山崎元  橋下徹は明治維新のような覚悟と戦略、戦力をもって臨んで欲しい

.
フラットタックスは、税率を一律にすることで、

 ・ 勤労意欲、起業意欲を喚起し、経済を活性化させる。
 ・ 節税や脱税へのムダな時間や取り組みを減らし、経済を活性化させる。
 ・ 税の徴収コストを下げる。

という効果があります。


ロシアではプーチン大統領時代に導入して、大きな成果がありました。
◆ プーチン一律13%所得税(フラットタックス)導入 しロシア 税収25%増(2001年)
◆ プーチン 2012年大統領再選でフラットタックス継続とシベリア鉄道 北海道 延伸を



また、アメリカの大統領の共和党の候補2名も掲げています。

■ 米大統領選共和党候補、税制論議が加速  2011.10.27 産経

【ワシントン=柿内公輔】米大統領選に向けた共和党候補の税制論議が加速してきた。キーワードは「フラット・タックス(一律税率)」。火付け役は会社経営者のハーマン・ケイン氏(65)で、テキサス州のリック・ペリー知事(61)も追随した。複雑な米税制の簡素化を景気浮揚や自身への支持拡大に結びつけるのが狙い ・・・ 「税制をシンプルにすれば、富裕層が節税対策に苦慮する必要がなくなる。結果として税収は増える」   ケイン氏は、所得税と法人税、消費税(新設)の税率を 原則 9% にそろえる 「 9 9 9 (ナイン・ナイン・ナイン)」 政策 の効果を強調する。現行は所得税が所得額に応じて10~35%、法人税が最大35%となっているのを事実上減税 ・・・ 




2012年に、ロシアに続き
アメリカが、フラットタックスになるかもしれません。


日本では、2009年5月に立党した幸福実現党が、立党当初から一貫して
「フラットタックスで経済の活性化」と、「景気回復からの財政再建」をうったえています。





そして、大阪維新の会の橋下徹さん
こちらは、フラットな税収ではなく、フラットな税支出で維新八策を提案しています。
「ベーシックインカム」 です。

■ 橋下徹氏が手に入れた 「ベーシックインカム」という新兵器  山崎元

ベーシックインカムが、役人の裁量を無くして、行政をスリム化する強力な武器である ・・・ 年金制度、生活保護制度、失業保険制度などを失くす ・・・ ことができる。 ・・・ ベーシックインカムは社会保険庁や年金基金の仕事、生活保護に関わる自治体の仕事、よく言えばきめ細かな、悪くいうと複雑で裁量的な補助金の数々を、単純な現金のやりとりに置き換えてしまう。 



社会福祉は、ぶっちゃけバラマキ的なものですし、
社会福祉は、ゼロにはできない制度ですから、どうせ存在するなら、シンプルな制度にしよう というわけです。

経済の成長に直接はつながりませんが、
これはこれで面白いです。



フラットタックスもベーシックインカムも
制度がシンプルになる分、役所や公務員の数が少なくて済みますので
どちらも、反対が強くて、導入は難しいかもですが、

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、1月25日に、長期的な物価上昇(インフレ)率を「年2%をゴールにする」と発表したら、2月14日には日本銀行の白川方明総裁は、あわてて消費者物価の前年比上昇率1%めどと事実上のインフレ目標の導入に踏み切ったりしてますから、

 ■ 米、インフレ目標「2%」宣言 景気下支えへ金融緩和 2012年1月26日 朝日
 ■ 日銀の物価上昇1%目標 デフレ克服の姿勢を明示 2012年2月14日 産経


アメリカにフラットタックスが導入され、
景気が上向き、税収が自然増した なら、

日本での導入は、2013年ごろに、あっという間に進むかもしれません。



そのとき、幸福実現党の政策は確かだった・・・ と、
多くの人に理解されるようになるかもしれません。





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◆ プーチン一律13%所得税(フラットタックス)導入 しロシア 税収25%増(2001年)
◆ プーチン 2012年大統領再選でフラットタックス継続とシベリア鉄道 北海道 延伸を
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また、アメリカでのフラットタックスの成果が出始めたら 大阪維新の会も、
フラットタックス政策を 修正版の「維新八策」に盛り込むかも です。



■ 橋下徹氏が手に入れた 「ベーシックインカム」という新兵器  山崎元 
   http://diamond.jp/articles/-/16251 2012年2月22日 ダイヤモンド

「維新八策」に仕込まれた武器
もともと弁舌が巧みで論争に強い橋下徹氏が、新たに強力な論争用の武器を手に入れた。  それは、「ベーシックインカム」だ。  ベーシックインカムは、最低所得補償の一種で、政府が全国民に一律に一定額の現金を、無条件で配るという政策だ。単純で一見荒唐無稽に見えかねない政策なのだが、多角的な批判に耐える合理的な政策だ。 ・・・ 維新の会の社会保障改革案は、「積立方式」、「掛け捨て年金」、「ベーシックインカム」の三つのキーワードを持つ。 ・・・ ベーシックインカムが、役人の裁量を無くして、行政をスリム化する強力な武器である ・・・ 年金制度、生活保護制度、失業保険制度などを失くす ・・・ ことができる。 それにまつわる組織が不要になる

 批判1: ベーシックインカムは究極のバラマキだ
 批判2: お金持ちにも現金を払うのはムダだ
 批判3: ベーシックインカムよりも負の所得税の方がいい
 批判4: 働かない人にお金を配ると、労働意欲が損なわれる
 批判5: ベーシックインカムは、働かない母親のパチンコ代になる
 批判6: ベーシックインカムは、少額の現金給付をエサにして、
      福祉をめしあげようとする(新自由主義者の)陰謀だ
 批判7: ベーシックインカムは、日本の仕組みを壊してしまう!

ベーシックインカムは社会保険庁や年金基金の仕事、生活保護に関わる自治体の仕事、よく言えばきめ細かな、悪くいうと複雑で裁量的な補助金の数々を、単純な現金のやりとりに置き換えてしまう。 ・・・ 既存の官僚組織は、総力を挙げてベーシックインカムの導入に対して阻止にかかるだろう。 ・・・ 官僚集団の外郭の応援団であるマスメディアも批判側に加担する公算が大きい。

既存の官僚を相当程度置き換えることができる人的な戦力を準備した上で、改革の戦いに臨む必要があるだろうし、クビにした官僚の受け皿もある程度考える必要があるだろう。政治・行政の改革が、一面では戦いであり、別の一面では経営の問題であることを思えば、当然のことだ。それこそ、明治維新のような覚悟と戦略、戦力をもってこの戦いに臨んで欲しい。











リンク切れ、記事削除のときの自分用控え


■ 米、インフレ目標「2%」宣言 景気下支えへ金融緩和 2012年1月26日 朝日

米連邦準備制度理事会(FRB)は25日、長期的な物価上昇(インフレ)率を「年2%をゴールにする」と発表した。インフレ目標を初めて設定し、それを目安に金融政策をする方針を打ち出した。2008年12月に始めた「実質ゼロ金利」を従来より1年以上延ばし、14年後半まで6年近く続ける方針も表明した。  

欧州の政府債務(借金)危機などによって米景気の低迷が長引く可能性が高いため、FRBは実質ゼロ金利を継続する期限について、これまで「少なくとも13年半ばまで」としていたのを後ろ倒しした。

物価は一般に、景気の動きを反映し、景気が悪ければ下がり、上向けば物価も上がる。
景気が大きく落ち込むと、物価上昇率がゼロ%を下回る「デフレ」になる。このためFRBは、安定した経済成長が続いている状態のインフレ率「2%」を目標とし、その達成のために景気を下支えする「金融緩和」を続ける姿勢を鮮明にした。欧州危機などで景気の先行きが不透明なことが背景にある。

バーナンキ議長_convert_20120224223415
ワシントンで25日、記者会見する米連邦準備制度理事会
(FRB)のバーナンキ議長=ロイタ






■ 日銀の物価上昇1%目標 デフレ克服の姿勢を明示 2012年2月14日 産経

日銀が事実上のインフレ目標の導入に踏み切ったのは、物価が持続的に下落するデフレ克服に向け、中央銀行として、強い姿勢を示す必要があると判断したためだ。目指すべき目標を「消費者物価の前年比上昇率1%めど」と明示。それが見通せるようになるまで、ゼロ金利政策や金融資産の買い入れを続けて市中に資金をたくさん流し、景気回復を確実にする狙いがある。

「国内経済の前向きな動きを金融面から強力に支援し、確実なものにしたい」。日銀の白川方明総裁は14日の会見で、インフレ目標導入の理由をこう強調した。インフレ目標は、物価上昇率を具体的に数値目標として明示して達成を目指すことによって、金融政策の透明性につながるとの見方もある。

ニュージーランドや英国で導入され、FRBも1月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、長期のインフレ目標を年2%に決めた。

日銀は平成18年から、金融政策の基本目標である物価の安定には一定の幅があるとする「物価安定の理解」という考え方を導入してきた。だが、「理解」という表現には、与党や市場関係者から「政策の狙いが伝わらない」との批判が強くあり、「めど」に変更することで、「デフレ脱却の意思を明確に示した」(白川総裁)としている。

見直しのきっかけになったFRBのインフレ目標に対し、日銀には、「FRBが(金融政策で)日銀に追いついてきた」との自負があった。しかし、FRBの目標は金融市場に大きなインパクトを与えた。日銀は今回、自らの政策のメッセージ性が弱いことを素直に反省した形だ。

インフレ目標の設定では、一定の物価上昇に向けて、中央銀行が紙幣を機械的な増やし続ける「インフレ・ターゲット」政策の導入を求める声が与野党には強い。ただ、白川総裁は「(インフレ・ターゲットのように)機械的な金融政策を運営するのではない」と、一線を画した。

日銀はインフレ目標導入と同時に、資産の買い入れ基金の10兆円の増額を決めた。低金利の資金を潤沢に供給し、景気刺激を目指す。そうすれば需要が伸びて物価上昇も期待できる。

けれども、これまでの量的緩和は、企業の内部留保や家計のたんす預金を増やすばかりで政策効果が限られており、景気回復につながるのか見えにくいのが実情だ。(石垣良幸)

白川方明
金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の白川総裁
=14日午後、日銀本店











■ 山崎 元 Wikipedia

経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員。
一橋大学商学部国際経営戦略研究科非常勤講師。2010年、獨協大学経済学部特任教授。

北海道札幌南高等学校卒業後、東京大学経済学部入学。1981年に同大学を卒業後、三菱商事入社。以後、12回の転職(→野村投信→住友生命→住友信託→シュローダー投信→バーラー→メリルリンチ証券→パリバ証券→山一證券→第一勧業アセットマネジメント→明治安田生命→UFJ総研→を経て現職、2005年楽天証券経済研究所客員研究員。

 ・ オーケープロダクション(プロフィール)
 ・ 山崎元のマルチスコープ
 ・ マネー経済の歩き方
 ・ 山崎流マネーここに注目
 ・ ホンネの投資教室(楽天証券)
 ・ JMM(ジャパン・メール・メディア)
 ・ 王様の耳はロバの耳!(公式ブログ)
 ・ 山崎元の時事日想(木)
 ・ 山崎元講演
 ・ 28歳までに「自分の職」を見極めろ(キャリア&転職研究室)
 ・ 山崎元 (yamagen_jp) - Twitter  




■ 山崎元のマルチスコープ

【第220回】 橋下徹氏が手に入れた
「ベーシックインカム」という新兵器
 [2012年02月22日]
橋下徹氏率いる維新の会が、「維新八策」を発表した。その中の一つである「ベーシックインカム」は、橋本氏の強力な新兵器になるにちがいない。なぜ新兵器となりうるのか、その理由を論じてみよう。

【第219回】 確定申告の時期に考える
「節税」できないシンプルな税制の実現
 [2012年02月15日]
飛び込みの若手証券マンが持ち出した商品はなんと終身ガン保険。狙いは保険ではなく節税にあった。みなが節税に頭を使うということは税制に抜け穴があるということだ。節税が意味をなさないシンプルで、公平な税体系の構築が望まれる。

【第218回】 政策シンクタンク設立の必要性を訴える  [2012年02月08日]
君子豹変して消費税引き上げに突っ走る野田首相や、答弁に窮して批判を浴びる田中防衛相の姿からは、官僚が大臣にあれこれ振り付けしている様が見え見えだ。もはや政治主導など無理だ。この際、政策シンクタンク設立の必要性を訴えたい。

【第217回】 原発事故対策でまさかの議事録未作成
「行政の可視化」を提唱する 
 [2012年02月01日]
東日本大震災および東京電力福島第1原子力発電所の事故対策に関連する政府の多数の会議で、議事録が作成されていないことが発覚し、国民の不信が蔓延している。あまりにもズサンな対応だ。これを機に、行政を可視化するスキームを提唱したい。

【第216回】 「東大秋入学」で何が変わるのか? [2012年01月25日]
東京大学が、5年後の実施を目処に、現在春(4月上旬)の入学時期を、世界の一流大学と同様に秋に移行したいとする考えを発表した。もしそうなった場合、学生は「ギャップ・イヤー」をどうすべきか。また企業の採用活動は、どう変わるべきか。

【第215回】 「国債暴落」にどう備えるべきか? [2012年01月18日]
危機を煽って売りたいメディアがよく特集するのが、「国債の暴落」だ。そもそも、日本国債が暴落する可能性などあるのだろうか。だとしたら、どう備えるべきか。先日、週刊誌の取材を受けた際のやりとりを引き合いに出しながら、考えてみる。

【第214回】 今こそ投資家同士で集まろう!
「インデックス投資」「コツコツ投資」の会合事情
 [2012年01月11日]
最近、投資家向けのイベントや会合が盛況だという。運用商品のマーケティングが高度化していることもあり、投資家同士が集まって生の情報交換をすることの意義は大きい。投資家に人気のある会合の裏側は、どうなっているのか。

【第213回】 2012年の政治への「たった1つの」要望 [2011年12月28日]
今週、財務省で来年度予算の説明を聞いてきた。この会合に出席しながら、筆者は、どことなく似た雰囲気を漂わせる彼らを有効にマネージするとすれば、どうしなければならないだろうかと考えていた。政治家に求められる能力とはどんなものか。

【第212回】 金正日氏死去後の経済と資産運用を、どう考えるか?  [2011年12月21日]
北朝鮮の金正日総書記が死去した。金総書記の死後、北朝鮮はどこへ向かうのか。そして、その行方は経済・金融にどんな影響を与えるのだろうか。「これから起こり得る事態」をいくつか想定し、北朝鮮情勢に関するシナリオを論じてみたい。

【第211回】 若者よ、史上最年少25歳で上場の村上太一氏に続け! [2011年12月14日]
東証マザーズに株式会社リブセンスが上場した。村上太一社長は25歳というから、驚きだ。実は、学生起業にはそれなりの合理性がある。今の若者が起業して新たなチャンスを掴むことは十分できるし、中高年のビジネスマンだって例外ではない。

【第210回】 政策論抜き、「失言責め」政局の不毛  [2011年12月07日]
失言を続ける一川防衛大臣は、到底大臣にふさわしくない人物だ。しかし、今回の「失言騒動」で本当に問うべきは、失言そのものを問題化し、政治家の資質を国会での議論で暴こうとしない「政治ショー」が続いているという、ばかばかしさだ。

【第209回】 ビジネスマンよ、落合監督の『采配』を読もう  [2011年11月30日]
ソフトバンクと中日の熱戦が繰り広げられた日本シリーズは、極上の緊張感があった。何と言っても光ったのは、今期限りとなる落合監督の采配だ。自著『采配』では、その戦略が語られている。ビジネスマンにとっても、大いに参考になる本だ。

【第208回】 賛否どちらの側にも不満を残した「TPP」は、
何をどう論じて決めるべきだったのか? 
[2011年11月23日]
今回決定されたTPPの交渉参加については、賛否どちらの側にも不満を残したように思う。果たして、事前に議論は十分尽くされただろうか。複数かつ複合的な「本当に議論すべきファクター」を交えながら、TPP議論の意義を考える。

【第207回】 TPP参加の意向表明に至った
「野田プロセス」の嫌な感じ 
 [2011年11月16日]
野田首相が、TPP交渉への参加を正式に表明した。筆者はTPPには賛成だが、今回の決定プロセスには「気持ちの悪さ」を感じた。それは政府内において、反対派も含めてTPPが真剣に議論されたとは、到底思えないからである。

【第206回】 「オリンパス」をどうしたらいいのか  [2011年11月09日]
怪しいとは思っていても、何が問題なのか、もう1つよくわからなかったオリンパス問題。ここにきて、過去の一連の問題が明るみに出始めた。オリンパスをこれからどうしたらいいのか。本当の責任はどこにあるのか。改めて検証してみたい

【第205回】 野村證券は買収されないだろうが、
証券界はビジネス・モデルの転換が必要だ 
 [2011年11月02日]
『週刊ダイヤモンド』は、「野村争奪戦で幕が開く! 金融大波乱」という衝撃的な特集タイトルを掲げた。メガバンクによる野村買収は、本当にあり得るのだろうか。私はそれに異論を唱えるが、証券業界にはビジネスモデルの転換が必要だ。
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橋下徹氏が手に入れた
「ベーシックインカム」という新兵器  山崎元 2012年2月22日
http://diamond.jp/articles/-/16251


「維新八策」に
仕込まれた武器

 もともと弁舌が巧みで論争に強い橋下徹氏が、新たに強力な論争用の武器を手に入れた。それは、「ベーシックインカム」だ。

 ベーシックインカムは、最低所得補償の一種で、政府が全国民に一律に一定額の現金を、無条件で配るという政策だ。単純で一見荒唐無稽に見えかねない政策なのだが、多角的な批判に耐える合理的な政策だ。筆者は、ブログや雑誌の原稿で何度かベーシックインカムを取り上げたことがあるが、どんな批判に対しても簡単に反論できるベーシックインカムの合理性を伴った切れ味に、内心驚いた経験を持っている。この武器をあの橋下氏が使いこなすようになると想像すると、なかなか楽しいものがある。もちろん、彼と対立する人達にとっては厄介な状況だ。

 さて、大阪の知事・市長ダブル選挙に大勝して勢いに乗る橋下徹氏率いる維新の会が、同会の基本政策として示した「維新八策」が注目されている。維新八策には、まだ詳細が発表されたわけではないが、「TPP交渉参加」、「日米同盟重視」といった現実的な政策から、「首相公選」、「参院廃止」のような実現へのハードルの高そうな政策までが並んでいるが、国民生活の視点からは、年金制度の改革を含む社会保障政策が注目に値する。

 前述のように、維新八策はまだ詳細な具体像が明らかになったわけではないが、維新の会の社会保障改革案は、「積立方式」、「掛け捨て年金」、「ベーシックインカム」の三つのキーワードを持つ。

 仮に、ベーシックインカムをベースとして(こちらの財源は税だろう)、老齢時に資産のない人を援助する追加支出部分を年金保険(掛け捨て年金)として持つようなセーフティーネットを作り、自助努力のための積立方式のフェアな年金制度を併せて用意しよう、ということなら、年金財政、世代間格差、年金を含む社会保障行政の非効率性など多くの問題が解決する。社会保障改革は、維新八策の中でも、是非実現したい目玉政策だ。

ツイッターで橋下氏の発言を追うと、ベーシックインカムが、役人の裁量を無くして、行政をスリム化する強力な武器であることを既に十分理解しているようだ。「ベーシックインカムが成立すれば(これは不可能な政策と言われています)、年金制度、生活保護制度、失業保険制度などを失くす可能性を考えることができる。それにまつわる組織が不要になるのです」(2月15日のツイート)といったツイートがたびたび登場する。なかなかいい調子だ。
ベーシックインカム批判に
対する「傾向と対策」

 橋下氏が「不可能な政策と言われています」と言っているように、ベーシックインカムは極めて実現しにくい政策だろうと筆者も思う(理由は後で触れる)。

 しかし、ベーシックインカムは、論理的にも実現性の上でも優れた政策であり、特に政策を評価する上での「補助線」として優れた働きを持っている。その意味を簡単にまとめると「非裁量的で効率的な経済力の再分配によるセーフティーネット」だ。

 無理解なままこれを批判しようとすると、逆に、スッパリ斬られてしまうことになる。あの橋下氏相手にそんな目に遭うと、さぞや悔しいに違いない。

 以下、ベーシックインカムの賛成派のためにも、また、批判者のためにも、ベーシックインカムについて論点となるポイントについて、批判に対する反論の形で、触れてみたい。

批判1:ベーシックインカムは究極のバラマキだ

 ベーシックインカムは、全国民に一律に一定額の現金を配る政策(「負の人頭税」と呼んでもいいだろう)だから、確かに、現金を「ばらまく」ことには違いない。民主党の子ども手当を、官僚・マスコミ・政治家が「バラマキ」と批判することによって、寄って集(たか)って潰すことに成功したように、現金を無条件で配ることには抵抗感を覚える人が多い。

この場合「ベーシックインカムは確かにバラマキですが、そもそも社会保障は富の再分配なのだからバラマキの性質を持っています。それなら、均等にばらまくのと、条件がややこしくて官僚や政治家が決める補助金のような偏ったバラマキと、どっちがいいでしょうか?」と穏やかに問い返すといい。そして、「究極のバラマキとは、むしろベーシックインカムに対する褒め言葉でしょう」と付け加えよう。

批判2:お金持ちにも現金を払うのはムダだ

 これは、先のバラマキ批判の続編としてありそうな批判だ。

 ベーシックインカムが富の再分配になるのは、その財源負担の差を通じてだ。子ども手当の議論の際に、「ハトヤマさんのような大金持ちの子どもにも手当を支給するのか」という近視眼的な議論があったが、ハトヤマさんは、たくさん納税しているから(そうでないとしたらベーシックインカム以外の問題だ)、ベーシックインカムが支払われても、制度全体としては富の再分配になっているのだ。この「負担と受給をトータルで考える」点が、ベーシックインカムを考える際の急所の一つだ。

 豊かな人にまでお金を配るのは、確かにムダな面があるから、一回は頷いてあげてから、次のように反論するといい。「お金持ちにもお金を配るのは確かにムダなのですが、所得や資産で支給の有無や額を調整すると、膨大な手間が掛かって、行政コストが掛かることになります。税金の支払いとベーシックインカムの受け取りの効果をトータルで見るといいのであって、支給の際の手続きを複雑にしない方が、役人につけ込まれる余地がなくていいですよ」

 相手が、徴税の際には所得や資産を把握するではないかと食い下がるようなら、「正しくてフェアな徴税は大切です。納税者背番号制の導入と、歳入庁の設立を早く行って、ベーシックインカムの受け取り額と税金の支払額を差し引き計算してやりとりできるようになると、余計な振り込み手数料を掛けずにすみます」と折り合いながら、納税者背番号制と歳入庁設立(厚労省の効率化と、財務省の権限分割のためにも重要だ)をついでに訴えるといい。

なお、お金持ちでない人がベーシックインカムを受け取ることの長所は、生活保護申請に伴う面倒な手続きや「恥」の感情を経験せずに済むことだ。また、現下の制度で、生活保護を受給するために行う、ごまかしや駆け引きも不要(無効)になる。

批判3:ベーシックインカムよりも負の所得税の方がいい

 所得に対する税制として、ベーシックインカムと負の税率もある所得税のトータルな効果は同じだ。

 たとえば、所得税率を30%と仮定して、2人家族1世帯の年間所得(ベーシックインカムを除く)が400万円だとしてみよう。この場合、年間納税額は120万円だ。一方、仮に「一人、一月、5万円」のベーシックインカムが同時にあると、年間に120万円になるので、この家族の年間可処分所得は400万円だ。この家族の年収が500万円になれば可処分所得は470万円になるし、300万円になれば330万円になる。

これは、所得400万円を境にして、税率30%で正・負両方の所得税(負の所得税には「給付付き税額控除」という冴えないネーミングもある)があるのと同じ効果だ。

 先ず、「負の所得税と、ベーシックインカムは、トータルな効果を見ると、同じことですよ」と親切に教えてあげたらいい。

批判4:働かない人にお金を配ると、労働意欲が損なわれる

 ベーシックインカムに対する直感的な批判として、最も多いのは、たぶんこれだ。

 実際にはあり得ないことだが、確かに、働かなくても十分余裕をもって暮らせるだけの金額をベーシックインカムとして配るなら、労働へのインセンティブが減ってしまうかも知れない。

しかし、先の数値例でも分かるようにベーシックインカムの支給額がセーフティーネットの範疇に入る限り、「働いて稼げば、それだけ多く使える」し「働かなければ、使えるお金が減る」というインセンティブの構造に変化はないから、多くの能力とやる気のある人は働くはずだと反論できる。

 誰もが働かなくてもいいほどのベーシックインカムを配る実力は、当分の間、日本経済には存在しないだろうから、労働意欲の心配をする必要が残念ながらないのが現実だ。

 議論をする上で注意が必要なのは、「ベーシックインカムで働かなくなるような者は、どうせ稼ぐ能力がない奴なので、そんな奴が働かなくても、何ら痛手ではない」といった暴言を吐かないことだ(一面の真理ではあるが、我慢せよ)。

 時には稼ぐだけではなくて、別のことをして暮らす選択肢を社会が支える、いわば社会が作る「余裕」を形にしたものがベーシックインカムだ。働かない人にも優しくすべきだし、「働かざる者、食うべからず」的な強制を言うべきではない(「働かない者は、死ね」とは言わない方がいい)。もちろん、働く機会を作る経済政策は、ベーシックインカムが存在しても重要なことだ。

批判5:ベーシックインカムは、働かない母親のパチンコ代になる

 ベーシックインカムは使途制限しない現金給付だから、何にでも使える。子ども手当が議論になった時にあったように、「子どもの教育費でなく、母親のパチンコ代に使われるのではないか」といった揚げ足取りはあり得る。

 これに対しては、「パチンコ上等!もし、パチンコ代がいけないなら、そもそもパチンコを規制すればいい。カネの使い道に、国や役人が干渉するのは余計なお節介だ」と言えばいい。

 単純な現金給付は、役人の利権になりにくいのだ。

「保育園が不足しているので、この解消にお金を使って欲しい」といった要望もあり得るが、これに対しては、「規制を緩和しますから、必要があれば民間で作って下さい」と言えばいい。

批判6:ベーシックインカムは、少額の現金給付をエサにして、福祉をめしあげようとする(新自由主義者の)陰謀だ

 手厚い年金や生活保護、あるいは労働者の権利保護などを通じて、楽に暮らしたいと思う人は、ベーシックインカムに対して、ここで挙げたような警戒感を持つことがある。もともと相手が喧嘩腰なので(特に「新自由主義」という言葉を使う人は)、派手に喧嘩したくない場合には注意を要する。

 筆者の思うに、この種の論者に対しては、先ず、ベーシックインカムが、富の再分配の必要性を認めた「優しい制度」であることを強調し、加えて、再配分の方法としては行政の裁量が絡まず、効率的であることを納得してもらおう。その上で、可能であるなら金額が大きくてもいいことを述べてみたらいい。

 実際、どのくらいの大きさのベーシックインカムが適当なのかは、負担と受給のバランスを見ながら、社会が決めて行く問題だ。

 筆者は、「国民一人、一月、5万円」くらいのベーシックインカムが適当で、これに老齢の加算(70歳以上、月3万円くらいか)、障害の際の特別給付くらいがあればいいのではないかと思っている。月5万円は、年間で約75兆円になるが、これは、現在の公的年金、生活保護、雇用保険などを合わせた給付額に、消費税数パーセント相当額程度を加えただけのものなので、財源的には十分実現可能だろう。しかも、多くの家計で、ベーシックインカムの収入と税金の支払いが相殺されるので、実質的なやりとりは見かけほど大きくない。

 受給と負担の関係をよりリアルに選択してもらうためには、ベーシックインカムの基本部分(たとえば3万円とか5万円とか)だけ国が支払い、上乗せ部分を道州制がしかれた地方が独自に決めてもいい。そのかわり、消費税は地方に財源として渡して、消費税率も地方毎に決めたらいいのではないか。

 これなら、住民が、高負担・高福祉を選ぶこともできるし、低負担・低福祉を選ぶこともできる。税率やベーシックインカムの額が不満なら、住む地域を変えることもできる。

批判7:ベーシックインカムは、日本の仕組みを壊してしまう!

 ベーシックインカムは社会保険庁や年金基金の仕事、生活保護に関わる自治体の仕事、よく言えばきめ細かな、悪くいうと複雑で裁量的な補助金の数々を、単純な現金のやりとりに置き換えてしまう。

 この効果については、橋下氏も気がついているだろうが、この効果こそがベーシックインカムの実現を難しくしている真の理由だ。決して、インセンティブや財源の問題などではない。

 既存の官僚組織は、総力を挙げてベーシックインカムの導入に対して阻止にかかるだろう。子ども手当の経緯を見ていると、官僚集団の外郭の応援団であるマスメディアも批判側に加担する公算が大きい。

 筆者は、この理由によってベーシックインカムの実現は難しいと「予想」しているが、それで全てをあきらめている訳ではない。個々の政策を、ベーシックインカムと比較しながら、評価していけばいいと考えている。

 たとえば、負の所得税(あるいは給付き税額控除)をやるというなら、これはベーシックインカム的な政策だから賛成すればいいし、そのための仕組みはもっと単純化した方がいい、と付け加えるといった具合だ。

 もちろん、民主党も自民党も国民からの信頼を失っているし、年金財政は抜本的な対策を必要としているから、ベーシックインカムそのものを導入する可能性を考えても悪くない。

 但し、その場合には、既存の官僚を相当程度置き換えることができる人的な戦力を準備した上で、改革の戦いに臨む必要があるだろうし、クビにした官僚の受け皿もある程度考える必要があるだろう。政治・行政の改革が、一面では戦いであり、別の一面では経営の問題であることを思えば、当然のことだ。それこそ、明治維新のような覚悟と戦略、戦力をもってこの戦いに臨んで欲しい。



2012/02/24(金) 23:09 | URL | ベーシックインカム #-[ 編集]
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