。
ホールダン金物など若干の改良はなされたが、根本的な検討は必要なしとされた。

一方、木軸は、展示場のモデルハウスまでが倒壊するという致命的な打撃を受けた。
通し柱が折れ、1階に寝ていた数千人のお年寄りが落下してきた2階に押し潰され、即圧死。
2度とこんな悲劇が起きないように、抜本的な対策が求められた。
そして、今までの羽子板ボルトと筋違いに変わって誕生してきたのが金物工法。
それまでの木軸構法の合理化は、ホゾ、ミゾ加工を工場の機械で行うプレカットの普及でしかなかった。乾燥の足りない柱に背割りをしてのプレカット。
構造的な強度はほとんど改善されていないものだった。

金物工法は、最初は乾燥材を前提にしてスタートした。
そして、すべてではないが、外壁には筋違いに変えて面材を用いるようになった。
そして、床は今までのように小さな転ばし根太を用いて、各室ごとに床を区切るのではなく、1階は3尺間隔に土台と大引きを入れ、その上29mmの厚い構造用合板を柱の部分だけを欠き込んで一体化する、プラットフォームに近い形が生まれてきた。
そして2階の床も3尺とか1.5尺間隔にセイの大きな根太とか梁を入れ、これまた29mmの構造用合板で一体床を構成する構法が生まれてきた。
そして、より構造強度を安定させるために、乾燥無垢材が集成材に変えられた。

このツーバィフォーのメリットを取り込んだ構法は、室工大鎌田先生が木軸の最大の欠点だと指摘していた外壁の気流の流れを完全にシャットアウト。
小細工を施さなくてもよくなり、木軸の耐震性能や断熱性能および施工精度を一気にアップした。
ナイスのパワービルドやトステムのスーパーストロングをはじめとして、多くの建材商社や木材加工メーカーが、羽子板ボルトと筋違いに変わる剛な金物と面材と集成材の柱と梁による新しい木軸構法へ移行した。

さて、面材を用いた木軸構法が、実際のところどれほどの耐震力を持っているのだろうか。
その実験場となったのが中越地震だった。
激震地の川口町は豪雪地で、ほとんどの住宅が丘地にあるといってよい。
豪雪地のために1階は頑丈なコンクリートの高床になっており、使っている柱は最低でも4寸。5寸のものも見られた。
このコンクリートの高床は、何回にも及ぶ余震に見舞われたが、欠損しているものはほとんどなかった。非常に丈夫な施工にびっくりさせられた。

そして、神戸では細い柱の家が多く、烈震地では7割の家が倒壊していた。
これに対して、豪雪地で柱が太く、基礎が破壊されていないのに、烈震地の田麦山では100戸のうち倒壊を免れたのが10戸だけ。90%にも及ぶ倒壊率。
武道窪では23戸のうち倒壊を免れたのが1戸のみ。
神戸に比べてその被害率の大きさ、つまり直下型の2400ガルの脅威がいかに怖いものであるかを教えてくれていた。

この田麦山や武道窪に、プレハブやツーバィフォー工法の家がなかった。
唯一あったのが地場の渡部建築が施工したスーパーウォール。
このスーパーウォールもかなりの被害は受けていたが、見事に全戸とも倒壊を免れていた。
外壁の面材が大きく物を言っていた。
しかし、後で壁をはがして点検したら、多くのホールダン金物が曲がるなどの被害を受けていた。一番ひどい例はボルトの先が千切れていた。
そして、内部の壁に使われていたのは柱2っ割の厚い筋違い。
これが圧縮され、弓のように面外に坐屈して内部のボードを綺麗に弾き飛ばしていた。
当然、後で全面的に内部のボードや壁紙の張り替えが必要に。

さて、この中越地震から学ばなければならない点が、最低3つあると私は考える。
1つは、木軸であれ、外壁の耐力壁には面材を用いるべきだということ。
2つは、内壁も筋違いをやめて石膏ボードなどの面材で耐力壁を構成すべきだということ。
そして、3つめは、木軸でも金物工法であれば、2階の床を剛なプラットフォームにしても通し柱が折れる心配が少ないこと。

それまで、公庫の技術屋さんと木軸工法の2階床をプラットフォーム化することの是非を議論したことがある。
ほとんどの意見は、実験結果に照らしてホゾ、ミゾのとった羽子板ボルトの在来の木軸では、床をプラットフォーム化して剛にすべきではないというもの。
剛にするとそれだけ負担が通し柱にかかり、より折れやすくなる。

こうした議論から、金物工法に変えた場合に、果たして剛な床が通し柱にもたらす懸念が払拭出来るかどうかが課題であった。
それが、柱が太かったということもあったが、川口町の烈震地で通し柱が折れるという懸念を見事に振り払ってくれた。
このことによって、日本の木軸構法は生まれ変わったと言ってもよい。
しかし、未だに古い木軸が、地方の製材所を中心に根強く残っている事実も忘れてはならない。

この集成材によるプレカットの金物工法。
それは現場の建て方を容易にし、生産性を高め、そして現場における端材などの発生ゴミの減少に大きく役だっている。
つまり工期的にも耐震性でも、ツーバィフォーに決して劣らないという木軸構法が誕生したのである。
これが、阪神淡路大震災と中越地震から貴重な学習を重ねた木軸脱皮の証。

さて、ここでツーバィフォーを振り返ってみよう。
アメリカの木造住宅需要の65%は、環境を含めて開発するランドプランニングによる分譲住宅。大都市の庶民の住宅はほとんどがこれ。
そして、農家など地方の需要は20%弱で、これはプレハブのカタログから選ぶレディメィドで我慢している。我慢出来ない者は自分で建てるしかない。
そして15%ぐらいが、ビバリーヒルに代表される金持ちにの特注によるカスタムハウジング。これにはヘビーティンバーやバルーンフレーミングが多く採用されている。

いずれにしても、大都市で圧倒的な比重を占める分譲住宅は、工場で木材を加工するのではなく、現場を工場として捉え、大工作業の細分化とIEをはじめとした工場で確立した技術体系の全面的な採用で、生産性を飛躍的に高めた。運送コストも大幅に削減し、さらにコストダウンに繋げた。

日本にプラットフォーム・フレーミング工法をオープンな形で導入した時、この「現場を工場化する」というコンセプトも同時に導入した。
しかし、分譲が主体ではなく、散在戸建て住宅が主体の日本では、大工を建て方、断熱、ボード、ドライウォール、造作と5分類することには、一部を除いて成功しなかった。
その最大の原因は、日本の分譲業者は土地転がしで儲け、建築の生産性の向上で儲けるという発想が1つもなく、それぞれの工務店へ細分化発注しかしなかったから。
このため、一人の大工が建て方、断熱、ボード、造作までを兼ねるのが当たり前になり、生産性の向上が大きく遅れた。

そして、散在戸建ての現場加工で、もう一つの困難な条件が発生してきた。
それは産業廃棄物を規制する動き。現場に大きなゴミ捨て箱を設け、その中にランバーの切り端やボードの切り端を捨てることは次第に許されなくなってきた。現場の騒音やノコ屑に対する近隣からの苦情にも対応する必要に迫られてきた。そして、何よりも木軸金物工法に比べてツーバィフォーの建て方の時間の遅さが問題になってきた。
このため、ツーバィフォー工法のパネル化が全国的に進んだ。

しかし、木軸の場合は構造体の木軸の間にパネルをはめ込んでゆくだけ。
これに対して壁工法の場合は、壁そのものが構造体。
壁構造は、壁が一体化していて初めて耐震強度が出る。
ところが、運搬の都合上パネルは5メートル以内に切断される。
それを現場で一体化するには、頭つなぎを現場施工とし、パネルのジョイント部分の上枠と下枠の継ぎ目を変え、ジョイントの部分の面材は後張りにしなければならない。
また、床に関しては、とくに2階床はフレームをパネル化して現場へ運ぶのはよいが、合板は必ず現場で千鳥張りしないとダイヤフラムとは言い難い。

こうした、壁工法の原則を無視するツーバィフォーのパネル化が、一部で進行しているのは事実らしい。
ツーバィフォー建築協会が、こうした無定見なパネル化に対して、ほとんど改善策を用意していないという批判をたびたび聞く。
もし、それが事実としたら、これは由々しき問題である。



 鵜野日出男さんの今週の本音より
■ オープンな木軸壁工法の可能性(下)  2009年03月25日  

 プラットフォーム・フレーミングという床盤構法は、ご存じのように戦後、北米の西海岸で開発されたもの。
木質構造としては戦後っ子の新顔。
厚い構造用合板が開発され、それを継ぎ目なく床に張り付け、ダイヤフラムを構成すると地震や台風などの水平力に対して大変な力を発揮することが分かった。
プラットフォームの剛な床が、すべての壁に均等に力を伝える。
最終的に水平力に耐えるのは一体化した壁。
ではあるが、遊んでいる壁をなくした功績がプラットフォームの床にある。
つまり、すべての壁が一致協力して水平力に抗して耐える。

そして、このプラットフォームが、それまで不可欠と考えられていた通し柱を不要にしてくれた。
つまり、木質構造で2、3階建てではなく、5階建てや6階建ても可能になってきた。
地震のないドイツなどでは、昔から木骨土壁構造による6階建てが建てられてきた。
地震がないので土壁を厚くすれば、通し柱がなくても各階毎に床を組み、その上に管柱を建てて継ぎ足してゆくだけで中層建築が可能。
しかし、地震の多い日本や北米の西海岸では、木造の中層建築は夢物語にすぎなかった。
それが、プラットフォーム・フレーミングの登場によって一変。

戦前まで北米の主力となっていたバルーン・フレーミングとポスト&ビーム。
それが、主役の坐をプラットフォームに譲った。
とは言え、バルーンやポスト&ビームが全く使われなくなったというのではない。
最初に見たように、アメリカの現場では対立する構法ではなく、同じ木構造として何の違和感もなく同居して採用されている。
だから、すべてをまとめて導入したいと考えた。
それが不可能だということを杉山先生に教えられ、プラットフォーム・フレーミングだけをオープンな形で導入した。

しかし、30年前は、木軸工法とツーバィフォー工法は、建築現場だけでなく学会でも、全く異質のものとして捉えられていた。
たしかに軸組と壁組では力の流れが全く異なる。
きちんと分けて考えねばならない。
木軸工法しか経験してこなかった大工さんや設計士にとっては、当然のことながら最初は戸惑いがあった。だが、多くの大工さんや設計士は、研修と経験を積んで新工法のコンセプトを素直に受け入れていった。
なぜなら、実際に2階や屋根の上で仕事をしてみると、グラグラする木軸に比べてツーバイフォーは頑丈で、いかにも安定していた。まさに一見は百聞よりも説得力を持っていた。
ただ、学会を含めた一部の守旧派は、ツーバイフォーを木構法として正しく把握せず、RC造や鉄骨造と同じ敵対する工法として捉え、いたずらな敵視を繰り返した。
その期間が30年近く続いた。

10年前に登場した金物工法は、単に今までのホゾ、ミゾによる継ぎ手、仕口を金物に置き替えただけではなかった。
壁と床に構造用面材を採用。
とくに床に厚い構造用合板を採用し、今まで部屋ごとに区切られていた床を一体化した。つまり、プラットフォーム化した。
そのことで通し柱が折れやすくなるという最大の懸念が、幸いにも中越地震で払拭された。
このことにより、木軸とツーバイフォーの壁工法は、一気に距離を縮めた。

現に札幌などでは金物工法で、集成材の太い柱間隔を2間とか3間とばし、その中に206材で組んだ壁パネルをはめ込んでいる例が見られる。
確認申請は木軸でとっているが、内容は文字通り「木軸壁工法」。
これは、ものすごく利口な木軸と壁工法のドッキング。
カッコ良い言葉で表現するなら 「ハイブリッド木構法」。
さて、これからのあるべきハイブリッド木構法なるものを展望してみたい。

まず、外壁の土台材は406。
大引き404を3尺間隔に入れ、鋼製束などで受ける。
そして、2間から3間間隔に4.7寸角(140cm角)の通し柱を建て、足元は逆さT型金物とホールダン金物でしっかり土台に固定。
そして29mmの構造用T&G合板を弾性接着剤併用で千鳥張りして、BN75クギを外周@150mm間隔に、中通りを@200mm間隔に打ち付ける。
通し柱の部分だけは床合板を切り欠いてプラットフォームとする。

この柱の間に外壁は206材(140mm)で組んだパネルをはめ込み、内壁には204材(89mm)で組んだパネルをはめ込んでゆく。
この206材と204材は、必ずしも輸入材にこだわる必要がない。きちんとした乾燥材であれば、内地の杉材でよい。間伐材も厭わない。
ただし、根太が上に乗っかる頭つなぎ材だけは、へこまない強度のある樹種のものを使うか、杉材だったら表面に圧縮した杉板を貼ったものを使いたい。

さて、外壁に206にこだわるのはスブルース材や杉材の強度が気になるからであるが、それよりもこれからの住宅の充填断熱材の厚みが4寸角(120mm)ではどうしても不足すると考えるから。
ドイツのように、5.3寸角(160mm角)を標準にしたいところだが、5寸角でも日本ではままならない。しかし、金物工法で集成材ということであれば、606を求めることは無理難題な相談ではない。
そして、国産の杉材から206の乾燥材を求めるのも、決して無理な注文とは考えない。
ユーザーのニーズに応えるという姿勢があれば、強度が欠ける国産杉材は柱として使うより壁工法のスタッドとして活用した方がはるかに良い。
そして、主として鉛直荷重しかかからない内壁は204材のパネルで十分。
床荷重などが集中的にかかるところは、204材を2枚とか3枚合わせにすれば、角材を使うよりは強度の補充が可能。

枠組み壁工法は、パネル化した場合にジョイント部分に問題があることは前回指摘した通り。
ところが、木軸の間にパネルを差し込むということであれば、このパネルとパネルの接続部分の不完全さが補える。パネルは通し柱にクギ打ちし、パネルとパネルの接合部分の面材、つまり柱をまたいで後で面材を張るようにすれば、完全に一体化出来る。
現在のツーバイフォー工法のパネル化の欠陥を補うことが出来る。
一方で、今までの木軸工法の力の流れをこのパネルが補って、変える。

今までの木軸の場合は、3尺とか6尺間隔に柱を入れた。そして、1.5尺間隔に細い間柱を入れてきた。この間柱はボード受けのためだけのものであり、構造強度には何一つ役に立たない。このため細い間柱は構造材とはみなされず、石膏ボードなどを使っても耐力壁として認めてもらえない。
この間柱と管柱を206とか204の構造材にすることによって、壁パネルとして耐力が支えられるようになる。パネル化すれば、ホールダン金物の数も大幅に減らせる。
つまり、606の太い通し柱は、集中荷重を受ける軸として働いてもらうのではなく、パネルの緊結役と、胴差し・梁受け・敷き桁の緊結役として働いてもらう。水平ならびに鉛直荷重をパネルが負担するという流れになる。
今の各社の金物工法は、そこまで水平・鉛直荷重の流れを見極め、構造的に割り切っていない。もっとパネル化と省力化が可能なはず。

さて、1階の壁パネルをはめ込んだら、
外周一円に窓まぐさを兼ねて406の集成材の胴差しをぐるりと回す。
606を用いないのは、胴差しの内側に50mmの硬質断熱材を入れ、ヒートブリッジを避けるため。もちろん柱との緊結は金物。
その上に210ないしは212の2階床パネルを施工してゆく。
ただし、この床パネルには合板を張らずに搬入。合板は現場で千鳥張りとする。
そして、大きな開口部がある場合は側根太ないしは端根太は410ないしは412の集成材を、これまた窓まぐさを兼ねて入れ、床根太は金物止めとする。
根太は原則としてTJIとし、北側の根太はダクト配管を考えて出来れば平行弦トラスとしたい。
これだと国産材でもすべてに対応が可能。
つまり、床組に関しては、プラットフォーム・フレーミングを全面的に採用するということ。
根太の変わりに集成梁でおさめることも十分にあり得るが、プラットフォームを構成するという大原則だけは守りたい。

さて、2階床合板が張り終えたら、2階の壁パネルが取り付けられ、外周に406の敷き桁が回される。天井断熱材を厚く吹きたいという場合は408とか410の敷き桁を回す場合もある。
そして小屋組は、北海道の木軸がほとんど210材に変わったように、木軸の束立ては止めてTJIか210、208材にしたい。このことによって、小屋裏空間が全面的活用が可能になる。吹き抜け空間にするのもよい。この空間づくりの意義は大きい。
210材とか208材は輸入に頼るしかないので、出来れば国産のTJIにしてゆきたい。

こうした木軸壁工法は、部分的には各地で採用されている。
しかし、金物工法がそれぞれクローズドであるために、オープンな形になっていない。
オープンな形にするには、木住協あたりが音頭をとって、場合によっては何社かがお金を出し合い、共同で実験を行い、認定をとるという形が可能であればベター。
しかし、おそらくそんな形での進行は期待出来まい。
とすれば、北海道でなし崩し的に木軸と壁工法のハイブリッド化が進んでいるように、全国的な規模でハイブリッド化をなし崩し方式で進める方が早いかもしれない。

よりエンジニアウッド化した国産材の活用と、充填断熱プラス外断熱という時代は、すぐそこまできている。
国産材の活用は、地産地消という耳障のよい殺し文句で、現在の製材所の身勝手で加工度と強度、精度が低いものを消費者に押しつけることであってはならない。
国産材の活用には、乾燥材化と集成材化、および204材および206材化が不可欠。
細い間柱を使う時代を早く終わらせるべき。
そして、充填断熱は120mmの時代ではない。
耐久性の長期化ということも考えると140mmが最低条件になってくる。
それにプラス外断熱でヒートブリッジを追放。

誰が140mmでのハイブリッド木構法の先導役を、かって出てくれるのだろうか?



木造の家づくりの将来像、
『 140mmでのハイブリッド木構法 』を、提示していただきました。
鵜野日出男さん ありがとうございます。






   2009年度 鵜野 日出男  今週の本音
  オープンな木軸壁工法の可能性(下) 2009年03月25日
    ☆ 将来像 140mmでのハイブリッド木構法の提示
 ■ オープンな木軸壁工法の可能性(中) 2009年03月20日
    ● 鵜野日出男さんに大工さんを目指す若者たちへの教科書(副読本)を書いてほしい。 
 ■ オープンな木軸壁工法の可能性(上)  2009年03月15日
・ 家40 大半が最低の耐震等級1!大手ゼネコンの鉄筋コンクリートの建物(マンションなど)
      副題) 最低の耐震等級1で鉄筋コンクリの建物を建てる理由を説明してほしい。
・ 家39 太陽の光と 木々と 鮭と シロアリと。 乾燥した木は腐らない。築600年の家。
・ 家34b アメリカカンザイシロアリとヤマトシロアリ対策の家づくり
・ 家34a アメリカカンザイシロアリの対策法 日本全国88ヶ所 被害1万軒の脅威
・ 家38 鵜野日出男さんに大工さんを目指す若者たちへの教科書(副読本)を書いてほしい。
・ 家31 インスペクターの活躍と工務店のレベルアップ
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