◆ 記事リンク    スパコンは1000億円。 効率よく技術開発を

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IT産業を救うのは「賢い消費者」だ 池田信夫の「サイバーリバタリアン」2009.12.2
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「科学技術立国」に必要なのは談合ではなく競争だ  池田信夫 2009.11.26  
               エコノMIX異論正論 コラム&ブログ  ニューズウィーク日本版
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  1200億円予算のスパコンは、大きな政府が原因 
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■ スパコンの戦艦大和 「京速計算機」     池田信夫  2007年11月23日
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  文科省の官僚が理解しないまま、業者に丸投げしていること
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■ 民主党の事業仕分け     河野 太郎 公式サイト  2009年 11月27日 
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スパコンの事業仕分けの様子の動画から、議事録にしているサイト
文科省の官僚の回答は、ただ世界1を目指したいの1点張り
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■ 理化学研究所①(次世代スーパーコンピューティング技術の推進)テキスト
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  技術開発が大切だから、有限な予算と人材を大切に国家は投資すべき
  大きな政府から、小さな政府へ。 小さな政府でも今まで以上の開発は可能。
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二つのスパコンが示す日本の二つの未来       アゴラ 2009.11.28 
■ 民主党の意図せざる革命    池田信夫      2009年11月27日
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   藤沢数希
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■ スーパーコンピュータと核兵器と私  2009年11月27日
■ 日本のスパコン開発はとても複雑で深刻な問題である  2009年11月29日
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沈没した「スパコンの戦艦大和」は再浮上するか 池田信夫の「サイバーリバタリアン」 11.25
■ スパコン保護政策がIT業界をだめにする - 池田信夫   2009年11月20日
■ 沈没した「スパコンの戦艦大和」   池田信夫      2009年11月15日
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税金と人材を浪費する「ITゼネコン」 池田信夫の「サイバーリバタリアン」2008年05月20日
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 スパコンの戦艦大和 「京速計算機」     池田信夫  2007年11月23日
■ コンピュータの「戦艦大和」はもういらない  池田信夫  2007年11月13日
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汎用京速計算機wiki (現在の内容がスパコンに批判的ということで削除される検討)
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   新聞記事
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スパコン開発で「ゴードン・ベル賞」 長崎大助教ら受賞 「国内最速」 安価で実現
                               2009年 11月 27日 西日本新聞
■ <スパコン>長崎大の浜田助教、3800万円で日本一の速度達成  
       安くても作れ、事業仕分けにも一石?
 2009年11月27日 中日新聞
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 1200億円スパコン予算擁護の読売社説の5日後に、
 3800万円で日本最速スパコンが長崎大学で開発に成功。
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■ スパコン凍結 科学技術立国の屋台骨が傾く     読売社説 2009.11.22
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   政策提言の題材 
■ 二つのスパコンが示す日本の二つの未来 - 池田信夫 のコメント欄
■ ゲーム機がスパコンになるとき - 池田信夫 blog のコメント欄









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 貴重な記事のリンク切れに備えて (自分用に)




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IT産業を救うのは「賢い消費者」だ 池田信夫の「サイバーリバタリアン」2009.12.2
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 業者に食い物にされていることに気づかない役所

 行政刷新会議の事業仕分けをきっかけとして始まったスパコン騒動で、日本の役所が1200億円もの予算をいかに無造作に使っているかが明らかになった。刷新会議の議事録には、こういうやりとりもある。

仕分け人 (NECと日立が)撤退するときに、これは1154億で18年度から24年まで開発するときに、契約を組まれていると思いますが、何らかの撤退条項というのは入れていましたか。

文科省 そのような形では入れておりませんでした。

仕分け人 そうすると、これまで国費でお渡ししていた部分は今後どうなっていくんでしょうか。

文科省 あとは損害賠償の問題と考えております。


 驚いたことに、1200億円もの業務委託契約に違約金の条項がないため、これまでNECと日立に払った数百億円の税金は、国が損害賠償訴訟を起こさないと返ってこないのだ。そういう契約がなければ、訴訟を起こしても勝てるかどうかはわからない。ここに今回のプロジェクトが官民のなれあいで決まった事情が象徴されている。

 また「アメリカのスパコンのほうが安く買えるんじゃないか」という仕分け人の質問に、文科省は「ハードウェアを作る技術と、それに相まってソフトウェアを開発する技術がカップルで動く」ので、ハードウェアをもっていないとソフトウェアも開発できないと説明した。それなら自前のハードウェア・メーカーをもっていない欧州の研究機関は、研究ができないのだろうか。

 このようにハードウェア・メーカーが談合で受注して、その機種でしか使えないカスタム・ソフトウェアで役所を囲い込み、いつまでも高価な機材やソフトウェアで食い物にするITゼネコン構造が、日本では長く続いてきた。今度の事件で初めて、1200億円という価格がいかに国際価格とかけ離れているかを知って、文科省の官僚は驚いているそうだ。他人の金だから、気楽なものである。

 消費者が賢くならないとIT産業は立ち直れない

 文科省は「世界一のスパコン」を作ることによってコンピュータ産業を振興するつもりなのだろうが、残念ながらもう手遅れだ。NECと日立が脱落したことでもわかるように、日本のコンピュータ・メーカーはもう世界に売れるような商品は作れないのだ。むしろ重要なのは、これまでのような談合を撤廃し、競争入札によって内外無差別にIT機材を調達することである。

 今までの随意契約では、役所のよく知っている大手メーカーに仕事を平等に配分するので、海外メーカーやベンチャー企業は政府調達に参加できない。このため中小のソフトウェア・メーカーは大手の下請け・孫請けになり、大手は下請けに仕事を丸投げして手数料をとるピラミッド構造が続いてきた。顧客を逃がさないためにはカスタマイズしたほうがいいので、ソフトウェアの標準化も進まず、同じようなシステムを各省庁が別々に調達する非効率な電子政府が続いてきた。


 同様の問題は、銀行や大企業でも続いている。日本はサーバ市場の出荷額の4分の1をメインフレームが占める、世界最大の「メインフレーム大国」である。その原因も官庁と同じで、銀行が同じ財閥系のコンピュータ・メーカーに発注するなどの系列関係によって、価格競争が阻害されてきたからだ。特に金融サービスはほとんどIT産業の一種であり、海外の銀行ではシステム部門の出身者が経営の中枢にいるが、日本では「文科系」のITを知らない経営者が、昔からの人間関係で関連会社に発注する傾向が強い。

 アメリカのIT産業が成長した一つの原因は、グーグルのようにコンピュータの新しい使い方を実験するベンチャーが現れ、それがハードウェアやソフトウェアの革新を促進したからだ。もはやハードウェアでは日本メーカーは世界市場で勝てないので、今後はソフトウェアとサービスで生き残るしかない。そのために必要なのは、役所が高価な国産機を買い上げることではなく、競争を促進して賢い消費者として革新的な使い方を開発することである。




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「科学技術立国」に必要なのは談合ではなく競争だ  池田信夫 2009.11.26  
               エコノMIX異論正論 コラム&ブログ  ニューズウィーク日本版
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行政刷新会議の事業仕分けで、事実上の凍結と判定された次世代スーパーコンピュータをめぐって、ノーベル賞受賞者らが緊急声明を出すなど、大論争が巻き起こっている。特にスパコンを調達した理化学研究所の野依良治理事長は、テレビのワイドショーにまで出演して「このままでは日本の科学技術は滅びる」などと危機感を訴えている。

 しかし冷静に考えてほしい。事業仕分けで問われたのは、スパコンという技術であって、科学を研究するという理研の目的が否定されたわけではない。野依氏もご存じの通り、科学技術の世界に国境はない。彼自身も、激しい国際競争を戦い抜いて業績を上げたのだろう。コンピュータ業界も同じで、競争のないところに進歩はない。

 くわしくは別のコラムで書いたが、今回のスパコンの1200億円という価格は、国際価格の4倍以上という非常識なもので、しかも一般競争入札にかけないで随意契約で国内メーカー3社に発注された。国際競争したら負けるから談合で国産メーカーに発注するというのは、科学技術の原則に反するのではないか。

 ノーベル賞を受賞した科学者は、その専門分野では第一人者だろうが、政策評価の専門家ではない。彼らが今回の事業仕分けに反対するなら、「科学技術立国」などという総論を繰り返すのではなく、行政刷新会議の論点整理で示された次のような指摘に具体的に答えるべきだ。

■本件は、共同開発民間3社のうち2社が本年5月に撤退を表明し、当初計画から大幅なシステム構成の変更を強いられており、見通しが不透明ではないか。こうした状況の下、プロジェクトを強行しても、当初の目標を達成することは困難ではないか

■一旦、着手してしまえば、多大な国費投入が必要となることから、リスクが少しでも残るのであれば、プロジェクトを凍結し、戦略を練り直すべきではないか


 おそらく野依氏自身は、純粋な気持ちで日本の科学技術の将来を憂えているのだろう。彼の専門は有機化学だからIT業界の事情はご存じないと思うが、日本の「ITゼネコン」と呼ばれるコンピュータ・メーカーは、世界市場では完全な「負け組」である。その理由も、建設のゼネコンと同じだ。談合で役所を食い物にしてもうけるビジネスに慣れてしまったおかげで、海外には売れない商品しか作れなくなったのだ。科学と同様、技術の世界にも必要なのは、政府の保護ではなくフェアな競争である。

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■ 民主党の事業仕分け        河野太郎公式サイト  2009年11月27日 

 民主党の事業仕分けを見に行く。

正直、うらやましい。
河野チームが去年からやった事業仕分けは、自民党の中では反乱軍のように扱われた。国立マンガ喫茶や酒類総研のように我々が廃止を打ち出したものに平気で予算がつけられた。

我々の事業仕分けはテレビタックルを始めいくつかの番組が取り上げてくれたが、今回のように朝から晩までほとんどのチャンネルで延々と取り上げてくれはしなかった。
ちょっと、うらやましい。(いや、だいぶかな)

我々の事業仕分けがこれだけメディアに取り上げられていたら、亀井や越智、木原に石原、福田、鈴木なども当選してきただろう。
選挙が近いあの時期に、あれだけ時間と労力を使って頑張ってくれたのに、申し訳ない。
われわれが廃止といった事業に概算要求で予算がつけられ、それがまた、今回のこの事業仕分けで廃止とされている。
スカッとするようなしないような複雑な気持ちだ。もう少し、我々の主張が通っていれば、自民党のイメージも変わっていたはずなのに。

今回の事業仕分けがどこまで予算に反映されるか、お手並み拝見。
ただ、正規軍で事業仕分けができるのに、総額がすくない。埋蔵金は別にして、やっぱり二兆円、三兆円を切らないと。
そこは見ていて甘い。国土交通省の道路局をテーブルに載せて、すぱっと廃止するぐらいの仕分けをしないと。

ちなみに、ノーベル賞受賞者が総理に陳情に行かれたが、やや、論点がずれている。

科学技術を大事だと思わない仕分け人はいなかっただろう。
しかし、科学技術が大切だから、何でもかんでも予算をつけろというわけにはいかない。科学技術が大切だからこそ、予算を有効に使うべきだ。

たとえばスパコン。
スパコンのシミュレーション能力が、様々な分野での国際競争力に直結しているのは事実だ。 だからスパコンの開発が大切だというのは理解できる。

では、世界で一番速いスパコンと二番目に速いスパコンでどの程度の差があるのか。競争力にどれだけの開きが出るのか。開発費用がどのくらい違うのか。 
文科省は全く説明ができない。


どれだけのスペックのものを作れば、その後、どれくらいの期間、どうなるのかという説明もない。開発しようとしているスペックの妥当性について、説明は何もない。
諸外国のプロジェクトと比べてコストがどうなのかという説明もできない。


文科省の計画では、次世代のスパコンは、ベクトル型とスカラー型の複合システムとして開発するという方針の下、ベクトル型のNEC・日立とスカラー型の富士通の三者が開発に取り組んできた。しかし、途中でNECと日立が離脱し、富士通のみが開発を担当することになった。

ベクトル型とスカラー型の複合システムが良いといった最初の計画は、何だったのか。スカラー型でよいならば、なぜ最初からそうしなかったのか。
こうした指摘にも文科省は答えていない。


莫大な予算をかけてスパコンを開発するというならば、ある程度、世の中の質問に文科省は答えなければならないはずだ。

質問に答える反射能力が問われているようだと言った科学者がいたが、とんでもない。
スパコンのこうした疑問は去年から出されている話だ。


科学技術は大切だという大項目で話をしているノーベル賞受賞者と一つ一つの事業を見て、その事業にかけられているコストが適正かどうか、コストの理由が明確になっているかどうかを検証している仕分け人と、論点が違っている。

スパコンにしても、GXロケットにしても安易に予算を戻してはいけない。

事業仕分けの有効性がこれだけ知れ渡ったのだから、国会の予算委員会で、一つ一つの事業を取り上げて、それぞれの事業の予算の議論をするべきだ。

予算委員会でスキャンダルの話をしたり、つまらない演説を延々とされたりするよりも、省庁別の分科会にして、事業仕分けをやっていくべきだと思う。
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■ 二つのスパコンが示す日本の二つの未来  池田信夫  2009年11月28日 アゴラ

今回のスパコン騒動は、日本のIT産業が――そして日本経済が――なぜだめになったのかを明らかにするいい機会です。ちょうど長崎大学で、3800万円で国内最高速のスパコンができたというニュースが出てきたので、この二つのスパコンを比べてみましょう。

理研のスパコンは、もともと地球シミュレータの後継機として構想され、ベクトル型でつくられる予定でした。プロジェクトリーダーに地球シミュレータを開発したNECの社員が「天上がり」したのも、当初はNEC1社の随意契約でやるためでした。ところが、この方針には「手続きが不透明だ」「防衛庁で問題を起こしたNECに随契で発注するのはおかしい」といった批判が出て、富士通と日立を入れることになりました。

ベクトル型とスカラー型の「ハイブリッド」という世界に類をみない奇妙な設計方針も、こうしたITゼネコン間の妥協策として出てきたもので、技術的な必然性はありません。私が2007年にこれを取り上げたときも、すでに「ベクトル型は時代遅れだ」という批判が強かった。案の定、今年になってNECと日立が脱落しました。

国家プロジェクトの途中で、請け負ったベンダーが降りるというのはきわめて異例の事態であり、これは計画が破綻したことを示しています。もともと「おまけ」だったスカラー型だけで、10PFLOPSという富士通の最高速機の100倍の性能を出せるかどうかは疑わしい。それなのに、文科省は「審議会では仕様変更で同じ結果が得られると承認された」という理由で、予算を逆に1230億円に増額し、計画を2012年に延期して強行しようとしました。そこで財務省が「これはおかしい」と感じて、事業仕分けに出してきたわけです。

これに対して、長崎大の浜田剛助教の開発したスパコンは、ゲーム機に使われる市販の画像処理装置(GPU)を380個並列して158TFLOPSを実現し、IEEEのゴードン・ベル賞を共同受賞しました。TFLOPS単価(コストを計算速度で割った数値)は24万円。同じ効率で理研と同じ 10PFLOPS機をつくれば、24億円でできることになります。もちろん長崎大のシステムは理研のような汎用機ではないので単純には比較できませんが、その50倍の1200億円という価格が非常識であることは明らかです。

理研のスパコンが有害な最大の原因は 価格が高いことではなく、こういう袋小路の技術に多数の優秀なエンジニアを閉じ込めることです。 80年代に通産省が「メインフレームの次はスパコンや人工知能だ」と信じて、こうした大艦巨砲型コンピュータに巨額の国費を投入したとき、コンピュータの主流はPCに移っており、日本はその波に10年以上も乗り遅れました。コンピュータ・メーカーの第一線のエンジニアが大艦巨砲プロジェクトに投入され、「おもちゃ」と見られていたPCの開発に真剣に取り組まなかったからです。

この立ち後れがその後も尾を引き、今では日本のコンピュータ産業は台湾やシンガポールにも及ばない。NECや日立が降りたのも、こういう時代遅れのコンピュータの開発にエンジニアを投入していては、経営が危うくなると考えたからでしょう。残った富士通が世界のどこにも売れる見込みのない高価なスパコンを開発することは、税金ばかりでなく人材の浪費であり、すでに瀕死の状態になっている日本のコンピュータ産業に、致命的な打撃を与えるでしょう。

政府が「科学技術立国」をめざすなら、重要なのは理研のような恐竜型システムを延命することではなく、長崎大のような破壊的イノベーションを生み出すことです。

そのために必要なのは、ITゼネコンに代表される日本の古い産業構造を壊し、新しい企業が未知の技術に挑戦できる環境をつくることです。そのためにも事業仕分けの結論のように、理研のスパコン計画は、いったん立ち止まって根本的に考え直すべきです。



 
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■ 民主党の意図せざる革命    池田信夫      2009年11月27日

先日の「事業仕分けという人民裁判」という記事に対して、民主党関係者から「誤解があるようなので、現場を見ていただきたい」という申し入れがあった。せっかくのお招きなので、きょう3セッション見学した。

結論からいうと、「人民裁判」は言い過ぎだった。実際の事業仕分けは、むしろ退屈なぐらい淡々と質疑応答が行なわれ、仕分け人も遠慮がちな人が多い。特に国税庁のKSK(国税総合管理システム)についての追及は甘かった。これは佐々木俊尚氏も書いているように、税務署間の単なる連絡網に4000億円も費やし、年間600億円の維持費がかかる怪物的なプロジェクトだ。

KSKの元請けになっているのは、文祥堂という文房具屋。これは日本IBMのダミーで、そこに国内のITゼネコンが後から加わって6社のジョイントベンチャーになり、建て増しに建て増しを重ねて、建屋を担当している国交省も「誰にも全容のわからないお化け屋敷」という状態だ。これを「オープン化」するのに68億円使うというのが財務省の要求だが、これはまた建屋を一つ増やすだけだ。68億円もあれば、KSKを廃止してウェブベースのシステムが構築できる。

それなのに、結論は「10%縮減」だった。仕分け人からは「文祥堂とは何か?文房具屋にシステム開発ができるのか?」という質問も出たが、財務省はごまかして逃げ切った。配布された資料の「論点整理」も、他省庁の予算には突っ込みどころが書いてあるのに、財務省の資料は要求側とほとんど同じ。当たり前だ。財務省が要求側なのだから。

ただ最大の収穫は、次世代スパコンの凍結である。
始まって2年以上たち、建屋もできたプロジェクトを「見直す」という結論が出たことは画期的だ。国内最高速のスパコンが3800万円でできる時代に、それと大差ないマシンに1200億円もの税金を投入することは正当化できない。

きのうはノーベル賞受賞者6人が首相官邸を訪れて抗議したそうだが、小柴昌俊氏は「科学予算のうち、科学者に来るのは1割ぐらいしかない」と訴えたという。残りの9割を天下り官僚とITゼネコンなどの業者が山分けしている構造に気づかないで、「科学技術立国」などというスローガンを振りかざしても、納税者を説得することはできない。

「民主党は財務省の振り付けで踊っているだけだ」という批判も(私を含めて)多いが、民主党も財務省の力を利用している。行政刷新会議が財務省に招集をかけたら、全主計官が官邸に集まったという。これは霞ヶ関では前代未聞の出来事で、主計官が他省庁を呼びつけることはあっても、その逆はかつてなかったそうだ。日本郵政の人事などと結びつけて「小沢=財務省支配」などという向きもあるが、これはもはや神話化した「小沢史観」だと事務局は一笑に付していた。

民主党もすべての官庁を敵に回すわけにはいかないので、歳出削減という目的を共有する財務省と共闘するのは、戦術的には当然だ。今のところ両者の利害は一致しているが、今回は除外された特別会計に仕分けが及ぶと、対立が表面化する可能性もある。加藤秀樹事務局長もいうように、今回の事業仕分けはスケジュールに余裕のない状態で行なわれた変則的なもので、来年度は概算要求の段階でもう少し戦略的な予算編成が行なわれるだろう。

最大のショックを受けたのは、予算を説明する官僚だったようだ。これまでは主計官との人間関係や省庁間の「貸し借り」で押し切れた話が、まったくそういう仕組みが使えなくなり、プレゼンテーションですべてが判断される。横で見ていると、農水省の官僚が「農業情報化システム」を説明しているときなどは、自分で「これは落とされるだろうな」と思っているのがわかる。原田泰氏が「地図データベースなんてGoogle Earthでもできるんじゃないんですか?」と質問したら、農水省の担当者は何も答えられなかった。

事業仕分けについてのもっとも的確なコメントは、Tobias Harrisのブログ記事だ。彼もいうように、国家予算の査定をすべて国民に公開するというのは世界初で、ほとんど革命的な出来事である。取材に来た海外のメディアも、みんな驚いていたという。もちろんこれは人民裁判になって感情に流されるリスクもあるが、スパコンのように過去のサンクコストを考えないで合理的な判断ができるメリットもある。

民主党がそういう明確な戦略をもっていたとは思えないが、この開かれた政府は、オバマ政権を上回る過激なものだ。それは外務省の核持ち込みや沖縄返還をめぐる「密約」にも適用され、記者クラブの廃止につながるのが当然だ。日本の国民が政治に対してシニカルになっている大きな原因は、その手続きの不透明性による疑心暗鬼だから、各省の審議会なども徹底して公開するという民主党の方針は、意外に大きな変化を日本の政治にもたらすかもしれない。



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沈没した「スパコンの戦艦大和」は再浮上するか 池田信夫の「サイバーリバタリアン」 11.25

 国家戦略なき事業仕分けの迷走

 理化学研究所で建設が進められている次世代スーパーコンピュータの予算が、行政刷新会議の事業仕分けで「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」と査定された。これに対して科学者から反対の声が上がり、菅直人副総理(国家戦略担当)や仙谷由人行政刷新相も見直しを示唆している。しかし予算を切れば、利害関係者から反発が出るのは当たり前だ。それによって白紙に戻るようでは、何のための事業仕分けだったのか。

間違いの始まりは、8月30日に総選挙で民主党が政権を取った翌日に、各省庁から概算要求が提出されたことだ。例年はここから査定が始まるが、鳩山内閣は「政治主導」を演出しようと、各省庁に出し直しを求めた。このため概算要求の改訂版が出てきたのは10月16日だったが、その総額は約95兆円。今年度の当初予算88兆5000億円に、民主党の子ども手当などの政策経費7兆円をそっくり上乗せしただけで、それ以外の予算はまったく減っていなかった。

 これをせめて92兆円に減らそうと、ドタバタの事業仕分けが始まった。1件1時間の駆け足で、問題の次世代スパコンの予算も「世界一になる必要はあるのか」という「仕分け人」の追及で、事実上の凍結が決まった。本来なら科学技術政策をどうするかという国家戦略を決め、その上で個別のプロジェクトへの予算配分を考えるべきなのに、まず戦術レベルの予算カットを行なってから、それを国家戦略担当相がひっくり返すのは順序が逆だ。

 もともと1150億円という世界最高の価格が(随意契約で)決まったのは、高価なベクトルプロセッサを使うためだった。ところが当初の3社共同事業から、NECと日立が脱落してベクトル型がなくなり、富士通のスカラ型の部分だけ残った。これは汎用CPU(中央演算装置)を多数つなぐだけなのでコストは下がるはずだが、どういうわけか完成が2012年に延期されて予算は1230億円に増額された。これは今、世界でもっとも高価なスパコンが1億ドル(90億円)程度なのに比べて格段に高い。

 しかもこれだけ大きな設計変更で「片翼飛行」になったのに、理研は「性能に影響はない」という。それなら当初の「ベクトル型が不可欠」という説明は嘘だったのか。これは世界一という「国威発揚」のために無意味な「巨大戦艦」に税金をつぎこんで、ITゼネコンを救済するプロジェクトではないのか。本来の国家戦略に立ち返って、スパコンの必要性を再検討すべきだ。

 目的と手段を取り違えるな

事業仕分けの結論に対して、計算基礎科学コンソーシアムという科学者グループや、国立大学の理学部長も反対を表明した。コンソーシアムの「緊急声明」は次のように訴えている:

スーパーコンピュータは現代の科学技術全体において主要な位置を占める。半導体技術は、通信・物流・医療など国民生活のあらゆる場面で役立っているのは周知のことだが、その基盤にあるのはスーパーコンピュータなどで用いられる最先端の技術であり、それは数年後には広く社会で応用される。[中略]実験や観測で調べることのできない領域を探索するための唯一の方法はスーパーコンピュータを使ったシミュレーションであり、国際的にもこのような認識のもとでスーパーコンピュータの整備強化が進められている。


 ここではスパコンは半導体技術を進歩させるための技術開発なのか、それとも科学的なシミュレーションを行なう学術研究の手段なのかという位置づけが曖昧なまま、理研が両方やると想定されている。理研は、その名称からも明らかなように物理学や化学を研究する組織であり、コンピュータを開発するメーカーではない。実態としても技術開発は富士通に丸投げで、理研が行なうわけではない。どういう研究のために世界最高速が不可欠なのかという具体的な研究目的も不明だ。

 終戦直後のように実験装置がまったくない時代には、サイクロトロンのような装置を理研が開発することが研究の一環だったかもしれない。しかし今日のスカラ型スパコンは、能澤徹氏も指摘するように「スパコンの技術が民生用に応用される」のではなく、その逆に民生用のCPUをつないだものだ。そのCPUもサンマイクロシステムズのSPARC64であり、「日の丸技術」でさえない。

 科学の世界では「世界初」の発見には意味があるが、「世界最大のコンピュータ」には意味がない。欧州にはスパコンメーカーはほとんどないが、 CERN(欧州原子核研究機関)などの研究施設は学術的に大きな成果をあげている。
理研は研究の目的を明確にし、そのために必要最小限の性能のコンピュータを調達する国際入札をやり直すべきだ。科学者も、国民の税金を使っているという自覚をもってほしい。

 超高コストの国産スパコン

要するに京速計算機は、「世界一速いコンピュータ」の座を奪回したいという国威発揚のために、2006~2012年の7年間で1150億円という巨費を投じて作られるのだ。

現在、世界の高速コンピュータのトップであるIBMの「Blue Gene/L」の開発費用は1億ドル(約100億円)なので、京速計算機のコストは桁違いに高い。しかも来年にはペタフロップス機が海外で3機、稼動する予定だが、いずれもコストは数千万ドルだ。その100倍近いコストをかける京速計算機は、完成した時点ではベスト10にも入らないだろう。

 このように性能対価格比が大きく違う原因のひとつは、スパコンの仕組みが違うことにある。世界のほとんどのスパコンが、PCにも使われている低価格の汎用CPUを数多くつないで並列に計算するスカラー型なのに対して、日本のスパコンでは高価な専用のベクトル型CPUを採用しているものが目立つ(京速計算機はベクトルとスカラーの複合型)。スパコンの専門家である牧野淳一郎氏も「これからCPUを開発していては目標を達成するのは不可能だ」と指摘している。

 「大艦巨砲コンピュータ」が日本のIT産業を滅ぼす

 この京速計算機は、1000億円を超えるプロジェクトなのに、随意契約でNEC、富士通、日立の3社が共同受注した。スパコンは国際競争入札を行なうのが常識であり、そうすれば国産より2桁安い海外メーカーが落札しただろう。この非常識なコストを負担するのは納税者である。

 さらに驚くのは、発注した理化学研究所のプロジェクトリーダーが、NECから「天上がり」した人物だということだ。自分の出身企業から調達するのだから、なるべく高値で発注するだろう。これは明白な利益相反だが、スパコンの目的は「科学技術」と美しく、その中身も素人には分からないのでメディアも問題にしない。

 ITゼネコンの弊害は、建設ゼネコンよりずっと大きい。建設業の生産性が落ちても日本経済に大した影響はないが、情報産業の国際競争力を高めることは政府も最優先の課題としている。世界的に見ると、多くの汎用CPUで分散型の計算を行なうクラウド・コンピューティングの研究が、グーグルなどで始まっている。今どき時代錯誤の「大艦巨砲コンピュータ」に多くの優秀なエンジニアを投入することは、IT産業をミスリードし、税金よりもはるかに重大な人材の浪費になるだろう。






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税金と人材を浪費する「ITゼネコン」 池田信夫の「サイバーリバタリアン」2008年05月20日

道路財源をめぐるドタバタは、再可決で一応、決着したが、公共事業の中身やゼネコンの談合がいかにひどいものであるかは、もはや国民の常識だろう。ところが情報産業にも、ITゼネコンがはびこっていることは意外に知られていない。

先週、独立行政法人 海洋科学研究開発機構は、同研究所が運用中のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」の更新にあたって一般競争入札を行ない、NECが約190億円で落札したと公表した(関連リンク1)。しかし、この入札にはNEC1社しか応札していない。入札条件が「既存のアプリケーションが平均2倍以上の速さで作動する」など、NECのマシンでしか実現できない仕様になっていたからだ。

 関係者の話によれば、この仕様書を書いたのは、地球シミュレータを運用しているNECの社員だという。入札の仕様を応札業者に書かせたら、自社が落札しやすい仕様にするのは当然だ。政府のIT調達には、このように最初から落札者が決まっている「偽装入札」が多い。それは役所の担当者にITの知識がなく、仕様を業者に書かせているのが原因だ。

 もう使命は終わったはずなのに……

 地球シミュレータの主要な目的だった気候変動のシミュレーションは終わり、政府の独立行政法人整理合理化計画でも「地球シミュレータの今後の更新に当たっては、主として海洋地球科学分野における研究ニーズに必要な性能を維持するのみにとどめる」と、その使命は終わったことが明言されている(関連リンク2の17ページ目)。

 そのため、地球シミュレータの次世代機として、汎用京速計算機と呼ばれる新しいスパコンを兵庫県に建設することになった。これは2010年に完成し、計画では10ペタフロップス(毎秒10京回の演算性能)という世界最高速の性能を実現する予定だ。したがって常識的には、海洋研のチームも京速計算機を使えば、研究の能率も上がるはずだ。

 それなのに、海洋研でわざわざ京速計算機より2桁も遅い130テラフロップス(毎秒130兆回の演算性能)のマシンを調達するものだから、京速計算機は何に使うのか分からなくなった。これについては政府の総合科学技術会議も「期待される成果目標や、実現のために計算機システムに要求される機能、性能等が明瞭でない」と指摘している。


 

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■ スパコン保護政策がIT業界をだめにする - 池田信夫   2009年11月20日

読者に誤解を与えるといけないのでお断りしておくと、きのう西さんと私は論争したわけではなく、基本的な意見は一致しました。私がブログ記事で問題にしたのは、スパコン自体の是非ではなく、その調達方法です。早い話が、もし国際入札で富士通のスパコンが選ばれていれば、何の問題もない。ところが西さんの説明でも、富士通の設計(SPARC64の超並列化)では300億円以下のコストしかかからない。それがなぜ1230億円になるのか。ここが問題です。

先週発表されたスパコンのTOP500では、クレイの「ジャガーXT5」が第1位になりましたが、その性能は1.7PFLOPSで価格は1990万ドル(約18億円)。これはアップグレードなので、総コストは50億円程度と推定されます。ここからTFLOPS単価を計算すると、300万円程度。10PFLOPS機なら300億円以下で調達できるはずです。

このスパコンの話題は、きのうの慶応のシンポジウムでも出て、佐々木俊尚さんは 「役所がITゼネコンに食い物にされている」と批判し、岸博幸さんも 「役所の担当者がものを知らないからぼったくられる」 と言っていました。 私が批判したのも、メーカーの社員が理研のプロジェクトリーダーになって自社の製品を調達する、明白な利益相反です。 これは民間企業でも許されない。

このように無知な官僚に業者が食い込み、随意契約で暴利をむさぼるITゼネコン構造が政官業の癒着を生み、結果的には佐々木さんもいうように、日本のITの国際競争力をだめにしたのです。 きのうも西さんと一緒に話を聞いた日本の通信学界の大御所の言葉によれば、日本のITは「産学ともに壊滅状態」です。 これは日本経済が今後、立ち直る上でも深刻な問題で、日本にはもうリーディング産業がないのです。

ところが民主党政権の出してくる政策は、返済猶予法案のような温情主義ばかり。 このように特定の業者を税金で救済したり育成したりする政策が、結果的には ITゼネコンのような「甘え」を生んで企業をだめにするということがわかっていない。 きのうのシンポジウムでも、出席者全員の意見が一致したのは、「国産品調達」とか「日の丸技術育成」などの裁量的なターゲティング政策はやめるべきだということでした。

かつて日本のスパコンは、アメリカよりも性能がいいにもかかわらず米政府の入札から「国防上の理由」とやらで排除されました。 そうして保護されたクレイ社は経営が破綻し、SGIに買収されました(現在のクレイ社はその後、売却されたもの)。政府の保護によって産業を育成することはできないしイノベーションも生まれないことは、スパコンの歴史が証明しているのです。

私は、スパコンそのものに反対しているわけではない。 理研の研究に必要なら、国際入札をやり直し、同じスペックでIBMやクレイと競争すればよいのです。 富士通に国際競争力があれば、300億円以下で落札できるでしょう。 そうして世界に通用するコストで製品開発できない限り、日本のIT産業に未来はない。


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 沈没した「スパコンの戦艦大和」   池田信夫      2009年11月15日

私が2年前の記事(スパコンの戦艦大和「京速計算機」)で「スパコンの戦艦大和」と批判した京速計算機が、行政刷新会議の事業仕分けで事実上の打ち切りが決まった。これに対して理研の野依所長は「スパコンなしで科学技術創造立国はありえない」と憤慨していたそうだが、これは筋違いである。問題点は4つある。

* 予定した性能が実現できるのか
事業仕分けでは「世界一に意味があるのか」という疑問が出たというが、そもそも京速は世界一になるかどうかが疑わしい。今年6月のTop500リストのトップは、IBMのRoadrunnerの1.1PFLOPS。NECと日立が脱落して設計が根本的に変更され、110TFLOPSの実績しかない富士通が単独で設計をやり直して、その100倍の性能が2年で実現できるとは思えない。

* スパコンは道具にすぎない
理研で行なうのは学問研究であって、コンピュータ開発ではない。ハードウェアは道具にすぎないのだから、国際入札でもっとも低価格の機材を導入するのが世界の常識だ。たとえば韓国の気象庁は今年、クレイの600TFLOPS機を4000万ドル(約36億円)で導入した。これに対して、京速が予定どおりの性能を実現したとしても、そのコストは1230億円。TFLOPS単価は、クレイの600万円に対して京速は1230万円で、ムーアの法則で割り引くと4倍だ。

* 調達に談合の疑いがある
理研の京速プロジェクトリーダーである渡辺貞氏は、元NECの社員。ITゼネコンの元社員が随意契約で外資を排除し、自社を含む3社に共同発注したことは、談合の疑いがある。官公庁では、1000億円を超える調達を随契で行なうことは許されないが、このルールを理研というダミーを使って逃れたのではないか。これはITゼネコンがよく使う手口で、デジタルニューディールで富士通が国際大学GLOCOMをダミーに使ったのと同じだ。

* 「日の丸技術」の開発には意味がない
スパコンというのは、きわめて特殊な科学技術用コンピュータであり、世界で年間数十台しか売れないものだ。富士通がクレイの4倍以上のコストのスパコンを開発しても、世界市場では売れない。日本の大学でも中規模のスパコンをリースで利用するのが常識であり、このような「日の丸技術」の開発にはビジネス的な意味もない。

以上のような問題点は、
財務省の作成した行政刷新会議の資料でも指摘されている。

幸か不幸か、建物はもうできてしまったので、中身は汎用のデータセンターにすればよい。国際入札をやり直せば、実用的な性能は100億円以内で実現できるだろう。その差額の1100億円を研究やソフトウェア開発にかけるほうが、理研にとっても効率的である。




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■ スパコンの戦艦大和 「京速計算機」  池田信夫   2007年11月23日

先日(コンピュータの「戦艦大和」はもういらない)の記事で、地球シミュレータの次のスーパーコンピュータについて疑問を呈したところ、100以上のコメントがつき、関係者からも情報が寄せられた。こうした情報から考えると、この「京速計算機」というのは、悪評高い「日の丸検索エンジン」を上回る、まさに戦艦大和級のプロジェクトのようだ。

そもそも、このプロジェクトの発端は、地球シミュレータの年間維持費が50億円と、あまりにも効率が悪く、研究所側が「50億円もあったら、スカラー型の新しいスパコンができる」という検討を始めたため、ITゼネコンがあわてて次世代機の提案を持ち込んだことらしい。事実、最近のスパコンと地球シミュレータの性能価格比は、次のように桁違いだ:

 名称        完成年  最高計算速度(TFlops) 建設費($) TFlops単価($) 
TACC Ranger    2007   504           300万     6万
IBM Blue Gene/L  2004   360            1億      28万

日本の
Earth Simulator   2002   36            5.5億     1500万



もちろんCPUの性能は、ムーアの法則で3年に4倍になるので、完成年の差は勘案しなければならないが、地球シミュレータのコストを1/5に割り引いても、TFlops単価は300万ドルと、アメリカの最新機の50倍以上である。総工費1150億円で建設される予定の京速計算機は、10PFlopsをめざしているというが、かりにそれが2010年に実現したとしても、逆にムーアの法則で割り引くと420万ドル/TF、最新機の70倍以上だ。おまけに開発期間が長すぎるので、2010年に計画どおり完成したとしても、性能は他のスパコンに負けている可能性が高い。もっとも「ベンチマークテストで世界一を取り返す」などというのは、プロジェクトの目的としてナンセンスだが。

このようにコスト・パフォーマンスが大きく違う最大の原因は、アメリカのスパコンがAMDのOpteronやIBMのPowerPCなど、普通のPCに使われるスカラー型CPUを多数つないで並列計算機を実現しているのに対して、日本が特別製のベクトル型プロセッサを新規開発するからだ。ベクトル型のスパコンを生産している国は、日本以外にほとんどない。スパコンGRAPEを開発した牧野淳一郎氏も指摘するように、ベクトル型の寿命は20年前に終わっているのだ。

しかもこの1150億円というのは、現段階の建設費だけの見積もりにすぎない。能沢徹氏によれば、建屋は3階建で総床面積は地球シミュレータの3.5倍程度、2000台近くのラックの消費電力は40MWで、年間維持管理費は80億円強。建設予定地には関電の専用発電所の建設まで決まったというから、総経費はさらに莫大になる。文科省の専門評価調査会のフォローアップでも、次のような疑問が指摘されている(強調は引用者):

* 本プロジェクトで提案されているグランドチャレンジとして示されたアプリケーションは、絞込みが必ずしも十分でなく、そこで期待される成果目標や、実現のために計算機システムに要求される機能、性能等、明瞭でない部分がある。
* 本計算機の目標性能も0.5ペタFLOPS(フロップス)と低いことから、国家プロジェクトとしてベクトル計算機の開発に本格的に着手する必要性が必ずしも明確となっていない。
* 計算科学技術におけるテーマの規模やサイズはさまざまであり、すべてが京速計算機を必要とするわけではないことから、大規模、中規模計算機を重層的に各地に展開すべきと考えられる。



所管官庁の評価委員会が、進行中のプロジェクトについてこのように否定的な評価を行なうのは異例だが、これ以外にもっと深刻な問題点がある。それは、このように巨額のプロジェクトが随意契約でITゼネコン3社の共同受注となり、上に指摘されるように「何を計算するのか」という目的がないまま、1150億円というハコモノの予算だけが決まったことだ(*)。建設地をめぐっては、各地の自治体が誘致合戦を行なったが、最終的には神戸のポートアイランドに決まった。ここは交通の要衝であり、スパコンのような交通の便の必要ない施設が立地するのはおかしいという声が地元でもあったが、埋め立て地があいて困っている地元の政治家とゼネコンの運動で決まったという。

要するに、これはスパコンの名を借りた公共事業であり、世界市場で敗退したITゼネコンが税金を食い物にして生き延びるためのプロジェクトなのだ。米政府がスパコンを国家プロジェクトでつくるのは、軍事用だから当然である(Blue Gene/Lの目的は核実験のシミュレーション)。調査会も指摘するように、京速計算機で目的としてあげられているような一般的な科学技術計算に国費を投じる意味はない。
むしろ東工大のTSUBAME(わずか20億円で、性能は地球シミュレータを上回った)のように、各研究機関がその目的にあわせて中規模の並列計算機を借りればよいのである。

最大の問題は、税金の無駄づかいよりも、ただでさえ経営の悪化している日本のITゼネコンが、こういう時代錯誤の大艦巨砲プロジェクトに莫大な人的・物的資源を投じることによって、世界の市場から決定的に取り残されることだ。1980年代のPC革命の中で、通産省が「第5世代コンピュータ」などの大規模プロジェクトに巨費を投じた結果、日本のIT産業を壊滅させた失敗を、今度は文科省が繰り返そうというのだろうか。

(*)しかも発注する理研のプロジェクトリーダーは、受注したNECから「天上がり」した人物だ。これは明白な利益相反であり、通常の政府調達では認められない。

追記:牧野氏が、京速計算機についてきびしい評価をしている。「 2010年度末には大体のシステムを完成させる、ということになっています。プロセッサから新しく作るのであるとまあ 5年はかかりますから、これは、既に時間が足りない、ということを意味しています」。つまり「新たにCPUから作る」という計画が、ムーアの法則を無視した愚かな発想なのだ。私は来月、アスキー新書で『過剰と破壊の経済学:「ムーアの法則」で何が変わるのか?』という本を出す予定である(ドサクサにまぎれて宣伝)。



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■ コンピュータの「戦艦大和」はもういらない  池田信夫  2007年11月13日

文科省のスーパーコンピュータ、「地球シミュレータ」が、来年度(2008年)で運用停止するそうだ。年間50億円も保守経費がかかるためだという。『未来を予測する技術』で佐藤センター長が自慢するように、かつては世界最高速を誇ったスパコンも、今年の世界ランキングでは30位。日本でも、東工大のTSUBAMEに抜かれたが、600億円という建設費はいまだに世界記録だ。

世界的には、TSUBAMEのようにPC用の汎用CPUを並列につないだグリッド・コンピューティングが常識で、地球シミュレータのようなベクトル・プロセッサを使った「大艦巨砲」型のスパコンは、もうつくられていない。ところが文科省は、1150億円もかけて次世代のスパコンを建設する計画で、もう予定地まで決まっているという。

野依良治・理化学研究所長は「国際競争に負けてはならない」などと技術ナショナリズムをあおっているが、問題は何のために計算するのかという目的であり、そのためのソフトウェアの開発である。目的さえ決まれば、汎用CPUをつなげば速度はいくらでも上がる。研究の目的を抜きにして、計算速度だけを競うのは意味がない。時代錯誤の「戦艦大和」をこれ以上つくるのはやめてほしい。

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  汎用CPUをつなげば速度はいくらでも上がる。
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■ アメリカ空軍、軍用のスーパーコンピューターを作るためにPS3を2200台発注へ
           GIGAZINE      2009年11月24日 
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スパコン開発で「ゴードン・ベル賞」 長崎大助教ら受賞 「国内最速」 安価で実現 
                                 2009年 11月 27日 西日本新聞
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汎用京速計算機wiki (現在の内容がスパコンに批判的ということで削除される検討)
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汎用京速計算機(はんようけいそくけいさんき)とは、文部科学省(理化学研究所次世代高速コンピュータ開発本部)の主導で産官学によって進められている国家プロジェクト「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」にて開発される次世代スーパーコンピュータシステムの名称である。理論演算性能10ペタフロップス(毎秒1京回の浮動小数点数演算を行う)を目標に開発が進められており、2012年に運用を開始する予定である。他の世界トップランクのスパコン建設費用とは桁違いの巨額の約1150億円(TOP500で現在世界2位のRoadrunnerでも118億円程度)の予算が投じられてスパコン世界ランク1位を目指す予定[1]である。

目的 [編集]

プロジェクトの最大の目的は、数値風洞、CP-PACS、地球シミュレータに続いての「NLS (National Leadership Supercomputer)となる計算機の構築による次世代技術の習得」および「プロジェクトを通じた計算科学分野の人材育成」である。

またこのプロジェクトでは、過去の国家プロジェクトの反省点を踏まえ、より実効性の高い研究開発を目指している。主な反省点としては以下が挙げられる。

* システムは構築されたが、想定以下の利用者しかいなかった
* システムを作りっぱなしでアプリケーションを計画していなかった
* プロジェクトの意義自体に大きな矛盾を抱え込んでいた(第五世代コンピュータ計画)
* 利権の絡むハードウェア選定や箱物行政に終わってしまった(Σプロジェクト)
* 新産業の創出につながらなかった(Σプロジェクト、第五世代コンピュータ計画)



批判 [編集]

GRAPEなどの科学計算専用計算機で有名な牧野淳一郎国立天文台教授から「メモリバンド幅やネットワーク性能とか色々考えても、高々 10Pflopsに1100億は2012年の数字としては高価にすぎる」「性能当りで(コストが)高い、ということが日本の計算科学の将来に明らかな悪影響をもつ」として批判を受けている。[2]

また、汎用パーツを用いることにより、わずか3800万円でこれまで国内最速であった「地球シミュレータ2」を超えるスパコンを開発した長崎大工学部の浜田剛助教は、地球シミュレータや京速などの巨費を投じたスパコンの開発方針について「素直にいいとは言えない。方向性が逆。」と述べており、スパコン開発は低価格化を重視して行われるべきだとの見解を示している。[3]

また、エコノミストの池田信夫からは、汎用性の重視に傾いていることから、特定領域の課題を解決するための計算機開発ではなく、「時代錯誤の大艦巨砲プロジェクトで効率が悪い」「スパコンの名を借りた公共事業」との指摘もある。[4]


現況 [編集]

概念設計段階では、それぞれの専門分野から優れた技術を持ち寄り、要素技術の開発を行った。

1. ソフトウエア(OS、ミドルウェア、アプリケーションソフトウエア)等の設計・研究開発
2. ハードウエア(計算機システム及び超高速インターコネクション)の設計・研究開発
3. 「先端計算科学技術センター(仮称)」の最適立地・運用に関する調査研究

2007年3月28日、神戸市中央区のポートアイランド内に立地されることが決定。

2007年9月、ハードウェアの概要設計が完了。日本のベンダ3社でのベクトル、スカラ汎用複合システムの開発が決定(日本電気・日立製作所がベクトル型、富士通がスカラ型の詳細設計を担当)。

2009年5月13日、日本電気が巨額の開発費負担(製造段階における同社の費用負担は100億円を超える見込み)を削減するため、本プロジェクトから事実上、撤退する方針を明らかにした。このため、日本電気との契約により本プロジェクトに参加していた日立製作所も同時に撤退する[5]。これを受けて理化学研究所では、富士通との共同開発により、スカラ型単独で当初計画どおり2012年に世界最速のシステムを完成させることを決定した[6]。

2009年11月には、民主党政権による行政刷新会議の事業仕分けにおいて、予算大幅削減の判定が下された[7]。

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スパコン開発で「ゴードン・ベル賞」 長崎大助教ら受賞
  「国内最速」 安価で実現
  2009年 11月 27日 西日本新聞

長崎大工学部の浜田剛助教(35)のグループは26日、国内最速のスーパーコンピューターを開発し、米電気電子学会の「ゴードン・ベル賞」(価格性能部門)を受賞した、と発表した。同賞はスーパーコンピューター分野のノーベル賞といわれ、市販の画像処理装置(GPU)を使って安価に高速計算を実現したのが受賞理由。同部門の受賞は8年ぶりという。

 政府の新年度予算概算要求の事業仕分けでは、次世代スーパーコンピューター開発予算(267億円)が大幅削減とされたばかり。浜田助教は 「高性能の計算機は重要だ」としながらも、巨費を投じた従来の開発方針について 「素直にいいとは言えない。方向性が逆」 と述べ、低価格化が可能との見方を示した。

 浜田助教らのスーパーコンピューターはGPUを760個並列につなげたもの。
1秒間に158兆回の計算ができ、国内最速の「地球シミュレータ2」の同122兆回を上回ったという。

 GPUを大量につなげられるプログラムの開発が成功のカギとなり、数百億円規模が必要とされる開発費用を3800万円に抑えたという。天体物理学などの複雑な計算での活用が見込まれる。  
                       

長崎大工学部の浜田剛助教(35) 200911270001_000[1]
国内最速のスーパーコンピューターを開発した長崎大の浜田剛助教。
手で触れている小型の画像処理装置を大量につなげることで実現した。
                 =26日午後、長崎市の長崎大



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■ <スパコン>長崎大の浜田助教、3800万円で日本一の速度達成 安くても作れ、事業仕分けにも一石? 2009年11月27日 中日新聞

東京・秋葉原でも売っている安価な材料を使ってスーパーコンピューター(スパコン)を製作、演算速度日本一を達成した長崎大学の浜田剛(つよし)助教(35)らが、米国電気電子学会の「ゴードン・ベル賞」を受賞した。政府の「事業仕分け」で次世代スパコンの事実上凍結方針が物議を醸しているが、受賞は安い予算でもスパコンを作れることを示した形で、議論に一石を投じそうだ。

同賞は、コンピューターについて世界で最も優れた性能を記録した研究者に与えられ「スパコンのノーベル賞」とも呼ばれる。浜田助教は、横田理央・英ブリストル大研究員、似鳥(にたどり)啓吾・理化学研究所特別研究員との共同研究で受賞。日本の研究機関の受賞は06年の理化学研究所以来3年ぶりという快挙だ。

 浜田助教らは「スパコンは高額をかけて構築するのが主流。全く逆の発想で挑戦しよう」と、ゲーム機などに使われ、秋葉原の電気街でも売られている、コンピューターグラフィックス向け中央演算処理装置(GPU)を組み合わせたスパコン製作に挑戦した。

 「何度もあきらめかけた」というが、3年かけてGPU380基を並列に作動させることに成功。メーカーからの購入分だけでは足りず、実際に秋葉原でGPUを調達した。開発費は約3800万円。一般的には10億~100億円ほどかかるというから、破格の安さだ。そしてこのスパコンで、毎秒158兆回の計算ができる「演算速度日本一」を達成した。

 26日の記者会見で事業仕分けについて問われた浜田助教は「計算機資源は科学技術の生命線。スパコンをたくさん持っているかどうかは国力にもつながる」と指摘。一方「高額をかける現在のやり方がいいとは言えない。このスパコンなら、同じ金額で10~100倍の計算機資源を得られる」と胸を張った。【錦織祐一】




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■ スパコン凍結 科学技術立国の屋台骨が傾く     読売社説 2009.11.22

科学技術に対する新政権の基本姿勢が問われるのではないか。

 文部科学省の「次世代スーパーコンピューター(スパコン)」開発事業が、行政刷新会議の事業仕分けで「事実上の凍結」とされた。

 スパコンは科学技術研究用の高速計算機だ。最新のものはパソコンより100万倍も速い。

 コンピューターの頭脳であるCPU(中央演算処理装置)が1000個以上、その他部品も高速動作するものを使う。本体も巨大なことが多く、計算時の発熱を防ぐため、ほとんどが空調完備の大部屋や建屋に設置されている。

 気候変動予測や航空機設計、生命現象の解明など多分野で「シミュレーション(模擬実験)」に使われている。実際の実験が難しい分野では欠かせない。研究期間の短縮、費用の圧縮もできる。

 その重要性から、世界で開発競争が展開され、日本の計画も世界をにらんでいる。こうした意義を軽視していいのか。

 現在、スパコン開発でトップを走るのは米国だ。上位機種の計算速度は、1秒間に1兆回の1000倍程度に達している。

 日本の次世代スパコンは、これを1桁(けた)上回ることが目標だ。1桁でも、例えば航空機開発なら、単純計算で開発期間が10分の1になるのだから恩恵は大きい。

 しかし、最先端で1桁性能を向上させるのは容易でない。基本部品である半導体の開発など幅広く手がける必要があり、民間だけでは挑めない。

 米国など各国も、政府発注により開発を進めており、日本も来年度予算の概算要求に約270億円を盛り込んでいる。

 事業仕分けでは「1位を目指す必要があるのか」「海外から買えばいい」などの声が出た。こんな現状認識は甘い。

 1位を目指すくらいでないと世界に伍(ご)せない。2002年に日本のスパコンが計算速度で世界1位になったが、2年半で抜かれ、今は31位だ。中国、韓国が保有するスパコンにも後れを取る。

 海外から買うにも最先端技術は各国が詳細を秘している。一般的な性能のものしか買えない。

 日本で最先端スパコンが使えないと、優秀な研究者が流出することにもなりかねない。スパコン凍結で日本の科学技術は衰退に向かう、との海外報道もある。

 事業仕分けでは、他の科学技術関連予算も厳しくたたかれた。無駄排除は当然だが、日本の科学技術の命脈を断つ事態は困る。
                       (2009年11月22日00時10分 読売新聞)

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 貴重な記事のリンク切れに備えて。 
 記事が削除されると悲しいので収納。12/1版
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■ 理化学研究所①(次世代スーパーコンピューティング技術の推進)テキスト
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ちょっとした説明

* ‐ニコニコ動画の 事業仕分け【(独)理化学研究所(1)・文科省】(09/11/13・3-17)をテキスト起こししたものです。
* URL:http://www.nicovideo.jp/watch/sm8793858
* 行頭にある )が話者が変わった部分です。
* 細かい言い回し、語尾などはそれなりにいいかげんです。
* (…)は聞き取れなかった部分です。

聞き漏らし部分の補完、校正等、フォローいただければ幸いです。
また、気になる部分などありましたら、ご自由に編集して下さい。
元の音声と違う意図への改変はしないようにお願いします。


書き起こし本文

進行役)
定刻になりましたので3日目の事業仕分けをはじめさせていただきます。はじめに今日とりまとめ役をおねがいいたします、田嶋議員さんの方からご挨拶を。…いいですか、よろしいですか。じゃあさっそく始めさせていただきます。
 順番でございますが、各事業毎にご出席いただいております担当省の方からご説明をいただきまして、そして主計の方からこれについてのご意見をいただきます。その後、とりまとめ役の議員さんの方から論点についてのコメントをいただきまして、その後質疑応答に入るということでございます。おおむね、ひとつの枠で1時間ということで設定しておりますのでご協力をお願いいたします。
 それではさっそくでございますが、始めさせていただきたいと思います。ご説明の方、よろしくお願いを申し上げます。初めの事業につきましては、独立行政法人理化学研究所の次世代スーパーコンピューティング技術の推進ということでございます。よろしくお願いを申し上げます。

1:05

文科省)
文部科学省でございます。今日は国民目線の開かれたご意見を承れるということで、感謝いたしております。私ども、本日のご意見を真摯に受けとめて、今後の行政に生かしてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。では、座ったままでご説明させていただきます。
 70ページをお開きいただきたいと思います。次世代スパコンでございます。私どもは、この計画の必要性、国際競争の現状から鑑みますと、事業のあり方は我が国の国際競争力に大きな影響を与えるものと考えております。スパコンの開発力、スパコン利用の科学技術力を守ることは、国家基幹技術として必須と考えております。
 本事業につきましては、平成17年に科学技術学術審議会、文部科学大臣の諮問機関でございますが、ここでご議論いただきまして、10ペタの汎用スパコンを作るということをお決めいただいております。その後、17年の11月に総合開発会議で事前評価をいただきまして、プロジェクトについてゴーサインをいただきました。18年3月の第3期の科学技術基本計画におきまして、国家基幹技術に選定いただいております。同じ年の5月には、特定先端共用施設として法律でお認めいただきまして、位置づけが国際的…国家的な共用施設ということになっております。
 その後、19年の9月の総合開発会議の事前評価、あるいはそれぞれの段階におきまして、たとえば概念設計の事前評価等、評価を重ねつつ、多くの方々のご意見を聞きながら、このプロジェクトを推進しておりますが、最近のプロジェクトの変更につきましては、この春から、4月の2日から7月の17日まで、8回の作業部会でのご議論、約18時間、それから委員会でのご議論2回、約2時間ということで、10回20時間のご議論をいただきまして、今回の案を作らせていただいているところでございます。
 この春の段階におきまして、複合システムとしての性能が、当時の議論では十分でないということが評価委員会から示されまして、理化学研究所に適切なシステム構成の再検討というのを求めていましたところ、この検討の過程でベクトル部を担当しておりましたNECが経営状況の悪化を理由に製造段階からの撤退が表明されました。
 で、これらについて私どもとしては、スカラー型のシステムというものが理研から提案されましたので、さらに委員会でご検討いただいた結果、スカラー部だけで本来の目的達成の見通しがついたこと、ベクトル部がなくなることに伴うユーザーへの影響が限定的で抑えられるという見通しから、複合型を維持することを変更いたしまして、スカラー単独で計画を推進すると、このように考えた次第でございます。
 次に資料の、もうお目通しいただいていると思いますが、私どもの考えといたしましては、このシミュレーションというものは、理論・実験と並ぶ第3の研究手法であり、基礎から開発にわたるあらゆる科学技術分野、あるいは産業分野における基盤技術であるという認識を持っております。
 また、アメリカと最後の戦いと申しましょうか、スーパーコンピューターの開発技術を守っていくという意味でも、最後のこの段階での競争は是非とも成し遂げたいということでございます。また、後ろからは中国が1ペタのスパコンを完成させる方向で来ておりまして、アジア・アメリカを両目で見ながら、是非とも、限られた予算の中でできるだけ効率よく、本プログラムを実施したいという具合に考えております。
 それで、地元の協力等も全面的にいただいておりまして、たとえば兵庫県神戸市からは用地の無償貸与、あるいは税金の減免等の優遇措置をいただいているところでございます。
 設計を変更するに伴いまして、私どもとしては体制を強化をして、理化学研究所を中心に全力をあげてこの事業を進めております。現在、理化学研究所では、この、仕様(試用?)の段階も終わりまして、このプログラムをフォローアップしながら適時適切な指導を富士通にさせていただいているという状況にございます。
 また、産業界におきましては自主的に、スパコンの技術産業応用協議会を設立いただきまして、スパコンの整備のニーズが顕在化しております。現在181の機関にご参加いただいているとうかがっております。
 また、ソフトの開発につきましても、着実に準備が進んでおりまして、ソフトウェアを22年度末までに開発を終え、23年から実証を行う予定でございますし、また、戦略的なプログラムとして研究体制の構築と実行可能性の調査に、来年度入ってまいりたいと考えているところでございます。どうかよろしくご審議のほど、お願いいたします。

6:50

進行役)
はい、ありがとうございました。それでは主計の方からご意見をいただきたいと思います。

主計)
はい。それでは主計局からご説明をいたします。
資料は74ページでございます。この次世代スパコン、やはりこの、本格的着手の妥当性ということをご議論いただければというふうに思います。
 1つ目のぽつでございますが、この次世代スパコンの開発にはこれまで545億円の国費を投入しております。実は来年度、22年度は節目の年でございまして、まさにスパコン本体の製造に入るかどうかという年でございます。仮に、来年度、このシステムの本格的着手、製造を行えば、完成までにさらに700億円。来年度は268億円でございますが、それを含めまして今後700億円近くもの国費の投入が必要と見込まれます。
 また、スパコン完成後も毎年多額の維持費がかかります他、ソフト開発や研究費など莫大な税金投入が必要となります。このシステムの本格的着手の是非の判断にあたっては、こうした莫大な税金投入に見合った効果・利益が得られるか否かについて、入念な検証が必要ではないかと考えております。
 特に本件は、先ほども少しお話しありましたけども、理研と共同開発先の民間3社、富士通・NEC、それと日立のうち、2社、NEC・日立が本年5月に撤退を表明しまして、当初計画から大幅なシステム構成の変更を強いられております。まさに今後の見通しが不透明ということになったのではないかということでございます。こうした状況のもと、本プロジェクトを強行しても当初の目標を達成することは困難ではないか、非常にリスクがあるのではないかという風に考えてございます。
 次のぽつでございますが、これだけの重大な事情変更があったにもかかわらず、間をおかずに引き続きプロジェクトを継続し、本格的…莫大なお金のかかる本格的着手を行うことが妥当と判断したことについて、説得的な説明が必要なのではないかと考えてございます。
 なお、関連して、先ほど評価を行っているというお話ございましたけども、実はこのプロジェクト、スタートしたときに評価をしておりますが、これは総合科学技術会議という、親元の、政府全体の科学技術の評価を行う総元締めのところで評価をおこなわれておりましたが、今年、この変更を行うに当たりまして行われた評価は、文部科学省内の評価委員会での評価というものにとどまっております。こういったことも含めて、きちんとした説得した…説得的な説明が必要かと思われます。
 次のぽつでございますが、やはりここは海外との開発競争が非常に激しうございます。そういった開発競争を急ぐあまりに、無理なスケジュールを組んでいるのではないかどうかということでございます。
 最後のぽつでございます。いったん着手してしまえば、多大な国費投入が必要となることから、リスクが少しでも残るのであれば、プロジェクトをいったん凍結し、戦略をきちんと練り直すべきではないかというふうに考えてございます。ご審議の程よろしくお願いいたします。

10:14

進行役)
はい、ありがとうございました。それでは田嶋議員の方から論点についてのコメントをいただきます。

田嶋)
おはようございます。およそ全ての科学技術投資、将来のこの国のメシの種に繋がっていくという現実的な果実が当然期待をされなければいけないと思います。
 民間の企業2社が撤退をしたと、まさに経営・財政上の厳しい状況から撤退をしたという現実がある中で、同じく財政の厳しいこの国として、このプロジェクトを今後どのように追求をしていくべきか、そして、適切なコストが配分をされているのか、メリハリのきいた予算配分になっているか、そういう視点も含めて仕分けをいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

11:00

進行役)
それではご意見、ご質問…はい、じゃあ(…)先生。

)税金を267億という要求でありますが、先ほど背景はご説明になったんですが、事業にどう使うかの説明でもう一度確認させて下さい。
 昨年から今年の予算で大幅増額になっておりますが、ベクトル型をカットしたのにこういうふうにすごく増額になっているのはどういう理由かという点と、それから70ページの一番下にいろいろ委託先とか、システムの予算配分書いておられますが、おうかがいしたいのは、理研に残る直接研究費はいくらで、それから企業あるいは大学に委託する研究費はいくらか、ざくっとした値でも結構ですから教えて下さい。

文科省)
お答えします。まず、今70ページお目通しいただいておりますが、この中で今後のフィージビリティ・スタディという研究の関連で、大学等に配るのが戦略プログラム、5番の、7億5000万でございます。
 それから、先ほど主計局のお話しがございましたが、○1のシステム開発と、○3の施設の整備、これがいわば、スパコンの開発整備でございまして、これが248億、総計でお願いをしているというところでございます。
 その間の16億4000万、これがソフトの開発でございまして、これが理研で生命研、それから岡崎の分子研でナノバイオロジー、ナノテクノロジー関係が行われているということでございます。
 また、予算でございますが、技術的に可能であることが確認されましたシステム内のネットワークの性能増強、これを中間評価の委員会で行うようにというアドバイスをいただきましたので、これに必要な経費が90億でございます。それから製造ライン設備の増強を行う費用、これが110億と。この計200億が増要因でございます。この、製造ラインの増強とは、システムの開発が順調に進んでおりまして、その順調なシステム開発に対応するために増強したいというものでございます。
 なお、NECの撤退による減が124億でございます。したがいまして124から減と、200億の増で、トータル76億の増をお願いしたいということでございます。

13:51

)理研が直接持つ、直接研究費はいくらで、企業に委託する研究費がいくらで、大学あるいは岡崎の研究所に委託するそういう研究費がいくらかと。

文科省)
はい。あのちょっとこれ来年度予算だけというのは今ちょっとすぐ手元に出てきておりませんけども、トータルでソフトウェアの開発費、全体で来年度、16億要求しておりますけども、それの、それがトータルでだいたい7年間で130億円あるんですけれども、そのうち理化学研究所に74億円、また分子研などに26億円いっております。ただしこれ理化学研究所の他にもいろいろな大学とかにいっておりまして、ちょっと今現在理化学研究所のみの数字はありませんけれども、はい。以上でございます。

15:03

)一番大きなこの、システムの開発費は全て、企業に委託費として出すお金と考えたらよろしいですか。

文科省)システム開発のうち、大部分は企業でございますけれども、理化学研究所において全体を束ねるための、技術的な開発・検討をやっておりまして、それでトータルのうちの、だいたい、トータルの期間を全部足しますと、理化学研究所に18億円…あ、失礼しました、46億円の額がいっております。

)残りが企業ですね。

文科省)
はい。そうでございます。

15:50

進行役)
えー、途中でございますが、今、中川文部科学副大臣にご同席いただいておりますので、よろしくお願いいたします。それから今回評価者として泉内閣政務官の方にご同席いただいておりますのでよろしくお願いいたします。それではお続け下さい。他、ご質問いかがでしょうか。

)あの、ちょっとお聞きしたいんですが、システムの開発費で今、ソフトの部分とか、ハードの部分ですね、それがちょっといろいろこう、言葉として区別されずにいろいろ出てくるのでお聞きしたいのですが。
 ハードの部分でシステムがベクトル型からスカラー型、なんか変更があるというような、大きな変更があるというときに、ソフトの方の開発もやっていると。で、ソフトの方はそういうハードの変更に、当然影響受けるわけですよね。そうすると、ソフトに今までと同じようにお金をただ開発で出しているというところの、今までと同じように出すというところの理由がよく分からないんですが、そのへん、ハードのところのシステム開発と、ソフトのところっていうのがどういうふうになっているのかということを、ちょっとご説明いただきたいんですが。

文科省)
まず冒頭だけですが、この4月の中間評価の際に、この複合システムの性能が十分でないというご議論がございまして、で、その際にも当然そういうソフトの部分の議論もしていただいておりまして、ソフトについてもそれなりの対応ができるということでございます。

文科省)
少し…それで、実際この、具体的な影響は、当初ベクトル型で使うことを想定していたソフトウェアを、これ、スカラー型で動かすようにしなければいけません。それにはプログラムなどの書き換えなどの経費が発生します、追加的に。したがいまして全体の予算を、まあ当然ベクトル型に対応する部分は今後いらなくなるわけですけれども、そういうことも勘案しまして、こういう今後のソフトウェア開発経費をやりくりしまして、10億弱くらいですね、若干額の変更をしてございます。実際見直しがございます。

18:18

文科省?)
よろしいですか。地球シミュレーターではベクトルマシンでございましたので、そこを使っていた方々はそういうソフトウェアを維持したいというふうなお考えがございまして、ですけども世界の趨勢としてスカラー型に向かっておりますので、そういうベクトルのソフトウェアの人たち、使ってた人たちもスカラー型に少しずつ変更していったわけですね。今回こういうかたちでスカラー一本でいくということになりましてで、多くの技術者は、そういう方向で、非常に限定的でございますけれども、分野としては。その人たちも今スカラーの方に切り替えて、今その効率もよくなってきているというのが現状でございます。ですから影響は、それに対してはそれほど大きな影響はない、限定的な影響になると。

文科省)
すいません私10億弱と言いましたけれども、すいません、減らす分をちょっとカウントし忘れました。2億円くらい、トータル差し引きで2億円くらい増になっております。失礼しました。

19:15

)いや、要するに、ソフトとハードと同時に開発していくというのは分かるんだけど、基本的なところでこんなに大きな変更があるときに、それが分からないままにいろいろソフトの開発を…まぁソフトの開発といっても今出たのは地球シミュレーターで、地球シミュレーターと、分子研でやるような話と、みんな違うわけですよね。で、どっかの特殊なところを挙げてこうだと言われても分からないんで。非常に。考え方としてね、ハードを今設計して、ハードを作ろうっていうことでこのプロジェクトやっているわけですよね。その時にソフトっていうのはどういう位置づけで、今同時にやっていくということの意味はどういうところにあるのかっていうところをを説明していただきたいんですけどね。

文科省)
失礼いたします。今まさにこのプロジェクトの中ではシステムを開発するのと合わせて、やはり日本では初めて10ペタクラスのマシンができますので、この能力を最も引き出すような、そういうソフトウェアを同時に開発しようということで、いわゆるグランドチャレンジというプログラムをやっておりまして、それで、この10ペタクラスのマシンというのは、今までのシミュレーションのかなり質を変える、まるごといろいろ解析ができるようになると、こういうことでございまして、一番効果のある部分はどこだろうということで、一応このプロジェクトを始めるときに、いろんな分野の進捗状況を見まして、ライフサイエンスとナノの分野で、この10ペタができたときに、その能力を最大限引き出せるような、そういうソフトウェアを開発しようということで、同時並行的に進めております。
 で、もちろんそれは当初はベクトルとスカラーの複合システムができることを前提に、いろいろな研究を進めておりましたけれども、今まさにここで、システムが変わりましたので。いずれにしてもこの(…)並列化ということはしなきゃいけないわけでございますけれども。まさにこれから1年2年かけまして、そこの部分の、このマシンにスペシフィックにやったようなプログラムに仕上げていくと、こういう段階にあるというふうにご理解いただければと思います。

21:27

)あのー、NECと日立は財政が苦しいから撤退をしたということでございますが、この富士通、今残っているベンダーさんは、足し引きすると、もらっている方なんですか、お金を。それとも払っている方なんですか。委託を受けてお金をもらっている方ですか。これどっちかしかありませんね。

文科省)もちろん製造段階において、製造費について我々は契約で支払いをするということになりますが、当然企業側の自己負担というものも想定されております。

)ですから、もらっている方と払っている方で足し引きすると、ベンダー、メーカーさんの位置っていうのは…、要するに日立、NECが経営上苦しいからこれ以上財政負担できないということは、Netで払っているからだと思うんですね。もらっていたら苦しくなるわけがないですから。同じように富士通も、Netではもらっている立場なんですね、お金を。

文科省)
そこはですね、我々は要はこの単価で最初、1100…何億でした?…54億で富士通さん並びにNEC、日立さんとご契約を、考えを合意に達したわけでございますので、それに対してそれぞれの社がどれぐらいのご負担をなさるかということについては直接にはおうかがいしておりません。彼らの方としてもやはり競争関係にございますので、企業関係でですね、そこは私ども承っていないという状況でございます。ですから今、田嶋委員のご指摘の、プラスかマイナスかというのは我々の方でははかりかねますが、ただいずれにしてもこれだけのプロジェクトでございますので、どの社においてもかなりのご負担があるのではないかと想像しております。

23:25

)すいません、まったく分からないから教えていただきたいんですけども、この、NECさんと日立さんが撤退したというのは、文科省では理由の分析はされましたか。つまり経済的理由だけなのか、それとも将来的に、このソフトもハードも完成して、両社にとってメリットがないという判断をされたのか。どうでしょうか。

文科省)
先ほど申し上げましたように、まずこの評価委員会におきましてですね、この性能の問題がございました。それで、その後NECさんからおうかがいしたのは、経済情勢が厳しいということで撤退させていただきたいという具合にうかがいました、そのように理解しております。

)撤退するときに、これは1154億で18年度から24年まで開発するときに、契約を組まれていると思いますが、何らかの撤退条項というのは入れていましたか。

文科省)
そのような形では入れておりませんでした。

)そうするとどうなるんでしょうか。これまで国費でお渡ししていた部分、まあ企業負担もあったとは思いますけども、その部分は今後どうなっていくんでしょうか。つまり額があまりにも大きいので、先ほどあの、2億程度という話がありましたが、相当な額です、これは。税金ということを考えたときに。

文科省)
私どもとしてはNECの撤退についてどうするか、たとえばプロジェクト上の全体の損害等の問題等について議論をいたしております。で、同時に、撤退を認めるかどうかという点につきましては、この評価委員会の方でも、スカラー単独で当初の目的を達成しうるというご判断をいただき、理研からもそのような変更案が上がってまいりましたので、撤退をお認めしたと。あとは損害賠償の問題と考えております。

)損害賠償を起こされるんですね。

文科省)はい、今そのように準備をして…今準備中でございます。

)もうひとつ細かいことでいいんですけど、契約をしたときにスカラー型とベクトル型が複合型で始まっていたものが、途中でベクトルからスカラー型になった。で、日立とNECさんはこれはベクトル部担当ですから、それがスカラー型になったら、当然自分たちの利益とか、自分たちの、自社の中で目指していた方向は違うわけですから、そこで撤退するということは、契約の時には想定し得なかったということでしょうか。

文科省)契約の段階では想定しておりませんでした。

25:52

)ちょっとよろしいですか。あの、それで、Fも抜けるということは想定されているんですか。抜けたらどういうことになるんでしょうか、このプロジェクトは。

文科省)
お答え申し上げます。実際私どもが平成17年からこのプロジェクトを、10ペタクラスのものを開発するということで、それが世界最先端、世界最高性能の、10ペタクラスのものを開発しようと、これが政策的に求められたところでございまして、それにつきまして、なんて言いますか、どういうシステム構成にするかということについていろいろ検討いたしました。
 それで、その時点で、私どもは、理化学研究所からあるシステムの構想が出まして、それに基づきまして、一応国費として1154億円ということが、その程度が適切であろうということで、一応その、ほんとうに財政厳しい状況でございますから、なんとか国費として、この範囲で、できるだけ世の中に素晴らしいものを作ろうということで設計を始めました。
 で、その際に、それでは複合型のシステムでやろうということにつきまして、一応国費としてその程度を前提に、じゃあどこまで民間の努力も含めてやれるかということで一応その3社といいますか、実際には3社…2社はグループでございますので2チームでございますけれども、2チームで合意して進めております。
 で、具体的な契約というのは、これは先ほど主計局からもご説明ありましたけれども、今までは設計の段階でございまして、その設計の段階を、概念設計と詳細設計の段階を4段階に分けまして、ここに、その設計の作業を進めてきたのがこれまででございます。で、残りまさにこれから、製造段階に入りますので、製造段階の契約をこれから結ぼうという、そういう状況にございます。

28:10

)あのですね、平成17年の11月に事前評価があって、プロジェクトの実施が妥当とされたと。そして19年9月に評価があって、複合システムとすることを決定したと。一方で、これまでの今日の話をおうかがいをしていますと、ちょっと、およそ責任が感じられないんですね。
 例えば複合型からスカラー型にうつることについて、ベクトルの影響は限定的であると、最初からそういうことをおっしゃられているわけですね。これは、果たしてほんとうにベクトル型を一緒に含めた複合型でやる必要があったのかと。科学技術会議の判断が間違っていたのか、みなさんのミスリードだったのか、それとも不確定要因があったのか、これははっきりさせていただかなきゃいけないということと、さらに今、競争関係にあるとおっしゃいましたね。これ、当時の科学技術会議の中でも指摘があったと思うんですが、そもそも競争関係にあって、別な企業同士やってることを、無理に複合型でやったこと自体に問題がなかったのかどうなのかと。
 だってもう世の中の大勢はスカラー型で行こうとしている中で、あえて複合型でやって、まあベクトル型は確かに日本のリードしていた分野であったかもしれませんけども、しかし今になって結局複合型が分かれてしまったということについての責任は果たしてこれ、どこにあるのかと。これだけ国費を投入してきて、設計がほとんど終わって今からというときに仕様が変更されるということについて、これは非常に疑問を感じざるを得ないと、いう意味では、やはり計画、やっぱりもういっぺんこの総合科学技術会議に戻すなり、内部の評価委員会ではなくて、戻すなりしてもう一回再検討するのが、私はやっぱりこれ、筋ではないかと思うのですが。
 今のいくつかの疑問にお答えをいただいて、また最後の要望というか提案に対してどうお感じになられるかということをお願いいたします。

文科省)
ではまず私の方から。先ほど田嶋委員からもご質問がございました、富士通でございますが、富士通は現在計画通りですね。もちろん個別には様々な課題を克服されておりますけれども、順調に進んでおりますし、私どもも常に富士通の幹部とも接触しながらこのプロジェクトを実施しておりますが、今後脱落するということは想定しておりません。
 それから総合開発会議との関係でございますけれども、総合開発会議にはこの変更案についてご報告をしております。それから総合開発会議の方でございますが、一番当初にこのプロジェクトについてご検討いただいた基本的なその際の課題とか、そういうものがだいたい今回の中間評価でお返しできたのではないかと思っておりまして、そこについても基本的に総合開発会議のラインと軌を一にしているという具合に理解をしております。

31:00

)あのー泉さんの質問に答えて…

)はいあのー、質問に答えて…

文科省)ええとそれからもうひとつの複合型のことでございますが、やはりあの、当時の議論では、やはり日本の良さといいますか、複合型をやはり追求すべきではないかと。それから、世界の潮流は確かにスカラーに動いておりますけど、たとえばドイツ等におかれましては、複合型を追求して成功している国もあるという状況の中で、やはり複合型を、当初我々としては追求したいということで始まりました。
 そしてその後、いろんな変化がございますが、評価委員会からのご指摘では、理研並びにNECが詳細設計したこのプログラムにおいて、当初の目的が達せられないのではないかというご意見、それから流れが従来以上にスカラーに流れていっているという状況等、様々な要素がありましたので、我々も反省すべき点は反省しなければいけないと思いますが、この中間評価におけるかなり真摯なご議論の中で、総合開発会議の中で当初からご議論いただいた論点を踏まえつつ、見直しができたと考えているところでございます。

32:30

文科省)
あのー、若干補足いたしますけれども、先ほどベクトルの影響が限定的ということ、そういうふうに、なんといいますか、それだったら元々ベクトルっていうのはなくてもよかったのではないかとか、いろいろありましたけれども、そこについては、ほんとうにあの、中間評価、これは非常に、先ほど局長からもありましたけれども、熱心な集中的なご議論をいただいて、当初は、だいたいこれまで国の大型プロジェクトっていうのはいったんこう決めて走るとなかなか変わらないものなんですけど、我々としては、ものすごい、これはもう、専門家の意見を踏まえて、変更に踏み切ったという状況でございます。

文科省)
一点補足させていただきます。競争関係ですけれども、NECと富士通という関係だけではございませんで、要は我が国の企業とIBMさん等々海外の企業との関係もございます。

33:30

)はい、じゃあ。

)えーっと、(咳払い)…失礼。長年のスーパーを見てて、今の議論を見てて、かなりおかしなところがいっぱいあるような気がします。
 まず、ベクトル云々という話がありましたけども、実は地球シミュレータでIPCCの(…)を出したときに、基本的にはあれベクトル構造なんですよね。で、ソフトウェアというのは、みなさん、書かれてないからお分かりにならないでしょうけど、マシンが変わるとものすごく大変な作業をするんです。ちなみに私、円周率の記録持ってますけど、一兆桁の記録出したとき、1年8ヶ月かけて4倍性能が上がる、それくらいかけないと上がらない。逆に言うと、マシンというのは使い方を一生懸命やると、性能が出るものではあるんですよ。
 それでね、基本的にIPCCの3年後、次のやつがあるんですかねえ、それに向かってやるときに、たとえばせっかくこういうマシンを使ってやりたい、やってもらいたいわけですよ、宣伝にもなるし、アクティビティもあるし。
 その観点でね、排除されてしまった、排除のいきさつについて、いろいろこちらも聞いてはいますけども、ほんとうにそれでいいんですか。ソフトウェアの書き直し、ものすごいかかりますよ。ソフトウェアの書くのに十何億といってますけどね、基本的に今回のやつはサイエンティフィックなやつで、民間企業も、オーダーを受けて書けるようなところはほとんどありませんよ。基本的には研究者がやらざるをえん状況なんです。そのためにも教育だとかいう形でいろいろやられようとはしているんでしょうけど、それを考えたときに、ソフトウェアを書けなきゃ、僕は基本的に書けるととても思えない。どうでも、力のない企業にね、お金が流れるだけじゃないかという危惧をしているところはあるんですよね。
 それともうひとつ、まあ要するに、(…)かなり疑問点を感じる、回答を見て。それともうひとつ、委員会はちゃんとしたスペックを踏んで議論をやりました、やったのがね、変更されるというのは非常に不思議な気がするんです。で、ヘテロ構造…要するにベクトルとスカラーとやったときに、僕が聞いた話が、当初スカラーでいったのが途中でベクトルになってそれが認められて、今回抜けてしまったんで本来の姿に戻ったという人もいるんですよね。だからそこらへんの、ところが、非常に問題だと思います。
 それともうひとつ、この開発にあたって、1千百何十億ですけど、たとえばこれをスタートするにあたって、要素開発というのがありましたよね、3年ほどで。それが、3社にいったはずです。それを使って、実際、次の開発にどう使われているのかどうか、っていう、いろいろ問題があるんですよ。
 それともうひとつ、開発…このプロジェクトが始まるときに、いろんな方が努力されたはずなんですが、当初の説得、政府を説得した理由、いくつかあったと思うんですが、それがどういうようなものであって、それが、どう今回のプロジェクトに実現されているかどうかというのを、まあ聞きたいと思うんですが、まずそれからお聞きして、色々やりたいと思いますが、いかがでしょうか。

文科省)
それではまず、ソフトウェアのことについてお答えさせていただきます。地球シミュレータがベクトル型で非常に得意だった、たとえば気候変動の問題とか、地震のシミュレーション、こういう問題が非常にベクトル型は得意としているんですが、こういう形になって、スカラー型で行くということで、研究者たちは今必死になって、実はプログラムを直しております。で、元々次世代スパコンでもスカラーが非常に、その部分が大きうございましたので、元々の研究者たちもそういう方向で準備をはじめておりました。
 まだ地球シミュレータのような効率は上がっておりませんけども、そういう方向が現在見えてきて、うまくいくということが、だんだん見えてきておりますので、あと、23年あるいは24年、これに本格稼働したスパコンが、するわけでございますが、それに向けて準備は十分、ちゃんとしてはあるということで、研究者は今一生懸命やっているという段階でございます。

文科省)
補足させていただいていいでしょうか。はい。2年前に複合型がいいのではないかといったときの判断としまして、いわゆるスカラー型の計算とベクトル型の計算を同時に動かすような、連携計算と申しますけども、そういった計算の方式というのが、その後数年の間に動くのではないかと、こういう予想もございました。ひとつは今、この中間評価の時に、その議論では、なかなかちょっとそこまではいかないかなあというご判断があったように記憶しております。
 それから詳細設計を進めていく段階で、やはりベクトル型の難しさもあるかもしれませんけども、いわゆるスカラー型とベクトル型の特徴の違いというのが、やや、その違いが、差が、減る方向になってきていたと、そういう状況にあったと認識してございます。

進行役)あの、全体にお答えに前置きが長いので、簡潔に、聞かれていることに明確にお答え下さい。

39:00

)一点だけ言えるのはね、当初のプロジェクトのスタートの時に何を目的としてスタートしたかっていう、僕は4点あったと理解をしているんですが、どのように理解されていますか。

文科省)あの、先生が理解されている4点というのは、1つがあれです、10桁級のハードウェア、スパコンを作る。2つ目がそのスパコンを最大限活用するようなアプリケーションソフトウェアを作る。で、3つ目というのが、それを中心とし…スパコンを中心とした研究拠点、これを形成します。4つ……それで4つ目がサイバーサイエンスインストラクチャー…

)まったく違います。 まず1番重要なのは、技術、技術というか、日本の場合はスーパーコンピューター、非常に酷い状況にあるんですよ。80年代、日米貿易摩擦が起こるまでやったときは、日本の汎用機で儲けた金をつぎ込んでやってくれてたんです。ほんとにありがたいと思いますよ。それが、儲けがなくなって、スーパーの最先端技術、これは戦略的な技術だと私は思いますけれども、その技術者が、要するに、儲からないものには当然投入しませんわね、開発にしろ。そのための技術がもう途絶えかけているんですよ。ハードウェア、ソフトウェア、チップのプロセッサ、製造技術、それを使いこなす技術、OS、ライブラリ、コンパイラも含めて。それをなんとかしたいということで、それは各民間にはできないということがあってそれをやりたいと。まず1点。
 2番目、センターを作る以上、よく起きるのは、モノポリーで唯我独尊になるんですよ。競争効果がないがために非常に(…)が起きる。その点大型計算機センターが1965年にできたんですが、その時は最初、研究者がアメリカに行って、ものすごく計算機関係は潤沢だったわけです。持っているもの何もないから、総力をあげてボトムアップで勢力を、お願いを経て東大にできた。東大にできると当然京都が欲しい。京都ができると残りの5帝大が欲しいってんで、5つ入って、まあ安定状態に入って、お互いに切磋琢磨しながらきたということがあります。で、それは当時予算が、運転経費、24時間分措置されてなくって、8時間分くらいしか措置がないので、残りの部分は利用者からいただいて、それを交通整理的な利用でやって、うまくやっていったわけです。
 それで例えば機構のシステムの人たちなんていうのが研究をやって、彼らとしては地球のシミュレーションだとか、明日の天気予報のためという形で、そのために教育の現場で人が輩出していって、それが結実したのが言ってみりゃ地球シミュレータのIPCCのコントリビューションなんですよ。それに対して、ナノとかバイオの人たちっていうのは、研究者がそれなりにはいますけれど、拠点化されていないんです。日本全体の大きな、ライブラリ…ソフトウェアを作って、外国と競争するというか、今はやってないというふうに私は思います。それでむしろ複数個いるというか。
 もうひとつ、地球シミュレータの失敗というか、うまく行かなかったのは、一発勝負だったんですね。継続性がなかったということがあって、これは、このプロジェクトの中に当初から入っているからこれはいいと思うんですが、それが3つ目で。
 4つ目が、やはり大型センターの成果を見ていただければ分かりますけども、要するに、若い研究者、彼らは何も、知識はないかも分からないけれども、(けい…仕事欲?)は非常に強いんですよ。いろんなことやってくれることによって、いろんなサイエンスの、最前線が、進展するということがあって、大きな計算機センターがここに人を集めるんじゃなくて、若手、将来の(担い手?)になる部分にセンターを置いて、サービスをやるという。その4つだったと思うんです。
 で、ただし、私が思うには、法人化した後、どうしても、なんというんですかその、大学の当局のポリシーと、我々みたいなサービスセンターのポリシーと違うことがよくあるわけですね。ですから敷地としては大学の中に借りるにしても、管理運用体制はまったく別みたいな形にやるように工夫はしていると思いますが、要するに、まずそのことがあってやっとるんですが、今、回答を見ると、要するに歴史的経緯も含めてなかなか理解されてないんじゃないかという、私は気がしましたね。
 で、それとまず使わせ方について。一般利用者集めると、課題選定組織みたいなのを作って、そこに選定させようとしてますけどね、それはまず、課題審査をやるときに、審査員の方々やられますね。その方がたとえノーベル賞を取られた方としても、なるほどその分野についてはよくご存知かも分かんないけども、研究というのはなにが化けるか分からないんですよね。だから学識経験者が正当に判断できるかどうか疑わしいところがあるわけですよ。その点大型センターがうまくいったっていうのは、ただお金があれば、交通整理的な利用料金しか取ってませんから、非常に少額ですよ。だから、民間の企業だと10倍とか100倍ぐらいかかるんで、ほんとうに少ない金額です。ほんとうにやりたいという意欲があれば、意欲ですね、ないとだめですよ、あれば、できる状況にあるんですね。
 で、ペタみたいな1個だけ。あ、もうひとつ、複数のセンター作る部分の問題は、デバッグやるときに、やっぱりフルコースで使わざるをえんわけですよ。その間、本来の計算が止まるんですよね。そういうことがあって、複数個があってやると、実際使うときに10ペタあったとしてもですね、そんなん使うことまずない。1ペタを10台に分けてやった方がよっぽど(お金?)、みなさん助かるということにはなるんだと思いますよ。
 それで、見ててですね、現場というか、こうやれば日本のインフラ整備、あるいは外国に互して、競争できるような人材を輩出するような形のね、構図になってないような気がするんですよね。それが私の感じるところ。それでいずれにしろ、その…

進行役)
ちょっとよろしいですか。今、いろいろご意見いただきました。なかなかこう、いろんな総括的なお話しですので、お答えしにくいかと思いますが、何かこの点についてございましたらご回答いただければ。

45:05

文科省)
あのー、全体的には今、金田先生のご指摘はその通りだと私ども思っておりまして、その、ソフトの重要性、それからネットワーク、スパコンだけじゃなくて各大学のセンターにございます、その他のコンピュータ等の中で、若手人材を育成すると、そのへんはしっかり、これから頑張ってまいりたいと思います。

)よろしいでしょうか。あのー、

進行役)
あ、はい。あのー、具体的に、この次世代スパコンの、事業予算の問題に論点を絞ってですね、また、改めてご意見ご質問いただけたら…

45:40

)はい。これ、多くの、インターネットも含めて、国民のみなさんが見てられるということもあって、いただいている資料で、やはりr期待されている効果というのがあるはあるんですが、まあ高度な技術に対して国民の理解をというのは大変難しいことかもしれませんが、やはりちょっとその、実際どう生きてくるのかが見えてこないと。国民に伝わっているのは、たとえば、気象の予測が局地的にできるようになるということに、果たしてこれだけのお金が投じる必要があるのかということも、実際にはなかなかこう、繋がってこないというのがあると思うんですね。
 ですから、みなさんが今ほんとに国民生活に向けて届けたいメッセージがなんなのかということをお答えいただきたいというのが1つと、もう1つは、アメリカがやはり24年までに同じ10ペタのものを作ろうとされているというふうにうかがっている中で、日本としての、トップワンの期間…でいられる期間を、どれぐらいだと考えておられるのか。およそおそらくアメリカが本気で挑戦をすれば、すぐまた順位が入れかわるということが想定されている中で、果たして一時的にでもトップを取るということの意味は、ほんとうにどれぐらいあるのかということもあわせてお聞きしたいなと思います。

理研?)
私、科学者といいますか、研究者でございますので、研究者としての立場から発言をさせていただきたいと思っております。
 先ほどから例えば費用対効果の話が出ておりますけれども、サイエンスには、費用対効果というのが馴染まないものというのももちろんございます。もちろん、経済効果とかそういうことも必要でございますけども、そういう部分もございます。例えば、基礎科学の分野でいいますと、宇宙のビッグバンは一体どうやって始まったのかとか、鉄以上の元素はどうやってできたのかとか、あるいは星の誕生というものはどういうものかとか。これは、実はこれができるのはシミュレーションだけなんですね。こうした大型…スパコンを使ったシミュレーションだけです。それから、地震のシミュレーションにしてもですね、…

進行役)
あのー、その一般論はみなさん共通の認識ですございますので…

理研?)
はい。ですからその、そういう…

進行役)
これだけのお金をかけて、これを、来年度やる必要性について具体的にお答え下さい。

理研?)
ですからこうした、国民に夢を与える、あるいは世界一を取ることによって夢を与えることが、実は非常に大きな、これは、このプロジェクトのひとつの目的でもあり…

48:00

)あの、思いもすごくよく分かるし、国民に夢を与えるものは私たち全員否定しているものでは全然ないんですね。ただちょっと分からないのは、今回のスパコンができること、あと700億を投じて、この段階ですでに100億を超える予算超過をして、今後700億を投じて国民に夢を与えたい、それは、ほんとうにこの額が必要なのかどうかというとこをもうちょっと教えていただきたいんですけども、国家に必要な最先端IT技術の獲得が目標にあるんですが、そして比較参考値で今日いただいた中では、中国が1ペタを開発してて、アメリカがまもなくで、アメリカの方より日本は後にいるんだと、これ世界一になる理由はなにがあるんでしょうか。2位じゃだめなんでしょうか。あるいはアメリカが作った後に、そこになってある意味、ソフト、あるいはどこかで共同開発、つまりは日本とアメリカが一緒にできるような、なんかそういう夢の共有というのはできないんでしょうか。なぜ1位なんでしょうか。

理研?)
現在の科学技術というのは、スパコンなしでは、最先端の科学技術の発展というのは不可能に近いというところがでございます。そして世界一の研究というのはやはり世界一の装置(…)

進行役)
あの、(…)最初からお答えいただけることを2回も3回もけっこうでございますので。 はい。明確にお答えください。

文科省)
あの、まず経済的な問題について、私ども試算でございますので、躊躇しておりましたが、マクロ経済モデルで3.4兆の経済効果、あるいは具体的には開発コストの企業等の削減におきまして、約8400億円の経済効果、あるいは先ほどの災害リスク等も含めますと、かなりの国民への効果があり得るというのが1点でございます。
 それから、ご質問の日米協力の問題でございますが、確かに多くの分野で共同研究等の道は探るべきだとは思いますが、この国際競争においては両国ともに…、はい。

50:00

)そうしたら、アメリカが先にこのスパコンを開発したらどうなるんですか。

文科省)その場合は、たとえば今、現在競争関係にあります様々な企業の、いわゆるソフトシミュレーションの計算において、非常に不利な立場になると理解しております。

)とすると、じゃあ絶対に勝たなきゃいけないんですね。仮に負けた場合のリスクはどうやってヘッジするんでしょうか。

文科省)
非常に厳しいご質問でございますけれども、我々としては全力をあげて獲得したいと思っております。

進行役)
一度あの、主計の方で意見があるそうですが、よろしいですか。

主計)
えっと、この世界、この話につきましては、非常に技術的なところがございます。これだけ基本的な枠組みが変更されたにもかかわらず、ここで立ち止まらずに多額の税金を投入する必要があるのかどうかと。ここは非常に技術的なものでございますので、先ほど金田先生がいろいろ、縷々おっしゃいましたが、ちょっとなかなか分かりづらいところがございますね。
 端的に言って、このプロジェクト、一回立ち止まってもう一度練り直した方がいいのか、このまま進めて大丈夫なのか、そこを金田先生、是非お話しいただければと。

)えっと、見直し…立ち止まって見直しをした方がいいと思います。当初の目的をどれほど達成しているのかどうか、NECが途中で抜けたことも含めて、無理がなかったのかどうか、等々いっぱいあると思いますよ。
 人材育成というのはみなさんは、利用者だけのことじゃなくて、作る人の人材育成、ある種の継承性もあるわけです、そこも含めて何ら考えていないような気がする。要するに、1社だけ残ったところで、残りの2社は全然コントリビューションしてないわけでしょ。その観点からいうと非常に大きな問題だと私は思う。ですから私が思うのは、一度立ち止まって、一年ほどかけて見直しをやるということが必要じゃないかと思いますね。一番効率的…これは(…)と違って、止めたからといって、技術は残りますから、それを使って、性能は落ちるにしろ、作って、使ってもらう。
 例えばベクトル機は排除ということになりましたけど、たとえばIPCCでコントリビューションあったからって3年後やるために、やっぱり今、プログラムが書けないと大変ですよ。書き直した結果が正しいかどうかという検証も含めなきゃダメだから、そう簡単にはいかないんですよ。だから同じ機械があって、使ってやった方がよっぽど楽ですよ。そうやってトータルとして研究者の時間の価値を考えると、できるだけ少量の、効果的な方法とマシンを入れてやるってのはありますからね。そこを含めてちゃんと見直した方がいいかと思いますが。というのが私の意見です。

文科省)
まず、私どもとしてはやはり1位を取るということは、この段階で非常に国力、国家基幹技術として大事だと考えております。金田先生のような冷静なご判断をいただければ、それも非常にありがたいと思いますが、そう思っています。それから、総合開発会議の、この、本プログラムに対する評価、その範囲内で今見直しができたということがございますので、この形で進んでおります

52:55


あのー、ちょっとかぶせて。今1位を取るとおっしゃいましたけれども、どんなにはかない瞬間の1位でも、それに大きな価値があるとおっしゃってるんですか。それと先ほど途中まで言われた、日米共同がなぜこの分野ではだめなのかということも、最後まで言って下さい。

文科省)
まず、日米共同についてでございますが、米国側がこれまで、そういう共同の姿勢を示していないということでございます。

)すいません、じゃあ、1位が取れなかった場合にはどうなるんでしょうか。

文科省)先ほど申し上げたように、様々な競争分野において、日本が不利な立場になると理解して…

)じゃあこれまでの競争の、投資した人的、財的投資は、全部ゼロになるということですか。

文科省)
正確には今、金田先生からアドバイスございましたように、10ペタのパソコンをしっかり作って、それを補強すると。スパコンですね、失礼しました。

53:45

)あの、ちょっと松井先生から。

)あのー、説明側の方が矛盾だらけなんですよね。どういうことかって言うと、世界一を取る、そうしないと全てがダメになっちゃう。で、こちらの、科学者だとおっしゃる方は、これをやるとすごく科学にとって重要だ、夢のようなプロジェクトと。夢のようなプロジェクトってのはね、すぐに分からないことだらけなわけですよ。このコンピュータ作ったからっていって、宇宙の起源分かるわけじゃないし、生命の起源分かるわけじゃないんですよ。で、だいたい今までの文部科学省の説明ってのは、必ず科学者を連れてきてね、科学的にこういう重要だから事業やりますっていうのは、もうお定まりの手法なんですよ。
 で、あなたがおっしゃってるのは、だけど、これができなきゃ世界一になれない。科学は必ず世界一になれないってことを言ってるわけですよ、できなければ。そんな馬鹿なことはないでしょう。これができないからってね、全てが、もう日本は二流国になっちゃうっていう説明はありえないですよ。あたりまえのことでしょ、これ。だから、そういう矛盾だらけの説明をしていてこの事業の正当性を主張するっていうのは、僕には理解しがたい。

文科省)
私が申し上げたのはこの、スパコンというシミュレーションの世界においての問題でございます。その点で不利な状況になるということでございます。

55:05

)すいません、ちょっと松井さんが言ったの、違うと思うんですね。つまり、経済効果を考えたときには世界一じゃないといけない。でも研究としてはこれはやりつづけなけりゃいけない。そこが矛盾していないかと聞いている。どちらを重視しておられるのか教えていただけますか。

文科省)
基本的にはやはり、我々としては研究でございます。

)だから研究の場合には、これがないからって日本の研究が全部ダメになるわけじゃないわけでしょう。IPCCのなんとかで日本のコントリビューションがなくなるわけじゃないし、たとえばここに書いてるような、自動車の衝突実験やるときに、このコンピュータ使わなくたって、今までのやつである程度はできるわけだし。もうあらゆることがね、これができなけりゃ全てダメになるって話じゃないわけですよ。だからその、科学としてここまでやるから、これがないとダメなんだという言い方はおかしいでしょうと言ってるわけね。で、今あなたがおっしゃったように、まさにそうなんだから、別にこのプロジェクトを一回立ち止まって見直したって、日本の国益にとってなんのマイナスにもならないでしょうということです。

理研?)
えー、私、科学者の立場から言いますと、もちろん世界一を取るっていうのは非常に重要でございますが、科学の進展のためには10ペタフロップスのマシンを1日も早く作ると。で、そして、そのために成果を上げる。これはもう、今あるスパコンとはかなりレベルが違いますので、まったく新しい視野が広がる、まったく新しい知識が出てくるということで、是非、できるだけ早く作っていただきたい。

56:40

)あのー、ひとつだけ。これは国民目線から見た場合非常に分かりにくい議論になると思うんですが、これを基礎研究とした場合に、このスパコンを作るというのはかなり労働集約型の気がするんです。すいません、私素人だから間違っているかもしれません。普通のノーベル賞だとか、画期的な技術開発っていうならまだ分かるんですが、これはかなり労働集約型、それで金田先生がおっしゃったように、一定のところで蓄積があるならば、それは別に死なないと。
 それから、世界一を取らなきゃいけないというけれど、日米の競争があるっていったら、じゃあドイツだとかフランスだとか、その他のヨーロッパ諸国はどうなんだろうかっていうと、そこの企業も全部潰れちゃうのかっていうと、そんなのはないだろう。ということは、日本の全ての企業が大ダメージを受けるということでもなさそうだ。というようなことだと、やはり積み上げ型で、どうしてもこの時期にやらなきゃいけないというのがやっぱり見えないんですね。もう少し遅くたって積み上げ型だったらできるんじゃないか。
 そのときで、もし…いや、お金があれば今やるべきだと思います。ただ、お金がないときだからこそ、ちょっとそのスピードを遅らせるのか、あるいはいったん見直しながらもっと効果的なものをやるのか、あるいはアメリカの開発を一番を取らなくてもいいからその一番を見ながらその次のステップを考えるのか、やっぱり一回見直すべきじゃないかなというのが、こう、まあ素人的に見てですね。特にこれは労働集約型だなあと思うので、そう思うんですが、そのへんはいかがでしょう。

文科省)
よろしゅうございますか。はい。この、10ペタクラス、世界最高性能を目指せという目標を掲げさせていただいているのは、やはりこの10ペタクラスのシミュレーションというのが、今までのシミュレーションとは質的に変わる、そういう段階だからというふうに認識しております。したがいまして、我々としては、できるだけ早く研究現場にそういう状況を整備をして、したい、それはございます。
 それで、今、この、いわゆる開発する技術力というのは、日本とアメリカ、それに中国が追いついている状況でございます。これを利用する技術は世界いろんなところで競争があるわけでございます。で、この10ペタクラスのを最初に、質が変わるようなところに、我々がいち早く入れるということは、そこでの利用の方でも、より競争力を持った状況になるということでございまして、ここが遅れると、全てその先行するものの背中を見て、いろんな研究なり、産業利用のソフトウェアなり、進めなきゃいけないという状況になるということでございまして、…

59:20

)それは、じゃあ、教えていただきたいのは、1位のところだけをみなさんの企業は利用したいということでしょうか。2位になって、もうちょっと応用したものを提供するということはできないんでしょうか。なぜ1位なんでしょうか。2位になって、もうちょっと安価で分かりやすい応用の技術を提案してあげれば、それは余力のない企業でも利用したいと思われるんじゃないですか。

文科省)いわゆるその企業等の、汎用的にするには、確かにこれから時間も必要だと思います。なぜ1位にこだわるか、まあいわゆる10ペタクラスに早く到達したいということは、繰り返しになりますけども、そこでの日本のいろんなアイデアが、世界に先行して発揮できる状況を作りたいと、そういうことに尽きると思います。

進行役)
えー、じゃあ原田さん。

)えーと、素人の質問なんですけれども、なんで日本のスパコンでないといけないのか。つまり、スパコンを使ったシミュレーションに意義があるというのは分かりましたけれども、別にアメリカのスパコンを使ってやってもいいんじゃないか。そのアメリカも、非常にたいへんなお金をかけて開発しているわけですから、それを売って資金を回収したいと思っていると思うんですね。
 まあ防衛省の方もそうなんですけれど、日本の武器でなきゃいけないとおっしゃるんですが、科学技術省さんも日本の武器でないといけないというか、スパコンでないといけない。その理由はなんなんでしょうか。

文科省)
よろしゅうございましょうか。そこは、いろんな技術がある中で、このまあシミュレーションというのは本当に影響の大きいところだと思います。それで、ハードウェアを作る技術と、それに相まってソフトウェアを開発する技術というのが、それがカップルで動くものですから。ハードウェアを作る技術も、日本の中に、もしきちんと持てないと、そこのところは、それを持っている国の技術に依存することになります。そうすると、いろんなこれからイノベーション始め、いろんな…

進行役)
えー、その趣旨は何回もおうかがいしておりますので

文科省)
あ、すいません。

進行役)
そこから先はけっこうでございます。時間的な問題もございますので、記入シートのお書き込みをいただきながら、引き続きご質問いただければ…先に、吉田さん

61:30

)えーと、産業界との関係に限っておうかがいします。一般論になっちゃうと、困る。
 ひとつですね、みなさんご承知だと思いますけど、企業は本音の事情を言えないときは、経営力の悪化って言って撤退します。どんな場合でも。それがですね、ひとつ、産業界からしたら当然企業が儲かるという意味だけじゃなくて、国民への波及も含めて、この技術の普及性とか、先ほど言いましたように波及性というのを見て、優先順位を決めざるを得ないんですよね。特にこういう、経営環境厳しい中では。
 で、その中で、産業界全体も、平成17年、18年の状況から大きく環境変わってますんで、このときの産業界、始めたときのニーズとかサポート体制と、また全然違うと思うんですね。だから、基本的には、しかも、産業界をリードするトップ企業のひとつと、訴訟を起こす準備をしていると言いながら、産業界のニーズはあるんだというふうに、まだ表面的な話をしているのはどうも理解できない。
 そういう意味でも産業界との関係の再構築とか、ニーズのもう1回把握とか、先ほどからいくつか議論が出てますから、そういうのをもう1回立ち止まって、その関係性、システムを見直したほうがいいんじゃないかと思いますけども。簡単にお願いします。

文科省)
エー、産業界との関係につきましては、本当に、昨年来の、百年に一度という状況の中で、今、2つの企業が、1つのグループでしたけども、撤退されたところの社の状況というのはそれなりに私どもも認識した次第でございます。それから、やはり産業界としてはここの、一番トップレベルの技術で開発した技術を、むしろより汎用性のある技術に使うというような、そういうビジネス展開も持っているだろうと思います。しかしその全体の世界不況の中で、やや予定していたスパコンの市場が主流として……

進行役)
お話しが噛み合ってないようですのでね。今、経済的な理由にしながらという、吉田さんの方はね。という、実はこういう本音としてはこういうことがないかというお話しでございますので、ちょっと噛み合っていないようでございますので、以上で結構でございます。

63:55

)先ほど巨額の研究開発投資が、日本だけじゃなくていろんな国も厳しくなる中で、競争よりも協調の方向を目指すべきではないか、日米、たとえば。そういうことで、一度もアメリカから打診がないことを理由としておっしゃいましたが。

文科省)
おそれいります。いわゆるスーパーコンピュータを開発する方につきましては、そういう打診なり、動きはございません。ただ、いろんな研究のレベルで、いろんなマシンを使って、ハイパフォーマンスコンピューティングのソフトウェアを一緒に開発しないかという、そういう(科学の?)協力は十分に可能だと思っています。

)この特定の分野において、よりコストを下げて、必ずしも競争環境でやらなくてよくて、協調できないかということを、アメリカにこちらから積極的に働きかけたことはありますか。

文科省)
私ども、アメリカの開発関係者ともかなり定期的に会っておりますけども、その中の雰囲気としてはそういうことを提案できるような状況には現在ないと理解しております。

65:00

)すいません、松井先生にちょっと私から教えていただきたいんですけど、先ほど答えを聞いていて、そうなのかなあと思うんですけど、たとえば1位じゃなくても2位になって、後追いかもしれないけども多様なプログラムを提供することによって、これまで開発した部分を回収してそこからもう少し発展できるような、民間に何かプログラムを売ることはできるのでしょうか。

)あのー、ソフトの話が先ほど出ましたけども、ハードで世界一を達成すると、それがソフトっていうところにも波及効果があるという説明なんだけれども、それはもう分野によってみんな違うんですね。ですから、科学者とおっしゃる方が夢を語るんだけども、その夢の部分とこれがね、繋がるっていうところが、まったく…ある部分ではそうですよ、それが普遍的にこうだって主張にはならないわけですよね。
 そこが無理があって、その無理を、やっぱりその、夢っていうか、普遍的な部分で覆い隠そうとするんで、おかしくなっちゃうんであって、これはこれで、どういう効果があって、どういう成果があるのかってことを、もうちょっと具体的にやっぱり、こういうものはやらなきゃいけないわけですよね。そういうのがこれまでの文科省のプロジェクトにはほとんどないようなもんだといってもいいようなもんだと僕は思うんですね。
 だから、普遍的なゴールを掲げて、それをみんな覆い隠そうとしているっていうのが一番の問題点だろうと僕は思っています。

進行役)
えー、評価シートの集約は、よろしいですか。はい。はい。えー、記入いただけましたら、はい。集めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

)すいません、同じことを、金田さんにも、書いたら、教えてもらっていいですか。なんかどうしても世界一だとか、その研究がないと日本は後追いするんだという説明を受けると、そうなのかなって思ってしまうし、研究を私たちは否定はしていませんので。

)ええと、ソフトウェアというのは非常に、松井先生もおっしゃるように、非常に特殊です。たとえば、今さっき、1番というのはですね…世界が10ペタを作りましたと。で、日本は9.9でも2番なんですよ。1番じゃないんですよ。そういう条件を考えるとほとんど違いはない。本質的に、1番2番の差がね、どうなのかっていうのはおそらく、合議されてないから微妙なところもあるんでしょうけど、まずそれを明らかにする必要がある。
 それから、ソフトウェア、言いましたよね。1年8ヶ月かけて4倍になった。そういうものなんですよ。そうやることによって新しいアイデアも出るんです。だから1番だからいいってことじゃ決してないんですよ。
 日本の場合は研究者が困っているのは、確かに困ってました。自民党のあれで、文教予算もらえるというのは、非常にありがたいと思いますよ。けれど、逆にスポイルしているかもわかんないんですよ。安易な方向に行ってる可能性がある。あのね、少し足りないくらいが一番いいんです。ものすごく大学、困るでしょうけど、少し努力させるくらいが、本当はアイデアも出るんですよ。それが新しい研究分野なり産業なり育成するかもわかんないんですよ。一番を取るというのは、僕はおかしいと思うんです。

68:10

理研)
やっぱり、サイエンスの世界、テクノロジーでもそうですけども、健全な競争って非常に重要なんです。ですから、世界一を目指すっていうことは、これは非常に重要です。

)あの、よく分かるんですが。ちょっと分からないんで教えていただきたいんですが、世界一を目指すっていう崇高な目的はわかるんですけども、科学の場合には、先ほど金田先生がおっしゃったように、目指している間に、想定外の発明が出てきたり、想定外の、もしかしたらこの分野で、日本は勝てるかもしれないというものが出てくるけど、1位を目指すがあまりに、こちらに目が向かないということもあると思うんですね。それはどうなんでしょう。

理研)
1位を目指す中では、もちろんサイエンティストはそのマシンを使って、それぞれの分野で世界最高の成果を出そうと努力するわけです。その中でいろんな芽がありますから、その中で本当にこう、ブレイクスルーが出てくると、これがサイエンスの世界です。けっしてその、連続的にサイエンスな…

)あの、でも、文科省の方ですよね。

理研)いえいえ。

)あ、ごめんなさい。

理研)
理化学研究所

)理化研…

(…しばらく集計作業のざわめきのみ)

71:34

田嶋)
はい、それでは、評価者の結論をご報告いたします。次世代スーパーコンピュータ、結論。廃止が1名。見送り、今年度見送りですね、が、あ、ごめんなさい、来年度の予算計上見送りが6名。予算縮減が5名でございますが、その中身も半額以上の縮減と、いうことでございますので、結論的には、限りなく見送りに近い縮減というふうに申し上げたいと思います。以上です。よろしいですか。

進行役) はい。えー、ありがとうございました。

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■  二つのスパコンが示す日本の二つの未来 - 池田信夫 のコメント欄

コメント一覧

1. kbk7478 2009年11月28日 12:54
池田先生のおっしゃる通りだと思います。私はバイオ系の若手研究者ですが、科学技術関連の国プロは公共事業と同じ構造です。 私が思うに、科学技術分野で破壊的イノベーションを起こすための制度設計は、講座制で若手を縛る制度を全廃し、テニュアトラック制を導入すべきです。
件の濱田先生も長大のテニュアトラック教員です。理系は徒弟制が色濃く残っていて、教授以外のスタッフは教授の下働き要員になっていますので、彼らを解放し、ボトムアップ的な競争的資金を増やすべきです。


3. hogeihantai 2009年11月28日 15:15
長崎大学の浜田剛助教授は任期限定のテニュアトラックです。
現在国立大学の教職は殆ど定年までの雇用が保証されています。
以前は60歳だった定年も延長され65歳となっています。無能な教授が学者としての実績は何もなくとも、政治力だけは馬齢を重ねるほど身に付け、人事権と予算配分に力を発揮するのが日本の学界の実態だ。
オーバードクターはどんなに優秀でもポストがなく、浜田氏のようにテニュアトラックのポストが空いてれば運がいい方だ。それでも地方大学では研究費がつくことはないだろう。池田さんも '科学技術という名のバラマキ' で指摘されているよう、最先端研究開発支援プログラムの30件2700億円の配分も大学の偏差値と学会のボスの権力で決まり内容は殆ど関係ない。
大学の任期制度、定年制度にメスを入れ、予算や研究費の配分も事業仕分けのように公開し透明度を高めるべきだ。




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■ ゲーム機がスパコンになるとき - 池田信夫 blog のコメント欄

* otto_potter 009年12月11日 23:05

話はもっとシンプルで民生品だから単純に生産性が高いという話ではありません。
セルも元々IBMのpowerPCの資産の上に開発されていますが、それでもCPUの開発費だけで確か1000億近くかかったと報じられていたと思います。更に生産設備に5000億の投資が必要だったとか。理研のプロジェクトは1200億でCPUからスパコン一式、建屋まで立つのであれば効率は言われるほど悪くない様に思います。
ただ、ソニーは(CELLは)その資産のプレステ3で毎年3万x1000万台=3000億以上の売り上げを得ているのに対して理研のプロジェクトは馬鹿高いスパコンが出来るだけで、それ以上に見える形の波及効果がないことです。トータルの売り上げまで含めればCELLの方が遥かに生産性は高くなります。理研のプロジェクトにそれだけの売り上げを求めるのはそもそも間違っていますので、EXITをどうするか、開発成果を何に生かすかを描けていない所に最大の問題があります。そうでなければバカ高いおもちゃに過ぎません。
今、日本にかけているのはこのような一つ一つ成果を組み立てて大局を描いてゆく戦略です。低レベルの議論を見ていると仕分け担当の議員さんも含めて参加者全員にそのためのインテリジェンスがないことがよくわかります。

* maho_nakata * 2009年12月11日 12:18
多数つなぐのは必ずしも良いわけではありません。
化学は多くの人、専門家でなく実験家までもが計算をする時代になりました。
今スパコンといってもGaussianという量子化学計算プログラムが走って居る時間が多く占めている、というのがジョブキューをみるとわかります。つまり並列でなく、小さなジョブで1ノードをがっちり占有するプログラムです。先日東工大のTSUBAMEを見学しました。ジョブキューをみるとGaussianがとても多かったです。ClearSpeedは使われているかと聞くと、ほとんど使われてないとのこと。Gaussianは並列効率が大変低いプログラムです。量子化学計算プログラムの超並列版の作成は大変難しいと思います。Cellなんかどうやって使うんだろうとか思います。GPGPUをつかったものも研究中ですが、どこまでいけるのかはかなり疑問です。 また別の要素としてGaussianのインターフェースに慣れている人が多く、他にプログラムができたとしても移行は難しいでしょうね。


* maho_nakata * 2009年12月11日 12:35
二点。
1.予算減額は若手研究者の人件費の削減になる、という予想をしてます。
まぁ多少の予算減額はあってもスパコンはできるでしょう。世界一もでるのかもしれませんね。ただ減額分は若手の給料からでるんでしょうね。なんとなくうわさでは予算計上しても真っ先に人件費から削られてゆく、というのを聞きます。教授がプログラム書くのかなとか、思ってみたりしてます。

2.プログラムが出てくるか。
何本プログラムが出てくるか、見ておいたほうがいいですね。スパコンも結局ソフトウェアがないとスイッチ上げとくだけで年一億はかかる(Dongarraが1MW=1億円といってた)だけです。日本はプログラム消費国としては有名だと思います。どれだけちゃんとしたプログラムが出せるか、楽しみです。ここまでフリーソフトウェアが重要だと認識されてきたのに日本の大学から出ているフリーソフトウェアは皆無ですし。(まぁ単純な比較は難しいですが、Linux使っている人がいらしたらどれだけのソフトが日本産かみてみたらよいと思います)

* bobby2009
* 2009年12月11日 21:19

maho_nakataさん、

>ジョブキューをみるとGaussianがとても多かったです。
私はスパコンのユーザーでもベンダーでもありませんが、Gaussianのソフト・ベンダーのウェブサイトを見ると、クラスタマシン用のGaussian09のライセンスもあるようです。
「マルチプロセッサ(コア)での並列処理
Gaussian 09 UNIX では、マルチプロセッサまたはマルチコア(共有メモリ)システムを使ったプログラムの並列実行が可能です。」とあります。並列処理用のライセンスもあるようです。予算の関係で、並列用ライセンスが普及していなのか、それともこのプログラムが並列処理に適していないのでユーザーが少ないのか、それはわかりませんが...
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■ スーパーコンピュータと核兵器と私  藤沢数希 2009年11月27日

民主党の事業仕分けによって、理研と富士通の共同開発による世界一速いスーパーコンピュータ(スパコン)を作る国家プロジェクトが中止に追い込まれそうで、方々で話題になっているようです。

その議論は「日本は資源のない国だから科学技術に投資をしなくてどうするのか」といったものから「これは一種の公共事業で競争力のない特定の業界や特殊法人との癒着による談合だ」といったものまでいろいろあるようです。

しかし、こういう議論をしている評論家も民主党の議員や急にいろんなことをいいだした大物学者もスパコンを実際に使ったことがある人はいないのではないでしょうか。

ということで、だいぶ昔に基礎科学の研究をしていたころ僕はスパコンを毎日のように使っていたのですが、なんとか昔の記憶を思い出してスパコンというものを解説してみたいと思います。

1.スパコンはどうやって使うのか?

おそらく科学者がなんか複雑な計算をスパコンで実行して難しい問題の答えをだすみたいなことをみなさん想像しているかもしれませんが、ここでちょっと具体的に書いてみましょう。

スパコンの仕組みは簡単にいうと普通のパソコンと似たようなCPUをめちゃくちゃたくさん並列につないだだけです。
だからひとりの研究者がひとつのスパコンを使うのではなくて、必ず複数のプロジェクトが同時に走っています。
ひとりで独占的に使うのは、最初にスパコンの性能をはかるタイムアタックのときだけでしょう。
スパコンで計算するものは流体力学とか電子工学とか核融合とか膨大な計算が必要なシミュレーションで、それぞれの分野でだいたい世界標準的なプログラムがあります。
たとえば流体力学の研究ではそういったすでにあるプログラムを使ってシミュレーションします。
いろいろと条件を与えてスパコンに夕方ぐらいにほうりこんでおくと次の日に結果がでているというわけです。
このようにスパコンにインストールされているプログラムを使っていろいろな実験をするのです。
最近では、スパコン用のプログラムを作る人と、そういったプログラムを使って数値実験する人は分かれています。
あまりにも専門的になりすぎているので、両方を同時にこなすのはかなり大変だからです。
ちなみに日本はスパコン要のソフトウェア開発では世界に遅れており、代表的なプログラムの多くが海外の研究者によって開発されています。

スパコンのリソースは学識経験者による委員会が、応募されてくるさまざまな研究プロポーザルを評価して、優先順位の高いものから順番に振り分けていきます。
民間の研究者がリソースを買うこともあります。
このリソースはCPUの数x時間ではかられます。
スパコンのユーザーはこの割り当てられたリソースをお金を使うかのごとくちみちみ使っていくのです。
たとえばひとつの計算を100個のCPUで5時間実行すると100x5=500のリソースがなくなるわけです。
実績を上げている優秀な研究者は一か月に100万CPU時間とか割り当てられます。
こういった計算単位をジョブといって、たとえば「120個のCPUで10時間計算しなさい」と指示して登録しておくと、順番が来ると計算をはじめてくれます。
大型のスパコンだとこういったジョブが何10個かは必ず同時に走っています。

まあ、要するに何がいいたかったかというと、ユーザーからみればひとりでひとつのスパコンを独占するというようなことはありえないので、そのスパコンが世界一速いかどうかは実はどうでもいいといえばどうでもいいということです。

単純にユーザーの視点でみれば、世界一のスパコンを一台1000億円かけてつくるより、コストパフォーマンスのいい10億円のスパコンを競争入札で100台買った方がはるかにいいでしょう。

2.おもにどういったものを計算するのか?

自動車のエンジンの燃焼などのシミュレーションや半導体デバイスのさまざまな設計、飛行機の流体力学的な最適化、製薬のための高分子のシミュレーションなどなど、わりといろんなことに使われています。
金融工学とか計量経済学でもティック・データの解析などでたまに使っていたりします。

しかし、なんといっても世界最速のスパコンが活躍している分野は一にも二にも核兵器の開発です。
たまにスパコンは核兵器のような軍事目的にも使われることもあるなどと紹介されたりしますがこれは大きな間違いで、スパコンは最新鋭の核兵器を外国よりも優位に開発するために進化してきたのです。
自動車のエンジンも半導体デバイスも飛行機も製薬も実際につくってみて試行錯誤すればいいのであって、スパコンのシミュレーションが絶対に必要なのかといったらそうでもありません。
こういった分野ではシミュレーションは開発過程のなかで脇役に過ぎません。
ところが核兵器は簡単に実験できないからシミュレーションが主役になるのです。
そのうえ核兵器の開発競争で悪の枢軸国に敗れたら大変だなどといえば、政治家も国民もみんなお金を出さざるをえないので、アメリカでは核関連の研究費は湯水のようにつきます。
スパコンは核兵器のために発展してきたのです。
ランキングで上位にはいるようなおニューのスパコンはだいたいこのような核兵器に強い研究所が使っています。
最近は平和団体や環境団体などがうるさいので実験できませんが、昔は太平洋の島とか砂漠で本当の核爆弾の実験をしたりしていました。
アレは実はコンピュータ・シミュレーションのためのさまざまなパラメータを決めることが大きな目的だったのです。

要するに何がいいたかったかというと、核兵器開発に熱心ではない日本が、アメリカとスパコンの開発競争をするのは税金を投入するというモチベーション的にはかなりきついんではないかということです。

あとスパコンの事業仕分けとはぜんぜん関係ない話なんですけど、日本はせっかくアメリカの核の傘に入れてもらって仲良くやっているのに、民主党はアメリカとの核密約を追求してアメリカに核を日本に持ち込ませないように約束させようとしています。
もうバカかアホかと・・・


3.スパコンのタイプと開発競争の歴史

スパコンというのは昔はふたつのタイプがあってお互いに性能を競い合っていました。
スカラー型とベクトル型です。
スカラー型のCPUは一回の動作で最低限の基本的な演算を一回すばやく実行します。
AとBを加算してCに代入せよというような演算を一回するのです。
CPUは極力単純に設計されていて、複雑な計算はソフトウェアーの方で対応するという考え方です。
みんなが使っているパソコンのCPUはスカラー型です。
ベクトル型では一回の動作で複数のデータに同時に演算を実行できるようにしてあります。
AとBを加算してCに代入せよという命令が配列単位でできるのです。
スカラーは点でベクトルは線なのです。
ベクトル型のCPUは特定の用途で高いパフォーマンスを発揮できます。
ベクトル型CPUの設計は非常に複雑で開発はかなり職人芸の世界です。
パソコン用の3Dグラフィクス・カードに搭載されるGPU(Graphics Processing Unit)はこのベクトルCPUと似た構造を擬似的に実装して安価に生産できるようにしてあります。
スカラー型のスパコンはとにかく速い単純なCPUをなるべくたくさん並列につないで性能をあげます。
ベクトル型ではCPU自体に高機能なロジックを組み込んでいきます。

日本はベクトル型が得意で、土地バブルがはじける前後の1990年ぐらいは、NECとか日立とか富士通といった日本のメーカーが世界を席巻していた時期で、世界のスパコン・ランキングでも日本はアメリカと互角か分野によってはそれ以上の地位を占めていました。

ところがパソコン用のCPUの性能が飛躍的に向上していくなか、ベクトル型はスカラー型にかなわなくてなっていきます。
こういった汎用CPUはパソコンという巨大なマーケットがあるため莫大な研究開発費を投入でき、どんどん進化していきますしコストもどんどん下がっていくのです。
そしてベクトル型が得意だった日本のメーカーもスパコン・ランキングからどんどん姿を消していったのです。

また汎用的なスカラー型の方がソフトウェアの面でもユーザーが多いのでどんどん充実していきます。
複数のCPUを同時に効率的に使うためのクラスライブラリーも非常に充実しており、スカラー型のスパコンはどんどん標準化されていきました。
ある意味、最近のスパコンはコモディティー化しており、世界一のスピードといったような技術の最先端を競い合うという分野ではなくなっているのかもしれません。
ユーザーが少なくプログラミング手法も特殊なために、ソフトウェアの面でもベクトル型はどんどん不利になってしまいました。
この辺の日本のメーカーの敗れ方は、最近よく聞くガラパゴス化というやつですね。
将来ベクトル型じゃないと計算できないような重要な科学技術の問題が現れる可能性はゼロではありませんが、現状ではベクトル型コンピュータは完全に開発競争の中でスカラー型に敗れたといってもいいでしょう。

そして今、俎上に載っている理研と富士通のスパコンは実はスカラー型です。
要するにとうとう日本のメーカーはベクトル型はあきらめてIBMなどの世界のベンダーと同じ方式に切り替えたのです。
同じ仕組みだったら価格性能比で一番いいものを買えばいいというのはその通りで、国産にこだわるのはユーザーサイドからみるとやっぱりおかしい話です。

そしてここ10年ぐらいのトレンドはPCクラスタという技術です。
これはLinuxPCを少々速い特別のLANで複数つなぐだけのものです。
しかしPCはムーアの法則でめちゃくちゃコストパフォーマンスがよくなっているから、最速のLinuxマシンでも一台10万円ぐらいしかしません。
これを高速LANで100台ぐらいつなげば自家製スパコン一丁あがりです。
僕が研究していた時は「3年前に10億円で買ったスパコンよりいいものが500万円でできた」などといってPCクラスタが流行っていました。
今のPCクラスタはきっともっと性能がいいでしょう。
PCクラスタもスカラー型のスパコンも仕組みは基本的には一緒なので、並列計算用の膨大なライブラリーが存在しそれらがほとんど無料で使える状況です。
Googleなんて明らかに莫大な計算性能を保持していますが、Googleがスパコンを買ったという話を聞いたことがありません。
Googleは自前で巨大なPCクラスタを構築しているのです。

要は何がいいたかったかというと現状ではコストパフォーマンスはPCクラスタが圧倒的に一番いいということです。
世界最速のマシンならスカラー型のスパコンです。
スパコンの性能を決めるのはCPUのパワーよりはどちらかというとCPU間の通信速度の方で専用のデバイスで極限まで速くしてある大型スパコンはやはりPCクラスタなんかよりパフォーマンスはいいです。
とはいえベクトル型のスパコンの画期的な用途が将来発見されるかもしれないので、基礎研究として日本が独自の路線にも研究開発費を投じることを否定するわけではありません。


4.結論

ユーザーからみたら1000億円あったら日本も含む世界のメーカーから一番安くて一番いいスパコンをたくさん買った方がいいことは間違いまりません。
これが経済合理的な解です。
とはいえ、そんなことをいいだしたらオリンピックで金メダルを取るのはなんの意味もないといっているようなものなので、科学技術立国日本のシンボルとして世界一のスパコンを目指すのもいいかもしれません。
スパコン開発自体はコスト割れかもしれませんが、それなりに周辺技術も発展するでしょうし、優秀なエンジニアを育てるといういい副作用もあるかもしれません。
しかし国民(タックスペイヤー)を説得するにはもっといいストーリーをでっちあげる必要があるでしょう。
僕としてはスパコン要のソフトウェア開発のほうで日本のプレゼンスがなさ過ぎる方が、ハードウェアより問題だと思いますけど。

ところで、もしこのスパコンの国家プロジェクトが中止になってしまったからといって、このプロジェクトに関わっていたエンジニアは悲観することはありません。
このような日本最大級の予算をゲットできるということは(僕は面識はありませんが)スパコンの世界ではかなりすごいひとたちなのでしょう。
日本の大企業で負の遺産を背負いながら働くのも大変なので、優秀なエンジニアだけでスピンアウトして身軽になってベンチャーをはじめることもできるかもしれません。
そこまでいかなくてもIBMとかクレイとかからすぐにお呼びがかかるでしょう。
こういうのを見るとすぐに頭脳流出とか、国産技術がなんとかといってギャーギャー騒ぐ人がいますが、別にこうやって優秀な日本のエンジニアが自分の力を一番発揮できる海外の会社や大学に移籍することも、イチローや中田が世界で活躍するのと同じぐらいすばらしいことです。
逆に日本が世界の最先端の分野には、どんどん世界から優秀な人に来てもらえばいいのです。
人材の適材適所で世界全体の富は増えます。  以上。





 日本のスパコン開発はとても複雑で深刻な問題である   藤沢数希 2009年11月29日

正直、僕はスパコン問題にはあまり関心がなかったのですが、ネットで話題になっていたし昔スパコンのユーザーだったので適当にエントリーを書いたら思いもかけずさまざまな専門家からいろいろフィードバックがあり、また僕もこの問題をいろいろ調べてスパコン問題の深刻さを理解するにいたりました。

ちなみに前回のエントリーもいろいろと修正しておきました。
いろいろ間違いを指摘してくれた方、大変ありがとうございます。

以下、今、わかっていることをいろいろと書きます。

1.今回の富士通と理研のプロジェクトには問題があった。

当初は日立とNECも加わってベクトル型とスカラー型のハイブリッド仕様という設計でした。
その前提で最大規模の国家予算を獲得したのですが、金融危機等で日立とNECは莫大な研究開発費を負担することはむずかしいと考えて、この国家プロジェクトから離脱します。
ベクトル型スパコンで定評があったNECが文科省に財政支援を申請したところ断られたことで経営合理化のために撤退を余儀なくされたようです。
残った富士通と理研は、ベクトル型が得意だった日立とNECが抜けたので、スカラー型のスパコンに仕様変更しました。
だとしたらやはり今回のプロジェクトは仕切り直しするのが筋でしょう。
日立とNECが離脱したことを考えると、国からのお金だけではメーカーにとってはスパコンだけでは赤字になるのでしょう。
そういう意味で、国がメーカーに市場価格より割り増しの価格で発注して安直な利益供与をするタイプの典型的な政官財の癒着による悪い公共事業ではなかったとはいえるのではないでしょうか。


2.世界でまともなスパコンを作れるのはアメリカと日本だけ。

現在、世界のスパコン市場を席巻しているのはアメリカのメーカーです。
IBMとHewlett-Packardだけで70%以上で、ここにスパコンの専門メーカーのクレイやSGIなどを加えるとマーケットの95%以上をアメリカのメーカーが独占しています。
日本は数%もありません。
それでもまともなスパコンを作れるアメリカ以外の唯一の国が日本なのです。
ちなみに廉価版スパコンのPCクラスターはどこでも作れますが。


3.日本のメーカーのスパコンは残念ながらコスト競争力がない。

アメリカのメーカーと比べて、今の日本のメーカーはまったく価格競争力がありません。
要するに今の日本のスパコンを買うのは日本国政府、つまり日本のタックスペイヤーだけなのです。
PC用の汎用的な部品は台湾や韓国のメーカーに追い抜かれ、CPUなどの高付加価値の部分はアメリカのメーカーに独占され、日本のメーカーはコンピュータ産業の中で完全に凋落してしまったのです。
正直、暗澹たる気持ちになってきます。
どこで何を間違えたのか、政府もメーカーもこの失敗を総括して、深く反省しないといけないでしょう。


4.今のところスパコンの市場規模は小さいのでスパコンを売って直接もうけることは無理だろう。

せいぜい世界で数千億円程度の市場規模で、莫大な研究開発費をペイすることは難しいでしょう。
ある意味、アメリカのメーカーは軍事研究で湯水のように税金が投入されるので、スパコン価格をダンピングしているとも考えれられます。
将来、スパコンの市場規模は成長するでしょうが、PCクラスタのような民生用のデバイスを組み合わせて作るものが主流になる可能性が高いでしょう。


5.日本国政府がスパコン事業への税金の投入をやめればスパコンを作れるのはアメリカのメーカーだけになる。

日本国政府が税金を投入し続けなければ、日本のメーカーはおそらくスパコン事業から撤退するか、大幅に規模を縮小するでしょう。
今から日本のメーカーが自力でアメリカのメーカーに追いつき競争するのは不可能に近いからです。
政府からの資金援助がないのだったらいさぎよく撤退するのが経営者としては当然の判断でしょう。


6.スパコンは規模の経済と独占が働くので必ずしも自由競争市場だけが問題を解決するわけではない。

半導体産業のように莫大な初期投資をして最初にマーケットシェアを奪った数社のメーカーが市場を独占してしまうような分野では、必ずしも市場原理が全てを解決してくれるわけではありません。
たとえば、ひとつのメーカーに政府が補助金を出し続けて他のメーカーを駆逐して独占状態を作ってしまえば、その後の新規参入は極めて難しくなります。
ユーザーはこの独占メーカーのいい値で製品を購入せざるを得なくなります。
この辺は独占禁止法や国際問題の微妙なところで、日本は外交力がないのであまりいい思いをしていないようです。
半導体メモリーでは、日本は台湾や韓国にこてんぱんにやられました。
台湾政府や韓国政府の果たした役割は大きかったのかもしれません。
残念ながらスパコンはアメリカのメーカーの独占状態です。
現在はアメリカの複数のメーカーが激しく競争しているので、アメリカ製の安価なスパコンを買うことはできます。
しかし、この状況がいつまで続くかはアメリカ政府の独占禁止法の運用のさじ加減で決まる部分があるのも事実です。
やはり複数の国のメーカーが国際市場で競い合うのが理想的でしょう。


7.スパコンは防衛力とも基礎科学の研究とも深く関係しているので必ずしも短期的な経済効果だけではその意義をはかれない。

だからこそアメリカは地球シミュレータで日本がスパコンで世界一になった後に、国家プロジェクトとして軍事関連予算を湯水のように注ぎ込んで一位を取り戻したのです。


8.結論

今後、スパコンによるシミュレーション技術はあらゆる分野でますます重要になっていくのは明白でしょう。

しかし、スパコンはある意味ただの道具で、問題はそれをどう使うかです。
そういう意味で、アメリカのスパコンを安くたくさん買えばいいというのはその通りで、もっとはやくそうするべきだったという意見もそれはそれで筋が通っています。

日本は「日の丸技術」にこだわり続けたので、アメリカからスパコンを買って研究開発している欧州に比べて、多くの税金をかけながらも世界の中での計算リソースのシェアは残念ながら少ないです。

しかし、スパコンを作る技術が全てアメリカのメーカーに独占されてしまうのは、やはり一抹の不安があるし、「多くの税金」とはいっても日本の農業に費やした不毛な直接的、間接的な税金(年間5兆円程度)に比べれば桁がふたつちがうのもまた事実で、せいぜい年間数百億円程度のスパコン国家プロジェクトが単独で国家財政に影響をあたえることはないでしょう。

世界中のユーザーにとっても、アメリカのメーカーに独占されるよりは、アメリカと日本のメーカが競争した方がいいのはいうまでもありません。

しかし、残酷な現実として日本のメーカーに税金を投入したからといって、アメリカのメーカーと競争できるようになるかといったら非常にきびしいでしょう。

そこを無理してコストを省みずに税金を投入してベンチマークの性能でつかの間の世界一を奪回しにいくのは、まさに客観的にみれば誰もが勝つ見込みがないと知りつつ戦艦大和を建造した太平洋戦争敗戦直前の大日本帝国を思い出させます。
そして日本の敗戦を決定づけたのが広島と長崎に落とされた原子爆弾で、現在はスパコンが核兵器の開発と深く関係しているというのは、皮肉としかいいようがありませんね。

あれほど世界を席巻して日本経済を牽引していたメーカーがこの状況ということは、いったいこれから日本は何で飯を食っていくのでしょうか。

そもそも20年前に日本のメーカーが強すぎて、日本の性能のよすぎるスパコンがアメリカとの外交問題にも発展していた頃は、税金でスパコンを作っていたわけではありません。  汎用PCでもうけた莫大なお金を使って、すぐにはもうけのでないスパコン開発まで余力でやって、それでもそのスパコンでアメリカを圧倒していたのです。
今やスパコンに限らずこれからの時代に極めて重要な先端技術はことごとくアメリカに押さえられています。

ところが30兆円の税収で90兆円の予算を組む日本国政府のリーダーの鳩山君は、アメリカ型の市場原理主義は崩壊したのでこれからは経済合理性にとらわれずに友愛精神でやっていくという方針をかかげ、あまり付加価値を生まない方の国民にお金をばら撒くことばかり考えています。

それにしても我々日本国民は大変なことになりましたねー。Orz。














  タグ: スパコン
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● 事業仕分けで スパコン予算 267億円 大幅削減は、仕方がない。 青空と麦穂
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● 国内最高速のスパコンが3800万円の時代に、1200億円の税金投入はムダ。
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● 三橋貴明の文科省の スパコン予算 擁護は、大きな政府 擁護。  青空と麦穂
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記事リンク スパコン予算問題は、大きな政府。 効率よく技術開発を
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● 読売社説 「スパコン凍結 科学技術立国の屋台骨が傾く」は、大きな政府。
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スパコン予算と クライメートゲート事件の、大手新聞が報道しない事実 2009.12.10
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読売新聞のスパコン報道姿勢と、月刊リバティ2月号の記事に注目 2009.12.12
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● スパコンンに今、必要なのは 低価格で高性能を実現する イノベーション
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● 事業仕分け。 スパコン予算の凍結判定の 東京大学金田康正教授は計算科学の専門家


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関連記事
コメント
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■  社会起業家とか眠たいこと言ってんじゃねーよとか私は思うけど。
堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ 2009-12-20
   http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10414657550.html

・・・
それと、去年東大の売店で購入した東大本。
東大の基金の少なさに愕然とする(数十億)。
スタンフォードに比べて桁が1つどころか3つくらい違う。
政府の科研費にどれだけ依存してきたのか、しかもその額が十分でなかったのかよくわかる。私の先輩なんてApple IIの正規版買えなくて台湾製のパチモンつかってたからね。

東大はこの本に載っている素晴らしい研究を事業化するときに出資を積極的に行い、そのキャピタルゲインを基金にフィードバックするエコシステムを完成させるべく努力をすべし。卒業生(私は中退だけど)に寄付だけを望んだところでたかが知れている。桁がせいぜい1つ上がるだけだ。それでは自主的な科学技術の推進はできるまい。スパコンの予算が削減されたようにこれから国には頼れなくなる。間違いない。


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■ スーパーコンピューターが必要か » 経済学101
   http://rionaoki.net/2009/11/1621

世界一のスーパーコンピュータ開発が必要だと思うなら、すべきことは、

「スパコンで世界一になる意味はあるのか?」

という問いに真摯に答えることだ。繰り返しになるが、選挙で選ばれた議員の質問に答えるのは民主主義を支持するなら必要なことだ。
議論において、発言内容それ自体(「スパコンで世界一になる意味はあるのか?」)に反論するのではなく、発言者(蓮舫参議院議員)の物言い・出自を批判するというのは極めて不健全なことだ。


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2010/01/14(木) 16:33 | URL | 記名なし #-[ 編集]
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■ 「技術立国ニッポンの虚像が露呈した」 - 国策スパコン、復活の意義を問う:ITpro  2010/01/06

事業仕分けの当事者 金田康正氏はなぜ事実上の凍結判定を下したのか
   http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20091225/342666/

世界一の計算速度に固執した国策の次世代コンピュータ。無駄な予算を判定する行政刷新会議の事業仕分けは、なぜ、事実上の凍結判定を下したのか。計算科学の専門家で、仕分け人として鋭い指摘を関係者らに浴びせかけた東京大学の金田康正教授は、迷走した一連のスパコン問題の根底には「日本の科学と技術への無理解がある」と指摘。「技術立国ニッポン」は虚像であることが露呈したことを示唆する。(聞き手は島田 昇=日経コンピュータ)


 予算復活はいいが不本意

 迷走した国策スパコン事業の予算が復活した。
 率直な感想は。

現時点(12月18日)で文部科学省の見直し内容の詳細が公開されていないため、あくまでマスコミ発表の情報を基に議論せざるを得ない。そのため、どの点を見直すべきかコメントしづらい状況ではあるのだが、率直な感想としては「予算が復活したことはいいが、不本意である」ということだ。

 スパコン事業が凍結となれば、日本の技術力が途絶える可能性もある。一部で日本の技術力が海外に劣るとの指摘もあるが、必ずしもそうとは言えない。この技術力を伝承させていくためにも、本来は立ち止まるべきではない。

 しかし、現状のままでスパコン事業を継続させていくには、問題点が多数存在する。本心ではその分野の研究者として国策スパコン自体には期待しているのだが、現状のスパコン事業のやり方には到底賛成しかねるので、国策スパコンには11月13日の事業仕分けの場も含めてこれまで、一貫して批判の立場を貫いている。

 確かに、事業仕分けの一事案における1時間という時間は短い。しかし、それでも私を含めた仕分け人たちから多くの問題点が指摘された。少なくともそこで挙げられた問題点を精査し、明確な改善策が定まらない中で事業を継続してしまうことは、非常に問題であると言わざるを得ない。


 スパコンが必要な4つの意味

 スパコン事業における最大の問題点は何か。

そもそものやり方が最大の問題である。スパコン事業は当初、私の認識では2004年まで参議院議員だった元東京大学総長の有馬朗人氏が地球シミュレータ(2002~2004年にかけて米国に多大な影響を与えたかつての世界最速の国策スパコン)に続く次世代スパコンの必要性を訴え出したことが大きなきっかけの一つだった。有馬氏が訴えたスパコンには、4項目の必要条件があった。

 1つめはスパコン技術の伝承である。プロセッサやネットワークなどの主要技術から運用に至るまで、スパコンに必要なすべての技術およびノウハウを途切れることなく伝承させる必要があるためだ。2つめは競争環境を用意することである。健全かつ透明性のある競争環境が技術や利用者を育てるため、2つ以上のスパコンセンターに開発から運用までを同時に行わせる必要があると考えたのだろう。3つめに、それらスパコンセンターを大学に設置しそこに利用者や技術者が集まることも必要だ。ハードウエアとソフトウエアの両面で技術者が専門的にスパコンにかかわり、互いに切磋琢磨できる環境を用意しなければ、人は育たない。最後に、技術、競争環境、利用にかかわる人材育成を継続して行っていくことである。

 にもかかわらず、気がつくと世界一の速度をベクトル型とスカラー型のハイブリッドシステムでやることが最大の目玉となっていた。当初求められていた国策スパコン像が十分に反映されず、それが見直しもされずにここまで来てしまった。これでは、予算を獲得するために世界一という目標、言うならばスローガンが定められ、獲得された予算に関係各社が群がった結果、おかしな方向に向かってしまったと見られてしまっても仕方がないだろう。


 利用への認識が大変に甘い

「何をするためのスパコンなのか分からない」という批判は多い。これを受けて、文部科学省はスパコンの活用で発展が期待される研究分野の重点5分野(生命科学、新物質、気象、次世代ものづくり、宇宙=発表資料)を発表した。

そもそも、今後の発展が期待できる研究分野が的確に分かるはずがない。本来、意欲がある研究者であれば誰でもスパコンが使える環境を整え、その結果、国としても有望な研究分野が誕生するというものだ。だから先ほどの有馬氏が訴えたスパコン事業の必須4項目には、意欲のある研究者なら誰でもスパコンを活用できるようにするという第5項目を加えてもいいかもしれない。

 大切なことは、それぞれの用途に応じたある程度の計算能力を持ったスパコンを複数台用意することだ。現状、国内のスパコンは速くても 100テラFLOPS程度だが、欧米と同等の計算機利用環境を提供するためにも500テラFLOPSから1ペタFLOPS程度のスパコンがすぐにでも必要となっている。仮に、現状からいきなり100倍の京速計算機が用意されても、国内では進んでいる気象関連の計算などの一部の用途を除き、使いこなせると考えるのは大変に甘い。極端に国費をつぎ込んでそれを使いこなせなければ、実にもったいない話だ。


 技術を知る人に「富士通劣勢」は明らか

 国策スパコンはどうあるべきなのか。

白紙の状態から、これまでとは全く異なるアーキテクチャで科学や技術の計算に特化した汎用のハードを、2つ以上のセンターで競争させながら開発やスパコン利用を行うべきだ。ハードの設計は、科学と技術に一定の理解がある既存の常識にとらわれない人材にやらせた方がいいとさえ思っている。下手に計算機に詳しい人材よりも、発想力に富むと考えられるためだ。

 米IBMが現在開発中の最新鋭機で使われている技術は、富士通が開発するものと比べて圧倒的に優れていると見た方がいい。実際、 2009年12月になってから、私はIBMの最新鋭機に搭載する予定のプロセッサ「POWER7」をベースにした基板の詳細を、開発関係者以外の日本人としては初めて、開発者から直接見聞きする機会を得たのだが、正直、「これでは(サン・マイクロシステムズと富士通が開発する)『SPARC64 VIIIfx』を使う国策スパコンは相手にされない」と確信した。

 恐れるべきは、マスコミがよく比較するかつて地球シミュレータの計算速度を抜いたIBM製「BlueGene」の後継機である20ペタ FLOPS級の最新鋭機ではなく、POWER7を搭載したIBMが真に本腰を入れて開発する汎用性の高い最新鋭機なのである。これは性能当たりのCPUの消費電力、クロック、ノード性能のどれを取っても、明らかに富士通が開発している汎用性の高さを狙うマシンに勝ると考えられるためだ。世界最大のスパコンの国際会議「Supercomputing2009(SC09)」でもIBMのPOWER7ベースと富士通のSPARC64 VIIIfxベースの基板が展示されていたようだが、技術が分かる人が見れば富士通劣勢は明らかであると分かったはずだ。加えてこの最新鋭機の技術をビジネス展開することを考えると、国策スパコンよりもペタFLOPS当たりの単価を大きく抑えることができ、圧倒的優位に立たれると予想できるのである。

 だが、日本の技術力がすべてにおいて劣勢であるわけではない。むしろ日本の技術力はまだ世界に十分通用する。SC09で展示された POWER7ベースの基板は日立製作所が作っているという事実がある。またスパコンに適したOS(基本ソフト)、性能の高い実行時ルーチン、並列化能力の高いコンパイラ、また機能や能力が高い数値計算ライブラリそれぞれの独自開発力を持っている。やはり、一度立ち止まって国策スパコンが本来目指すべき方向性について確認し、国際情勢を十分に考慮した戦略を練り直すべきだ。


 目指すべきは10年先の技術

 「歴史という名の法廷に立つ覚悟があるのか」と、
 プロジェクトの一時停止による国際競争力低下を
 懸念する意見もあった。

「歴史という名の法廷に立つ覚悟があるのか」とはあいまいな表現で、何を言いたいのか分からない。自分たちが正しくて、仕分け人に一方的な非があるとでも言うのだろうか。よりよい方向に向かって「一緒に頑張ろう」という意識の方が大事ではないのか。プロセッサの単体性能にもシステムの価格性能比にも劣るスパコンを、世界のどの国のどの研究所が欲しがるというのか。ましてや、そのスパコンを国内でも十分に使いこなせなかったときのことを想像してもらいたい。そのことによる富士通の国際的なブランド失墜とこの分野における日本の威信が失われてからでは遅いのだ。私は現状のままでは、国策スパコンは間違いなく立ち行かなくなると確信している。

 確かに、プロジェクトの遅れによる国際競争力低下は否めない。しかし、国策スパコンが目指すべきなのは、10~20年先にも存続する最先端技術の獲得と継承であり、人材の育成なのだ。挽回はできる。ただし、今の技術だけではそれを目指せないことは明らかで、米国でもそれを見据えた取り組みが始まっている。やはり、戦略性を持って最適な投資額を精査し、先の5項目をきちんと反映したプロジェクトに立ち返るべきだ。


 プログラムを書くことの重要性

 事業仕分けがあったため、スパコンに限らず
 様々な予算の見直しができたことへの評価は高い。

 直接の関係者ではあるが事業仕分けの取り組み自体は評価できる。しかし、スパコンが実は2012年の完成ではなく2011年の完成を目指していたことが後から明らかになり、そういう説明不足があったにもかかわらず、結局はそうした問題への追及もなく予算を決めてしまった政府対応への疑問は残る。国策スパコンをほかの大学の主要スパコンとネットワーク化するという改善策も、現場を知るわたしから見ると、現在、国内では200~400人程度の研究者しか本格的にスパコンを利用していないという実態が知られていないと思わざるを得ない。

 良くも悪くも、事業仕分けはスパコンの問題にかかわる様々な議論を生み出した。しかし、そのほとんどが本質的な議論や改善策につながらなかったことは残念だ。少なくとも、事業仕分けで指摘された問題点、今回の改善内容について、文科省はきちんと国民へ説明する義務を負っている。こうした義務が果たされなければ、何のための事業仕分けだったのかと思われても仕方がないだろう。

 わたしが計算科学の現場で、今なお自分でプログラムを書いているのは、そうあらなければスパコンのハードとソフトの両面で何が本当に必要であるかということが分からないためだ。自分でプログラムを書き、本当に国費を投じる必要があるものは何であるのかということを発言する人材が少ない、あるいは発言してもその声が届かないという現状は、非常に嘆かわしいことである。

 その背景には、最終的には「細部に神が宿る」という意識、そういう意識で手を動かす現場の研究者が評価されづらいという、日本の科学と技術への無理解が問題の根底にあるのかもしれない。いかに研究費を獲得するかということばかりに終始する研究者やそこに群がる人たちばかりが幅をきかしているのであれば、日本の科学と技術の未来は暗い。スパコン問題の本質は、単にスパコンだけの問題ではなく、日本の科学と技術の未来という、もっと高い次元で議論すべき問題でもあると考えている。


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2010/01/14(木) 16:41 | URL | 記名なし #-[ 編集]
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■ 円周率ケタ数で新記録、仏技術者が一般パソコンで 
   http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100112-OYT1T00439.htm?from=main3

 【パリ=林路郎】パリ在住のフランス人デジタルテレビ関連技術者が、円周率を2兆6999億9999万けたまで計算し、世界記録の更新を宣言した。

 筑波大学計算科学研究センターのスーパーコンピューターが昨年樹立した記録を塗り替えたことになる。

 ホームページで新記録を公表したのはファブリス・ベラールさん。筑波大のスパコンが昨年、73時間36分かけて樹立した世界記録は2兆5769億8037万けただったが、ベラールさんはこれを約1230億けた上回ったことになる。

 また、ベラールさんが計算に使ったのはスパコンではなく、価格2000ユーロ(約26万円)以下の普通のデスクトップ型パソコン。2進法による計算に103日、検算に13日をかけたという。
(2010年1月12日11時19分 読売新聞)



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■ 筑波大の円周率計算の記録破る 仏技術者が通常機器で 2010.1.11 産経
   http://sankei.jp.msn.com/science/science/100111/scn1001112106009-n1.htm

フランス公共ラジオによると、筑波大学計算科学研究センターが昨年8月、スーパーコンピューターで樹立した円周率の計算の世界記録が11日までに、パリ在住の情報処理技術者によって破られた。技術者は通常のコンピューターを使い筑波大の記録より約1230億けた多い、2兆7千億けた近くまで計算したと発表した。

 新記録を発表したのは、デジタルテレビ関連の仕事をしているファブリス・ベラールさん。通常のコンピューターに5個のハードディスクを増設し、主計算と検証計算を含め131日間かけて2兆6999億9999万けたまで計算した。

 ベラールさんは「筑波大の機器は、私のものより計算速度が2千倍近く速い」と認めた上で「これまでスーパーコンピューターが樹立してきた記録を2千ユーロ(約27万円)弱のコンピューターが破った点に意味がある」と語った。(共同)



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■ 2009.8.17 産経
筑波大が円周率計算で世界記録樹立 これまでの倍以上
   http://sankei.jp.msn.com/science/science/090817/scn0908171731001-n1.htm

筑波大(茨城県つくば市)は17日、同大計算科学研究センターのスーパーコンピューターが、円周率の計算で2兆5769億8037万桁(けた)の世界記録を樹立し、ギネスブックへ登録を申請したと発表した。これまでの世界記録は、東京大情報基盤センターなどが平成14年に達成した1兆2411億桁で、2倍以上の記録更新となった。

 今回の計算は、スーパーコンピューターの性能や信頼などの評価のため実施。昨年6月から運用を開始した「T2K筑波システム」という総演算性能95テラフロップス(毎秒95兆回演算)の超並列クラスタ型スーパーコンピューターを使用した。

 円周率は無理数として知られ、これまで正確な値を求める試みが続けられている。計算機による円周率計算は昭和24年に2037桁まで求めたのが最初で、48年には100万桁、平成元年には10億桁に達した。

 東大が記録した1兆2411億桁の計算にはスーパーコンピューターを用いて約600時間(検証時間含む)かかったが、筑波大の計算は73時間36分(同)と大幅に短縮された。

 同大では「今回の計算で一度も障害が発生しなかったことから『T2K筑波システム』の高い信頼性を検証することもできた」としている。 2009.8.17


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2010/01/14(木) 16:45 | URL | 記名なし #-[ 編集]
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■ 「国際競争力を失うきっかけになる」 スパコン凍結で研究者 2009.11.19 産経
   http://sankei.jp.msn.com/science/science/091119/scn0911190009000-n2.htm

次世代スーパーコンピューターの開発予算が政府の行政刷新会議の事業仕分けで「事実上の凍結」とされたことに対し、研究者などから「日本が国際競争力を失うきっかけになる」と危惧(きぐ)する声が高まっている。スパコン開発で得られる技術が世界の半導体産業を牽引(けんいん)することに加え、最先端の研究や技術開発にとっては、シミュレーションを行うスパコンの性能が成果に直結するからだ。

 ■現状は世界31位

 今月16日に発表された世界のスパコン性能ランキングによると、トップは米クレイ社のスパコンで、トップ10のうち8つを米が独占。中国は過去最高の5位、韓国も14位につけた。日本は地球規模の気候変動の解明などに利用されている「地球シミュレータ」(海洋開発研究機構)の31位が最高だった。

 日本は2004(平成16)年に地球シミュレータがトップから転落して以来、他国に追い抜かれ続けている。仕分けの対象になった開発中の次世代スパコンの性能は、現在の世界トップのスパコンの5・7倍となる10ペタフロップス(=毎秒1京回の計算が可能)が目標だった。ちなみに地球シミュレータは0・12ペタフロップス。


■「なければ負け」

 次世代スパコン開発計画にかかわった元総合科学技術会議議員の柘植綾夫芝浦工業大学長は「科学技術の国際競争で、スパコンは『持っていないと必ず負ける技術』だ」と指摘する。

 「生命科学でのゲノム解析でも、原子力など科学技術を社会に生かすイノベーションでも膨大な計算が必要。米国など他国から買おうとしても、国家の基幹技術であるスパコンは2番手の物しか売ってくれない」

 スパコンによる高度なシミュレーションは「実験」「理論」に続く「第3の科学」と呼ばれ、企業によるジェットエンジンの開発などでも大幅なコスト削減につながるという。

 ■日本は「首の皮一枚」

 文部科学省によると、世界のスパコンのトップ500台のうち富士通・NEC・日立の3社が占める割合は15年前は2割を超えたが、昨年11月には1・4%にまで低下。日本は主要国での半導体出荷額でも80年代は5割を超えトップだったが、05年には25%程度で米国に次ぎ2位だ。

 同省によると、米国のスパコン関連の政府予算は05年度の967億円から09年度の1600億円まで右肩上がり。中国でも最高性能の国産スパコン開発を国家戦略と位置づけている。

 「日本のスパコン技術は首の皮一枚でつながっている。それを太くするのが次世代スパコン開発だった」と文科省。柘植氏は「科学技術革新は、いったん投資をやめれば人材も技術も霧散し、再開がきかない」と警鐘を鳴らしている。(鵜野光博)




 ■スパコン開発の主な経過

1976 米クレイ社が250メガフロップスのスパコンを開発

1982 日立が630メガフロップスを達成、円周率計算で世界一

2002 NEC地球シミュレータが36テラフロップスで世界トップに

2004 地球シミュレータが3位に転落、IBMなど米2社に抜かれる

2009 米クレイ社が1759テラフロップスでトップ、地球シミュレータは122テラフロップスで31位

2012 (予定)
 日本の次世代スパコンが10ペタフロップス達成

※フロップスは1秒間の計算回数。
 メガは100万、テラは1兆、ペタは1000兆

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2010/01/14(木) 16:50 | URL | 記名なし #-[ 編集]
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■ NEC、独自スパコン開発継続へ 2010年1月28日 日経
 http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=ASDD270BJ%2027012010&landing=Next

 NECは独自方式のスーパーコンピューター開発を継続する方針を固めた。新たに独自のCPU(中央演算処理装置)を開発するための設計に着手した。NECは国の次世代スパコン開発事業から離脱。自社の独自方式の開発も撤退するとの見方が出ていたが、他のコンピューター技術への波及効果や、既に製品を納めた研究機関・企業への供給責任を考慮し、開発を継続する。

 NECが継続する独自方式のスパコンは「ベクトル型」といわれ専用のCPUを使う。汎用CPUを使う主流の「スカラー型」に比べ気象予測などの科学技術計算に強みを持つ一方、割高で需要は伸び悩んでいる。NECのスパコン事業は大部分を独自方式が占める。

[2010年1月28日/日本経済新聞 朝刊]


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2010/01/28(木) 09:37 | URL | スパコン #-[ 編集]
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■ スパコン計画変更、富士通が営業利益50億減へ 2010年1月29日 読売
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100129-OYT1T01079.htm

 富士通は29日、政府の「事業仕分け」で次世代スーパーコンピューターの開発計画が変更された影響で、2010年3月期連結決算で営業利益が50億円減少すると発表した。

 だが、営業利益の通期予想は、コスト削減を加速することで、09年10月予想の900億円を確保する方針だ。
               (2010年1月29日19時32分 読売新聞)




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2010/01/29(金) 23:37 | URL | スパコン #-[ 編集]
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■ 完成しても「世界一」逃す 次世代スパコン、事業仕分けで出遅れ 2010.2.3 産経
 http://sankei.jp.msn.com/science/science/100203/scn1002032351002-n1.htm
 
 政府の行政刷新会議による事業仕分けでいったん「事実上の凍結」とされながら、“復活”して予算がつけられることになった理化学研究所(埼玉県)の次世代スーパーコンピューター施設(神戸市中央区)の本格稼働が、予算削減騒動の影響で約半年遅れ、その間に米国のスパコンが完成するために「世界一」を逃す見通しであることが3日、関係者の話で分かった。

 事業仕分けの際、参加した国会議員の「世界一になる理由は何でしょうか」という質問がテレビなどで流れ、大きな騒動になったが、結局「世界一の処理速度を実現するのは難しい」(同研究所)形に終わりそうだ。

 同研究所によると、事業仕分けの影響を受けるのはシステム開発部門。現在米国にある世界最速コンピューターより50倍速い毎秒1京(1兆の1万倍)回の演算を行うシステムを開発し、世界最速の奪還を目指していたが、事業仕分けで40億円の予算削減が決定。このためハードウエアの導入時期が予定していた平成23年11月から半年遅れの24年6月になる。この間に、日本のスパコンの性能をしのぐ米国製が完成してしまう可能性が高いという。









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■ 次世代スパコン、収容施設がほぼ完成 2010年2月4日 読売
 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100204-OYT1T00225.htm

 理化学研究所が神戸・ポートアイランドで建設を進めている、次世代スーパーコンピューターを収容する施設がほぼ完成し3日、報道陣に公開された。

 2ヘクタールの敷地に地下1階、地上3階建ての計算機棟と6階建ての研究棟、スパコンの冷却装置を納める建屋が並ぶ。広さ2800平方メートル、天井まで通常の建物の2階分の高さがある計算機室は、今秋に予定されるスパコン受け入れのための仕上げを待っている。

 昨年11月、政府の「事業仕分け」で計画凍結とされながら、政府は一転して継続を決定。目標の計算速度毎秒1京(1兆の1万倍)回の「世界一」性能は無理とする報告書の存在が判明するなど、物議を醸した。

 理研は先月、京都大でスパコン開発の意義を説く集いを開くなど、イメージ一新に取り組んでおり、理研の渡辺貞・プロジェクトリーダーは「技術開発は世界一を目指すからこそ、意味がある」と胸を張っていた。
(2010年2月4日13時07分 読売新聞)






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2010/02/14(日) 20:46 | URL | スパコン #-[ 編集]
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